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EXTRA(番外編)
【リクエストIF】彼女と三笠
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※±Days本編主人公に関する恋とか愛とかそういうのは求めてないんでちょっと…な方はブラウザバックでお願いします。
完全なるIFです。本編後、誰相手でもそういった関係になる可能性はゼロじゃない世界線において、三笠とうっかりオツキアイする流れになったという前提でお送りする、他愛ないやりとりです。
●距離感が気になる
「嬢さん、俺ずっと思ってたんだけど」
「いきなり何です?」
「それ」
「?」
「なんで敬語なわけ?」
「なんでと言われても。なんとなく?」
「すごく距離を感じるのでやめてほしいなぁと」
「もう癖みたいなものになってるんですけど。最初からこれでしたし」
「そりゃあ初対面からタメ口きくタイプじゃないけどさ、嬢さんは。一応俺ら、恋人同士だろ?」
「そうですね、一応」
「……自分で言ったんだけどちょっと傷つくんで、『一応』強調しないでほしかったな……」
「我が儘ですね」
「我が儘でスミマセン。我が儘ついでにタメ口にしてほしいって我が儘もきいてください嬢さん」
「別にいいですけど」
「へ。……いいんだ?」
「なんでそこで驚くんですか。あなたが言い出したことでしょう」
「いや、嬢さんが俺の言うこと素直に聞いてくれた試しってほとんどないし」
「まるで私が頑固者のような言い回しはやめてください。……敬語をやめるのはいいですけど、条件があります」
「条件? 何しろっての、嬢さん」
「それ」
「?」
「その呼び方。そろそろやめてください」
「……『嬢さん』じゃなくて、名前で呼べってこと?」
「名前、とまで限定はしませんが。さすがに固有名詞でない呼びかけを続けられるのはちょっと」
「じゃあ、……叶?」
「なに、樹」
「…………」
「なにいきなりしゃがみこんでるの」
「……いや、不意打つつもりが逆にくらわされた感でちょっと」
「言っとくけど、屈みこんでも首まで赤くなってるから隠せてないから」
「……癖みたいなものになってるとか言いつつ、滑らかに喋るね、嬢、……叶さん」
「そういうあなたは適応力が不足してるみたいだけど。練習する?」
「勘弁してください」
「まぁ、別にいいけど。これから頑張って、樹さん?」
●ベタなことがしたい/雨と傘と言えば
「嬢さん、今日傘持ってる?」
「持ってますよ」
「えー…」
「なんで不満そうなんですか」
「降水確率半分切って、ついでに朝降りそうでもなかったのに、なんで持って来てんの?」
「折り畳み傘は常備しておく派なんです。……傘を持って来てることでなにか不都合でも?」
「せっかく相合傘のチャンスだと思ったのに」
「頭沸いたんですか?」
「いくら何でも辛辣すぎない嬢さん」
「妥当な反応だと思いますが」
「たまにはそういうコイビトっぽいことやりたいなーと思ってもバチは当たらないと思うんだけど、どうよ嬢さん」
「どうよと訊かれても」
「一応、曲がりなりに、コイビト同士ってことでいいんだよなー?って時々不安になる『彼氏』の心情を酌んでくれやしないかなーと」
「……つまり、相合傘がしたいんですね?」
「ゆくゆくは手を繋いだりとか組んだりとかしたいデス」
「……意外とベタなのが好みなんですね。確約はしませんが、検討はします」
「嬢さんにしてはすごく譲歩してくれてる感。とりあえず、相合傘はオッケー?」
「――いいですよ。たまの『恋人』のワガママですしね」
「……だから、嬢さん、そういう不意打ちはさぁ……」
「? ……今の会話のどこに不意打ち要素が?」
「会話っていうか表情っていうか、……いや嬉しいけど。嬉しいけど! 心臓に悪いって嬢さん……」
「大袈裟すぎでしょう」
「自分の普段の表情顧みて言ってクダサイ」
「結構笑ってる方だと思うんですが」
「笑顔の種類の話だっての。無自覚ならそれはそれでいいけど、俺が嬉しいだけだし」
「……あなたの言動も大概だと思いますけどね」
完全なるIFです。本編後、誰相手でもそういった関係になる可能性はゼロじゃない世界線において、三笠とうっかりオツキアイする流れになったという前提でお送りする、他愛ないやりとりです。
●距離感が気になる
「嬢さん、俺ずっと思ってたんだけど」
「いきなり何です?」
「それ」
「?」
「なんで敬語なわけ?」
「なんでと言われても。なんとなく?」
「すごく距離を感じるのでやめてほしいなぁと」
「もう癖みたいなものになってるんですけど。最初からこれでしたし」
「そりゃあ初対面からタメ口きくタイプじゃないけどさ、嬢さんは。一応俺ら、恋人同士だろ?」
「そうですね、一応」
「……自分で言ったんだけどちょっと傷つくんで、『一応』強調しないでほしかったな……」
「我が儘ですね」
「我が儘でスミマセン。我が儘ついでにタメ口にしてほしいって我が儘もきいてください嬢さん」
「別にいいですけど」
「へ。……いいんだ?」
「なんでそこで驚くんですか。あなたが言い出したことでしょう」
「いや、嬢さんが俺の言うこと素直に聞いてくれた試しってほとんどないし」
「まるで私が頑固者のような言い回しはやめてください。……敬語をやめるのはいいですけど、条件があります」
「条件? 何しろっての、嬢さん」
「それ」
「?」
「その呼び方。そろそろやめてください」
「……『嬢さん』じゃなくて、名前で呼べってこと?」
「名前、とまで限定はしませんが。さすがに固有名詞でない呼びかけを続けられるのはちょっと」
「じゃあ、……叶?」
「なに、樹」
「…………」
「なにいきなりしゃがみこんでるの」
「……いや、不意打つつもりが逆にくらわされた感でちょっと」
「言っとくけど、屈みこんでも首まで赤くなってるから隠せてないから」
「……癖みたいなものになってるとか言いつつ、滑らかに喋るね、嬢、……叶さん」
「そういうあなたは適応力が不足してるみたいだけど。練習する?」
「勘弁してください」
「まぁ、別にいいけど。これから頑張って、樹さん?」
●ベタなことがしたい/雨と傘と言えば
「嬢さん、今日傘持ってる?」
「持ってますよ」
「えー…」
「なんで不満そうなんですか」
「降水確率半分切って、ついでに朝降りそうでもなかったのに、なんで持って来てんの?」
「折り畳み傘は常備しておく派なんです。……傘を持って来てることでなにか不都合でも?」
「せっかく相合傘のチャンスだと思ったのに」
「頭沸いたんですか?」
「いくら何でも辛辣すぎない嬢さん」
「妥当な反応だと思いますが」
「たまにはそういうコイビトっぽいことやりたいなーと思ってもバチは当たらないと思うんだけど、どうよ嬢さん」
「どうよと訊かれても」
「一応、曲がりなりに、コイビト同士ってことでいいんだよなー?って時々不安になる『彼氏』の心情を酌んでくれやしないかなーと」
「……つまり、相合傘がしたいんですね?」
「ゆくゆくは手を繋いだりとか組んだりとかしたいデス」
「……意外とベタなのが好みなんですね。確約はしませんが、検討はします」
「嬢さんにしてはすごく譲歩してくれてる感。とりあえず、相合傘はオッケー?」
「――いいですよ。たまの『恋人』のワガママですしね」
「……だから、嬢さん、そういう不意打ちはさぁ……」
「? ……今の会話のどこに不意打ち要素が?」
「会話っていうか表情っていうか、……いや嬉しいけど。嬉しいけど! 心臓に悪いって嬢さん……」
「大袈裟すぎでしょう」
「自分の普段の表情顧みて言ってクダサイ」
「結構笑ってる方だと思うんですが」
「笑顔の種類の話だっての。無自覚ならそれはそれでいいけど、俺が嬉しいだけだし」
「……あなたの言動も大概だと思いますけどね」
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