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第28話 エマの告白
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翌朝、目覚めると雪が積もっていた。
この冬初めての積雪だった。
朝食を終えた逢音は、早速曽宮家に電話をいれ、エマを呼び出した。
<逢音>「エマさん。篠崎です。昨日お会いした篠崎逢音」
<エマ>「ああ、逢音さん。おはよう。どうしました?」
<逢音>「瞳美が留学していたころの話を聞きたくて…これからそちらにおじゃましていいかしら?」
<エマ>「……」
<逢音>「お忙しいの?」
<エマ>「いいですわ。おばさまには私から言っておきます。私、瞳美の部屋を借りてるの。そこでお話しましょう」
<逢音>「ありがとう。これから行きます」
<エマ>「雪道気をつけてね」
逢音は、身支度をして出かけた。母から昨日のお返しにと大量の苺を預かった。
(やれやれ、贈り物のやりとりって永遠に続くのかしら、代償みたいに一回で終わればいいのに…)
3cmくらい積った雪道を慎重に歩いた。お土産の苺以外は手にしていない。
ほどなく曽宮家に着いた。
母親が出迎えてくれた。お土産の苺に恐縮しつつも受け取ってもらった。
(また帰りになんか持たされなければいいけど…)
エマの部屋(正確には瞳美の部屋)に通された。そこにはコーヒーを飲んでるエマがいた。
エマ「Good Morning 」
逢音「おはよう」
エマ「あら?英語わかるんだ」
逢音「あ、それくらいは…」
(「Thief」を聞き取ったと思われたくない。もう戦いは始まってるのだ)
エマ「私と瞳美の関係を知りたいんですって?」
逢音「電話では、そう言ったけど実は違います」
エマ「やっぱり?聞きたいのは能力のことだよね?泥棒さん」
逢音「違うの!なぜ私が瞳美の能力を引き継いだか…本当のことをお話ししたいの」
エマ「Tell me please」
逢音は自分が聴覚の能力を手にしたことから、時系列的にこれまでの経緯を話した。
五感の神すべてを集めて葬ることが瞳美からの代償であることについては特に強調して話した。
逢音「わかってくれた?わかってくれるよね。エマさんは瞳美の親友だもの」
エマ「親友?ふふふ。そう思うの?」
逢音「ちがうの?だって昨日はあんなに…」
エマ「まあいいわ。すべては私が生まれた時から始まっていだんだもの…」
逢音「…どういうことなの」
エマ「従妹である私と瞳がなぜこんなに似てると思う」
逢音「……」
エマ「私たちはね。従妹ではなくて姉妹…双子だからなのよ!」
逢音「そんな、だって瞳美のお母さんはそんなこと…」
エマ「視覚の神のチカラよ」
逢音「!!」
エマ「私たちは双子で産まれた。容姿までそっくりだったのは当然。でもただひとつ違っていたのは目の色。瞳美は茶色、私はグリーン。私たちの祖父ロバートはね、茶色の瞳のほうを選んだ。自分の能力の後継者として…」
逢音「どうしてそんなことがわかるの?」
エマ「すべて使用人のエミリーから聞いたわ。ロバートに人生を奪われたエミリーにね…」
逢音「エミリーさんと…つながってたの?」
エマ「私はロバートの弟夫婦の子供として育てられた。もちろん弟夫婦にもチカラを使って自分たちの子供だと思い込ませてね。弟夫婦…私の父と母は私を大切に育ててくれたの」
逢音「……」
エマ「でもね。エミリーに本当のことを聞かされた時、私は祖父ロバートを呪った。本当の親から引き離されたこと。そして視覚の神の能力を瞳美に与えたこと」
逢音「あなたが能力のことを知っていることを瞳美は…」
エマ「知るわけないじゃない。私は留学中になんとかして瞳美からその能力を奪おうとした。そして瞳美が帰国寸前にそのチャンスが来たのよ」
逢音「瞳美があなたに能力を使った…」
エマ「あら。わりと頭はいいじゃない。そうよ私は帰国しようとする瞳美に泣いてすがった。「帰らないで!帰らないで!ずっとここで暮らそう」ってね。瞳美がメガネを取り出し私に「お願い。帰国させて」と言った。私はその瞬間を逃さなかった」
逢音「あなたは、あなたは代償に瞳美に何を命じたの!?」
エマ「五感の神すべてを集めろ…だ」
その時部屋の扉が開いて母親が入ってきた。
母親「遅くなってごめんなさい。寒かったでしょ?温かいうちに飲んでね」
母親が持ってきたのは、湯気が出ているポタージュスープだった。
そして受皿にはあのスプーンが添えられていた。
この冬初めての積雪だった。
朝食を終えた逢音は、早速曽宮家に電話をいれ、エマを呼び出した。
<逢音>「エマさん。篠崎です。昨日お会いした篠崎逢音」
<エマ>「ああ、逢音さん。おはよう。どうしました?」
<逢音>「瞳美が留学していたころの話を聞きたくて…これからそちらにおじゃましていいかしら?」
<エマ>「……」
<逢音>「お忙しいの?」
<エマ>「いいですわ。おばさまには私から言っておきます。私、瞳美の部屋を借りてるの。そこでお話しましょう」
<逢音>「ありがとう。これから行きます」
<エマ>「雪道気をつけてね」
逢音は、身支度をして出かけた。母から昨日のお返しにと大量の苺を預かった。
(やれやれ、贈り物のやりとりって永遠に続くのかしら、代償みたいに一回で終わればいいのに…)
3cmくらい積った雪道を慎重に歩いた。お土産の苺以外は手にしていない。
ほどなく曽宮家に着いた。
母親が出迎えてくれた。お土産の苺に恐縮しつつも受け取ってもらった。
(また帰りになんか持たされなければいいけど…)
エマの部屋(正確には瞳美の部屋)に通された。そこにはコーヒーを飲んでるエマがいた。
エマ「Good Morning 」
逢音「おはよう」
エマ「あら?英語わかるんだ」
逢音「あ、それくらいは…」
(「Thief」を聞き取ったと思われたくない。もう戦いは始まってるのだ)
エマ「私と瞳美の関係を知りたいんですって?」
逢音「電話では、そう言ったけど実は違います」
エマ「やっぱり?聞きたいのは能力のことだよね?泥棒さん」
逢音「違うの!なぜ私が瞳美の能力を引き継いだか…本当のことをお話ししたいの」
エマ「Tell me please」
逢音は自分が聴覚の能力を手にしたことから、時系列的にこれまでの経緯を話した。
五感の神すべてを集めて葬ることが瞳美からの代償であることについては特に強調して話した。
逢音「わかってくれた?わかってくれるよね。エマさんは瞳美の親友だもの」
エマ「親友?ふふふ。そう思うの?」
逢音「ちがうの?だって昨日はあんなに…」
エマ「まあいいわ。すべては私が生まれた時から始まっていだんだもの…」
逢音「…どういうことなの」
エマ「従妹である私と瞳がなぜこんなに似てると思う」
逢音「……」
エマ「私たちはね。従妹ではなくて姉妹…双子だからなのよ!」
逢音「そんな、だって瞳美のお母さんはそんなこと…」
エマ「視覚の神のチカラよ」
逢音「!!」
エマ「私たちは双子で産まれた。容姿までそっくりだったのは当然。でもただひとつ違っていたのは目の色。瞳美は茶色、私はグリーン。私たちの祖父ロバートはね、茶色の瞳のほうを選んだ。自分の能力の後継者として…」
逢音「どうしてそんなことがわかるの?」
エマ「すべて使用人のエミリーから聞いたわ。ロバートに人生を奪われたエミリーにね…」
逢音「エミリーさんと…つながってたの?」
エマ「私はロバートの弟夫婦の子供として育てられた。もちろん弟夫婦にもチカラを使って自分たちの子供だと思い込ませてね。弟夫婦…私の父と母は私を大切に育ててくれたの」
逢音「……」
エマ「でもね。エミリーに本当のことを聞かされた時、私は祖父ロバートを呪った。本当の親から引き離されたこと。そして視覚の神の能力を瞳美に与えたこと」
逢音「あなたが能力のことを知っていることを瞳美は…」
エマ「知るわけないじゃない。私は留学中になんとかして瞳美からその能力を奪おうとした。そして瞳美が帰国寸前にそのチャンスが来たのよ」
逢音「瞳美があなたに能力を使った…」
エマ「あら。わりと頭はいいじゃない。そうよ私は帰国しようとする瞳美に泣いてすがった。「帰らないで!帰らないで!ずっとここで暮らそう」ってね。瞳美がメガネを取り出し私に「お願い。帰国させて」と言った。私はその瞬間を逃さなかった」
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