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1.法術省入庁
#7
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磐城が退出した後、赤館と郷ケ丘は少し肩の力が抜けたのかそれぞれの席についた。
「師範からメッセージ来てた?マメだよな、あの人も。」
と、郷ケ丘。
「そうだね。それと磐城さんのこともよろしくって。私達に何か出来ることなんてないよねえ。」
そう赤館が漏らすと郷ケ丘は自分には来ていない追加のメッセージに少し気まずくなり、ああ。とだけ答えた。
「これからってまずは入庁式があって、その後は課毎にオリエンテーションだったよね?」
赤館は今日のスケジュールを確認しつつ、斜め上を見ながら鼻の穴をぷくっと膨らましスーッと息を吐いた。
「どうしたよ?何か心配事でもあるの?」
「え、いや、、、まあ、その、、お腹減らないかなって(小声)」
え!?と聞き返す郷ケ丘に赤館は顔を赤らめてお腹!!と答えた。
やれやれと郷ケ丘は赤館の目下の危機を尻目にバッグの中をガサゴソと調べ始めた。
「なあ!これ見てみ!」
郷ケ丘は自分のバッグの20㎝×20㎝くらいの内ポケットの中身を見せた。
一気に赤館が笑みをこぼす。
その中にはバータイプのシリアルスナックが満載されていて、しかも、法術施行者用にエネルギーが調整されたタイプだった。
巷では祝福者が主に摂取することからこのスナックの俗称は『いわい棒』である。
これで絶対に鳴ってはいけない状況でお腹が鳴るという醜態を未然に回避することが出来る。
「郷ケ丘さん、もしかしてこのスナックはあっしにも恵んで下さるんでしょうか?」
「おうおう、もちろんだ。その分、俺様の為にしっかり働けよ!」
ははあ。と赤館は郷ケ丘を崇拝するような仕草をして一連のコントは終了する。
赤館と郷ケ丘は大学時代から磐城家の道場に通っていたこともあり、時間を共有した分感性が似ていて自ずと滲み出る。
それは同期達からもからかわれ続けていたが、当の本人達は全く気にせずそれでこのナチュラルさを出せるのはこの2人の人間としての相性の良さなのだろう。
ーコンコンコン。
ミーティングルームのドアの前には小柄な女性が立っている。
赤館と郷ケ丘は表情と背筋を整え、「はい。」と返事をした。
「師範からメッセージ来てた?マメだよな、あの人も。」
と、郷ケ丘。
「そうだね。それと磐城さんのこともよろしくって。私達に何か出来ることなんてないよねえ。」
そう赤館が漏らすと郷ケ丘は自分には来ていない追加のメッセージに少し気まずくなり、ああ。とだけ答えた。
「これからってまずは入庁式があって、その後は課毎にオリエンテーションだったよね?」
赤館は今日のスケジュールを確認しつつ、斜め上を見ながら鼻の穴をぷくっと膨らましスーッと息を吐いた。
「どうしたよ?何か心配事でもあるの?」
「え、いや、、、まあ、その、、お腹減らないかなって(小声)」
え!?と聞き返す郷ケ丘に赤館は顔を赤らめてお腹!!と答えた。
やれやれと郷ケ丘は赤館の目下の危機を尻目にバッグの中をガサゴソと調べ始めた。
「なあ!これ見てみ!」
郷ケ丘は自分のバッグの20㎝×20㎝くらいの内ポケットの中身を見せた。
一気に赤館が笑みをこぼす。
その中にはバータイプのシリアルスナックが満載されていて、しかも、法術施行者用にエネルギーが調整されたタイプだった。
巷では祝福者が主に摂取することからこのスナックの俗称は『いわい棒』である。
これで絶対に鳴ってはいけない状況でお腹が鳴るという醜態を未然に回避することが出来る。
「郷ケ丘さん、もしかしてこのスナックはあっしにも恵んで下さるんでしょうか?」
「おうおう、もちろんだ。その分、俺様の為にしっかり働けよ!」
ははあ。と赤館は郷ケ丘を崇拝するような仕草をして一連のコントは終了する。
赤館と郷ケ丘は大学時代から磐城家の道場に通っていたこともあり、時間を共有した分感性が似ていて自ずと滲み出る。
それは同期達からもからかわれ続けていたが、当の本人達は全く気にせずそれでこのナチュラルさを出せるのはこの2人の人間としての相性の良さなのだろう。
ーコンコンコン。
ミーティングルームのドアの前には小柄な女性が立っている。
赤館と郷ケ丘は表情と背筋を整え、「はい。」と返事をした。
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