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1学期編 ~中間試験~
第30話
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「ルールは基本通りでいいな?」
「細かいところはできれば見逃してほしいですね。」
「わかった。」
そう言って俺たちはサーブの順番を決めるためにじゃんけんをした。
会長はチョキを、俺はパーを出した。
「俺からサーブをさせてもらおう。」
「わかりました。」
会長のサーブで試合を開始して、審判には影山先輩と正悟がついてどちらかに有利な判定を下すことがないようにした。
俺と会長の試合は周囲の人も注目していた。
特にその視線は俺に向けられていることが分かった。
おそらく、会長は学園では有名で、その会長に挑む無謀な1年とでも思われているのだろう。
「いくぞ。」
会長の掛け声とともに試合が始まった。
俺はラケットを構えて会長のサーブに備えた。
会長はサーブを打つために球を高く上げてサーブを打った。
俺はその球の軌道をよく見て打ったが、回転が思いのほかかかっていたので俺が打ち返した球は台から外れて落ちていった。
「どうした?これも返せないのか?」
「初心者なので。」
「そうか。だが手加減はしない。」
会長の2球目のサーブもほとんど同じ軌道で放たれた。
(先ほどの回転からすると、下手に打っても打ち上げてしまう。それなら。)
俺は打たれたのが同じサーブだったため、同じミスは2度しないように考えていたので会長がかけてきた回転と逆回転をかけることを意識して打ち返した。
また、ラケットの面も抑え気味にすることで打球が上に上がりすぎないようにもした。
俺が1球で対処をしていたことに外野が驚いていたが、会長は驚くこともなく俺が返球した球をドライブ気味に返してきた。
俺は来た打球に対して会長と同じようにドライブ回転をかけて返した。
そこからはお互いに打って打ち返すラリーの応酬だった。
続いていくラリーで球はどんどんと速くなり、回転もかかっていき、ネットにかからないように低く、それでいて、台からオーバーもしないように高すぎないように打ち合いを続けた。
先にどちらが動くか、どちらがしびれを切らして動いてしまうのか、ここでドライブの勝負を避けるという選択肢はお互いになかったようだった。
そして、先に仕掛けたのは俺の方だった。
正しく言うならば、偶然仕掛けることができたともいえるだろう。
俺は台のギリギリを狙う動きをしていたが、俺の打った球はネットに当たりそのまま台の淵にあたり落ちていったのだ。
会長もそれには一歩出遅れて動いたので球は大きく打ちあがってしまい、俺は会長の反対側にスマッシュを叩きこみ1対1になった。
「これで同点ですね。」
「そうだな。狙っていたのか?」
「いえ、狙いは違うところにあったので偶然ですね。」
「そうか。」
会長も俺の狙いには気づいていたようでそちらに対処しようという動きをしていたようで、ネットにあたったのは、俺が戦略を変えたのではないかと思ったようだ。
「次はそちらのサーブだ。」
「ありがとうございます。」
俺は会長から球を受け取ると、サーブをどうするか考えた。
実際に観たことがあるプレイを真似ることはできても自分のものに昇華するまでには何回か実際に試して感覚をつかむ必要があった。
(仕方ない、賭けに出るか…。)
生半可なサーブではチャンスボールになってしまいかねないと思い俺はちょっとした賭けに出た。
俺は球を高く上げて、会長と同じようなモーションでサーブを打った。
しかし、狙ったところはネットに当てて入れることだった。
そして、狙い通り俺の球はネットにあった。
「ネットに当たったからやり直しだ。」
会長はそう言って俺に球を返してきた。
「すみません。」
俺はそう言って再度ネットを狙いながらサーブを打った。
数回繰り返すことで俺はサーブの感覚が掴めたが、会長も俺がサーブを練習していることを悟ったようだ。
さすがに何度もわざと繰り返すのも相手に失礼だと思い、
「すみません、そろそろ本番行かせてもらいます。」
「ようやくか。待たせた意味があったかどうか確かめてやろう。」
会長はそう言って、俺のサーブに備えた。
そして、俺は、ほぼ会長が打ったのと同じサーブを打った。
保母というのは全く同じのは無理なうえに、同じであれば対策もしやすいと思い、俺は回転を逆にかけられるようにしたのだ。
似たモーションから放たれる逆回転であれば1球程度ならごまかしも聞くと、そう判断をしてのサーブだった。
会長もこれまで見ていたのは自分の見様見真似のものだったので難なく返せると思っていたが、逆回転が来るとは思っていなかったようで球を打ち上げてしまった。
俺はチャンスボールと思い、スマッシュを叩きこんだが、会長はそれすらも上げてしまった。
そこからはスマッシュを打つ俺と、それをわざと上げて返す会長の勝負なった。
一見すると返す方が大変に見えるかもしれないがスマッシュを打つ俺の方がモーションも大きく、体力的にはこちらの方が大変だった。
返す方は打たれていることによる精神的疲労が大きそうだった。
再び膠着した試合展開になったが、今回は先ほどよりもラリーは続かなかった。
お互いに徐々に台から離れて打っていたことも原因だったのかもしれなかった。
会長の返した球がネットに当たりかなり手前に落ちたのだ。
俺はギリギリマニアyことができて2バウンドする前に打ち返せたが、ネットに当てて相手の台に落ち、会長もギリギリ間に合ってラリーが続くかと思ったが、打った球はネットに当たりそのまま俺の台に来ることはなかった。
2対1となったが1点のリードはあってないようなものだった。
俺は再びサーブを打つために球を受け取った。
「このまま11点マッチでやると長引きそうだ。6点マッチでも構わないか?」
「それでいいですよ。周囲の人も俺たちの試合が気になっているでしょうし長引かせるのは申し訳ないですからね。」
俺たちはマッチ点数を下げ、試合を続けることにした。
「では、いきますよ。」
俺は先ほどとは違って回転をかけることよりも速度を意識したサーブを打った。
ただ速いだけで回転が弱いものだったので会長は一瞬硬直したがすぐに反応して返すことができていた。
こちらの球は速攻を仕掛けたので当てただけでも十分に返せるだけの勢いがあったのだ。
俺はその球に上回転をかけて返したが、それに対して会長は、今度は上回転で押収してくるのではなく下回転を強くかけて返してきた。
そこから互いの回転の掛け合いが始まった。
回転の掛け合いは続いたが、そこまで長く続くことはなかった。
会長は経験者で俺は初心者だというのが諸に出たのだ。
ここまでのプレイは見様見真似のもので俺は徐々に慣れていったが、逆回転への対応はうまくできず、わざと甘くかけてきた回転に上回転を強くかけて返してしまったのでそのままネットに当たり相手の台へ返らなかった。
(さすがに経験者との駆け引きはできないな…。奇策をぶつけて勝つのもいいが、真っ向勝負でこの人を破った方が面白そうだ。)
俺は徐々に勝負ということで頭がさえてきて集中状態に入っていた。
今回は蒼雪自身に必要な条件を満たしていなかったので闘争本能による衝動にかられきっていなかったが、普段の状態よりも自身への制限がない状態で動くことができるようになっていた。
会長も俺の雰囲気が変わったことを察知して、褌を締め直すかのように不敵に笑い深呼吸をしていた。
正悟は俺の変化を察知してこちらを見てきていたが、俺と目が合うとどこか安心した様子でもあった。
おそらく彼の知る俺の戦闘モードとはまた違うと分かったからだろう。
「ようやく本気を出すか。」
「ああ、ここからは真っ向勝負で打ち勝ちたいと思ったんだ。」
「そうか。」
俺の変化は会長と近くに居た2人しかわかっていなかったが、俺たちの会話を聞こえていたのか観客たちは少しざわついていた。
ここからまた激しい試合が始まった。
「細かいところはできれば見逃してほしいですね。」
「わかった。」
そう言って俺たちはサーブの順番を決めるためにじゃんけんをした。
会長はチョキを、俺はパーを出した。
「俺からサーブをさせてもらおう。」
「わかりました。」
会長のサーブで試合を開始して、審判には影山先輩と正悟がついてどちらかに有利な判定を下すことがないようにした。
俺と会長の試合は周囲の人も注目していた。
特にその視線は俺に向けられていることが分かった。
おそらく、会長は学園では有名で、その会長に挑む無謀な1年とでも思われているのだろう。
「いくぞ。」
会長の掛け声とともに試合が始まった。
俺はラケットを構えて会長のサーブに備えた。
会長はサーブを打つために球を高く上げてサーブを打った。
俺はその球の軌道をよく見て打ったが、回転が思いのほかかかっていたので俺が打ち返した球は台から外れて落ちていった。
「どうした?これも返せないのか?」
「初心者なので。」
「そうか。だが手加減はしない。」
会長の2球目のサーブもほとんど同じ軌道で放たれた。
(先ほどの回転からすると、下手に打っても打ち上げてしまう。それなら。)
俺は打たれたのが同じサーブだったため、同じミスは2度しないように考えていたので会長がかけてきた回転と逆回転をかけることを意識して打ち返した。
また、ラケットの面も抑え気味にすることで打球が上に上がりすぎないようにもした。
俺が1球で対処をしていたことに外野が驚いていたが、会長は驚くこともなく俺が返球した球をドライブ気味に返してきた。
俺は来た打球に対して会長と同じようにドライブ回転をかけて返した。
そこからはお互いに打って打ち返すラリーの応酬だった。
続いていくラリーで球はどんどんと速くなり、回転もかかっていき、ネットにかからないように低く、それでいて、台からオーバーもしないように高すぎないように打ち合いを続けた。
先にどちらが動くか、どちらがしびれを切らして動いてしまうのか、ここでドライブの勝負を避けるという選択肢はお互いになかったようだった。
そして、先に仕掛けたのは俺の方だった。
正しく言うならば、偶然仕掛けることができたともいえるだろう。
俺は台のギリギリを狙う動きをしていたが、俺の打った球はネットに当たりそのまま台の淵にあたり落ちていったのだ。
会長もそれには一歩出遅れて動いたので球は大きく打ちあがってしまい、俺は会長の反対側にスマッシュを叩きこみ1対1になった。
「これで同点ですね。」
「そうだな。狙っていたのか?」
「いえ、狙いは違うところにあったので偶然ですね。」
「そうか。」
会長も俺の狙いには気づいていたようでそちらに対処しようという動きをしていたようで、ネットにあたったのは、俺が戦略を変えたのではないかと思ったようだ。
「次はそちらのサーブだ。」
「ありがとうございます。」
俺は会長から球を受け取ると、サーブをどうするか考えた。
実際に観たことがあるプレイを真似ることはできても自分のものに昇華するまでには何回か実際に試して感覚をつかむ必要があった。
(仕方ない、賭けに出るか…。)
生半可なサーブではチャンスボールになってしまいかねないと思い俺はちょっとした賭けに出た。
俺は球を高く上げて、会長と同じようなモーションでサーブを打った。
しかし、狙ったところはネットに当てて入れることだった。
そして、狙い通り俺の球はネットにあった。
「ネットに当たったからやり直しだ。」
会長はそう言って俺に球を返してきた。
「すみません。」
俺はそう言って再度ネットを狙いながらサーブを打った。
数回繰り返すことで俺はサーブの感覚が掴めたが、会長も俺がサーブを練習していることを悟ったようだ。
さすがに何度もわざと繰り返すのも相手に失礼だと思い、
「すみません、そろそろ本番行かせてもらいます。」
「ようやくか。待たせた意味があったかどうか確かめてやろう。」
会長はそう言って、俺のサーブに備えた。
そして、俺は、ほぼ会長が打ったのと同じサーブを打った。
保母というのは全く同じのは無理なうえに、同じであれば対策もしやすいと思い、俺は回転を逆にかけられるようにしたのだ。
似たモーションから放たれる逆回転であれば1球程度ならごまかしも聞くと、そう判断をしてのサーブだった。
会長もこれまで見ていたのは自分の見様見真似のものだったので難なく返せると思っていたが、逆回転が来るとは思っていなかったようで球を打ち上げてしまった。
俺はチャンスボールと思い、スマッシュを叩きこんだが、会長はそれすらも上げてしまった。
そこからはスマッシュを打つ俺と、それをわざと上げて返す会長の勝負なった。
一見すると返す方が大変に見えるかもしれないがスマッシュを打つ俺の方がモーションも大きく、体力的にはこちらの方が大変だった。
返す方は打たれていることによる精神的疲労が大きそうだった。
再び膠着した試合展開になったが、今回は先ほどよりもラリーは続かなかった。
お互いに徐々に台から離れて打っていたことも原因だったのかもしれなかった。
会長の返した球がネットに当たりかなり手前に落ちたのだ。
俺はギリギリマニアyことができて2バウンドする前に打ち返せたが、ネットに当てて相手の台に落ち、会長もギリギリ間に合ってラリーが続くかと思ったが、打った球はネットに当たりそのまま俺の台に来ることはなかった。
2対1となったが1点のリードはあってないようなものだった。
俺は再びサーブを打つために球を受け取った。
「このまま11点マッチでやると長引きそうだ。6点マッチでも構わないか?」
「それでいいですよ。周囲の人も俺たちの試合が気になっているでしょうし長引かせるのは申し訳ないですからね。」
俺たちはマッチ点数を下げ、試合を続けることにした。
「では、いきますよ。」
俺は先ほどとは違って回転をかけることよりも速度を意識したサーブを打った。
ただ速いだけで回転が弱いものだったので会長は一瞬硬直したがすぐに反応して返すことができていた。
こちらの球は速攻を仕掛けたので当てただけでも十分に返せるだけの勢いがあったのだ。
俺はその球に上回転をかけて返したが、それに対して会長は、今度は上回転で押収してくるのではなく下回転を強くかけて返してきた。
そこから互いの回転の掛け合いが始まった。
回転の掛け合いは続いたが、そこまで長く続くことはなかった。
会長は経験者で俺は初心者だというのが諸に出たのだ。
ここまでのプレイは見様見真似のもので俺は徐々に慣れていったが、逆回転への対応はうまくできず、わざと甘くかけてきた回転に上回転を強くかけて返してしまったのでそのままネットに当たり相手の台へ返らなかった。
(さすがに経験者との駆け引きはできないな…。奇策をぶつけて勝つのもいいが、真っ向勝負でこの人を破った方が面白そうだ。)
俺は徐々に勝負ということで頭がさえてきて集中状態に入っていた。
今回は蒼雪自身に必要な条件を満たしていなかったので闘争本能による衝動にかられきっていなかったが、普段の状態よりも自身への制限がない状態で動くことができるようになっていた。
会長も俺の雰囲気が変わったことを察知して、褌を締め直すかのように不敵に笑い深呼吸をしていた。
正悟は俺の変化を察知してこちらを見てきていたが、俺と目が合うとどこか安心した様子でもあった。
おそらく彼の知る俺の戦闘モードとはまた違うと分かったからだろう。
「ようやく本気を出すか。」
「ああ、ここからは真っ向勝負で打ち勝ちたいと思ったんだ。」
「そうか。」
俺の変化は会長と近くに居た2人しかわかっていなかったが、俺たちの会話を聞こえていたのか観客たちは少しざわついていた。
ここからまた激しい試合が始まった。
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