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【after】

その後、の、いつか

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 大陸の多くの面積を占める帝国。それを統べる者の住む城の最上階、その最奥にある部屋。
 既に病床にある皇帝に代わり、実務の権限をすべて握っているガルシア・ディ・ジルステートだけが足を踏み入れることができるその場所に、彼女は在った。
 マーガレット・フィン・デザイア――否、今はただのマーガレットと呼ぶべきだろう。
 祖国にて国母となる女性を害そうとした罪で国外追放の刑を言い渡され、その場でガルシアに身柄を引き取られた女――それが帝国内で彼女のことを知る者たちの認識だった。
 ガルシアが彼女を連れ帰ったことを知る者たちは少なく、またガルシアの信奉者しかいなかったため、彼女の存在は公にはされていない。
 なぜなら、ガルシアが、それはそれは大事に、マーガレットを囲っているからだ。誰の目にも触れさせないよう、誰の手も彼女に届かないよう、徹底的に他人を排除して。
 帝国で実質最も高貴な人間――これはもちろんガルシアのことだ――手ずから世話をし、時には傅くような真似さえしながら、マーガレットを豪奢な檻の中に閉じ込め、そして愛でていた。

 今日もまた、執務を終えたガルシアは、その部屋を訪れた。
 そうして、淫靡な魔術と魔道具によってとろとろに蕩かされたマーガレットの肢体を目に入れ、唇の端をあげる。
 マーガレットの横たわる寝台に腰を下ろし、脚を開いた状態で固定された彼女の最奥を、とっくりと眺めた。

「あっ……はぁっ……んぅうっ……!」
「ハッ、いい顔だな、マーガレット。そんなに俺のモノを模したその魔道具はよかったか? オレの形をお前のナカに覚えさせるためのものだったが、まさかそんなによがるほどとは」
「ち、がっ……! これは、あなた、の、魔力、に反応してるだけでぇっ……!」
「そうだな。お前に刻んだ淫紋は、その魔道具にこめた俺の魔力に反応するものな? だが、その魔道具が、お前のナカを様々に刺激するのに反応していない、とは言わない……言えないだろう? ――ほら、こんなに濡らして……」

 言葉とともに、ガルシアの指がマーガレットの入り口をなぞる。ガルシアのモノを模した魔道具によっていっぱいに割り開かれたそこは、愛液で濡れそぼっていた。

「あっ、やぁっ……さわらないで……っ、あぁっ!」

 ついでのように魔道具に流された魔力に反応し、びくんびくんと痙攣して軽く達したマーガレットに、ガルシアは満足げに笑う。

「本当にお前は、いつまでも生娘のような反応をするな。それが男の情欲を掻き立てると、知らぬわけではないだろうに」
「……っ、そういう、つもりじゃ、ぁ……っ!?」

 突然魔道具を引き抜かれ、マーガレットは声さえ出せず快楽に喘いだ。
 今朝ガルシアが部屋を出る前に、ナカいっぱいに突き込まれたそれを早く抜いて欲しかったはずなのに、そうされた身体はどうしてか物足りなさを覚える。それこそがガルシアの思惑だったのだが。

「フッ、そんなにこれが気に入ったか?」

 ガルシアが魔道具をマーガレットの眼前で揺らす。それを無意識に目で追っていたことに気付いたマーガレットは、カッと頬を赤くした。

「ちがっ……」
「違わないだろう。俺のモノの形を覚え込まされたお前のナカが、隙間を埋めてほしいと欲している――そうだろう?」

 それは肯定するにはあまりにも淫猥な内容だったため、マーガレットは口を噤んだ。
 そんな彼女の些細な抵抗さえ楽しむように、ガルシアは魔道具を放り投げ、自分の下履きをくつろげた。
 そこには魔道具と寸分違わない――否、それよりも大きくさえ見える、そそり立った一物があった。

「素直に口にできないお前も愛おしい。――まあ、そのうち、自ら俺のモノをねだるようにはなってほしいが……」
「そんな、はしたないこと……!」
「『はしたない』と思うその価値観ごと壊して、お前を快楽に堕としたいものだな。――だが、今は……」
「……、っぁあっ!」

 一息に最奥まで突き入れられて、はくはくと唇を震わせるしかないマーガレットに、ガルシアはちゅ、ちゅ、と軽い口づけを落とす。

「本物の具合はどうだ? お前のナカはここぞとばかりにうねって、絡みついて、離れがたくしているようだが」
「あっ、やぁっ、奥、ごりごりしないでぇっ……!」
「気持ちよすぎるから、だな? 子宮口が完全に下りてきているな。そんなに子種を迎えたかったか?」
「ちがっ、あっ……あぁっ!」
「お前が口でどんなに否定しても、お前の身体は本能に従って俺の子種をねだっているぞ? ほら、自分でもわかるだろう? 俺のモノを刺激して、一刻も早く子種を搾り取ろうとしている……っ」
「んぅっ、んんっ、……ぁっ、あっ、ああっ……!」

 抽送を始めたガルシアに、もはやマーガレットは翻弄されるばかりで、意味ある言葉を紡げない。
 マーガレットの腰をがっしりと掴んだガルシアは、どちゅっ、ばちゅん、と音を立てながらマーガレットの最奥を穿つ。

「あ、くるっ……きちゃう、また、ああっ……!」

 全身を痙攣させ、マーガレットが悦楽の波にさらわれると、ガルシアは満足げで――それでいて凶暴な笑みを浮かべ、彼女の唇にかぶりついた。

「うまくイけていい子だな、マーガレット。さあ、俺ももう……っ!」

 意識を失ったのだろう、くたりとしたマーガレットの身体を揺すぶって、ガルシアは己もまた高みへと至ろうとする。
 幾度かの抽送を経て、ガルシアはより強く、より最奥へと、己のモノを突き入れ――果てた。

「ふっ、……ふぅ、っ……はっ……」

 もう何度か腰を打ち付け、己のモノから迸るものがなくなっても、ガルシアはマーガレットから己のモノを抜かなかった。
 それは無論――一度で終わるつもりなどないからで。

「一日中魔道具にいたぶられ、それから解放されても、俺によって快楽を与えられ続ける。……早く理性を失え、マーガレット。快楽に負け、俺なしではいられなくなれ。――この部屋から出たいなどと、思わないくらいに。お前を閉じ込め、快楽漬けにし、そして俺以外の何者からも守るための、豪奢な檻の中で生きて――死なないで、くれ……」

 その言葉を、マーガレットに聞かせたいのか、それとも聞かせたくないのか。
 判然としない己の裡を覗き込むことはやめて、ガルシアはマーガレットをそっと抱きしめたのだった。
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