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58話 シグレ様との雑談 2
しおりを挟む「流石にステーキは上手かったな」
「そうですね、シグレ様」
私達はサーロインとフィレステーキを食べ終わり、サラダとデザードを頬張っていた。
「こういう生活が出来るのも、国民が農作物を耕したり、肉牛を育てたりしてくれているからだ。我々は本当に感謝しないといけないな」
「本当ですね、シグレ様。私達は彼らに生かされているようなものかもしれません」
「ああ。そんな彼らに報いる為に、彼らには出来ないことで恩を返さなければならない」
私達にしか出来ないこと……か。特別な教育を受けて書斎に並んでいる本を人一倍読むこと……そういったことがまず最初に挙がって来るわね。マグロ様も現在は国民の立場で頑張っていると言えるのかしら? まあ、彼の場合は貴族と言う立場で無駄に散財していたから、今の生活は当然かもしれないけれど……。
そう言えばさっき、マグロ様の後ろが危ないって話になっていたわね……もう今はサラダとデザートタイムになっているし、聞いても大丈夫かな?
「シグレ様……マグロ様の後ろの件なんですが……」
「むむ、やはり興味があるのかな?」
「ええと……少しだけ……」
あんまり想像はしたくない図だけれどね……。
「2年間もの長丁場だ……冒険者や監督官の監視の目があるとはいえ、男達は色々と我慢できなくなるだろう。その際に果たしてマグロは自らの後ろを守り切れるかどうか……なかなかに難しいところだろうな」
「私としては皆で仲良くトランプとかしていないかな? と思っているんですが」
「私もそっちの方が望ましいがな……荒くれの屈強な男達の暇潰しがトランプで収まり切るかどうか……」
「そうなんですね」
シグレ様はまるで自分のことのように話していた。まあ、経験があるわけではないと思うけど、マグロ様の気持ちはとても良く分かるのだろう。
願わくば……マグロ様が無事でありますように。なんだかんだ、精神崩壊して戻って来られたりしたら夢見が悪いしね。
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