京の國の乙女

カランコロン

就職活動を終えた私の散文にお付き合い願いたい、

成就した恋ほど語るに値しないものはない。 と皆さんご存知の方が仰るように、私自身とても賛同している。

しかしこの物語は成就も何も始まったばかりであり、もしかしたら既に終わっているのかも知れない。ので書き連ねさせていただきたい。

時代の流れに沿うように出会ったギターを弾き語る京都の乙女との出会いを読者の方に感じて頂きたい。

それでは、


彼女との出会いは某配信アプリにて、
ギターを掻き鳴らしながら歌を歌っていた。
 私は聴者として、唯々彼女の声に、ギターの音色に耽っていた。そして、曲が終わるごとにコメントを残していた。

人気配信者ではないものの、私の他に沢山の方が聞いていた。

コメントを通して、彼女と交流をしていった私だが、偶然か必然か、又は運命か彼女と私の年齢は同じだった。そんな事から、他の人とは別に某snsを通して交流が始まった。

ここて彼女と、私の詳細を話しておこう。
共に大学四回生であり、就職活動を終えていた。私は関東圏に住み、彼女は京都で一人暮らしをしていた。

音楽の趣味も合い、様々な話をした。
文章だけでなく、電話も沢山した、寝る前に電話をして気づいたら朝になっていた事もあった。何時間も見知らぬ男女が電話ではあるが、寝落ちするようなこんな時代。両親が聞いたらどう思うだろうか、

しかしこれが今の時代なのだ。簡単に繋がりやすくなった、故にその関係が切れるのも一瞬だろう。ロマンティックな妄想に耽る私は、どんな出会い方だろうと運命を感じざるを得なかった。

そう、ここまで読めばお分かりだろうが、私は未だ見ぬ彼女に恋い焦がれていた。

しかし、昔の方々は顔も知らぬ女性に手紙を出し続けていたと聞く、それが携帯といった電子媒体を通しているだけではないだろうか、都会の街中で声を掛けてはそこから発展する恋なんかより全然、純粋で潔白なものであると私は思ふ。

そんな日々を約1ヶ月過ごしていた。

大学のテストも終え、七月の下旬に差し掛かった。元々夏休みに一人旅に出かけるのが趣味であったので、何処かへ出かける予定ではあった。
訳あって父は東京から神戸への新幹線の切符を沢山持っていた。

有り難く、往復分を頂戴して京都へ観光する事にした。

その事を彼女に伝えたら、会おうという、正直不安もあったが、今までの会話上偽っているところは感じられなかったが、詐欺という言葉を頭の中から拭えなかった。

そして、時は満ち、7時47分発新大阪行きの電車に乗り込んだ。