6 / 57
2度:初デートは甘すぎる...
6話
しおりを挟む
「お待たせしました、どうぞ」
まさか、代わりに一人で買ってきてくれるなんて、思ってもみなかった。
私が恋愛経験に乏しいから、こういったことを予測できないのかもしれない。
年下に奢らせてしまったことを、申し訳なく思った。
「ごめんね。慧くんに買いに行かせちゃって…」
「気にしないでください。俺がやりたくてやったことなんで」
そう言われてしまうと、慧くんの優しさが嬉しいと思ってしまう。
なので、ここは慧くんのお言葉に甘えることにした。
「ありがとう。それじゃ遠慮なく、いただきます…」
目の前に置かれた食べ物や飲み物を手に取り、口付けた。
美味しい。慧くんと一緒に食べているから、いつもの何倍も美味しく感じるのかもしれない。
「美味しい…」
「はい。美味しいですね」
慧くんもとても美味しそうな表情を浮かべていた。
好きな人と一緒に居ると、どんなことでも幸せを感じられるなと思った。
「京香さん。食べ終わったら、またアトラクションに乗りませんか?」
このままずっとここでゆっくりしていても構わないが、慧くんがそうしたいのであれば、私は別にそれで構わなかった。
「いいよ。そうしよっか」
私がそう言ったら、慧くんは安心したみたいで。そこまでして乗りたいアトラクションがあるんだなと思った。
「それでは、食べ終わったら、アトラクションに向かいましょう」
慧くんの満面の笑みに、私の心は射抜かれたのであった…。
*
昼食を食べ終え、真っ先にアトラクションへと向かった。
向かった先は、コーヒーカップだった。
「京香さん、コーヒーカップは大丈夫ですか?」
乗る前に確認を取ってくれる、慧くんの優しさが素敵だなと感心した。
「うん。大丈夫だよ。でも、あんまり激しく回さないでもらえると助かる」
激しく回されると、目が回ってしまうので、そこさえ気をつけてもらえれば、基本大丈夫だ。
「安心してください。僕もあまり回しすぎると、目が回ってしまうので、程々に回しますよ」
その言葉が聞けて、私は安心した。
でも、苦手なのに、どうしてコーヒーカップに乗りたいのだろうか。慧くんの意図が分からなかった。
「そうなの?本当に?」
もしかしたら、私に気を使ってそう言ってくれているのかもしれない。
でも、本当に苦手な可能性だってある。その場合は二人して無理して乗る必要はない。その分、違うアトラクションに乗ればいいだけの話だ。
「本当ですよ。でも、コーヒーカップに乗るのが好きなんです」
どうやら、コーヒーカップが好きなようだ。
それなら、乗る理由がある。
「そっか。それなら、コーヒーカップに乗るの、楽しみだね」
慧くんの好きなものを知れて、慧くんとの距離が縮んだような気がした。
「はい。とても楽しみです!」
私達はコーヒーカップに乗り、楽しんだ。
その勢いのまま、色んなアトラクションに乗った。
気がついたら、日が暮れ始めていた。
「京香さん、次で最後のアトラクションです」
そう言われて、連れて来られたのは、観覧車だった…。
「高い所は大丈夫ですか?」
苦手ではないので、「大丈夫だよ」と答えた。
「それならよかったです。早速、乗りましょう」
順番に回ってきたゴンドラに乗った。
お互いに向き合う形で座った。
「京香さんと一緒に観覧車に乗れて嬉しいです」
どうして、慧くんはこんなにも私を喜ばせる言葉が言えるのだろうか。
紅い夕陽のように、私の頬は赤く染まっていた。
「私も嬉しいよ」
私がそう言った瞬間、慧くんの表情は真剣な表情に変わった。
「そっちに行ってもいいですか?」
どうやら、私の隣に来たいみたいだ。
拒否する理由がないので、「いいよ」と答えた。
私の答えを聞いて、慧くんが私の隣に座った。
私の鼓動は一気に高鳴った。
「京香さん。もうすぐ頂上ですね」
慧くんの言葉を聞き、私は上を見上げた。
まだ乗ったばかりだと思っていたのに、あっという間に上の方まで来ていたみたいだ。
「本当だ。結構、上の方だね」
次の瞬間、私は腕を掴まれ、向きを慧くんの方に変えられた。
そして、そのまま慧くんは私の唇にキスをした。
時が止まったかのように感じた。まるで少女漫画みたいなシチュエーションだなと思った。
「頂上でキスをすると、そのカップルは永遠に結ばれる…という逸話があるんです」
それこそ、少女漫画によくある展開だ。
その展開に、私はひたすらドキドキしていた…。
「そういうのあるよね。すごくドキドキした」
現実でこういうことをする人がいるんだなと思った。
「京香さん、この後、まだ時間はありますか?」
慧くんとのデートがある日に、他の予定なんか入れない。
「あるよ」
「よかったらこの後、家に来ませんか?」
まさか遊園地デートの後に、慧くん家にお邪魔する流れになるなんて、想像すらしていなかった。
「うん。いいよ…」
急遽、慧くん家にお邪魔することになった…。
まさか、代わりに一人で買ってきてくれるなんて、思ってもみなかった。
私が恋愛経験に乏しいから、こういったことを予測できないのかもしれない。
年下に奢らせてしまったことを、申し訳なく思った。
「ごめんね。慧くんに買いに行かせちゃって…」
「気にしないでください。俺がやりたくてやったことなんで」
そう言われてしまうと、慧くんの優しさが嬉しいと思ってしまう。
なので、ここは慧くんのお言葉に甘えることにした。
「ありがとう。それじゃ遠慮なく、いただきます…」
目の前に置かれた食べ物や飲み物を手に取り、口付けた。
美味しい。慧くんと一緒に食べているから、いつもの何倍も美味しく感じるのかもしれない。
「美味しい…」
「はい。美味しいですね」
慧くんもとても美味しそうな表情を浮かべていた。
好きな人と一緒に居ると、どんなことでも幸せを感じられるなと思った。
「京香さん。食べ終わったら、またアトラクションに乗りませんか?」
このままずっとここでゆっくりしていても構わないが、慧くんがそうしたいのであれば、私は別にそれで構わなかった。
「いいよ。そうしよっか」
私がそう言ったら、慧くんは安心したみたいで。そこまでして乗りたいアトラクションがあるんだなと思った。
「それでは、食べ終わったら、アトラクションに向かいましょう」
慧くんの満面の笑みに、私の心は射抜かれたのであった…。
*
昼食を食べ終え、真っ先にアトラクションへと向かった。
向かった先は、コーヒーカップだった。
「京香さん、コーヒーカップは大丈夫ですか?」
乗る前に確認を取ってくれる、慧くんの優しさが素敵だなと感心した。
「うん。大丈夫だよ。でも、あんまり激しく回さないでもらえると助かる」
激しく回されると、目が回ってしまうので、そこさえ気をつけてもらえれば、基本大丈夫だ。
「安心してください。僕もあまり回しすぎると、目が回ってしまうので、程々に回しますよ」
その言葉が聞けて、私は安心した。
でも、苦手なのに、どうしてコーヒーカップに乗りたいのだろうか。慧くんの意図が分からなかった。
「そうなの?本当に?」
もしかしたら、私に気を使ってそう言ってくれているのかもしれない。
でも、本当に苦手な可能性だってある。その場合は二人して無理して乗る必要はない。その分、違うアトラクションに乗ればいいだけの話だ。
「本当ですよ。でも、コーヒーカップに乗るのが好きなんです」
どうやら、コーヒーカップが好きなようだ。
それなら、乗る理由がある。
「そっか。それなら、コーヒーカップに乗るの、楽しみだね」
慧くんの好きなものを知れて、慧くんとの距離が縮んだような気がした。
「はい。とても楽しみです!」
私達はコーヒーカップに乗り、楽しんだ。
その勢いのまま、色んなアトラクションに乗った。
気がついたら、日が暮れ始めていた。
「京香さん、次で最後のアトラクションです」
そう言われて、連れて来られたのは、観覧車だった…。
「高い所は大丈夫ですか?」
苦手ではないので、「大丈夫だよ」と答えた。
「それならよかったです。早速、乗りましょう」
順番に回ってきたゴンドラに乗った。
お互いに向き合う形で座った。
「京香さんと一緒に観覧車に乗れて嬉しいです」
どうして、慧くんはこんなにも私を喜ばせる言葉が言えるのだろうか。
紅い夕陽のように、私の頬は赤く染まっていた。
「私も嬉しいよ」
私がそう言った瞬間、慧くんの表情は真剣な表情に変わった。
「そっちに行ってもいいですか?」
どうやら、私の隣に来たいみたいだ。
拒否する理由がないので、「いいよ」と答えた。
私の答えを聞いて、慧くんが私の隣に座った。
私の鼓動は一気に高鳴った。
「京香さん。もうすぐ頂上ですね」
慧くんの言葉を聞き、私は上を見上げた。
まだ乗ったばかりだと思っていたのに、あっという間に上の方まで来ていたみたいだ。
「本当だ。結構、上の方だね」
次の瞬間、私は腕を掴まれ、向きを慧くんの方に変えられた。
そして、そのまま慧くんは私の唇にキスをした。
時が止まったかのように感じた。まるで少女漫画みたいなシチュエーションだなと思った。
「頂上でキスをすると、そのカップルは永遠に結ばれる…という逸話があるんです」
それこそ、少女漫画によくある展開だ。
その展開に、私はひたすらドキドキしていた…。
「そういうのあるよね。すごくドキドキした」
現実でこういうことをする人がいるんだなと思った。
「京香さん、この後、まだ時間はありますか?」
慧くんとのデートがある日に、他の予定なんか入れない。
「あるよ」
「よかったらこの後、家に来ませんか?」
まさか遊園地デートの後に、慧くん家にお邪魔する流れになるなんて、想像すらしていなかった。
「うん。いいよ…」
急遽、慧くん家にお邪魔することになった…。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
氷萌
恋愛
彼との未来を本気で考えていた―――
ブライダルプランナーとして日々仕事に追われていた“棗 瑠歌”は、2年という年月を共に過ごしてきた相手“鷹松 凪”から、ある日突然フラれてしまう。
それは同棲の話が出ていた矢先だった。
凪が傍にいて当たり前の生活になっていた結果、結婚の機を完全に逃してしまい更に彼は、同じ職場の年下と付き合った事を知りショックと動揺が大きくなった。
ヤケ酒に1人酔い潰れていたところ、偶然居合わせた上司で支配人“桐葉李月”に介抱されるのだが。
実は彼、厄介な事に大の女嫌いで――
元彼を忘れたいアラサー女と、女嫌いを克服したい35歳の拗らせ男が織りなす、恋か戦いの物語―――――――
狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
羽村美海
恋愛
古式ゆかしき華道の家元のお嬢様である美桜は、ある事情から、家をもりたてる駒となれるよう厳しく育てられてきた。
とうとうその日を迎え、見合いのため格式高い高級料亭の一室に赴いていた美桜は貞操の危機に見舞われる。
そこに現れた男により救われた美桜だったが、それがきっかけで思いがけない展開にーー
住む世界が違い、交わることのなかったはずの尊の不器用な優しさに触れ惹かれていく美桜の行き着く先は……?
✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦
✧天澤美桜•20歳✧
古式ゆかしき華道の家元の世間知らずな鳥籠のお嬢様
✧九條 尊•30歳✧
誰もが知るIT企業の経営者だが、実は裏社会の皇帝として畏れられている日本最大の極道組織泣く子も黙る極心会の若頭
✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦
*西雲ササメ様より素敵な表紙をご提供頂きました✨
※TL小説です。設定上強引な展開もあるので閲覧にはご注意ください。
※設定や登場する人物、団体、グループの名称等全てフィクションです。
※随時概要含め本文の改稿や修正等をしています。
✧
✧連載期間22.4.29〜22.7.7 ✧
✧22.3.14 エブリスタ様にて先行公開✧
【第15回らぶドロップス恋愛小説コンテスト一次選考通過作品です。コンテストの結果が出たので再公開しました。※エブリスタ様限定でヤス視点のSS公開中】
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛
冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!
なし崩しの夜
春密まつり
恋愛
朝起きると栞は見知らぬベッドの上にいた。
さらに、隣には嫌いな男、悠介が眠っていた。
彼は昨晩、栞と抱き合ったと告げる。
信じられない、嘘だと責める栞に彼は不敵に微笑み、オフィスにも関わらず身体を求めてくる。
つい流されそうになるが、栞は覚悟を決めて彼を試すことにした。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる