2 / 3
中編 ※注 無理やりシーンあり
しおりを挟む
自分の身体からは香油の甘い香りが漂い、王太子の寝室にも薫り高い香が焚かれている。
「エルさま、早く来ないかなぁ・・・」
薄く滑らかなネグリジェに包まれた自分の身体を見下ろして、頬が熱くなった。
「やっぱりわたしの初エッチの相手は王子様じゃなきゃね」
どう見ても不細工な同級生の男と付き合って良い気になっていた友人を思い出す。
所詮あの子にはああゆう男がふさわしいのよねー。
わたしには美形の王子さまがふさわしい。
思わずギューッと枕を抱き締めてしまう。
ずーっと顔が笑ってしまうのが止まらない。
「これが運命ってヤツよね‼」
「失礼します。ミア様」
ノックも無しに重い扉が開いた。
ようやくエルさまが来た! と思ったら・・・
「国王さま、それに神官さま、どうしてここに?」
「王太子と婚姻の儀を務められたミア様にお伝えしなくてはならないことがありまして」
でっぷり大きなお腹に頭が禿げた神官と、色黒で痩せた田舎のお爺ちゃんって感じの国王さま。
エルさまと全然似てないのは、歳取ってから先代聖女との間の子どもなんだって。
なにかヒミツの儀式でもあるの?さっさと出てって欲しいわ。今夜は初夜なんだから。
「かってこの国では、強い魔力を持つ魔術師や、勇者と呼ばれた猛き戦士が生まれました」
「はぁ、そうなんですね」
もったいぶって神官さまが言う。眠くなってきちゃうわよ。高校の数学の先生にそっくり。
「ところがある時から、そのような卓越した者は生まれなくなった。」
「はい」
だからわたしとエルさまの子どもに期待ってワケね。
わかってるから早く終わりにしてよ。
「当時の神官は神託を授かりました。異世界から強き血の者を召喚し、その者と子を生せ。と」
「はい」
「聖女とは、この国そのものと婚姻を交わすのです」
「はあ・・・」
「ミア様には王太子殿下に加えて、国王陛下、そして神の意を体現する私と床を共にして頂きます」
「は?」
いつのまにかベッドの前に侍女が二人立っている。聖女の護衛も兼ねた武術の達人だ。
がっしりと両腕を掴まれる。
そのままベッドに押さえつけられる。ウソだよね⁉
「冗談ですよね!?」
「聖女様は異世界から膨大な魔力と、優秀な子孫を運んできてくださる方。この王国はますます繁栄するでしょう」
「誰かたすけて! エル様ぁ!」
必死に足をバタバタさせる。でも体がうまく動かない。クラクラしてきた・・・
「エルフリードも承知の上の事。これが終わったら宰相と騎士団長の相手もして頂くぞ」
王様が服を脱ぎながら言った。
皺だらけだけどがっしりした上半身に鳥肌が立つ。
「いや! いやああああああああああ!」
「エルさま、早く来ないかなぁ・・・」
薄く滑らかなネグリジェに包まれた自分の身体を見下ろして、頬が熱くなった。
「やっぱりわたしの初エッチの相手は王子様じゃなきゃね」
どう見ても不細工な同級生の男と付き合って良い気になっていた友人を思い出す。
所詮あの子にはああゆう男がふさわしいのよねー。
わたしには美形の王子さまがふさわしい。
思わずギューッと枕を抱き締めてしまう。
ずーっと顔が笑ってしまうのが止まらない。
「これが運命ってヤツよね‼」
「失礼します。ミア様」
ノックも無しに重い扉が開いた。
ようやくエルさまが来た! と思ったら・・・
「国王さま、それに神官さま、どうしてここに?」
「王太子と婚姻の儀を務められたミア様にお伝えしなくてはならないことがありまして」
でっぷり大きなお腹に頭が禿げた神官と、色黒で痩せた田舎のお爺ちゃんって感じの国王さま。
エルさまと全然似てないのは、歳取ってから先代聖女との間の子どもなんだって。
なにかヒミツの儀式でもあるの?さっさと出てって欲しいわ。今夜は初夜なんだから。
「かってこの国では、強い魔力を持つ魔術師や、勇者と呼ばれた猛き戦士が生まれました」
「はぁ、そうなんですね」
もったいぶって神官さまが言う。眠くなってきちゃうわよ。高校の数学の先生にそっくり。
「ところがある時から、そのような卓越した者は生まれなくなった。」
「はい」
だからわたしとエルさまの子どもに期待ってワケね。
わかってるから早く終わりにしてよ。
「当時の神官は神託を授かりました。異世界から強き血の者を召喚し、その者と子を生せ。と」
「はい」
「聖女とは、この国そのものと婚姻を交わすのです」
「はあ・・・」
「ミア様には王太子殿下に加えて、国王陛下、そして神の意を体現する私と床を共にして頂きます」
「は?」
いつのまにかベッドの前に侍女が二人立っている。聖女の護衛も兼ねた武術の達人だ。
がっしりと両腕を掴まれる。
そのままベッドに押さえつけられる。ウソだよね⁉
「冗談ですよね!?」
「聖女様は異世界から膨大な魔力と、優秀な子孫を運んできてくださる方。この王国はますます繁栄するでしょう」
「誰かたすけて! エル様ぁ!」
必死に足をバタバタさせる。でも体がうまく動かない。クラクラしてきた・・・
「エルフリードも承知の上の事。これが終わったら宰相と騎士団長の相手もして頂くぞ」
王様が服を脱ぎながら言った。
皺だらけだけどがっしりした上半身に鳥肌が立つ。
「いや! いやああああああああああ!」
10
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
王子が元聖女と離縁したら城が傾いた。
七辻ゆゆ
ファンタジー
王子は庶民の聖女と結婚してやったが、関係はいつまで経っても清いまま。何度寝室に入り込もうとしても、強力な結界に阻まれた。
妻の務めを果たさない彼女にもはや我慢も限界。王子は愛する人を妻に差し替えるべく、元聖女の妻に離縁を言い渡した。
聖なる歌姫は喉を潰され、人間をやめてしまいました。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ロレーナに資格はない!」
「歌の下手なロレーナ!」
「怠け者ロレーナ!」
教会の定めた歌姫ロレーナは、王家の歌姫との勝負に負けてしまった。それもそのはず、聖なる歌姫の歌は精霊に捧げるもので、権力者を喜ばせるものではない。
聖女のはじめてのおつかい~ちょっとくらいなら国が滅んだりしないよね?~
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女メリルは7つ。加護の権化である聖女は、ほんとうは国を離れてはいけない。
「メリル、あんたももう7つなんだから、お使いのひとつやふたつ、できるようにならなきゃね」
と、聖女の力をあまり信じていない母親により、ひとりでお使いに出されることになってしまった。
【完結】「まずは……手前ぇよりも上位の存在に犯されて来い。話はそれからだ」
月白ヤトヒコ
ファンタジー
よその部署のヘルプという一仕事を終えて帰ろうとしたら、突然魔法陣が現れてどこぞの城へと『女神の化身』として召喚されたわたし。
すると、いきなり「お前が女神の化身か。まあまあの顔だな。お前をわたしの妻にしてやる。子を産ませてやることを光栄に思うがいい。今夜は初夜だ。この娘を磨き上げろ」とか傲慢な国王(顔は美形)に言われたので、城に火を付けて逃亡……したけど捕まった。
なにが不満だと聞かれたので、「まずは……手前ぇよりも上位の存在に犯されて来い。話はそれからだ」と言ってやりました。
誘拐召喚に怒ってないワケねぇだろっ!?
さあ、手前ぇが体験してみろ!
※タイトルがアレでBLタグは一応付けていますが、ギャグみたいなものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる