9 / 21
2015/12/25 うつ病は甘えなの?
しおりを挟む
2015年12月25日。
クリスマスだが、仕事は繁忙期に入っていた。1日あたりの勤務時間がまた10時間程度へと伸びたので、上司の配慮により、2~3日に1回の休みをもらうようになる。先日姉に会った時や、24日のイブくらいは外に出掛けたのだが、それを知った同僚から「え? 出掛ける元気あるの?」と言われてしまった。
私は失言をしたのかと、青ざめた。この仕事を始めてからは、休みの日は、日々の疲れのあまり部屋の中でぐったりしていることが多く、食料・日用品の買い出し以外はほとんど出掛けていない。もちろん、うつ病になってからも、用事があったり、誰かに連れ出されたりしない限りは部屋の中にいた。
休みを多くもらっている身で、「出掛けてきた」なんて言ってはいけなかったのだ。私は自分の行動を恥じた。同僚もそれ以上に突っ込んで聞いてくることはなかったが、内心イライラしていたのだと思う。
私はすぐにトイレへと駆け込んだ。じわじわと涙が込み上げていた。うつ病を発症しながら働いている人間は、休みの日に外に出たらいけないのだろうか。部屋の中に引きこもっているべきなのだろうか。自分の時間の使い方に、文句を言われても仕方がないのだろうか。
彼(同僚)も、元から冷徹な人間というわけではない。誰よりも私の仕事を手伝ってくれていたし、残業をして仕事を片付ける日が続いていた。疲れていたのだと思う。無神経な私の発言がいけなかったのだと、私はとにかく自分を落ち着けた。
彼の言うように、私はうつ病になったことで、甘えを見せていたのだろうか。もっと頑張れるはずなのに、周囲の厚意に甘えきっていたのだろうか。
私はこの日から、「うつ病は甘えなんだろうか」と自問し始めるようになった。
そもそも、私がうつ病になった原因は、過労とストレスだ。2年以上も続けて働いていて、なぜこのタイミングで発症したか、以前先生に聞いたことがあった。
私は、2015年4月(うつ病発覚7ヶ月前)に、昇格・昇給をさせてもらった。その前の年の頑張りを認めてもらえたからだ。しかし、昇格後は思ったように結果が出せず、夏の賞与評価はA~Eの5段階でDランク。減給もされた。
そして、私の性格(真面目・完璧主義・神経質・責任感が強い、など)が失敗を強く引きずった結果、そのストレスが引き金となり、過労と合わさってうつ病になったのだろう、ということだった。うつ病になりやすい人間性と、仕事環境が重なったわけだ。
冒頭にも書いたとおり、私はうつ病に対しての理解はほとんどなかったし、メディアで見かけるうつ病の症状はどれも重いものばかりで、『うつ病になっても働いている人』を知らなかった。みんな自宅や病院に引きこもり、療養しているものだと勝手に思っていた。引きこもる、という表現はあまりよろしくないように思えるが、素直に私の心情を表せばそういうことになる。
彼らは、心が弱くて根性がないからそうなるのだと思っていた。しかし、実際に自分がうつ病になったことで、それは全くの偏見であることに気付いた。A先生も言っていた。「頑張り過ぎたんだね」と。みんな、頑張り過ぎて、でも逃げられなくて辛くて、身体と心が壊れてしまったのだ。
普段から自分に甘くて周囲にも甘えられる人は、うつ病になることはないと私は思う。姉は先日、「私があんただったら、1ヶ月で仕事辞めてるね。2年もよく頑張ってるよ」と言った。私が甘えきった人間なら、とっくに仕事を辞めていたはずなのだ。それなら、うつ病になることもなかった。
だから、うつ病は甘えではない、と思いたい。そうであってほしい。
クリスマスだが、仕事は繁忙期に入っていた。1日あたりの勤務時間がまた10時間程度へと伸びたので、上司の配慮により、2~3日に1回の休みをもらうようになる。先日姉に会った時や、24日のイブくらいは外に出掛けたのだが、それを知った同僚から「え? 出掛ける元気あるの?」と言われてしまった。
私は失言をしたのかと、青ざめた。この仕事を始めてからは、休みの日は、日々の疲れのあまり部屋の中でぐったりしていることが多く、食料・日用品の買い出し以外はほとんど出掛けていない。もちろん、うつ病になってからも、用事があったり、誰かに連れ出されたりしない限りは部屋の中にいた。
休みを多くもらっている身で、「出掛けてきた」なんて言ってはいけなかったのだ。私は自分の行動を恥じた。同僚もそれ以上に突っ込んで聞いてくることはなかったが、内心イライラしていたのだと思う。
私はすぐにトイレへと駆け込んだ。じわじわと涙が込み上げていた。うつ病を発症しながら働いている人間は、休みの日に外に出たらいけないのだろうか。部屋の中に引きこもっているべきなのだろうか。自分の時間の使い方に、文句を言われても仕方がないのだろうか。
彼(同僚)も、元から冷徹な人間というわけではない。誰よりも私の仕事を手伝ってくれていたし、残業をして仕事を片付ける日が続いていた。疲れていたのだと思う。無神経な私の発言がいけなかったのだと、私はとにかく自分を落ち着けた。
彼の言うように、私はうつ病になったことで、甘えを見せていたのだろうか。もっと頑張れるはずなのに、周囲の厚意に甘えきっていたのだろうか。
私はこの日から、「うつ病は甘えなんだろうか」と自問し始めるようになった。
そもそも、私がうつ病になった原因は、過労とストレスだ。2年以上も続けて働いていて、なぜこのタイミングで発症したか、以前先生に聞いたことがあった。
私は、2015年4月(うつ病発覚7ヶ月前)に、昇格・昇給をさせてもらった。その前の年の頑張りを認めてもらえたからだ。しかし、昇格後は思ったように結果が出せず、夏の賞与評価はA~Eの5段階でDランク。減給もされた。
そして、私の性格(真面目・完璧主義・神経質・責任感が強い、など)が失敗を強く引きずった結果、そのストレスが引き金となり、過労と合わさってうつ病になったのだろう、ということだった。うつ病になりやすい人間性と、仕事環境が重なったわけだ。
冒頭にも書いたとおり、私はうつ病に対しての理解はほとんどなかったし、メディアで見かけるうつ病の症状はどれも重いものばかりで、『うつ病になっても働いている人』を知らなかった。みんな自宅や病院に引きこもり、療養しているものだと勝手に思っていた。引きこもる、という表現はあまりよろしくないように思えるが、素直に私の心情を表せばそういうことになる。
彼らは、心が弱くて根性がないからそうなるのだと思っていた。しかし、実際に自分がうつ病になったことで、それは全くの偏見であることに気付いた。A先生も言っていた。「頑張り過ぎたんだね」と。みんな、頑張り過ぎて、でも逃げられなくて辛くて、身体と心が壊れてしまったのだ。
普段から自分に甘くて周囲にも甘えられる人は、うつ病になることはないと私は思う。姉は先日、「私があんただったら、1ヶ月で仕事辞めてるね。2年もよく頑張ってるよ」と言った。私が甘えきった人間なら、とっくに仕事を辞めていたはずなのだ。それなら、うつ病になることもなかった。
だから、うつ病は甘えではない、と思いたい。そうであってほしい。
0
お気に入りに追加
81
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる