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3度:初めての夜…
10話
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「…おはよう」
「俺、こんなに元気な朝は初めてです」
めちゃくちゃ元気が有り余っている様子だ。
もしかして、この流れって…。
「う、うん。そうみたいだね」
「こっちも元気なんです。朝なので」
目線を下に向けると、確かにめちゃくちゃ元気だ。
慧くんのエネルギーは、どこから生まれるんだろうと不思議に思った。
「俺の元気に付き合ってくれますか?」
付き合わないと言ったら、きっと悄気るだろうし、結局付き合うように仕向けられるであろう。
だったらもう答えは、最初から決められているも同然だ。それに、私もなんだかいつもより元気だ。
「いいよ。私も元気だから」
「それは嬉しいことが聞けましたね。朝からどこまで頑張れるのか、試してみましょっか」
私はどうやら、慧くんのやる気スイッチを押してしまったみたいだ。
もうこれは朝からお互いに熱を確かめ合う流れだなと悟った。
「お手柔らかにお願いします」
「なるべく気をつけますが、京香さんがいつも可愛い過ぎるので、制御できる自信がありません」
雄の色気をぷんぷんとさせながら、強い瞳でそう言われた。
その瞳に囚われたら、私はもう逆らえなくなってしまう。そのまま慧くんの熱に落ちた。
「その瞳が俺を狂わすんです。もう限界です…」
いきなり激しいキスをしてきた。慧くんにキスされたら、私はもう熱に浮かされてしまう。
そのまま熱の深い海に溺れていき、慧くんの与えてくれる熱に、身体はずっと火照っていた。
何度溺れても、慧くんは私が限界に達するまで熱を与え続け、私はもう慧くんナシでは生きていけない身体になってしまったんだと、身を持って知った。
私は慧くん以外を知らないので、これが身体の相性が良いということに、まだ気づいていないのであった…。
*
喉はカラカラだし、さすがにお腹が空いた。
それに今、何時なんだろう?そんなことを思いながら、隣を見た。
慧くんは疲れて眠っている。こうやって寝顔を見るのは初めてで。思わず、慧くんの寝顔って可愛いなと思った。
同時に、やっぱり自分より若いんだなと実感させられた。
肌のきめが細やかで羨ましいなと思いつつ、サラサラな髪に触れたいなと思い、手を伸ばす。
「京香…さん?!」
私が髪に触れただけで、慧くんは目を覚ましてしまったみたいだ。
慌てて私は手を引っ込めた。すると、その手を慧くんが捕まえた。
「遠慮せずに触ってください。京香さんに触られるの、嬉しいです」
そう言われてしまうと、嬉しくて照れてしまう。
再び手を伸ばし、慧くんの髪に触れた。
「慧くんの髪、サラサラだね。羨ましい」
私がそう言うと、今度は慧くんが私の髪に触れてきた。
「そうですか?京香さんの方がサラサラです」
好きな人に触られると、特別な魔法にでもかけられたような気分になってしまう。
「そうかな?ありがとう」
慧くんの手が好き。こうして頭に触れるだけで、彼の温もりを感じられる。それがとても幸せだ。
「散々求めておいてこんなことを言うのはおかしいかもしれないですが、俺、こうしてただ触れているだけでも幸せなんです。相手が京香さんだから」
好きな人にそう言われて、嬉しくないわけがない。
あまりの嬉しさに、頬に涙が伝った。心から感動した。
「私も幸せだよ。こうして触れ合っているだけでも…」
慧くんが優しく正面から抱きしめてくれた。
まだお互いに何も見に纏っていない状態なため、お互いの肌の温もりを感じ合った。
「慧くん、肌もスベスベで羨ましい」
「京香さんもスベスベですよ。触り心地がとてもいいです」
慧くんがそれを証明するために、私の腕を優しく撫でた。
ただ撫でられているだけなのに、私の身体は再び熱を帯び始めていた。
「ありがとう。一応、頑張ってケアしてるので」
「そうなんですね。優しく触れなきゃ…ですね」
慧くんは優しく触れてきた。そっと優しく触れてきたので、逆にくすぐったくて、身を捩ってしまった。
「…もしかして、俺が触れただけで感じちゃいました?」
こういうところは必ず見逃さない慧くんが、早速指摘してきた。
私は昔から擽りに弱い。こういったちょっとした接触でも、すぐに反応してしまう。
「こういうのに私、弱くて…」
「へぇー。そうなんですね。良いこと聞いちゃいました」
この顔は悪戯を思いついた顔だ。
今から何をされるのか、身構えてしまう。
そして、同時にその先の展開を想像し、心も身体も期待して熱を求めてしまう。
「もう一回しませんか?まだ時間は大丈夫ですし。いいですよね、京香さん」
身体はとっくに限界を超えているはずだ。
それなのに、どうして求めてしまうのだろうか。止まない欲に、戸惑ってしまう。
それでも私は、慧くんを求めた。
「いいよ。まだ時間に余裕あるし、私ももう一回したい」
そんなこんなで、私達は何度も求め合った。我を忘れて…。
現実に引き戻された瞬間、普通に今日、仕事があることを思い出し、身体が辛すぎて絶望した。
慧くんには平日は程々に…と、釘を刺しておいた。
社会人の恋愛って、色々大変だなと痛感させられたのであった…。
「俺、こんなに元気な朝は初めてです」
めちゃくちゃ元気が有り余っている様子だ。
もしかして、この流れって…。
「う、うん。そうみたいだね」
「こっちも元気なんです。朝なので」
目線を下に向けると、確かにめちゃくちゃ元気だ。
慧くんのエネルギーは、どこから生まれるんだろうと不思議に思った。
「俺の元気に付き合ってくれますか?」
付き合わないと言ったら、きっと悄気るだろうし、結局付き合うように仕向けられるであろう。
だったらもう答えは、最初から決められているも同然だ。それに、私もなんだかいつもより元気だ。
「いいよ。私も元気だから」
「それは嬉しいことが聞けましたね。朝からどこまで頑張れるのか、試してみましょっか」
私はどうやら、慧くんのやる気スイッチを押してしまったみたいだ。
もうこれは朝からお互いに熱を確かめ合う流れだなと悟った。
「お手柔らかにお願いします」
「なるべく気をつけますが、京香さんがいつも可愛い過ぎるので、制御できる自信がありません」
雄の色気をぷんぷんとさせながら、強い瞳でそう言われた。
その瞳に囚われたら、私はもう逆らえなくなってしまう。そのまま慧くんの熱に落ちた。
「その瞳が俺を狂わすんです。もう限界です…」
いきなり激しいキスをしてきた。慧くんにキスされたら、私はもう熱に浮かされてしまう。
そのまま熱の深い海に溺れていき、慧くんの与えてくれる熱に、身体はずっと火照っていた。
何度溺れても、慧くんは私が限界に達するまで熱を与え続け、私はもう慧くんナシでは生きていけない身体になってしまったんだと、身を持って知った。
私は慧くん以外を知らないので、これが身体の相性が良いということに、まだ気づいていないのであった…。
*
喉はカラカラだし、さすがにお腹が空いた。
それに今、何時なんだろう?そんなことを思いながら、隣を見た。
慧くんは疲れて眠っている。こうやって寝顔を見るのは初めてで。思わず、慧くんの寝顔って可愛いなと思った。
同時に、やっぱり自分より若いんだなと実感させられた。
肌のきめが細やかで羨ましいなと思いつつ、サラサラな髪に触れたいなと思い、手を伸ばす。
「京香…さん?!」
私が髪に触れただけで、慧くんは目を覚ましてしまったみたいだ。
慌てて私は手を引っ込めた。すると、その手を慧くんが捕まえた。
「遠慮せずに触ってください。京香さんに触られるの、嬉しいです」
そう言われてしまうと、嬉しくて照れてしまう。
再び手を伸ばし、慧くんの髪に触れた。
「慧くんの髪、サラサラだね。羨ましい」
私がそう言うと、今度は慧くんが私の髪に触れてきた。
「そうですか?京香さんの方がサラサラです」
好きな人に触られると、特別な魔法にでもかけられたような気分になってしまう。
「そうかな?ありがとう」
慧くんの手が好き。こうして頭に触れるだけで、彼の温もりを感じられる。それがとても幸せだ。
「散々求めておいてこんなことを言うのはおかしいかもしれないですが、俺、こうしてただ触れているだけでも幸せなんです。相手が京香さんだから」
好きな人にそう言われて、嬉しくないわけがない。
あまりの嬉しさに、頬に涙が伝った。心から感動した。
「私も幸せだよ。こうして触れ合っているだけでも…」
慧くんが優しく正面から抱きしめてくれた。
まだお互いに何も見に纏っていない状態なため、お互いの肌の温もりを感じ合った。
「慧くん、肌もスベスベで羨ましい」
「京香さんもスベスベですよ。触り心地がとてもいいです」
慧くんがそれを証明するために、私の腕を優しく撫でた。
ただ撫でられているだけなのに、私の身体は再び熱を帯び始めていた。
「ありがとう。一応、頑張ってケアしてるので」
「そうなんですね。優しく触れなきゃ…ですね」
慧くんは優しく触れてきた。そっと優しく触れてきたので、逆にくすぐったくて、身を捩ってしまった。
「…もしかして、俺が触れただけで感じちゃいました?」
こういうところは必ず見逃さない慧くんが、早速指摘してきた。
私は昔から擽りに弱い。こういったちょっとした接触でも、すぐに反応してしまう。
「こういうのに私、弱くて…」
「へぇー。そうなんですね。良いこと聞いちゃいました」
この顔は悪戯を思いついた顔だ。
今から何をされるのか、身構えてしまう。
そして、同時にその先の展開を想像し、心も身体も期待して熱を求めてしまう。
「もう一回しませんか?まだ時間は大丈夫ですし。いいですよね、京香さん」
身体はとっくに限界を超えているはずだ。
それなのに、どうして求めてしまうのだろうか。止まない欲に、戸惑ってしまう。
それでも私は、慧くんを求めた。
「いいよ。まだ時間に余裕あるし、私ももう一回したい」
そんなこんなで、私達は何度も求め合った。我を忘れて…。
現実に引き戻された瞬間、普通に今日、仕事があることを思い出し、身体が辛すぎて絶望した。
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