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41話 まさかの組み合わせ 1

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「ほう……それは確かに朗報だな。ふふふふふ」

「ドレーク兄さん、なんですかその怪しい笑い方は」


 なるほど、ネルファ王女殿下からの告白があったなんて、普通では考えられないことだけれど……賢人と称されることもあるルック兄さまなら、分からなくはないわね。妹の私が言うのも変だけれど、ルック兄さまはとても二枚目なだし。

 ネルファ王女殿下からすると、無骨な印象のあるドレーク兄さまよりも、ルック兄さまの方が外見的に好みなのかもしれない。この二人の外見は正反対に近いくらい差があるからね。ドレーク兄さまの方が好みだという令嬢も多そうだけれど。

「ルック兄さま、よろしいですか?」

「どうしたんだい、レミーラ?」

「ネルファ王女殿下とはその……恋愛的にはどうなのでしょうか? やはり、政略結婚の側面が強いということになりますか?」


 この部分は何気に重要だった。マグロ様の一件があっただけに、ルック兄さまにはなるべく、純粋な恋愛で結婚をして欲しかった。

「そうだな……普通に考えれば、王家の人間が伯爵令息と結婚するメリットはない。マグロ殿のような公爵家ならともかくね。

「そうですよね……そうなると」

「まあ、その辺りはゆっくり観察していくさ。ネルファ王女殿下は中々、策略家というか……そんな部分も垣間見えているのでな」


 策略家か、なるほど。私にはそこまでのことは分からなかったけれど、確かにあの状態でマグロ様からの告白を、いきなり受けてしまう度量は凄いと思えた。将来的には国家の中枢辺りの職に就いているかもしれないわね。

「でも、おめでとうございます、ルック兄さま。お相手がネルファ王女殿下というのが少し意外でしたが……上手く行くように願っています」

「私もだルック。しっかりやれよ」

「ありがとうございます、ドレーク兄さん、レミーラ」


 私達3兄妹はその場で心から笑っていた。ルック兄さまとネルファ王女殿下という以外なコンビの誕生だけれど、その先には幸せな未来があるように感じられたからだ。

 この二人ならば上手く行きそう……そういう予感が生まれていた。



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【マグロ・フォルクス公爵視点】


 どうしたらいいだろう僕は……先が見えない。


「どうかしたの? マグロ」

「シエナ……いや、なんでもないよ」


 ネルファ王女殿下との婚約は急になかったことにされた。いや、それ自体は問題ないのだが……王家の管理下にフォルクス家が置かれるという付帯が付いて来たのだ。こんなことって……つまり、ネルファ王女殿下はフォルクス家にその付帯を付ける為に婚約の約束をしたということになる。

 本来の意味合いで考えれば、婚約自体がなくなったのだから、管理下という付帯は消えるはずなのに……消えてない。どうしよう……本当に困った。また、シエナに助けを求めてみようか? 彼女なら上手い方法を教えてくれるかもしれない。なにせ、僕の婚約者だからね。
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