16 / 57
5度:不穏
16話
しおりを挟む
「ううん。腕のことは大丈夫。ただ歩くスピードが速すぎて…」
私の言葉を聞くと、慧くんは安心したみたいで。肩の力が降りたみたいだ。
「それはごめんなさい。気をつけます」
いつもの慧くんの笑顔に戻った。
その顔を見ただけで、私は心から安心した。
「誘ってくれてありがとう。慧くん家に行きたいです」
今度は私が慧くんの腕を掴んだ。もう人目なんて気にしている余裕すらなかった。
「…京香さん。俺、色々とごめんなさい」
申し訳なさそうに、一言そう呟いた。私は優しく受け止めた。
「大丈夫だよ。慧くんはあまり気にしないで」
慧くんは今、心に余裕がない。私が慧くんを支えてあげたい。
「俺、自分のことで精一杯で。如月さんは油断も隙もないですし」
私には如月くんが何を考えているのか分からない。
なので、対処方法も分からず、困っている。
「そうなの?何を考えてるのか、分からないところはあるけど」
すると、慧くんは私を心配そうに見つめた。
私はその眼差しから、目が逸らせなかった。
「そこが危うんです。京香さん、絶対に気をつけてください」
そう言われても、私は気をつけているつもりだが、如月くんは神出鬼没に現れるため、行動が予測できない。
一つだけ分かることがあるとするならば、なるべく一人で休憩しないように気をつけるだけだ。
「ねぇ、慧くん。一つ提案なんだけど、これからはなるべく昼休憩以外の時間も、一緒に休憩しない?」
私から頑張って提案した。少しでも如月くんのことで、慧くんの心の負担を減らしたかった。
「いいですよ。寧ろお供させてください!」
私の提案を喜んでくれている。慧くんが私と一緒に居たいと思ってくれている気持ちが、嬉しかった。
「それじゃ、明日からよろしくね」
「はい!是非、よろしくお願いします」
こうして、職場でもずっと一緒に居ることになった。
ただ他の女性社員の目は、少しばかり気になるが、今はそれよりも慧くんの方が大事だった。
*
あの日は慧くん家に行って、まったり一緒に過ごすだけで終わった。エッチなことは一切、しなかった。
期待していたわけではないが、私は慧くんによって変えられてしまった。
肌と肌の温もりの心地良さを知ってしまった今は、もう求めずにはいられなくて。
少し物足りなく感じたが、こうして一緒に過ごせるだけでも幸せを感じられた。
そして今日からは、休憩時間をずっと一緒に過ごそう作戦を決行する。
あと五分で、十分休憩だ。慧くんは同じ部署なため、わりと席が近い。
そのため、時間がきたらすぐに席を立ち、慧くんの元へと向かおうと思う。
休憩時間がくるまで仕事に集中した。そんなこんなであっという間に休憩時間となった。
早速、席を立ち、慧くんの元へと向かおうとしたその時だった…。
「よ!葉月」
如月くんも簡単に諦めるはずがなくて。
この時、初めて自分の作戦の詰めの甘さを知った。
「ごめん。今、急いでるから」
このまま如月くんを無視して、慧くんの元へ向かおうと思っていた。
しかし、如月くんはそんなに甘くなかった。私の腕を掴んだ。
咄嗟のことに驚き、振り払おうとしたが、如月くんの方が男性なので力が強く、振り解けなかった。
「俺から逃げるな。俺はお前と話がしたい」
耳元で囁かれた。まずい。他の社員の視線が気になる。
「ごめん。本当に急いでるから、手を離して」
私が強く睨んで訴えた。睨んだのが効いたのか、手を離してくれた。
「…ごめん。手、捕まえて」
謝るくらいなら、大勢の前でこんなこと、しないでほしかった。
私は走ってその場を逃げた。周りの視線がとても痛かった。
*
逃げたはいいものの、行く宛てもなく。
一先ず、誰も使っていない会議室に、鍵をかけて閉じこもった。
もう戻れない。誤解されて、冷やかされるに決まってる。
私が付き合っているのは慧くんだ。
でも、あの状況から察して、如月くんと付き合っているのではないかと、誤解した人が多いであろう。
如月くんも慧くんと同様に、女性社員からの人気が高い。
そのため、如月くんと誤解されるのは怖い。何て言われるか分からないし、嫌がらせを受けたくない。
だから、ずっと避けてきた。こうなる展開を望んでいなかったから。
まだ皆に知られるのであれば、慧くんとがよかった。そうしたら、堂々と社内でも一緒に居られるのに。
心が痛かった。どうして、私がこんな思いをしなくてはならないのかと。
会議室で一人、静かに泣いた。目から涙が止まらず、零れ落ちた。
もう仕事どころではないほど、メンタルがズタボロだ。
このままサボるわけにはいかないが、戻ることもできない。
どうしたらいいのだろうかと、自問自答を繰り返していると、会議室のドアがノックされた。
もしかして、今すぐここを使うのかな?泣き腫らした顔を見られるわけにはいかない。
どうにかしなくてはと慌てていたら、声が聞こえてきた。
「京香さん。俺です。慧です。開けてください」
慧くんの声だ。一応、ハンカチで涙を拭いて、整えてから扉を開けた。
「よかった。京香さんを見つけられて…」
慧くんの息が上がっていた。どうやら、走り回って探してくれたみたいだ。
「慧くん、ありがとう。そして、ごめん…」
私がそう言った瞬間、慧くんが抱きしめてくれた。
同時に会議室のドアの鍵をかけてくれた。
「京香さんは悪くないです。俺が守れなくてごめんなさい」
慧くんは何も悪くない。こうやって、助けに来てくれたのだから。
「そんなことないよ。来てくれてありがとう」
慧くんがいなかったら、私は今、こうして心から頼れる人はいなかったと思う。
こうして助けに来てくれて、心から救われた。私にはあなたがいてくれてよかった。
「いえ。そう言ってくれて、逆にありがとうございます。京香さん、今日はもうこのまま帰りましょう」
こんなことで途中で抜け出して帰るなんて、他の人達には申し訳ないが、今は戻れほど心に余裕はなかった。
私の言葉を聞くと、慧くんは安心したみたいで。肩の力が降りたみたいだ。
「それはごめんなさい。気をつけます」
いつもの慧くんの笑顔に戻った。
その顔を見ただけで、私は心から安心した。
「誘ってくれてありがとう。慧くん家に行きたいです」
今度は私が慧くんの腕を掴んだ。もう人目なんて気にしている余裕すらなかった。
「…京香さん。俺、色々とごめんなさい」
申し訳なさそうに、一言そう呟いた。私は優しく受け止めた。
「大丈夫だよ。慧くんはあまり気にしないで」
慧くんは今、心に余裕がない。私が慧くんを支えてあげたい。
「俺、自分のことで精一杯で。如月さんは油断も隙もないですし」
私には如月くんが何を考えているのか分からない。
なので、対処方法も分からず、困っている。
「そうなの?何を考えてるのか、分からないところはあるけど」
すると、慧くんは私を心配そうに見つめた。
私はその眼差しから、目が逸らせなかった。
「そこが危うんです。京香さん、絶対に気をつけてください」
そう言われても、私は気をつけているつもりだが、如月くんは神出鬼没に現れるため、行動が予測できない。
一つだけ分かることがあるとするならば、なるべく一人で休憩しないように気をつけるだけだ。
「ねぇ、慧くん。一つ提案なんだけど、これからはなるべく昼休憩以外の時間も、一緒に休憩しない?」
私から頑張って提案した。少しでも如月くんのことで、慧くんの心の負担を減らしたかった。
「いいですよ。寧ろお供させてください!」
私の提案を喜んでくれている。慧くんが私と一緒に居たいと思ってくれている気持ちが、嬉しかった。
「それじゃ、明日からよろしくね」
「はい!是非、よろしくお願いします」
こうして、職場でもずっと一緒に居ることになった。
ただ他の女性社員の目は、少しばかり気になるが、今はそれよりも慧くんの方が大事だった。
*
あの日は慧くん家に行って、まったり一緒に過ごすだけで終わった。エッチなことは一切、しなかった。
期待していたわけではないが、私は慧くんによって変えられてしまった。
肌と肌の温もりの心地良さを知ってしまった今は、もう求めずにはいられなくて。
少し物足りなく感じたが、こうして一緒に過ごせるだけでも幸せを感じられた。
そして今日からは、休憩時間をずっと一緒に過ごそう作戦を決行する。
あと五分で、十分休憩だ。慧くんは同じ部署なため、わりと席が近い。
そのため、時間がきたらすぐに席を立ち、慧くんの元へと向かおうと思う。
休憩時間がくるまで仕事に集中した。そんなこんなであっという間に休憩時間となった。
早速、席を立ち、慧くんの元へと向かおうとしたその時だった…。
「よ!葉月」
如月くんも簡単に諦めるはずがなくて。
この時、初めて自分の作戦の詰めの甘さを知った。
「ごめん。今、急いでるから」
このまま如月くんを無視して、慧くんの元へ向かおうと思っていた。
しかし、如月くんはそんなに甘くなかった。私の腕を掴んだ。
咄嗟のことに驚き、振り払おうとしたが、如月くんの方が男性なので力が強く、振り解けなかった。
「俺から逃げるな。俺はお前と話がしたい」
耳元で囁かれた。まずい。他の社員の視線が気になる。
「ごめん。本当に急いでるから、手を離して」
私が強く睨んで訴えた。睨んだのが効いたのか、手を離してくれた。
「…ごめん。手、捕まえて」
謝るくらいなら、大勢の前でこんなこと、しないでほしかった。
私は走ってその場を逃げた。周りの視線がとても痛かった。
*
逃げたはいいものの、行く宛てもなく。
一先ず、誰も使っていない会議室に、鍵をかけて閉じこもった。
もう戻れない。誤解されて、冷やかされるに決まってる。
私が付き合っているのは慧くんだ。
でも、あの状況から察して、如月くんと付き合っているのではないかと、誤解した人が多いであろう。
如月くんも慧くんと同様に、女性社員からの人気が高い。
そのため、如月くんと誤解されるのは怖い。何て言われるか分からないし、嫌がらせを受けたくない。
だから、ずっと避けてきた。こうなる展開を望んでいなかったから。
まだ皆に知られるのであれば、慧くんとがよかった。そうしたら、堂々と社内でも一緒に居られるのに。
心が痛かった。どうして、私がこんな思いをしなくてはならないのかと。
会議室で一人、静かに泣いた。目から涙が止まらず、零れ落ちた。
もう仕事どころではないほど、メンタルがズタボロだ。
このままサボるわけにはいかないが、戻ることもできない。
どうしたらいいのだろうかと、自問自答を繰り返していると、会議室のドアがノックされた。
もしかして、今すぐここを使うのかな?泣き腫らした顔を見られるわけにはいかない。
どうにかしなくてはと慌てていたら、声が聞こえてきた。
「京香さん。俺です。慧です。開けてください」
慧くんの声だ。一応、ハンカチで涙を拭いて、整えてから扉を開けた。
「よかった。京香さんを見つけられて…」
慧くんの息が上がっていた。どうやら、走り回って探してくれたみたいだ。
「慧くん、ありがとう。そして、ごめん…」
私がそう言った瞬間、慧くんが抱きしめてくれた。
同時に会議室のドアの鍵をかけてくれた。
「京香さんは悪くないです。俺が守れなくてごめんなさい」
慧くんは何も悪くない。こうやって、助けに来てくれたのだから。
「そんなことないよ。来てくれてありがとう」
慧くんがいなかったら、私は今、こうして心から頼れる人はいなかったと思う。
こうして助けに来てくれて、心から救われた。私にはあなたがいてくれてよかった。
「いえ。そう言ってくれて、逆にありがとうございます。京香さん、今日はもうこのまま帰りましょう」
こんなことで途中で抜け出して帰るなんて、他の人達には申し訳ないが、今は戻れほど心に余裕はなかった。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
氷萌
恋愛
彼との未来を本気で考えていた―――
ブライダルプランナーとして日々仕事に追われていた“棗 瑠歌”は、2年という年月を共に過ごしてきた相手“鷹松 凪”から、ある日突然フラれてしまう。
それは同棲の話が出ていた矢先だった。
凪が傍にいて当たり前の生活になっていた結果、結婚の機を完全に逃してしまい更に彼は、同じ職場の年下と付き合った事を知りショックと動揺が大きくなった。
ヤケ酒に1人酔い潰れていたところ、偶然居合わせた上司で支配人“桐葉李月”に介抱されるのだが。
実は彼、厄介な事に大の女嫌いで――
元彼を忘れたいアラサー女と、女嫌いを克服したい35歳の拗らせ男が織りなす、恋か戦いの物語―――――――
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
Promise Ring
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
浅井夕海、OL。
下請け会社の社長、多賀谷さんを社長室に案内する際、ふたりっきりのエレベーターで突然、うなじにキスされました。
若くして独立し、業績も上々。
しかも独身でイケメン、そんな多賀谷社長が地味で無表情な私なんか相手にするはずなくて。
なのに次きたとき、やっぱりふたりっきりのエレベーターで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる