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9章:同棲生活スタート
33話
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「うん。これからも安心して頼らせてもらうね」
なんてことを話しながら歩いていると、あっという間に百均に着いた…。
「エスカレーターを降りたら、すぐに百均があるんだな」
どうやら愁もここの百均には初めて来たみたいだ。
やっぱり百均は近所にあるため、わざわざここに来てまで足を運ばない。
それよりも近所にないオシャレなお店の方に目がいく。
「私もここにあるの知らなかった。モールって色んなお店がたくさんあるから、全部のお店を把握しきれてないもんね」
全てのお店を把握している人なんて、このモールを経営している人達くらいであろう。
お客は自分がよく足を運ぶお店しか把握していない。
「そうだな。また新たな発見ができて楽しいよな」
愁の言う通り、確かに楽しい。冒険している気分だ。
「うん。楽しいね」
それ以上に驚いたのは、売り場面積の広さだ。
いつも足を運んでいる近所の百均もそこそこ広いが、ここの百均はその倍以上の売り場面積を有している。
建物自体が大きいため、一つ一つの売り場面積が大きいのであろう。さすが大きいモールだ。
これを作った人、すごいな。どうやったらこういった建物を想像することができるのか、その人の頭の中を覗いてみたいと思った。
「早速、中に入ってみますか」
「おう。そうだな」
百均自体はいつも近所にあるお店と同じだが、いつもと違う店舗というだけでテンションが上がる。
それにいつもより売り場面積が広いので、品揃えも豊富そうだ。これは色々見て回るのが楽しみだ。
とはいっても、先程のお店で色々購入したので、百均では足りないものや追加で欲しいものだけにしておこう。
「ねぇ、さっきは欲しいものが見つからなかったから、陶器類のコーナーから見てもいい?」
できれば安くて可愛いものを買いたいが、ない場合は他のお店でも探したいので、先に見ておきたい。
「いいよ。ってそんなことを話してたら、目の前にあったね」
大体食器類は入口の近くに配置されていることが多いので、入ってすぐの所にあることが多い。
本当に入口のすぐ傍にあった。あまりにもすぐ目の前にあったため、探す前に見つけてしまった…。
「ほんとだ…。まさか入ってすぐにあるなんて…」
「確かに。こんだけすぐ目の前にあると驚きを通り越して唖然だよな」
言葉を失うことってあるんだなと実感させられた。この現状に思わず笑いを堪えきれなかった。
「ふふ…。なんかおかしいね」
「おかしいな。すげー偶然」
「ねー。本当すごい偶然だね」
こんな偶然は滅多に起きない。
だからこそ、この偶然が私達にとっては不思議で。面白くもあった。
「だな。とりあえず、見よっか」
目の前にある食器をゆっくり眺める。百円にしてはクオリティが高く、先程のお店より心が惹かれた。
「どうしよう。可愛いお皿とかコップが多くて迷っちゃう…」
たくさん買っても仕方がない。二人暮しだし…。
でも料理やその時の気分に応じてお皿を変えたりもしたい。
実際、それをやるかどうかなんて分からないけど、形から揃えたくなってしまう。
とはいえどもたくさん買えば、荷物が重くなるし、その分金額も嵩張る。
せめて各種二種類ずつまでだ。それ以上はさすがに無理だ。
頭の中であれこれ考えながら、目の前にある可愛いもの達を吟味する。
吟味すればするほど、どんどん絞れなくなっていき、決められそうにない。
「うーん…迷う。どれも可愛くて悩ましい」
油断していた。こういう発言をすると、この男はこう言うのであった。
「じゃ全部買う?百円だし」
いやいやいや。さすがにそれは…。
持って帰るのも大変だが、そもそも置くスペースがない。
「いや、それはさすがに…。せめて色々な種類のお皿やコップを買うなら、それぞれ二種類ずつまでだね」
愁はたくさん買っても大丈夫!って言ってくれそうだが、陶器類は嵩張るととても重くなる。
それを二人で持って帰るのは大変だ。いくら愁が鍛えているとはいえども限度がある。ある程度欲しい物を絞らないと…。
「幸奈がそれでいいならそれで構わないが、欲しいものがあるのに我慢して遠慮するのはナシだからな」
まるで私の心の中を読んでいるかのようだ。決して遠慮しているわけではない。現実的に考えてあまり無駄な買い物はしたくないので、今は必要なものだけを買って、必要なものができたらまた買いに来ればいいと思っている。
「遠慮してないから安心して。欲しいものだけ買って帰るつもりだから。ただ買い過ぎは収納に困るし、その都度必要なものができたらまた買いに行けばいいかなって」
私がそう言うと、愁は納得した顔をしていた。どうやら愁の中ではその発想がなかったみたいだ。
「そっか。その発想はなかった…」
こんな時だからこそ思う。車の免許を持っていたらよかったのに…って。
来年は就活も始まるが、同時に将来のことも踏まえて車の免許取得も視野に入れようと思う。
「近いうちに車の免許を取得しておかないとな。将来のことも踏まえて」
愁も同じことを考えていたみたいだ。
どうやらお互いに車の免許は欲しいと思っていることが判明した。
「愁も車の免許が欲しいんだね」
私の言葉を聞くと、愁は驚いていた。私が車の免許を欲しいと思っていなかったのであろう。
移動手段として欲しいというのもあるが、就職活動をする際に優位になる。
まだ免許や資格を何も取得していないため、何か一つでもいいので欲しいと前々から考えていた。
とはいっても専門的なものになると、専門的な知識が必要なため、今からでは遅い。
それに比べて運転免許は、取得している人が多いため取得しやすい。ペーパードライバーでもいいので、私も取得しておきたいとずっと考えていた。
「車の免許を持ってると就活に有利なのもあるんだけど、幸奈と車で色んな所へ出かけられるから欲しいなって…」
愁もやっぱり就職のことや移動のことを考えて、運転免許は欲しいと考えていたみたいだ。
最近、周りがどんどん免許を取得し始めている。現実的に考えて就職活動と同時にやるのは大変なので、今のうちに終わらせておく人達が多いみたいだ。
本来なら私達もそうしておくべきだった。でも私達は同棲することを選んでしまったため、お金がない。引っ越しでお金を使ってしまったから。
同棲なんてせずに、そういったことから優先すべきであった。やることをやってからでも同棲はできる。どう考えても学生同士の同棲なんてお金が貯まらないし、以前までの暮らしをしている方がお金が貯まったので、早く教習所に通うこともできたはずだ。
なんてことを話しながら歩いていると、あっという間に百均に着いた…。
「エスカレーターを降りたら、すぐに百均があるんだな」
どうやら愁もここの百均には初めて来たみたいだ。
やっぱり百均は近所にあるため、わざわざここに来てまで足を運ばない。
それよりも近所にないオシャレなお店の方に目がいく。
「私もここにあるの知らなかった。モールって色んなお店がたくさんあるから、全部のお店を把握しきれてないもんね」
全てのお店を把握している人なんて、このモールを経営している人達くらいであろう。
お客は自分がよく足を運ぶお店しか把握していない。
「そうだな。また新たな発見ができて楽しいよな」
愁の言う通り、確かに楽しい。冒険している気分だ。
「うん。楽しいね」
それ以上に驚いたのは、売り場面積の広さだ。
いつも足を運んでいる近所の百均もそこそこ広いが、ここの百均はその倍以上の売り場面積を有している。
建物自体が大きいため、一つ一つの売り場面積が大きいのであろう。さすが大きいモールだ。
これを作った人、すごいな。どうやったらこういった建物を想像することができるのか、その人の頭の中を覗いてみたいと思った。
「早速、中に入ってみますか」
「おう。そうだな」
百均自体はいつも近所にあるお店と同じだが、いつもと違う店舗というだけでテンションが上がる。
それにいつもより売り場面積が広いので、品揃えも豊富そうだ。これは色々見て回るのが楽しみだ。
とはいっても、先程のお店で色々購入したので、百均では足りないものや追加で欲しいものだけにしておこう。
「ねぇ、さっきは欲しいものが見つからなかったから、陶器類のコーナーから見てもいい?」
できれば安くて可愛いものを買いたいが、ない場合は他のお店でも探したいので、先に見ておきたい。
「いいよ。ってそんなことを話してたら、目の前にあったね」
大体食器類は入口の近くに配置されていることが多いので、入ってすぐの所にあることが多い。
本当に入口のすぐ傍にあった。あまりにもすぐ目の前にあったため、探す前に見つけてしまった…。
「ほんとだ…。まさか入ってすぐにあるなんて…」
「確かに。こんだけすぐ目の前にあると驚きを通り越して唖然だよな」
言葉を失うことってあるんだなと実感させられた。この現状に思わず笑いを堪えきれなかった。
「ふふ…。なんかおかしいね」
「おかしいな。すげー偶然」
「ねー。本当すごい偶然だね」
こんな偶然は滅多に起きない。
だからこそ、この偶然が私達にとっては不思議で。面白くもあった。
「だな。とりあえず、見よっか」
目の前にある食器をゆっくり眺める。百円にしてはクオリティが高く、先程のお店より心が惹かれた。
「どうしよう。可愛いお皿とかコップが多くて迷っちゃう…」
たくさん買っても仕方がない。二人暮しだし…。
でも料理やその時の気分に応じてお皿を変えたりもしたい。
実際、それをやるかどうかなんて分からないけど、形から揃えたくなってしまう。
とはいえどもたくさん買えば、荷物が重くなるし、その分金額も嵩張る。
せめて各種二種類ずつまでだ。それ以上はさすがに無理だ。
頭の中であれこれ考えながら、目の前にある可愛いもの達を吟味する。
吟味すればするほど、どんどん絞れなくなっていき、決められそうにない。
「うーん…迷う。どれも可愛くて悩ましい」
油断していた。こういう発言をすると、この男はこう言うのであった。
「じゃ全部買う?百円だし」
いやいやいや。さすがにそれは…。
持って帰るのも大変だが、そもそも置くスペースがない。
「いや、それはさすがに…。せめて色々な種類のお皿やコップを買うなら、それぞれ二種類ずつまでだね」
愁はたくさん買っても大丈夫!って言ってくれそうだが、陶器類は嵩張るととても重くなる。
それを二人で持って帰るのは大変だ。いくら愁が鍛えているとはいえども限度がある。ある程度欲しい物を絞らないと…。
「幸奈がそれでいいならそれで構わないが、欲しいものがあるのに我慢して遠慮するのはナシだからな」
まるで私の心の中を読んでいるかのようだ。決して遠慮しているわけではない。現実的に考えてあまり無駄な買い物はしたくないので、今は必要なものだけを買って、必要なものができたらまた買いに来ればいいと思っている。
「遠慮してないから安心して。欲しいものだけ買って帰るつもりだから。ただ買い過ぎは収納に困るし、その都度必要なものができたらまた買いに行けばいいかなって」
私がそう言うと、愁は納得した顔をしていた。どうやら愁の中ではその発想がなかったみたいだ。
「そっか。その発想はなかった…」
こんな時だからこそ思う。車の免許を持っていたらよかったのに…って。
来年は就活も始まるが、同時に将来のことも踏まえて車の免許取得も視野に入れようと思う。
「近いうちに車の免許を取得しておかないとな。将来のことも踏まえて」
愁も同じことを考えていたみたいだ。
どうやらお互いに車の免許は欲しいと思っていることが判明した。
「愁も車の免許が欲しいんだね」
私の言葉を聞くと、愁は驚いていた。私が車の免許を欲しいと思っていなかったのであろう。
移動手段として欲しいというのもあるが、就職活動をする際に優位になる。
まだ免許や資格を何も取得していないため、何か一つでもいいので欲しいと前々から考えていた。
とはいっても専門的なものになると、専門的な知識が必要なため、今からでは遅い。
それに比べて運転免許は、取得している人が多いため取得しやすい。ペーパードライバーでもいいので、私も取得しておきたいとずっと考えていた。
「車の免許を持ってると就活に有利なのもあるんだけど、幸奈と車で色んな所へ出かけられるから欲しいなって…」
愁もやっぱり就職のことや移動のことを考えて、運転免許は欲しいと考えていたみたいだ。
最近、周りがどんどん免許を取得し始めている。現実的に考えて就職活動と同時にやるのは大変なので、今のうちに終わらせておく人達が多いみたいだ。
本来なら私達もそうしておくべきだった。でも私達は同棲することを選んでしまったため、お金がない。引っ越しでお金を使ってしまったから。
同棲なんてせずに、そういったことから優先すべきであった。やることをやってからでも同棲はできる。どう考えても学生同士の同棲なんてお金が貯まらないし、以前までの暮らしをしている方がお金が貯まったので、早く教習所に通うこともできたはずだ。
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