48 / 84
日曜のランチタイムで過ごすひと時は
4
しおりを挟む
「えっと、そもそもエリナはあの後どうなったんでしょう」
彼女は即死でなかったらしい。ならばその前に病院へ搬送された可能性はある。そうだとしたらエリナの件で警察が病院に訪れるのも分からなくはない。
「いえ。死亡の確認は校内でされたの。だからご遺体は警察の方に送られたわ」
しかし、滝田さんはそれをあっさり否定した。
つまり病院は介在せずに、解剖へ回されたということなんだろう。
であれば、何故エリナの捜査で病院を訪れる必要があるのか
「じゃあ、何でお二人は病院に居たんですか」
「んー。それは、どこまで話していい物かしらね」
尋ねる私に少し困った顔をして滝田さんは小首を傾げた。
「えっと。どこか悪くして病院にかかっていたんでしょうか。そんな風には見えなかったんですけど」
「そうね……。寧ろこちらから聞きたいんだけど。彼女授業態度ってどうだったのかしら」
「じゅ、授業態度ですか?」
滝田さんが何故そんな話をするのか、それが今話していた内容とどう繋がるのか。
「ええ。例えば居眠りをしてたとか、それを注意されたとか、そんなことは無い?」
「居眠りですか? いや、そんなことは無い筈です」
二学期から彼女は私の後ろの席に座っていたので、授業中どのような態度で臨んでいたか直に見えた訳ではない。が、すぐ真後ろに居れば気配でわかる。教科書を開きめくる音や、ノートに板書するペンを走らせる音などだ。
更に、先生から彼女が注意を受けている場面は一度も見た事は無かった。
「そうなのね。じゃあ、それ以外でも寝れないとか、寝不足だとかっていう様な話はしてなかった?」
「いえ。全然。そんな素振りもありませんでしたよ」
彼女が寝不足だったのかどうか、実際には分からないが、表面上そんな風には見えなかった。寝不足なら表情や顔にも出るだろうが、クマが出来てる様にもみえなかったし肌つやも悪くはなかった。
「そう。じゃあ、普段例えば急に興奮したり、極端に明るくなったり、もしくはあからさまに落ち込んでたりする素振りとかってなかったかしら」
「ええ? いや……どうでしょう」
更に何を聞かれてるのか分からなくなったが、精神的に不安定だとは見えなかった。勿論、人の内面までは分からないが。
「ふむふむ、じゃあ、その他に例えば具合を悪くして保健室に何度も行ったりとかはなかった?」
「それも無かったですよ。寧ろ彼女、保険委員だったので連れて行く事の方が多かったですね」
「そうなのね。ありがとう、参考になったわ」
彼女は即死でなかったらしい。ならばその前に病院へ搬送された可能性はある。そうだとしたらエリナの件で警察が病院に訪れるのも分からなくはない。
「いえ。死亡の確認は校内でされたの。だからご遺体は警察の方に送られたわ」
しかし、滝田さんはそれをあっさり否定した。
つまり病院は介在せずに、解剖へ回されたということなんだろう。
であれば、何故エリナの捜査で病院を訪れる必要があるのか
「じゃあ、何でお二人は病院に居たんですか」
「んー。それは、どこまで話していい物かしらね」
尋ねる私に少し困った顔をして滝田さんは小首を傾げた。
「えっと。どこか悪くして病院にかかっていたんでしょうか。そんな風には見えなかったんですけど」
「そうね……。寧ろこちらから聞きたいんだけど。彼女授業態度ってどうだったのかしら」
「じゅ、授業態度ですか?」
滝田さんが何故そんな話をするのか、それが今話していた内容とどう繋がるのか。
「ええ。例えば居眠りをしてたとか、それを注意されたとか、そんなことは無い?」
「居眠りですか? いや、そんなことは無い筈です」
二学期から彼女は私の後ろの席に座っていたので、授業中どのような態度で臨んでいたか直に見えた訳ではない。が、すぐ真後ろに居れば気配でわかる。教科書を開きめくる音や、ノートに板書するペンを走らせる音などだ。
更に、先生から彼女が注意を受けている場面は一度も見た事は無かった。
「そうなのね。じゃあ、それ以外でも寝れないとか、寝不足だとかっていう様な話はしてなかった?」
「いえ。全然。そんな素振りもありませんでしたよ」
彼女が寝不足だったのかどうか、実際には分からないが、表面上そんな風には見えなかった。寝不足なら表情や顔にも出るだろうが、クマが出来てる様にもみえなかったし肌つやも悪くはなかった。
「そう。じゃあ、普段例えば急に興奮したり、極端に明るくなったり、もしくはあからさまに落ち込んでたりする素振りとかってなかったかしら」
「ええ? いや……どうでしょう」
更に何を聞かれてるのか分からなくなったが、精神的に不安定だとは見えなかった。勿論、人の内面までは分からないが。
「ふむふむ、じゃあ、その他に例えば具合を悪くして保健室に何度も行ったりとかはなかった?」
「それも無かったですよ。寧ろ彼女、保険委員だったので連れて行く事の方が多かったですね」
「そうなのね。ありがとう、参考になったわ」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ヨハネの傲慢(上) 神の処刑
真波馨
ミステリー
K県立浜市で市議会議員の連続失踪事件が発生し、県警察本部は市議会から極秘依頼を受けて議員たちの護衛を任される。公安課に所属する新宮時也もその一端を担うことになった。謎めいた失踪が、やがて汚職事件や殺人へ発展するとは知る由もなく——。
春の残骸
葛原そしお
ミステリー
赤星杏奈。彼女と出会ったのは、私──西塚小夜子──が中学生の時だった。彼女は学年一の秀才、優等生で、誰よりも美しかった。最後に彼女を見たのは十年前、高校一年生の時。それ以来、彼女と会うことはなく、彼女のことを思い出すこともなくなっていった。
しかし偶然地元に帰省した際、彼女の近況を知ることとなる。精神を病み、実家に引きこもっているとのこと。そこで私は見る影もなくなった現在の彼女と再会し、悲惨な状況に身を置く彼女を引き取ることに決める。
共同生活を始めて一ヶ月、落ち着いてきたころ、私は奇妙な夢を見た。それは過去の、中学二年の始業式の夢で、当時の彼女が現れた。私は思わず彼女に告白してしまった。それはただの夢だと思っていたが、本来知らないはずの彼女のアドレスや、身に覚えのない記憶が私の中にあった。
あの夢は私が忘れていた記憶なのか。あるいは夢の中の行動が過去を変え、現実を改変するのか。そしてなぜこんな夢を見るのか、現象が起きたのか。そしてこの現象に、私の死が関わっているらしい。
私はその謎を解くことに興味はない。ただ彼女を、杏奈を救うために、この現象を利用することに決めた。
暗闇の中の囁き
葉羽
ミステリー
名門の作家、黒崎一郎が自らの死を予感し、最後の作品『囁く影』を執筆する。その作品には、彼の過去や周囲の人間関係が暗号のように隠されている。彼の死後、古びた洋館で起きた不可解な殺人事件。被害者は、彼の作品の熱心なファンであり、館の中で自殺したかのように見せかけられていた。しかし、その背後には、作家の遺作に仕込まれた恐ろしいトリックと、館に潜む恐怖が待ち受けていた。探偵の名探偵、青木は、暗号を解読しながら事件の真相に迫っていくが、次第に彼自身も館の恐怖に飲み込まれていく。果たして、彼は真実を見つけ出し、恐怖から逃れることができるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる