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1学期編 ~中間試験~
第10話
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俺たちはフードコートで話しを続けていると、時刻は21時近くなり夜も遅くなっていたのであまり遅くなってはいけないと思い解散することにした。
フードコートを出てからバス停に向かう間に瑞希は今日のことについて感謝を告げてきた。
「今日はありがとうね!男の子と2人で出かけるのは初めてだったけど蒼雪君が相手で良かったよ。」
「初めてだったのか?」
「うん。何人かで遊びに行くのに男の子が混じってってことはあっても2人きりってことはなかったよ。」
「意外だな。てっきり瑞希のことだから過去にそう言うことくらいあったと思ったんだがな。」
「あはは、そう見えたんだ。ちょっと昔色々あってね。複数人じゃないと落ち着かなくて。」
「そうか。深くは聞かないが、俺は平気だったのか?」
「うん。蒼雪君は特別かな?(過去に会ったことはやっぱり覚えてないか…。)」
「うん?よくわからないが、大丈夫ならいいが無理はするなよ。」
「ありがとう。」
途中で俺は小声で聞き取れないところはあったが、特に大事なことではなかったのだろうと思いそのまま会話を終えた。
バス停に着き、バスが来るのを待っている間に俺は、女子寮の近くまで送っていくか聞いたが、「さすがにそれは悪いよ。」と遠慮をされた。
しかし、以前のようなこともあり、この学園が完全に安全であるとは言い切れず、遅い時間に1人で帰して問題が起こっては悪いと思い結局女子寮まで送っていくと強引に説得した。
それから数分待っていると、バスが来た。
さすがにこの時間では乗ってこちらに来る人はいなかったので、直ぐに乗車したが、俺たち以外に乗ってくる人はいなかった。
バスの中では、俺たちはほとんど話すことなく座っていた。
それからバスは順調に進み、途中で止まることもなく俺たちが借りている家から数個のバス停を過ぎ、女子寮に近いバス停に着いた。
「わざわざ送ってくれてありがとう。」
「気にするな、俺がそうした方がいいと思っただけだ。」
「蒼雪君って、案外世話焼きなのかな?それとも心配性?」
「さぁな。」
瑞希は俺にからかうように言ってきたが、俺はそんなことは自分ではわからないので適当に流した。
バス停から女子寮は数分だったので、少し歩いたところで彼女を見送ることにした。
以前、正悟と一緒に千春と舞依を送ったときに視線が集まっていたことを踏まえると、もしこの場を他の人に見られてしまうと変な噂が立ってしまう可能性もあったからだ。
特に、今は瑞希は男子に言い寄られている状況で、他の女子と相棒を組んでいる男子と一緒にいたとなるとどんなことが噂になるかわからない。
「じゃあ、今日は本当にありがとうね!相談に乗ってもらえて助かったよ。蒼雪君の意見も参考にしてちゃんと解決してくるね。」
「ああ。また何かあったら言ってくれ。可能な範囲で協力する。」
「蒼雪君も私に相談していいんだからね?それに、思い出させるのもアレだけど、有栖院さんだっけ?彼女のこともあるし無理しないでね。」
「ああ、わかっている。じゃあ、また。」
「うん、おやすみ~、またね。」
俺は女子寮に近づいて女子寮の寮長に誤解されるのも面倒なので、その場から女子寮を離れながら瑞希が寮に入るまで見送り、そのまま歩いて帰宅することにした。
家までの道中は電灯の明るさと月の明るさでそこまで暗いということはなかった。
また、この時間であるため外出をしている生徒はいなかった。
歩いて帰宅するころには22時近くになっており、家の電気もついていたので千春も帰っているようだった。
(思ったよりも長い外出時間になったな。千春は大丈夫だろうか?)
俺は玄関の鍵を開けて中へと入った。
鍵は一応俺たち2人が別々に外出していてもいいように複製してあった。
「おかえりなさい。」
「ただいま。遅くなってすまなかった。」
「いいえ、大丈夫よ。今朝はごめんなさい。あれからいろいろと…。」
「話は聞くからまずはリビングへ行かないか?玄関で立ち話をすよりはそちらがよくないか?」
「え、ええ。そうね。」
玄関の鍵を開けると、千春が出迎えてくれたが、その場で話し込んでしまいそうな雰囲気だったので、一度話を遮りリビングで話すように促した。
俺はリビングに行く前に手洗いうがいを済ませたが、その間に千春は俺の分のコーヒーと自分の分の紅茶を用意していた。
「はい、これ。」
「ありがとう。」
お互いに一口飲んでから、千春は口を開いた。
「先程の続きなのだけれど、今朝はあなたにあたってしまって申し訳なかったわ、ごめんなさい。あなたが誰といようが自由で私に拘束する権利なんてないのに。」
「千春の感情を考えればいい気分でなかったのは確かだ。だからそこまで気にしなくていい。」
「いえ、こういうことはちゃんと謝っておいた方がいいと思ったの。それに先輩にも怒られてしまったわ。相棒である私はあなたのことを信じて自分に自信を持っていないと、あなたに対して失礼だって。」
「先輩?」
「ええ。戸塚 莉桜先輩よ。モヤモヤして気分が晴れなくて気分転換のために外へ行ったの。そこで先に相棒を組んでいる先輩から話を聞きたいと思ってお昼を食べに行くのに合わせて相談へ行ったのよ。」
「そういうことか。それで先程の話につながるのか。」
「ええ。他の話はまたいつか機会があればするわ。面白い話がいくつか聞けたわ。それで、そちらはどうだったのかしら?」
「そうだな…。」
俺はどこまで話していいかわからないが、簡潔に今日あったことを話した。
・黒宮の個人的な問題を波風立てずに解決するにはどうすればいいのか
・食後に店を見て回ったこと
・俺の過去を知る人物と会って頭痛が引き起こされたこと
・ゲームセンターに行き、その後夕飯を食べたこと
まとめるとこれぐらいだった。
さすがに相談の内容は秘密にした方がいいと思いぼかして伝えたが、千春が食いついてきたのはやはり俺の過去を知る人物と会ったことだ。
「あなたの過去を知る人物ですって…?それで頭痛が引き起こされるなんてあなたの過去にいったい何が…?」
「その話は長くなるからまた今度にしよう。それに、俺の記憶が完全ではないようだからな。説明されても理解できないところがあるだろう。」
「わかったわ。今はもう頭痛は大丈夫なのかしら?」
「さすがに今は大丈夫だ。次にまたあの女と会ったときも大丈夫かはわからないがな。」
「そうね、でも同じ学年のようだし会わないということはできないわね。それに向こうはあなたとの何らかの約束を待ち望んでいるらしいわね。」
「そのようだが、全く思い出せないんだ。」
「いつか思い出せるといいわね。」
「そうだな。じっくり思い出すさ。」
俺たちはそこで会話を終えると、互いの飲み物もなくなった。
「もう時間も遅いわ、早くお風呂に入って休んだらどうかしら?」
「そうさせてもらおうか。」
「私はもう入ったから先に休むわ。おやすみなさい。」
「おやすみ。」
俺は千春から紅茶のカップを受け取り、彼女は2階へと上がっていった。
俺は受け取ったカップと自分のカップを洗ってから風呂に入った。
風呂では今日あったことについて思考を巡らせていた。
(俺は有栖院 橙香という人物を知っている。彼女の口ぶりからあの施設にいた人物の一人なのだろう。俺以外に何人の人物があそこにいた?俺は奴らが理想とする完璧な人物となるために実験された。俺は失敗作として、しかし、成功例として扱われた。俺の中に残された者は矛盾するものだけだった。そもそも俺は何を持っていた?残されたのではなくそれしか知らなかったのではないか?わからない…。)
俺は過去に記憶を遡らせても思い出せるのは自分を構成する記憶の一部についてだけだった。
湯船に浸かりながら考えていたため、のぼせそうになってしまったのでその後はすぐに上がった。
彼女の声を呼び水に何か思い出せそうであったが、今ではそれが何であったか思い出せなかった。
これ以上は考えても無駄だと思い、寝る前にもう一度顔を洗い自分の部屋へと戻りそのまま眠ることにした。
フードコートを出てからバス停に向かう間に瑞希は今日のことについて感謝を告げてきた。
「今日はありがとうね!男の子と2人で出かけるのは初めてだったけど蒼雪君が相手で良かったよ。」
「初めてだったのか?」
「うん。何人かで遊びに行くのに男の子が混じってってことはあっても2人きりってことはなかったよ。」
「意外だな。てっきり瑞希のことだから過去にそう言うことくらいあったと思ったんだがな。」
「あはは、そう見えたんだ。ちょっと昔色々あってね。複数人じゃないと落ち着かなくて。」
「そうか。深くは聞かないが、俺は平気だったのか?」
「うん。蒼雪君は特別かな?(過去に会ったことはやっぱり覚えてないか…。)」
「うん?よくわからないが、大丈夫ならいいが無理はするなよ。」
「ありがとう。」
途中で俺は小声で聞き取れないところはあったが、特に大事なことではなかったのだろうと思いそのまま会話を終えた。
バス停に着き、バスが来るのを待っている間に俺は、女子寮の近くまで送っていくか聞いたが、「さすがにそれは悪いよ。」と遠慮をされた。
しかし、以前のようなこともあり、この学園が完全に安全であるとは言い切れず、遅い時間に1人で帰して問題が起こっては悪いと思い結局女子寮まで送っていくと強引に説得した。
それから数分待っていると、バスが来た。
さすがにこの時間では乗ってこちらに来る人はいなかったので、直ぐに乗車したが、俺たち以外に乗ってくる人はいなかった。
バスの中では、俺たちはほとんど話すことなく座っていた。
それからバスは順調に進み、途中で止まることもなく俺たちが借りている家から数個のバス停を過ぎ、女子寮に近いバス停に着いた。
「わざわざ送ってくれてありがとう。」
「気にするな、俺がそうした方がいいと思っただけだ。」
「蒼雪君って、案外世話焼きなのかな?それとも心配性?」
「さぁな。」
瑞希は俺にからかうように言ってきたが、俺はそんなことは自分ではわからないので適当に流した。
バス停から女子寮は数分だったので、少し歩いたところで彼女を見送ることにした。
以前、正悟と一緒に千春と舞依を送ったときに視線が集まっていたことを踏まえると、もしこの場を他の人に見られてしまうと変な噂が立ってしまう可能性もあったからだ。
特に、今は瑞希は男子に言い寄られている状況で、他の女子と相棒を組んでいる男子と一緒にいたとなるとどんなことが噂になるかわからない。
「じゃあ、今日は本当にありがとうね!相談に乗ってもらえて助かったよ。蒼雪君の意見も参考にしてちゃんと解決してくるね。」
「ああ。また何かあったら言ってくれ。可能な範囲で協力する。」
「蒼雪君も私に相談していいんだからね?それに、思い出させるのもアレだけど、有栖院さんだっけ?彼女のこともあるし無理しないでね。」
「ああ、わかっている。じゃあ、また。」
「うん、おやすみ~、またね。」
俺は女子寮に近づいて女子寮の寮長に誤解されるのも面倒なので、その場から女子寮を離れながら瑞希が寮に入るまで見送り、そのまま歩いて帰宅することにした。
家までの道中は電灯の明るさと月の明るさでそこまで暗いということはなかった。
また、この時間であるため外出をしている生徒はいなかった。
歩いて帰宅するころには22時近くになっており、家の電気もついていたので千春も帰っているようだった。
(思ったよりも長い外出時間になったな。千春は大丈夫だろうか?)
俺は玄関の鍵を開けて中へと入った。
鍵は一応俺たち2人が別々に外出していてもいいように複製してあった。
「おかえりなさい。」
「ただいま。遅くなってすまなかった。」
「いいえ、大丈夫よ。今朝はごめんなさい。あれからいろいろと…。」
「話は聞くからまずはリビングへ行かないか?玄関で立ち話をすよりはそちらがよくないか?」
「え、ええ。そうね。」
玄関の鍵を開けると、千春が出迎えてくれたが、その場で話し込んでしまいそうな雰囲気だったので、一度話を遮りリビングで話すように促した。
俺はリビングに行く前に手洗いうがいを済ませたが、その間に千春は俺の分のコーヒーと自分の分の紅茶を用意していた。
「はい、これ。」
「ありがとう。」
お互いに一口飲んでから、千春は口を開いた。
「先程の続きなのだけれど、今朝はあなたにあたってしまって申し訳なかったわ、ごめんなさい。あなたが誰といようが自由で私に拘束する権利なんてないのに。」
「千春の感情を考えればいい気分でなかったのは確かだ。だからそこまで気にしなくていい。」
「いえ、こういうことはちゃんと謝っておいた方がいいと思ったの。それに先輩にも怒られてしまったわ。相棒である私はあなたのことを信じて自分に自信を持っていないと、あなたに対して失礼だって。」
「先輩?」
「ええ。戸塚 莉桜先輩よ。モヤモヤして気分が晴れなくて気分転換のために外へ行ったの。そこで先に相棒を組んでいる先輩から話を聞きたいと思ってお昼を食べに行くのに合わせて相談へ行ったのよ。」
「そういうことか。それで先程の話につながるのか。」
「ええ。他の話はまたいつか機会があればするわ。面白い話がいくつか聞けたわ。それで、そちらはどうだったのかしら?」
「そうだな…。」
俺はどこまで話していいかわからないが、簡潔に今日あったことを話した。
・黒宮の個人的な問題を波風立てずに解決するにはどうすればいいのか
・食後に店を見て回ったこと
・俺の過去を知る人物と会って頭痛が引き起こされたこと
・ゲームセンターに行き、その後夕飯を食べたこと
まとめるとこれぐらいだった。
さすがに相談の内容は秘密にした方がいいと思いぼかして伝えたが、千春が食いついてきたのはやはり俺の過去を知る人物と会ったことだ。
「あなたの過去を知る人物ですって…?それで頭痛が引き起こされるなんてあなたの過去にいったい何が…?」
「その話は長くなるからまた今度にしよう。それに、俺の記憶が完全ではないようだからな。説明されても理解できないところがあるだろう。」
「わかったわ。今はもう頭痛は大丈夫なのかしら?」
「さすがに今は大丈夫だ。次にまたあの女と会ったときも大丈夫かはわからないがな。」
「そうね、でも同じ学年のようだし会わないということはできないわね。それに向こうはあなたとの何らかの約束を待ち望んでいるらしいわね。」
「そのようだが、全く思い出せないんだ。」
「いつか思い出せるといいわね。」
「そうだな。じっくり思い出すさ。」
俺たちはそこで会話を終えると、互いの飲み物もなくなった。
「もう時間も遅いわ、早くお風呂に入って休んだらどうかしら?」
「そうさせてもらおうか。」
「私はもう入ったから先に休むわ。おやすみなさい。」
「おやすみ。」
俺は千春から紅茶のカップを受け取り、彼女は2階へと上がっていった。
俺は受け取ったカップと自分のカップを洗ってから風呂に入った。
風呂では今日あったことについて思考を巡らせていた。
(俺は有栖院 橙香という人物を知っている。彼女の口ぶりからあの施設にいた人物の一人なのだろう。俺以外に何人の人物があそこにいた?俺は奴らが理想とする完璧な人物となるために実験された。俺は失敗作として、しかし、成功例として扱われた。俺の中に残された者は矛盾するものだけだった。そもそも俺は何を持っていた?残されたのではなくそれしか知らなかったのではないか?わからない…。)
俺は過去に記憶を遡らせても思い出せるのは自分を構成する記憶の一部についてだけだった。
湯船に浸かりながら考えていたため、のぼせそうになってしまったのでその後はすぐに上がった。
彼女の声を呼び水に何か思い出せそうであったが、今ではそれが何であったか思い出せなかった。
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