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Waning Moon 4
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救急で搬送し、検査結果が出ずに待っている一秒が、一時間くらいに長く思える。目の前で泣きながら出て行く家族を何組か見て、不安を抱えたまま……今待合室にはあたし達しかいなくなった。
あたしの手が震えているため、課長があたしのスマホからふたりへLINEをしたが、結城はすぐこちらに向かうとのこと、衣里はどうしてもすぐには戻れないそうだ。課長は会社に連絡を入れるため、扉一枚で隔てられた一般外来受付の方に出て行った。
会社の危機と社長の危機。営業はまず仕事を優先しないといけないのはわかるけれど、結城と衣里という社長の近くに居て社長をよく知る人間がいないのが怖い。社長の記憶を明瞭にしておかないと、社長の灯火が消えそうで、とにかくこの待っている間が怖い。
すぐに課長が帰ってくる。
「温かいココア。まず落ち着いて。ここからは医師に頑張って貰うしかない。あなたが慌てても仕方がないことだ」
「……はい」
ココアの熱さが身体に染み渡る。
課長が居てくれてよかった。
あたしは狼狽するばかりで、なにも出来ないのだ。電話ひとつかけれない。情けない、情けなさ過ぎる。
喪うと思うと、なにも出来なくなる。
「――っと、朱羽!」
一般外来から扉を開けて、救急の待合室に飛び込んできたのは、宮坂専務だった。
あたしが会釈すると、専務は片手を上げて、あたしの隣に座る。
「月代さんはどうなった? 意識戻ったのか?」
専務は社長を慕っているんだとよくわかる。いつも余裕綽々の専務の顔がいつもより青白く、息も荒い。
「いいえ、まだ検査中です」
専務はネクタイを緩めて、課長が自分用に買ってきた水を奪うようにして、ごくごくと飲んだ。
「最近やけに痩せたなと思ってたら、がんが進行していたのか。そんな様子見せなかったからな」
「社長ががんだったなんて……」
あたしは両手で顔を覆い、嗚咽を漏らした。
「カバ。手術をしたのは、忍月に居た時だ。それでシステム開発とはいえ、一線でばりばり働けなくなったのもあって、ムーンを作った」
「でも……元気だったのに!」
「元気そうに見せていただけかもしれないぞ。月代さんは絶対弱音を見せないひとだ」
「……プールで社長に言われたんです。もしも自分になにかあった場合は、結城に後を継がせろと。衣里を泣かせるなと。……言われたのに、長くはないと。だけどそれを冗談にしたのはあたしです」
「月代さん、お前にそんなこと言ったのか」
「あの時おかしいと思って病院につれていったなら、入院させていたのなら、社長倒れずにすんでいたのに!」
冗談にしてしまったのはあたしだ。
「渉さん。社長は強い痛み止めを飲んでいたらしいです。社長室に散乱していたのは、痛みが襲ってきて薬を飲む間もなく倒れたのだと」
「……そんなものを持っていたということは、自覚症状はあったんだな。……倒れたのがやばいものでなければいいが」
その時、白衣を着た医者が出てきて、月代の家族を探した。
「ご家族ですか? 私は主治医の三浦と言います。症状をお話したいのですが」
「……わかりました。私達は部下なので、家族がくるまでちょっと待って下さい。もう着くと思いますので」
あたしは言った。結城が聞かないと駄目だ。結城の父親なんだから。
「社長は、月代は無事ですか?」
専務の声に、医者は固い顔のまま答えた。
「意識は戻っていませんが、いい状態ではないです」
……嫌な雰囲気だ。
「鹿沼、香月!! 専務も、遅くなってすみません!」
その時、結城が走ってやってきた。
あたしは震える唇を噛みしめて、結城の手を取った。
「結城。……聞ける?」
結城は目を細めた。
「そんなに悪いのか、社長」
「……家族が聞くべきよ。結城が聞かなきゃ駄目だ。だから待ってた。あたしも一緒に行くから、だから聞こう?」
結城の唇が震えた。
「私も聞きます」
「俺も行く」
課長と専務が硬い顔で言うと、結城は強ばった顔で笑った。
「ありがとう。心強い」
・
・
・
・
狭い空間にぎゅうぎゅうとあたし達四人が入る。医師の前にある回転椅子に腰掛けたのは結城だ。あたしはその横に立った。
結城とあたし達を見渡して、静かな口調で医師は言った。
「胆嚢がんが、かなり進行してます」
医者がCTの結果だと告げながら、レントゲン写真のような白黒の写真フィルムを電気をつけたパネルに埋めるようにして貼り付けていく。
「がん?」
結城が顔を歪めた。
「はい、月代さんは10年前に精巣腫瘍で陰嚢を取る手術をして、その時がん細胞の転移が認められず。二ヶ月に一回の検査をしてきましたが、ここ数ヶ月で左胸の肋骨あたりが痛いということで検査をしてみたら、胆嚢にかなり進んだ悪性腫瘍が見つかりまして」
転移……。
「……かなり悪いんですか?」
「残念ながら、悪いです。胆嚢という場所もさることながら、ここまで進行していては、手術でも除去出来ません。しかも、肝臓に転移も見られてます。かなりの痛みがあったと思いますよ、処方はしているのは、ほぼ麻薬といっていい強度の鎮痛剤です。もうそんなものではないと、彼の痛みを取り除くことが出来ない」
結城の手が震え、あたしもまた震える手で握った。
お互いのひんやりとした手が気持ち悪いほどだ。
「今回白血球も血小板も異常値を示していて、胆嚢炎を引き起こし腹膜炎も併発しています。敗血症にならないようにと抗生剤の点滴もしていますが、熱も高くなっており予断を許さない状況です」
そういえばここ数日社長は、お腹を手でさすっていた。
美味しいものを食べ過ぎたなど笑うから、今そんな悠長な場合かと、あたしぷりぷりしていたのに。
がんからくるものか、あるいは付加した炎症のせいか、社長はかなりの痛みを感じていたのだ。
「この炎症がよくなったとして、どれくらいなんですか? 彼の命」
結城がまっすぐな目で、医者を見た。
「もって二ヶ月」
心臓を殴られたかのような衝撃に、思わず流れる涙が止まらない。
「どうにか出来ないんですか? 治療できないんですか!?」
「ここまで進行してしまっていては、手の施しようがないというのが正直なところです。既に肝臓に転移していて、そちらの手術をしようにも、恐らくいたちごっこのようになり、体力が消耗するだけ。また、血液内が異常値を示す以上、手術しただけで命に関わる危険性もある」
「余命の話、本人は知っているんですか?」
「はい。がんがわかった時点で告知しました。月代さんは身体に負担をかけるような放射線治療などして寿命を縮めるくらいなら、このまま生きたいと。先のがんで覚悟はついているから、だから願わくば、痛みのないように今年いっぱいくらいは生きたいと。それで痛み止めを処方しておりました」
社長はどんな思いで告知を聞いていたのだろう。
どんな思いで、いつもと変わらぬ姿を会社で見せていたのだろう、
社長――。
話を聞いた処置室から出たら、結城ががくんと足から力が抜けたようにして廊下で座り込み、頭を抱えた。
「なあ、俺の聞き間違いか? そうだよな、社長は元気だったよな!? 死ぬなんて、そんなこと嘘だろ!?」
涙が出ているのすらわからないのか、真剣な顔で泣きながら見上げてくる結城に、あたしは思わず抱きしめた。
「結城、……それは嘘じゃないよ。あたしも聞いた」
「社長に、親父に!! 俺まだなにもしてねぇのに!」
「結城……っ」
結城の頭を抱きしめるあたしの腕を、結城は掴んでくる。
「俺がもっとしっかりしてりゃ。俺がもっと会社を守ってりゃ! そうしたら親父は倒れないですんだんだ。親父の寿命を縮めたのは俺だ!!」
ありえないくらいの震撼があたしの身体に伝わる。
それをあたしは泣きながら、結城のせいじゃないとなだめるように言いながら、結城を身体で包んだ。
どうか彼の悲しみが少しでも癒やせるように、と。
神様、結城から結城が好きな父親を取らないで下さい。
社長をどうか元気にして下さい。
――おお~い、カワウソ~。
あたしも社長が大好きなんです。
悲嘆に暮れた空気を、突然に衣里の声が裂いた。
「ごめん、遅れた! 社長は!? 社長なんで倒れたの!?」
衣里が汗だくで帰ってきた。
皆の落ち込んだ顔と、泣いているあたしと結城の姿を見て、衣里の足がゆっくりになり、怖いものに近づくように足先が震わせた。
「陽菜、なんなの? ねぇ、なんで泣いてるの? 結城?」
察知した衣里が泣いた。
「なんなの!? ねぇなんなのよ!?」
あたし達だけしかいない待合室に、爆ぜるような衣里の悲鳴が響いた。
***
この病院の上階にあるVIP室に入院出来たのは、ひとえに専務のおかげだ。
――渉さん、もしかして……。
――ああ。ここのはコネがないと駄目だから、緊急でジジイに借りを作っちまったけど、月代さんのためだ。皆も夜通しついていたいだろうし。
課長とひそひそ話が聞こえたけれど、専務は凄いおじいさんを持っているらしい。お父さんではないところが不思議だけれど。
まるでホテルのような室内は、シャワー室やトイレだけではなく、ゲストルームまでついていて、リビングようなテレビがある部屋、簡易キッチンまであるダイニングまであり、課長の家の方が素敵だけれど、あたしの家に比べれば断然に大きいし高級だ。
社長はこの部屋で、酸素呼吸を初めとして沢山の管や機械に繋がれて治療を受けているが、夜中になっても目を覚まさない。
炎暑が悪化して呼吸がこれ以上弱くなってくると人工呼吸器に切り替えると言われているので、そうすると社長から言葉を発することが出来なくなる。そうなってしまったら最期の気がして、あたし達はなんとかこちら側に帰ってくるようにと、社長に声をかけて励ましているけれど、現状維持。眠ったままだ。
衣里は泣きじゃくってずっと社長の傍についているし、結城も神妙な顔をして反対側の椅子に座って、無言で俯いたままだ。
あたしより社長との思い出があるこのふたりを見ていたら、涙が止まらなくて、あたしは陽気に振る舞った。……空元気というものだ。
それでもふたりの視線は社長に向いたままで、言葉が消えたままの会話をむなしく思うあたしの頭を、課長だけは静かに撫でてくれる。
なにも言わずに、ただ……頑張れと励ましてくれているように。
課長は、会社ら外部との連絡もすべてしてくれた。課長のおかげであたし達は病室につきっきりでいられる。
午後八時――。
専務はちょっと前に帰った。会社に戻らないといけないらしい。
――カバ、朱羽。うちの忍月は月代さんになにかあるのがわかれば、間違いなく会社ごと切り捨てる。俺が死ぬ気で食い止めるから、打開しろ。
専務が味方でよかったと思う。深く頭を下げたあたしに、専務は笑った。
――朱羽の中での俺の存在が、俺にとっての月代さんなんだ。今の俺がいるのは、月代さんのおかげだ。俺の自己満足なんだから、カバは気にするな。
あたしが結城を必要とし、課長が専務を信頼しているように、衣里だけではなく専務もまた、個人的に社長を必要としている。
細かく考えれば、他者に向かうベクトルの向きは一方的ではなく、誰かかれかから自分に矢印の先端は向いている。
だったら社長のベクトルは、誰に向いていますか?
人間はひとりでは生きられない。
どんなに孤独になっても、必ず差し伸べる手がある。差し伸べる手がある限り、孤独じゃない。本当に孤独なのは、差し伸べられる手に気づかないひとだ。
社長、ひとりで逝こうとしていたなんて酷いじゃないか。
社長が愛する結城のために結城を守るムーンを作ったなら、結城が社長になるところをきっちりと見届けなさいよ。
あたしを入社させてくれたのなら、あたしがもっと成長するところを見なさいよ。会社を建て直すために課長を入れたのなら、課長がどでかいことをして会社を救うまで、ちゃんと見なさいよ。
衣里を笑わせたいのなら、衣里を悲しませないでよ。
専務を可愛がったのなら、専務を社内で孤立させないで、救いに帰ってきてよ。
社員だって、皆心配してる。
あなたは種だけを蒔いて、倒れて終わりのひとじゃない。
こんなに目を覚まさないことで心を痛めている人がいるんだから、ちゃんとその声を聞いて、こちらに戻ってきて下さい。
まだまだあたし達に言いたいことはあるでしょう?
あなたは、あたし達の支柱なんですから。
午後八時半――。
病室に沙紀さんが現れる。
「渉とバトンタッチ。なにも出来ないけれど、おにぎり作ってきたから、食べて? 少しでも仮眠して。私起きているから」
「ありがとう、沙紀さん。衣里と結城、ずっとあそこで座ったままだから、休憩してと言ってるんだけれど、社長の傍についていたいみたい」
「……そう。だったら、一口でもいいから食べなきゃね。朱羽くん、おにぎりとお茶のペットボトル、あのふたりにお願い。陽菜ちゃんも、嫌でも食べる」
頷いておにぎりを手に取ると、かなり歪なものではあったが、口にしたら美味しくて泣けてきた。
「ごめ……んなさい」
「いいの、いいの。気にしないで?」
沙紀さんがティッシュをくれて、涙を拭いた。
「沙紀さんも、忍月コーポレーションにお勤めなんですよね。社長が直属の上司だったんですか?」
「いや、私は商業高卒で、コネで入った経理でね? いつもいつも部長が無理な出金を言ってきてね、あまりに簡単に言うものだから一度キレちゃった時があって。それから、言い合える仲になったのよ。私もともと毒舌だしね。と、陽菜ちゃん、タメ口でいいから。渉は専務だけど私はヒラ社員だし、同い年のお友達として」
「……わかった。沙紀さんは今も経理なの?」
「今は、渉の秘書よ。無理矢理異動させたのよ、あいつ。公私混同するな!という感じでしょう? 私おおざっぱだし秘書みたいの大っ嫌いだったんだけど、まあ部長にも説得された形で渋々やって、今では経理より長く秘書業してる」
そう笑った時、課長が戻ってきた。
「一口食べているところを見届けてきました」
「よろしい。さすがは朱羽くん」
課長は苦笑している。
「課長が忍月コーポレーションに入った時、沙紀さんは秘書だったんですか?」
「秘書なりたてね。私が渉目の前に、毒吐いてるのを見て、驚いた顔をして見ていたの思い出すわ」
「いやだって、沙紀さんのか弱い見た目とは違い、猛烈な毒だけではなく、渉さんにグーで頬殴ってましたから」
「ああ、女にだらしないから。私そういうの、大っ嫌いなの! 天誅よ。それと私、空手四段、柔道三段なの。護身術が得意!」
「はは、ははは……」
小柄なのにパワフルで泣けてくる。
専務が沙紀さんを寄越したのがわかった気がした。
このひとは強い。
笑いながら泣けてくる。いや、泣きながら笑っているのか。
「ごめんなさい、涙が止まらなくて」
「いいのよ、ほら朱羽くん慰める!」
「言われなくてもわかっていますよ」
課長にくすりと笑いながら、ふと気になったことを聞いてみた。
「沙紀さん……。社長が忍月に居た時、結婚した女性と息子についてなにか言ってた?」
「ああ、渉と朱羽くんが入ってくるまでは、ダントツで部長が女に人気あってね、それが渉が帰国したあたりで、突然入籍してすぐ相手が死んだとショッキングなことを言い出して、皆どうしていいのかわからず、その件には触れなかった。それからすぐに部長は、ムーンに独立して退社しちゃったわ」
「沙紀さんは?」
「勿論訊いたわよ。大丈夫かって。そうしたら、息子がいてくれるから大丈夫だと。嫌われているけどね、と笑われて」
結城か。
「奥様の具合が悪いのは、既にご存知だったようよ。それを承知に籍を入れたと。知り合ったのは病院だと言っていたから、今思えば部長、がんの体調不良かなにかで病院通っていた時に、知り合ったのかも」
結城のお母さんは入退院を繰り返していたと言っていた。
同じ病院で出会う可能性がないとは言い切れない。
「部長、こうおっしゃられてたの。病巣を取ったから自分はもう子供を作ることは出来ないけれど、息子の成長する様を見れるのは実の子のように嬉しいものだと。それが結婚した幸せの意味なんだろうと」
「なんだよ、それ……」
いつの間にか結城が立っていた。
「なんでそんなことを他人に言ってるんだよ、なんで……っ」
死んでしまっては伝わらないものも、生きている人間を通せば、伝えたい相手に伝わっていく。
そう思うと、なにか心が苦しくて。
誰かが死に、誰かが生きている……そんな状態になるのが。
どうしてひとは、窮地にならないとひとの心に気づかないのか。
……どうしてひとは、取り返しのつかなくなった危機に、相手の真情を知るのだろう。
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