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魔法教師、宮廷を出る
49話
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「ヴァルフゴール良かったの?リアベルちゃんとアニエスくんも一緒じゃ無くて」
ガタガタと舗装されていない道を走る荷馬車から顔を乗り出し馬を操るヴォルフゴールを見上げる。
大公から貰った馬車はやっぱり旅に出るには目立つから新しい、頑丈な作りの荷馬車と交換して貰った。
私の問いにヴァルフゴールは、良いんだよとこちらを見ずに答える。
「あいつらは長旅には向かねぇだろうし、それに…」
「それに?」
「……いや、お前の店で雇ってくれんだろ?」
そう、双子から働き手を探してるなら自分達を雇ってもらえないかと打診された。
そりゃ、従業員少ないから信用できる人を雇えるのは凄く助かるけど…漸く不安無く一緒に過ごせる家族と離れ離れで良いのかなぁ…?
「素直にマユラを独占したいって言えば良いのにー」
「ちげーよっ!寝床が狭くなるからだ!」
「まぁそう言う事にしとくねぇ」
おちょくる様にいうアンタレスに、ヴァルフゴールは手綱を引いているからアンタレスに仕返しできずグググと奥歯を噛み締める。物凄く嫌そう。
ふぅん?
うちのわんちゃんは大事なご主人様を誰かに取られたく無いのねぇ?
「可愛いやつめー」
「こらっ、やめっ!?」
めいっぱい手を伸ばしウリウリと髪をガシガシ撫でる。
ヒヒィィン!
馬が走りながらも声を上げて「ちゃんと走らせろ」と抗議した。
「ごめん馬ー」
「…名前つけてやれよ」
「え?…じゃあ黒と栗」
「安直だな」
「分かりやすくて良いじゃん」
「僕も見分けがつけやすくていいと思う」
「まぁ、お前等が良いなら良いけどよ…」
はぁと諦めて手綱を握り直した。
「黒ー栗ー、今日のおやつはかぼちゃだよー」
ヒィィィン!
「おっ、速くなった」
馬ってやっぱ賢いね。
よしよし、ついでに人参スティックもプラスしておこ。
次訪れる国は、赤獅子の国…紅大国オールリオン。
赤なのに金とはこれ如何に?
…と、その前に、ちょっと寄り道______
「____いらっしゃいませマユラさまっ!」
出迎え早々、ぎゅっと抱きついてきた赤。
同い年であれど、15cmほど身長差がある彼女に何の予告も無く突然抱きつかれては後ろに倒れる。
ヴァルフゴールがすかさず倒れない様に支えてくれたがなおもしぎゅうぎゅうと締め付…いや、抱きつく力は緩まない。
この子、こんな子だったか?と疑問に思うばかりだ。
「そうそう、帝都で話題のお菓子を用意しましたの。ティータイムでいただきましょう?」
「わぁ、ありがとう」
「御二方もご一緒に如何ですか?マユラさまからお二人のお話は聞いてますわ」
「わっ!内緒って言ったのに!」
「内容は言ってないわ」と笑ってるけど、それで許されると思ってる?
その薔薇の花が咲く様な笑顔全部許しちゃう大正解!
あー、私の手塩に育てた子パート2は悪戯っ子だなぁ。
取り敢えずよしよししとこう。
キューティクルツルツルツヤツヤふわふわの三拍子揃った女の子ならでわでずっと触っていたい。
あー、この子飼いたい。
「ご令嬢、マユラは僕らのどんな事話してたの?」
あぁもうアンタレスが食いついた。
この子意地でも聞き出す気満々だよ…
「主に自慢話ですわ。内緒って2回も言われてしまいましたので、どんな話かは言えませんが転」
エリカお嬢様も焦らすのがお上手。
「知りたい?知りたいですか??」って、Sっ気帯びて聞いて、アンタレスも「教えてくれないの?」と少々お黒い微笑み。
…混ぜるな危険。
そっとヴァルフゴールと一緒にその場を離れた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「帝都で話題のお菓子ってこれかぁ」
上流階級にしか流行らないって聞いた理由がようやく分かった。
卵と牛乳と砂糖をふんだんに使って作ったプリンもどきと、砂糖と水を加えて飴色になるまでクツクツしたのを固めたそれ…宮廷のコックさんに作り方伝授したのを誰かが聞いてたのかな?
ラノベのテンプレ、プリンを流通させちゃったよ。いやプリンはバニラエッセンスあってこそなんだよ。バニラエッセンス無しのこれは流行らせるものじゃ無いんよ。
どうしよう今すぐ時間巻き戻したい。
意図せずのこの現象に終止符を打ちたい。
…取り敢えず頭でも抱えておこう。心の平穏のために
ガタガタと舗装されていない道を走る荷馬車から顔を乗り出し馬を操るヴォルフゴールを見上げる。
大公から貰った馬車はやっぱり旅に出るには目立つから新しい、頑丈な作りの荷馬車と交換して貰った。
私の問いにヴァルフゴールは、良いんだよとこちらを見ずに答える。
「あいつらは長旅には向かねぇだろうし、それに…」
「それに?」
「……いや、お前の店で雇ってくれんだろ?」
そう、双子から働き手を探してるなら自分達を雇ってもらえないかと打診された。
そりゃ、従業員少ないから信用できる人を雇えるのは凄く助かるけど…漸く不安無く一緒に過ごせる家族と離れ離れで良いのかなぁ…?
「素直にマユラを独占したいって言えば良いのにー」
「ちげーよっ!寝床が狭くなるからだ!」
「まぁそう言う事にしとくねぇ」
おちょくる様にいうアンタレスに、ヴァルフゴールは手綱を引いているからアンタレスに仕返しできずグググと奥歯を噛み締める。物凄く嫌そう。
ふぅん?
うちのわんちゃんは大事なご主人様を誰かに取られたく無いのねぇ?
「可愛いやつめー」
「こらっ、やめっ!?」
めいっぱい手を伸ばしウリウリと髪をガシガシ撫でる。
ヒヒィィン!
馬が走りながらも声を上げて「ちゃんと走らせろ」と抗議した。
「ごめん馬ー」
「…名前つけてやれよ」
「え?…じゃあ黒と栗」
「安直だな」
「分かりやすくて良いじゃん」
「僕も見分けがつけやすくていいと思う」
「まぁ、お前等が良いなら良いけどよ…」
はぁと諦めて手綱を握り直した。
「黒ー栗ー、今日のおやつはかぼちゃだよー」
ヒィィィン!
「おっ、速くなった」
馬ってやっぱ賢いね。
よしよし、ついでに人参スティックもプラスしておこ。
次訪れる国は、赤獅子の国…紅大国オールリオン。
赤なのに金とはこれ如何に?
…と、その前に、ちょっと寄り道______
「____いらっしゃいませマユラさまっ!」
出迎え早々、ぎゅっと抱きついてきた赤。
同い年であれど、15cmほど身長差がある彼女に何の予告も無く突然抱きつかれては後ろに倒れる。
ヴァルフゴールがすかさず倒れない様に支えてくれたがなおもしぎゅうぎゅうと締め付…いや、抱きつく力は緩まない。
この子、こんな子だったか?と疑問に思うばかりだ。
「そうそう、帝都で話題のお菓子を用意しましたの。ティータイムでいただきましょう?」
「わぁ、ありがとう」
「御二方もご一緒に如何ですか?マユラさまからお二人のお話は聞いてますわ」
「わっ!内緒って言ったのに!」
「内容は言ってないわ」と笑ってるけど、それで許されると思ってる?
その薔薇の花が咲く様な笑顔全部許しちゃう大正解!
あー、私の手塩に育てた子パート2は悪戯っ子だなぁ。
取り敢えずよしよししとこう。
キューティクルツルツルツヤツヤふわふわの三拍子揃った女の子ならでわでずっと触っていたい。
あー、この子飼いたい。
「ご令嬢、マユラは僕らのどんな事話してたの?」
あぁもうアンタレスが食いついた。
この子意地でも聞き出す気満々だよ…
「主に自慢話ですわ。内緒って2回も言われてしまいましたので、どんな話かは言えませんが転」
エリカお嬢様も焦らすのがお上手。
「知りたい?知りたいですか??」って、Sっ気帯びて聞いて、アンタレスも「教えてくれないの?」と少々お黒い微笑み。
…混ぜるな危険。
そっとヴァルフゴールと一緒にその場を離れた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「帝都で話題のお菓子ってこれかぁ」
上流階級にしか流行らないって聞いた理由がようやく分かった。
卵と牛乳と砂糖をふんだんに使って作ったプリンもどきと、砂糖と水を加えて飴色になるまでクツクツしたのを固めたそれ…宮廷のコックさんに作り方伝授したのを誰かが聞いてたのかな?
ラノベのテンプレ、プリンを流通させちゃったよ。いやプリンはバニラエッセンスあってこそなんだよ。バニラエッセンス無しのこれは流行らせるものじゃ無いんよ。
どうしよう今すぐ時間巻き戻したい。
意図せずのこの現象に終止符を打ちたい。
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