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5.ハナミズキは、私の想いを受けて欲しいと求愛する

なけなしの乙女心

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「あ、あの……歩けますって!」

(お姫様抱っこ! アラサーのわたしが!)

「俺がしたいんです。バタバタしないで」
「さっきお腹いっぱい食べて飲んで、凄い体重になっているんです!」

 なぜ調子に乗って、ばくばくと食べてしまったのだろう。
 一番気をつけねばいけなかったはずなのに。

「あなたはもう少し太った方がいい。……寝心地が悪くなるでしょう?」

 にやりと穂積は笑うと、香乃は真っ赤になって口をパクパクさせる。
 そんな香乃の唇にリップ音をたてて啄むと、穂積は室内に戻った。
 羞恥と夢心地との狭間にいた香乃だが、穂積が寝室に向かう気配を感じると、はたと現実に戻って言った。

「あ、あの……せめてお風呂に……!」

 今さらだ。
 本当に今さらなのだが――。

「泣いてお化粧も剥げているし、汗! 汗だくで来たので!」

(何グラムかでも、お腹のお肉も今よりは落ちるかもしれないし!)

 〝その時〟の到来を知ると、不快と思われる要素を少しでも減じたいと思ってしまう。
 
「そんなもの……」
「そんなものじゃないんです! あなたはどんな顔をしても綺麗だし、汗かいても勿忘草のいい香りがするでしょうが、わたしは違うんです。せめて……せめて、マイナス要素を少しでもクリアして、挑みたいんです! 万全の体制で!」
「挑むって……」
「わたしにも、なけなしの乙女心があるんです。だからお風呂! 後生ですから、お風呂に入らせて下さい!」

 香乃は両手を合わせて拝み倒す。

 気になると、どこまでも気になるのだ。
 今まで成り行き任せだったというのに、穂積相手にするとどうもそうはいかない。

 少しでも綺麗に思われたい。
 少しでも嫌な顔をされたくない。

(お風呂如きでわたしのすべては変えられないけれど、それでも……!)

「……わかりました」

 穂積は複雑そうに考え込んだ後、苦笑した。

「俺も、頭を冷やす時間が必要だ。だから、一緒に入りましょう、お風呂」

 そして、邪気のない笑みを寄越す。

「一緒!?」
「はい」

 穂積は絶句する香乃を抱えたまま、浴室へと向かう。

「いやいや、お風呂はひとりずつ入りましょうよ!」
「それは無理ですね。俺、あなたと離れたくない」
「いや……でもですね!」
「あなたは、俺から離れたいんですか? また逃げたくなった?」

 不安そうな眼差しに、思わず香乃は頭を横に振る。
 思いきりぶんぶんと、頭が飛んで行ってしまいそうなくらいに頭を振る。

「よかった。じゃあ一緒に入ろう」

 拒否権はないらしい。

(頑固さが発動されたか!) 

 ならば――。

 穂積が洗い終わる前に速攻で洗い終わり、彼が浴槽に入る時には風呂から上がり、彼が浴室から出る頃にはばっちり化粧を終わらせておこう。
 化粧台にある高級そうな美容液の即効性を期待して。

 スイートの風呂を楽しむ気分ではなくなるだろうけれど、致し方ない。
 それは後のお楽しみということで、これからは秒でのタイミングを推し量るのが不可欠。
 間違うと、自分の惨めな姿をさらすことにもなる。

 たとえ情事は初めてでなくとも、彼との情事は初めてなのだ。
 九年前の、若かりし頃とは違う。
 彼に幻滅されたら、今後の人生を生きていく自信がない。
 香乃は本気でそう思った――。






(――なぜにこうなる!)


「……はぁっ、……香乃、気持ちいい……」

 穂積の上擦った声が浴室に反響する。

 浴室は、檜で作られた和風のものだった。
 洗い場は広く、浴槽は大きい。
 
――香乃、俺の髪、洗って?

 香乃の動きよりも早く、穂積が甘えたようなおねだりをした。
 〝みっちゃん〟時代から、香乃は彼の頼みには弱い。
 何でもしてあげたいという精神が、無意識領域にも刻まれているらしく、自分を洗う前に、しゃこしゃこと穂積の頭を洗う羽目になった。
 つまり、計画が初っ端から狂ってしまったのだった。

「ああ、やばいくらい気持ちいい……」

 彼の黒髪はまるで絹糸のように滑らかで繊細で、香乃の指の間からさらさらと零れるような感じだ。
 洗っていると香乃も思わずうっとりとする美髪。あまり摩擦をしすぎてキューティクルが剥がれるのも忍びないと、頭皮マッサージを加えてみると、穂積が掠れた声で喘ぐ。
 自分にすべてを委ねきっている無防備な姿で、この声を聞くと、香乃の顔が赤くなってしまう。

(な、なんでこんな色っぽい声を出すの、このひと……)

 互いに下半身はタオルを巻いているものの、ほぼ裸だ。
 彼が、均整のとれた肉体の持ち主だということは、昨夜、服を着替えさせた時に見てわかっている。
 それでも……適度に盛り上がった男らしい筋肉がついている肉体は、見事な造形美。
 その滑らかな肌が、湯で洗い流すとゆっくりと紅潮していくのは、かなりエロティックで、香乃は鼻血を吹いてしまいそうになった。

「ありがとう。あなたはうまいね」

 さらに濡れ髪を片手で掻上げる様は、水も滴るいい男すぎて、香乃は直視出来なくなる。

(今からこんなんじゃ、どうするのよ……)

 狼狽する香乃にふっと影が出来たかと思うと、穂積が香乃を抱きしめるようにして、耳元に囁く。

「俺も洗って上げる」
「ふ……へ!? い、いいです、自分で洗えま……」
「駄目。俺、あなたのその髪に指を通してみたい」
「だったら濡れていない時にでも……」
「はい、シャンプーが目に滲みるから、目をとじて?」

 勿忘草の匂いと混ざるようにして、ムスクの香りがする。

(同じ香り……)

 小さなことに感動している香乃は、問答無用で髪を洗われた。
 仕方がないと目を瞑りながら、極上のこの痺れるような甘い香りを堪能する。

「……あの。勿忘草の香水って、どこのメーカーのなんですか?」
「香水? つけてないけど」
「え!?」

 思わず目を開けた香乃は、逞しい胸板が目に飛び込んできて、再び目を瞑った。

「総支配人になってからは、客によってはアレルギー反応を起こすひともいるし、つけないようにしているけど」
「でも、いつもいい匂いが……」

 すると香乃の髪にシャワーをあてていた穂積の手が、ぴたりと止まった。

「香水でなかったら体臭? あんなにいい香りが自動的に出るものなのかな。ホテルで再会した時も、九年前と同じ匂いがしていたのに」
「……ああ、もう。あなたは本当に」

 シャワーが止まると香乃は、正面から穂積に抱きしめられた。
 肌と肌の密着具合は、昨夜の比にならない。

「あなたは、ツンツンしながら俺の匂いを嗅いでいたの?」
「え……」
「えっち」

 からかうような碧眼が向けられた。

(な……っ)

 香乃の心臓が乱れ打つ。

「昨日はさすがに汗臭かっただろう?」
「そ、それがまた香しいというか……」

 ドキドキが止まらず、香乃は最早自分がなにを言っているかわからない。

「昨日も嗅いだんだ? 熱を出していた俺の匂い。……一生懸命看病してくれたと思っていたのに、香乃はやらしいな」

(うぉぉぉぉぉ! なんなの、このひと! なんなのわたしの心臓!)

「それって、今……匂いが強くなっている?」
「言われてみれば……」
「だったら……間違いない。それは、俺の欲情している匂いだ」
「え?」
「欲情。……あなたもそうだろう?」

 穂積は香乃の髪を片側に寄せると、露になった首に鼻を寄せ、くんくんと嗅いでみせた。

「……あなたは首のところから、凄く甘い香りが漂ってくるんだ。たまらなくなる」
「……っ」
 
 そのまま、穂積の唇が香乃の首にあてられた。
 そしてちゅく、ちゅくと音をたてて、熱い舌をゆっくりと蛇行させては、また肌に吸いつく。
 それは痛みにもならないもどかしい愛撫だ。
 穂積の吐息が吐きかけられただけで、どうにかなってしまいそうだ。

「あ……ん」

 思わず香乃から甘い声が漏れ出た。
 それは浴室の中では思った以上に大きく響き、香乃は真っ赤になる。

「可愛いな……」

 陶酔しきったような声で穂積は言う。

「なにが三十だよ。こんなにそそる身体をして。こんなに甘く美味しいのに」
「洗って、ないのに……っ」

 穂積の唇の動きが気持ちよい。
 ぶるりと身震いをしながら出る香乃の声は、どこまでも甘かった。

「俺は……んんっ、そのままの香乃が欲しいんだよ。だから、化粧も禁止」

 穂積の手が香乃の背中を弄る。
 熱い手のひらが香乃の背中を走り、香乃の熱を広げていく。

「そんな……、化粧をしないと……」

 穂積の唇が、香乃の耳をなぶる。
 ぴちゃぴちゃと音をたてて耳殻を啄まれると、それだけでいやらしい声が出てしまう。

「駄~目」

 耳の愛撫と共に、熱い声が吹きかけられる。

「大体俺は……中学生から大学生まで、素顔のあなたに恋い焦がれた。化粧をした綺麗なあなたもいいけれど、化粧をしていないあなたは俺だけに見せて欲しい。俺だけの特権にさせて?」
「……っ、わたし……若くなくて……っ」
「なにを気にしているのかな、香乃は。甘くて美味しいって、そそられるって言っただろう、俺」

 穂積の舌先が香乃の耳の穴にねじ込まれて、香乃は眉根を寄せるようにして喘ぐ。

「俺、香乃が八十過ぎのおばあさんでも、抱きたいよ?」
「……っ」
「言っただろう? あなたがあなたでさえあればいいんだって。どんなあなたでも俺は……欲情してしまうから」
「欲情……するの?」

 思わず香乃がとろんとした目で尋ねると、穂積もまたとろんとした眼差しを返して微笑む。

「するよ? 俺は別に、聖人ではないから。九年前に、もうあなたはわかっただろう? あんなところでさえも俺はあなたに欲情し、抱きたいと思った。告白を後回しにしても、あなたを俺のものにしたいと……たまらなくあなたが欲しい気持ちが止まらなくなる」
「……っ」
「大人の紳士でいきたいのに、あなたがそうさせてくれない」

 穂積が香乃の唇を啄んだ。
 香乃をじっと見つめながら、香乃の舌の隙間に己の舌先を差し込み、浅く撫でる。

「貴方に触れたくてたまらない。気が狂いそうなほど」

 香乃が唇を開くと、穂積が顔を傾けながら香乃の唇を吸い、上唇と下唇を甘噛みする。
 
(同じ香り……)

 まるでもうひとつに溶け合ったかのように、香乃の鼻が感じる匂いは官能的だ。
 勿忘草の香りも濃厚になっている気がする。

 抱きしめあうようにして、徐々にキスを深めていく。
 穂積のキスはいつも蕩けるような甘いもので、身体がすぐ熱くなる。

 銀の糸を繋げて穂積が唇を離したが、熱を帯びた眼差しだけは絡み合ったまま。
 そして穂積はこつんと額を小さくぶつけると、囁くようにして言った。

「あなたの顔、九年前のように……俺が好きだって言ってる」
「……好き、だもの。あれ以上」

 香乃は掠れた声で返す。
 欲情が止まらず、喉奥がひりついて声にならないのだ。
 
 穂積は破顔すると、香乃の身体を持ち上げ、自分の膝の上に背を向かせて置いた。
 香乃の耳に唇を這わせると、感嘆のような吐息を零しながら、香乃の胸を両手で包み込む。

「ああ、本当に……たまらない」

 そして、ゆっくりと揉みしだいた。
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