12 / 162
入学編 ~特別試験~
第11話
しおりを挟む
俺たちは、図書館を出ると教科棟を目指した。この学園では、教科棟、語学棟語学棟、本館に分かれており、科目によってどこの教室で授業を行うか指定されている。日によっては、教室はホームルームや昼食の時間しかいないということも大いにあり得る。なぜそんなことになっているか、というとこれは単純に教師の問題らしい。それなりの人数の教員はいるがこの島に来ることができる教師が多いわけではなく、複数の科目を担当している人が多い。それにより教師が時間割ごとに移動している方がかえって時間もかかるため、教師の研究室が近いところで授業を行えるように配慮した結果こうなったらしい。
外はまだ暗いが、教科棟から出るころには明るくなり始めていそうだと思った。教科棟の入口から入り、適当なところで靴を脱いでから俺たちは探索をすることにした。
「さて、行くか。」
「おう!けど、もうこんな時間なんだな。時間内にはスタンプは集まりそうだが結構大変だったよな。まだ集め終わったわけじゃないんだけどさ。」
正悟はここまでを振り返ったのか急に懐古的な雰囲気を出してきた。
「まだ入学式から一夜が明けただけだ。むしろこれからじゃないか?」
「…確かにそうだな。」
正悟は自分の両頬を叩いて気合を入れなおして、
「よし、やってやろーじゃねぇか!」
そんなことを話しながら移動をしていると、俺たちは教科棟に着いた。
「そういえば、生物講義室は何階だ?」
「さぁ。俺も知らないな。」
「そうなのか?じゃあしらみつぶしに探すか~。」
「さすがにそれは効率的ではないな。普通は各階にフロア地図があるだろうからそれを探せばいいさ。」
「そうだな。じゃあ地図を探すか、そういうのは大抵階段付近にあるのが相場ってもんさ!」
そう言って俺たちは教科棟の中に入り階段を探すことにした。
教科棟の中は暗く、俺たち以外には誰もいなさそうだった。少しの間二人で廊下を歩いていると階段は建物の端にあった。確認はしていないがおそらく両端にあるのだろう。この配置で片方の端にしかなかったら移動がしにくいし、緊急時の避難経路として移動が不便な点で問題になってしまうだろう。教科棟は本館と二階と四階の渡廊下によって繋がっている。教科棟は五階建てになっていて、俺たちが探している生物講義室は一階の反対の位置にあることが分かった。俺たちは教室の位置を確認し終えると反対側に向かって歩き出した。
「まさか反対側にあるとは。」
「これは運がなかったな~。まぁこんなこともあるさ!早く押しに行こうぜ。」
生物講義室には鍵もかかっておらず開いていた。ただ、中に入ると少し驚いてしまうような状態だった。やはり勝手に中にあるものを触ってほしくはなかったのだろう、いろいろな資料が飾られている教室の後ろにある棚には“触るな!”と書かれた張り紙が貼ってあったり、教室の端の実験道具があると思われるような場所は黒い布で覆われていてその上に同じ張り紙があった。実験道具があると思われると考えたのは中を確認する術はないが、顕微鏡やその類の道具がこの部屋に置いてないということはないだろう、という推測からだった。もしかしたら理科系の部屋はどこも同じ状態になっているのかもしれないな。器具を他の立ち入り禁止部屋に移動させることができないため止むを得ずとった緊急措置のつもりなのかもしれない。そんなことを考えながら教室を見渡したがスタンプは見つからなかった。
「おかしいな~、見つからないぞ?本当にこの教室だよな?」
「おそらくそのはずだ。それに白崎はここにあったと言っていただろ?」
「まさかあいつが隠したとかないよな?」
「それはないだろう。第一そんなことをする道理もないしそんな性格じゃないだろ?」
「わかってるよ。言ってみただけだよ。」
「ならいい。おそらく一目見ただけじゃ見つからない場所なんだろう。」
「なるほど。」
そう言って俺たちは机の中とかも探し始めた。
「あったぞ。」
探し始めて数分、教室の前方にあった棚には張り紙がなかったが、後方の棚と同じように触るべきでないと最初は思った、しかし、張り紙もなく中に見えたのがレポート用紙だけだったので触っても問題ないと判断した。その棚の下にある中が見えない棚を開けると、そこにスタンプは鎮座されていた。おそらく後方の棚の張り紙はこちらの棚の捜索に意識を向きにくくさせるための役割も担っていたのかもしれない。
俺は正悟を呼びスタンプを押した。今回のスタンプには、「よくできました」「社会のシステムが間違っていると思うならば」と書かれていた。メッセージは続けて読まなければ意味は分からなさそうだった。
スタンプを押している問題の用紙は3×3のマスになっていて中央は真っ黒に塗られている。そのうちの、①、③、⑦、⑧の上段二つと下段二つが埋まっているのが現状だった。しかし、このメッセージには何か意味があるのだろうか?何かをにおわせるようなことを鮫島先生は言っていたが今はまだわからなかった。
「蒼!」
正悟は俺の顔を覗き込むような状態でこちらを見ていて、名前を呼ばれて俺はハッとなって正悟を見た。
「悪い、どうした?」
「いやさっきから話しかけてるのに反応がないからさ?どうかしたのかなって。」
「ああ。考え事をしていたんだ。」
「考え事?もう問題は全部解き終わってるのに何か引っかかるのか?」
「引っかかるというか、気になるというのが正解だ。このメッセージはただのメッセージなのかって考えてな。」
「ん~、俺には難しいことはわからないけど、何かしらの意味はありそうだよな。全部集めればわかるんじゃないのか?」
「……それもそうだな。」
俺は情報が少ない今の段階ではこれ以上なにも思いつかないと諦め考えることを保留した。
「これでスタンプは四つだな。白崎がスタンプを集めるのを待つ必要もあるし、少しここで休むか?それとも家を観に行くか?」
「それなら観に行こうぜ。休むのは一通り家を見てからでいいと思うんだ。まだあっちも時間はかかるだろうし、何よりどんな家や部屋があるのか気になってるんだ!」
「それなら行こうか。」
「おう!」
こんな時間で、しかも徹夜をしているのに元気な奴だと思った。俺もどんな場所があるのか少し楽しみだった。
俺たちは入口に戻り教科棟を出ると、空が明るくなりつつあった。
「とうとう明るくなってきたか。」
俺がそう呟くと、
「そうだな~。いつもならこんな時間だしまだ寝ているけど、この時間にはもう日が昇るんだな。せっかくだし日出でも見ていくか?」
「わざわざ見える場所を探すのか?」
「言ってみただけだ、本気じゃねーよ。」
「それなら、東門の方へとりあえず向かおう。それに歩いていれば見えるだろ。」
「そりゃそうだな。」
俺たちは教科棟から出て移動を始めた。
東門は教科棟からそう遠いところではなかった。門を出て集合場所はこの辺りでいいだろうと確認をして、居住区に向かおうとすると、
「お前たち、こんな時間に校舎で何をしていた?」
明るくなりつつあるこの時間、早起きをしているのはランニングをしている人ぐらいしかいなかった。声をかけてきたのはそのうちの一人でフードを被っている男だった。
「特別試験のため校舎を探索していました。特に怪しいことをしていたわけではありません。」
「本当だな?」
疑っているのかそう聞いてくるので、正悟は何度も頷き、俺はスタンプを押している用紙を見せた。
「……本当のようだな。この学園の生徒としては不審な行動は見逃せなくてな、確認させてもらった。俺はこの相棒共生学園の生徒会長を務める3年の諸伏 学人だ。」
どうやら俺たちに声をかけてきたのは生徒会長だったようだ。
現在時刻06:10 18:00までおよそあと12時間 現在集めたスタンプ4
外はまだ暗いが、教科棟から出るころには明るくなり始めていそうだと思った。教科棟の入口から入り、適当なところで靴を脱いでから俺たちは探索をすることにした。
「さて、行くか。」
「おう!けど、もうこんな時間なんだな。時間内にはスタンプは集まりそうだが結構大変だったよな。まだ集め終わったわけじゃないんだけどさ。」
正悟はここまでを振り返ったのか急に懐古的な雰囲気を出してきた。
「まだ入学式から一夜が明けただけだ。むしろこれからじゃないか?」
「…確かにそうだな。」
正悟は自分の両頬を叩いて気合を入れなおして、
「よし、やってやろーじゃねぇか!」
そんなことを話しながら移動をしていると、俺たちは教科棟に着いた。
「そういえば、生物講義室は何階だ?」
「さぁ。俺も知らないな。」
「そうなのか?じゃあしらみつぶしに探すか~。」
「さすがにそれは効率的ではないな。普通は各階にフロア地図があるだろうからそれを探せばいいさ。」
「そうだな。じゃあ地図を探すか、そういうのは大抵階段付近にあるのが相場ってもんさ!」
そう言って俺たちは教科棟の中に入り階段を探すことにした。
教科棟の中は暗く、俺たち以外には誰もいなさそうだった。少しの間二人で廊下を歩いていると階段は建物の端にあった。確認はしていないがおそらく両端にあるのだろう。この配置で片方の端にしかなかったら移動がしにくいし、緊急時の避難経路として移動が不便な点で問題になってしまうだろう。教科棟は本館と二階と四階の渡廊下によって繋がっている。教科棟は五階建てになっていて、俺たちが探している生物講義室は一階の反対の位置にあることが分かった。俺たちは教室の位置を確認し終えると反対側に向かって歩き出した。
「まさか反対側にあるとは。」
「これは運がなかったな~。まぁこんなこともあるさ!早く押しに行こうぜ。」
生物講義室には鍵もかかっておらず開いていた。ただ、中に入ると少し驚いてしまうような状態だった。やはり勝手に中にあるものを触ってほしくはなかったのだろう、いろいろな資料が飾られている教室の後ろにある棚には“触るな!”と書かれた張り紙が貼ってあったり、教室の端の実験道具があると思われるような場所は黒い布で覆われていてその上に同じ張り紙があった。実験道具があると思われると考えたのは中を確認する術はないが、顕微鏡やその類の道具がこの部屋に置いてないということはないだろう、という推測からだった。もしかしたら理科系の部屋はどこも同じ状態になっているのかもしれないな。器具を他の立ち入り禁止部屋に移動させることができないため止むを得ずとった緊急措置のつもりなのかもしれない。そんなことを考えながら教室を見渡したがスタンプは見つからなかった。
「おかしいな~、見つからないぞ?本当にこの教室だよな?」
「おそらくそのはずだ。それに白崎はここにあったと言っていただろ?」
「まさかあいつが隠したとかないよな?」
「それはないだろう。第一そんなことをする道理もないしそんな性格じゃないだろ?」
「わかってるよ。言ってみただけだよ。」
「ならいい。おそらく一目見ただけじゃ見つからない場所なんだろう。」
「なるほど。」
そう言って俺たちは机の中とかも探し始めた。
「あったぞ。」
探し始めて数分、教室の前方にあった棚には張り紙がなかったが、後方の棚と同じように触るべきでないと最初は思った、しかし、張り紙もなく中に見えたのがレポート用紙だけだったので触っても問題ないと判断した。その棚の下にある中が見えない棚を開けると、そこにスタンプは鎮座されていた。おそらく後方の棚の張り紙はこちらの棚の捜索に意識を向きにくくさせるための役割も担っていたのかもしれない。
俺は正悟を呼びスタンプを押した。今回のスタンプには、「よくできました」「社会のシステムが間違っていると思うならば」と書かれていた。メッセージは続けて読まなければ意味は分からなさそうだった。
スタンプを押している問題の用紙は3×3のマスになっていて中央は真っ黒に塗られている。そのうちの、①、③、⑦、⑧の上段二つと下段二つが埋まっているのが現状だった。しかし、このメッセージには何か意味があるのだろうか?何かをにおわせるようなことを鮫島先生は言っていたが今はまだわからなかった。
「蒼!」
正悟は俺の顔を覗き込むような状態でこちらを見ていて、名前を呼ばれて俺はハッとなって正悟を見た。
「悪い、どうした?」
「いやさっきから話しかけてるのに反応がないからさ?どうかしたのかなって。」
「ああ。考え事をしていたんだ。」
「考え事?もう問題は全部解き終わってるのに何か引っかかるのか?」
「引っかかるというか、気になるというのが正解だ。このメッセージはただのメッセージなのかって考えてな。」
「ん~、俺には難しいことはわからないけど、何かしらの意味はありそうだよな。全部集めればわかるんじゃないのか?」
「……それもそうだな。」
俺は情報が少ない今の段階ではこれ以上なにも思いつかないと諦め考えることを保留した。
「これでスタンプは四つだな。白崎がスタンプを集めるのを待つ必要もあるし、少しここで休むか?それとも家を観に行くか?」
「それなら観に行こうぜ。休むのは一通り家を見てからでいいと思うんだ。まだあっちも時間はかかるだろうし、何よりどんな家や部屋があるのか気になってるんだ!」
「それなら行こうか。」
「おう!」
こんな時間で、しかも徹夜をしているのに元気な奴だと思った。俺もどんな場所があるのか少し楽しみだった。
俺たちは入口に戻り教科棟を出ると、空が明るくなりつつあった。
「とうとう明るくなってきたか。」
俺がそう呟くと、
「そうだな~。いつもならこんな時間だしまだ寝ているけど、この時間にはもう日が昇るんだな。せっかくだし日出でも見ていくか?」
「わざわざ見える場所を探すのか?」
「言ってみただけだ、本気じゃねーよ。」
「それなら、東門の方へとりあえず向かおう。それに歩いていれば見えるだろ。」
「そりゃそうだな。」
俺たちは教科棟から出て移動を始めた。
東門は教科棟からそう遠いところではなかった。門を出て集合場所はこの辺りでいいだろうと確認をして、居住区に向かおうとすると、
「お前たち、こんな時間に校舎で何をしていた?」
明るくなりつつあるこの時間、早起きをしているのはランニングをしている人ぐらいしかいなかった。声をかけてきたのはそのうちの一人でフードを被っている男だった。
「特別試験のため校舎を探索していました。特に怪しいことをしていたわけではありません。」
「本当だな?」
疑っているのかそう聞いてくるので、正悟は何度も頷き、俺はスタンプを押している用紙を見せた。
「……本当のようだな。この学園の生徒としては不審な行動は見逃せなくてな、確認させてもらった。俺はこの相棒共生学園の生徒会長を務める3年の諸伏 学人だ。」
どうやら俺たちに声をかけてきたのは生徒会長だったようだ。
現在時刻06:10 18:00までおよそあと12時間 現在集めたスタンプ4
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
善意一〇〇%の金髪ギャル~彼女を交通事故から救ったら感謝とか同情とか罪悪感を抱えられ俺にかまってくるようになりました~
みずがめ
青春
高校入学前、俺は車に撥ねられそうになっている女性を助けた。そこまではよかったけど、代わりに俺が交通事故に遭ってしまい入院するはめになった。
入学式当日。未だに入院中の俺は高校生活のスタートダッシュに失敗したと落ち込む。
そこへ現れたのは縁もゆかりもないと思っていた金髪ギャルであった。しかし彼女こそ俺が事故から助けた少女だったのだ。
「助けてくれた、お礼……したいし」
苦手な金髪ギャルだろうが、恥じらう乙女の前に健全な男子が逆らえるわけがなかった。
こうして始まった俺と金髪ギャルの関係は、なんやかんやあって(本編にて)ハッピーエンドへと向かっていくのであった。
表紙絵は、あっきコタロウさんのフリーイラストです。
漫才部っ!!
育九
青春
漫才部、それは私立木芽高校に存在しない部活である。
正しく言えば、存在はしているけど学校側から認められていない部活だ。
部員数は二名。
部長
超絶美少女系ぼっち、南郷楓
副部長
超絶美少年系ぼっち、北城多々良
これは、ちょっと元ヤンの入っている漫才部メンバーとその回りが織り成す日常を描いただけの物語。
何でも出来る親友がいつも隣にいるから俺は恋愛が出来ない
釧路太郎
青春
俺の親友の鬼仏院右近は顔も良くて身長も高く実家も金持ちでおまけに性格も良い。
それに比べて俺は身長も普通で金もあるわけではなく、性格も良いとは言えない。
勉強も運動も何でも出来る鬼仏院右近は大学生になっても今までと変わらずモテているし、高校時代に比べても言い寄ってくる女の数は増えているのだ。
その言い寄ってくる女の中に俺が小学生の時からずっと好きな桜唯菜ちゃんもいるのだけれど、俺に気を使ってなのか鬼仏院右近は桜唯菜ちゃんとだけは付き合う事が無かったのだ。
鬼仏院右近と親友と言うだけで優しくしてくれる人も多くいるのだけれど、ちょっと話すだけで俺と距離をあける人間が多いのは俺の性格が悪いからだと鬼仏院右近はハッキリというのだ。そんな事を言う鬼仏院右近も性格が悪いと思うのだけれど、こいつは俺以外には優しく親切な態度を崩さない。
そんな中でもなぜか俺と話をしてくれる女性が二人いるのだけれど、鵜崎唯は重度の拗らせ女子でさすがの俺も付き合いを考えてしまうほどなのだ。だが、そんな鵜崎唯はおそらく世界で数少ない俺に好意を向けてくれている女性なのだ。俺はその気持ちに応えるつもりはないのだけれど、鵜崎唯以上に俺の事を好きになってくれる人なんていないという事は薄々感じてはいる。
俺と話をしてくれるもう一人の女性は髑髏沼愛華という女だ。こいつはなぜか俺が近くにいれば暴言を吐いてくるような女でそこまで嫌われるような事をしてしまったのかと反省してしまう事もあったのだけれど、その理由は誰が聞いても教えてくれることが無かった。
完璧超人の親友と俺の事を好きな拗らせ女子と俺の事を憎んでいる女性が近くにいるお陰で俺は恋愛が出来ないのだ。
恋愛が出来ないのは俺の性格に問題があるのではなく、こいつらがいつも近くにいるからなのだ。そう思うしかない。
俺に原因があるなんて思ってしまうと、今までの人生をすべて否定する事になってしまいかねないのだ。
いつか俺が唯菜ちゃんと付き合えるようになることを夢見ているのだが、大学生活も残りわずかとなっているし、来年からはいよいよ就職活動も始まってしまう。俺に残された時間は本当に残りわずかしかないのだ。
この作品は「小説家になろう」「ノベルアッププラス」「カクヨム」「ノベルピア」にも投稿しています。
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール
Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・
黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に
儚くも露と消えていく』
ある朝、
目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。
小学校六年生に戻った俺を取り巻く
懐かしい顔ぶれ。
優しい先生。
いじめっ子のグループ。
クラスで一番美しい少女。
そして。
密かに想い続けていた初恋の少女。
この世界は嘘と欺瞞に満ちている。
愛を語るには幼過ぎる少女達と
愛を語るには汚れ過ぎた大人。
少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、
大人は平然と他人を騙す。
ある時、
俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。
そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。
夕日に少女の涙が落ちる時、
俺は彼女達の笑顔と
失われた真実を
取り戻すことができるのだろうか。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
鷹鷲高校執事科
三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。
東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。
物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。
各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。
表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる