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第4章 ニートと富国強兵
第18話 禁断のバレンタイン
しおりを挟む——阿久津公爵領 日本地域 池袋上級ダンジョン 35階層 幻影大隊 小隊長 仁科 誠也 ——
「止まれ! 小部屋を見つけたぞ。中にオーガが15体いる。飯塚、お前の班でちょっと行ってこい。中と外で挟み撃ちにするぞ」
「またっすか!? 何で俺の班ばかり! 」
「お前らが行った方がうまくいくんだよ。他の班のやつはオーガに囲まれてビビって失敗したろうが。あの数に正面から数で押し切っても勝てるが、もしもスモールヒールで治せない傷を負ったらヤバイ。三等級ポーションはボス戦のために取っておきたいんだよ」
これまでうちの小隊の色んな奴に擬態させ、仲間のフリして奇襲させた。20階層までのオークには誰がやっても通用したが、オーガは賢く何度もバレて乱戦になった。その都度ポーションを消費しもう残り少ない。ここは擬態実績ナンバーワンの飯塚班に任せざるを得ない。
「くっ……わかりましたよ」
「悪いな。次は俺が行くから」
ステータス的にはCランクのオーガは格下だ。俺たちは体力と魔力こそCランクだが、力はAで素早さもB+だ。しかしオーガはタフだ。そんな相手にゴリ押しをすると怪我人が出る。俺たちには戦闘技術などないから、ゴリ押しは危険だ。
この先40階層のボス戦でどれだけ怪我人が出るかわからない以上、ここで無理をするわけにはいかない。支給された三等級ポーションは温存したい。
「みんな行こう……ったく、とんだブラック部隊だぜ」
飯塚はそう愚痴りながらも見事にオーガへと擬態し、腕に判別用の赤いスカーフを巻いた。
そして6人の班員を連れて小部屋へと向かっていった。
「よし、俺たちも小部屋の近くまで行くぞ。いつも通り笛が鳴ったら突入する。同士討ちをしないよう気をつけろ」
俺はオーガに擬態した飯塚たちが小部屋に入ったのを確認した後、小隊の皆にそう指示をして小部屋まで近づいた。
そして十分後。
ピィィィィ!!
「今だ! 行くぞ! 」
『『『はいっ! 』』』
合図の笛の音が鳴り小部屋へと突入すると、既に7体のオーガが倒れていた。
「でかした飯塚! 小隊突撃! 『風刃』! 」
俺は小隊を突撃させ、残り8体となったオーガへとスキルを放ちつつ襲い掛かった。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「だぁぁぁぁ! 終わった! 途中でバレそうになってマジで怖かった! 」
「お疲れさん飯塚。よし、怪我人はいないな。みんな魔石を回収しよう。終わったら今日は休むぞ」
俺は緊張と戦闘の疲れから倒れ込む飯塚たちを労った後、倒したオーガの魔石を回収するよう指示をした。そして支給されたマジックテントと隠者の結界を取り出し、小部屋の奥と入口に設置した。
このテントは小隊ごとに支給された20人用のマジックテントだ。中にはキッチンとトイレと風呂が付いている。マジックテントの中では最下級の物だが、デビルバスターズのギルド員でも持っている者はわずかだ。その辺は馬場さんと阿久津の関係に感謝だな。無理矢理ダンジョンに突っ込まれたことはムカつくが……
そう、せっかく生き返ったのに恋人を作る間もなく俺たちは招集され、ダークエルフによってダンジョンに連れてこられた。理由は戦闘技術と擬態技術の向上のためだそうだ。
大隊長の馬場さん率いる俺たち第一特殊部隊はこの池袋のダンジョン。副隊長の武田さん率いる第二特殊部隊は神戸のダンジョンに入れられ、中で小隊ごとに別々に行動をさせられている。ちなみに1部隊につき小隊は5つだ。1個小隊はだいたい20名だな。その中に班があって、1班につき6~7名となっている。
当初俺たちは阿久津に電話をして文句を言いまくった。しかし俺たちを死なせないためだというアイツの言葉と、ダンジョンを出たあとの帝国の任務のことを聞き受け入れた。
今はキツイが40階層のボスを倒せばこの訓練も終わりだ。そしたら次は帝国本土で研修を受けて、その後は擬態し放題で女を食い放題だ。それを心の支えに俺たちはこのダンジョンで頑張っている。
マジックテントを設置し終えた俺は、見張りの順番を決めたあとテントの中へと入った。
そして風呂に班ごとに入り、夕食を皆で食べ終え二段ベッドの上で小隊の皆と談笑していた。
「あ~早く外に出てぇ! ダンジョンで死んで生き返ったらまたダンジョンとかあっさん鬼だろ! 」
「まあな。だが俺たちはステータスこそ総合でB+くらいだが、正直言って弱い。今回のダンジョン探索で、擬態の使い方がかなり上達したのは今後生き延びるための武器になる。悔しいが阿久津の判断は正しかったと認めざるを得ないな」
中級ダンジョンくらいなら力押しで行けてしまっただろう。しかし上級ダンジョンはそうはいかない。擬態の能力を上手く使わないと30階層から先は、犠牲者を出すことなく進むのは難しい。ゴールを40階層に設定したのもまた絶妙だ。Bランクのトロールは俺たちでも倒せなくはない相手だからな。
「そりゃそうかもしれないっすけど……はぁ……こんなことなら年末年始にもっと風俗に行っておけばよかったな。獣人の女の子は見向きもしてくれねえし、エルフには子供扱いされるし……あっさんよく口説けたよな」
「獣人やエルフは大前提として、強くないと見向きもされないらしいからな。阿久津は公爵になるほどその強さを見せ、そのうえ獣人やエルフたちを奴隷から解放してさらに面倒まで見てる。モテないわけがないだろう」
阿久津の現状は羨ましいが、アイツがやってきたことを聞けば聞くほど納得せざるを得ない。それだけアイツは命懸けで戦ってきた。いくら強力なスキルがあるとはいえ、飛空艦隊に単身で突っ込む勇気は俺にはない。
そんな阿久津に対して俺たちは気軽に文句を言ってはいるが、本当は俺たちが呼び捨てにしていい相手ではもうない。生き返って幻影大隊に配属された時は、今後はみんな阿久津のことを公爵様って呼ぼうと話し合った。しかし馬場さんが、阿久津が昔のような付き合いを望んでるって言ったからやめた。権力者は孤独って言うしな。だったら俺たちが友人として、アイツに何があろうと最後まで支えてやるさ。
「そりゃそうだけどさ……強さか。俺たちはギルド員じゃねえしな。とりま帝国で実績を作ってからだな。貴族の家に潜入して、超絶イケメンに擬態して股間の息子が休まる間もなくメイドを食いまくって……くぁぁぁぁっ! 早く帝国に行きてぇ! やりてえ! 」
「うるさいぞ飯塚。みんなエロ動画で我慢してんだ。溜まってんならトイレ行って抜いてこい! 」
軍で支給されているタブレットにはあらゆるエロ動画がダウンロードされている。ダンジョンで訓練をする兵士のための福利厚生らしい。阿久津らしい気遣いだ。
「でも、もう2ヶ月もダンジョンにいるんすよ? しかも明日はバレンタインデーっすよ! 地上にいればチョコレートをもらえて、性なる夜を過ごしたかもしれないのになんで俺たちはこんなところに……」
「お前がいったい誰からもらえるんだよ。阿久津じゃあるまいし。アイツは毎年山ほどもらってるようだけどな。恋人からは夜に特別なチョコレートをもらってるって聞いた」
「夜に特別なチョコレート? それってまさか……」
「ああ、間違いなくリズさんやシーナさんの身体にラッピングしてってやつだろうな」
猫耳と兎耳の美女の身体にチョコレートを……なんて羨ましい奴だ。
「あの美女の身体にチョコレートを……くっ! 爆ぜろあっさん! 」
『『『くっ……羨ましい! 』』』
「まあ俺たちはこれからだ。いずれハーレムを作ってやるさ。さあ、もう寝るぞ。男しかいないこのダンジョンでバレンタインのことなんか話しても虚しいだけだしな。ここを出たら少し休めるから、その時にみんなで街にでも行ってナンパしよう」
給料はいいからな。ここさえ出ればいい車に乗ってナンパしてもいい。外では阿久津に申請さえすれば擬態はできるんだ。今度こそ食いまくってやる。そして帝国でも……
「はぁ……そうっすね。野郎同士で話していても悲しいだけっすよね。あーあ、せめてダークエルフの女の子が一緒にダンジョンに潜っていてくれたらな……あのムチムチボディを拝めるだけでも……ん? あれ? いたっ! 女がいた! 」
「なんだ? どうした飯塚。幻覚でも見えたのか? 」
俺は突然女がいたと叫び出した飯塚に、あまりの禁欲生活に幻覚が見えたのかと心配した。
「仁科さん! 女いるじゃないすか! 擬態! みんな女になれるっすよ! 」
『『『『『!? 』』』』』
「い、飯塚……正気か? 」
この中の誰かが女になる……正直気付いてはいた。だが俺はずっとそのことから目を背けていた。
だって元はみんな男だ。その男が女体化したのを見て興奮する? 俺が女体化した飯塚の身体を見て股間を固くする? 冗談じゃない! これは踏み越えてはいけない一線だ!
ここを越えれば行き着くところまで行くだろう。最初は女体化した仲間の裸を見るくらいで済むと思う。しかしこの禁欲生活を強いられたダンジョン内で、果たしてそれだけで終わるだろうか? いや、それだけで済むはずがない。きっと未だ見たことのない新世界を垣間見ることになるだろう。
その結果、小隊の結束は股間とともに固くなるだろうが、二度と俺たちは元には戻れなくなる。下手したら擬態していない時にも、隊員たちを性的な目で見てしまうことにもなりかねない。駄目だ! そんな世界には行きたくない!
しかしそんな俺の心配をよそに、飯塚は猫耳の女性へと擬態した。
『『『おお~! 』』』
「どうだみんな? ほら、グラビアの動画に出てた子だ。動画じゃ脱いでなかったが、ほれ特別だ! 」
飯塚は着ていたシャツをはだけさせ、片乳をポロリと出した。
『『『うおぉぉぉ! 』』』
その姿にみんな股間をおさえ大興奮していた。
「お、おい飯塚。やめろって……」
俺は脱いだ飯塚を止めようと声を掛けるが、思っていたよりも声に力が入らなかった。
まずい……可愛い……もっと見たいと思ってしまっている自分がいる。中身は飯塚なのに……男なのに……
「なんだみんな? 俺に興奮したのか? わっははは! ウケるぅ!! 」
『ば、ばっか! 俺が飯塚に興奮するとかないわ~』
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飯塚の煽りに皆がなんでもないという風に反応するが、その視線は猫耳女性の胸に釘付けだ。俺もだ。
そんな時。隊員の一人がとんでもない提案を口にした。
『なあ、ジャンケンで負けた奴が一日女装することにしようぜ』
『お? いいねえ! 罰ゲームみたいなもんだな』
『わははは! いいねえ。ストリップも罰に入れようぜ! 』
『ぎゃー! ぜってえ負けらんねえ! 』
「ちょ、待てって! それはさすがにまずいって! 」
俺は恐れていたことが現実になりそうな気がして、必死にこの流れを止めようとした。
「何がまずいんです? まさか仁科さんは俺たちを襲うんすか? 」
「い、いやそれはない! 無いけど……」
ここでそうだと言ってしまったら、俺が変態扱いされる。飯塚め! なんて卑怯な!
「じゃあ問題ないっすね! さあ仁科さんもジャンケン参加してくださいよ。みんなやろうぜ! 」
そしてその後、壮絶な3回勝負のジャンケンが始まった。
その結果、俺は勝ち飯塚は負けた。
それから負けた者が日本人の女性に金髪の女性。そして猫耳やうさぎ耳や犬耳など動画に出ていた女性たちに擬態し、隊員十名によるストリップショーが始まった。
最初はみんな股間に毛布を乗せながらも笑いながら見ていた。しかし女体化した者たちが調子に乗り、おさわりを許可したところから収拾がつかなくなった。
その後のことは思い出したくない。
さすがに最後まではしなかったが、その一線もいつ越えるかわからない。
俺たちは禁断の果実に手を出してしまったんだ。
早くこのダンジョンを出なければ……皆が戻ってこれなくなる前に。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「アクツ様あ~ん♪ 」
「あ~ん……うん、おいしいよ」
「うふふ、もっと食べてください。たくさんありますから。次はこのお肉を……あ~ん」
「あ~ん」
俺はテーブルの横に座るラウラから、次々と差し出される料理を口に入れていった。
2月も半ばに入り、バレンタインデーの今日。
俺はラウラの旗艦である『アクシア』に乗り込み空のデートをしていた。
今日は朝から悪魔城で働くメイドやエルフやダークエルフの女性たちから、山ほどのチョコレートを渡された。義理とはいえ、学生時代にほとんどもらった記憶のない俺としては嬉しいもんだ。
そして昼近くになってラウラがやってきて、デートをして欲しいと言ってきたのでそのまま空のデートに出かけたというわけだ。
先週アルディスさんがどうしても今日の昼は空けておくように言ってたのは、恐らくラウラの為だったんだろう。ラウラがアルディスさんに頼んだのかな? だとしたらきっと二人っきりで俺にチョコレートを渡したいのかも。可愛いよな。
それにしてもさすがは帝国一の美女と呼ばれているだけある。前も綺麗だったが、若返ってさらに美しくなった。
今日のラウラは長く艶のある赤髪をアップにまとめており、紫のチャイナドレスを着ている。ドレスから覗く白く長い足は長くとても綺麗だ。
やっぱチャイナドレスっていいよな。俺が似合うと言ってから、ラウラは大量に買い足したみたいで、毎回違う色や装飾のチャイナドレスを着てくれているよ。やっぱラウラって絶対俺のこと好きだよな。
彼女の変わり具合に戸惑ってはいたけど、反乱以降は狂気的な面は一切見なくなった。それどころか俺の前ではまるで少女みたいに純真だ。今のラウラはもう俺にぶっ飛ばされ、尻をむき出しにされ叩かれて喜んでいたラウラじゃない。俺にご飯を食べさせて喜んでいるような可愛い女性だ。
そんなラウラなら大歓迎だし、今度夜のデートの時にもう一歩関係を進めようかな。
そんなことを考えながらもラウラと昼食に食べさせてもらい、俺もお返しに彼女に食べさせてあげたら顔を真っ赤にして食べていた。俺は可愛いなぁとニヤニヤしながら恥ずかしがる彼女を眺めていた。
そして食後にピンク一色のラウラの部屋に案内された。俺は初めて入った彼女の部屋で、もしかしてもしかするかもと少し期待しつつ窓際のソファーに腰掛けた。
しかし部屋に入り俺の隣に座った途端にラウラは一言も喋らなくなり、俺の隣で下を向いていた。
「どうしたんだラウラ? 部屋に入ってから急に暗い顔になって……何か悩み事があるのか? 魔帝が何か無理難題を言っているならぶっ飛ばしてくるけど? 」
俺はラウラの手を握り、彼女の目を見つめ何か悩んでいるなら力になると告げた。
魔帝は魔界の門が見つからず、家に帰れないからか相当イラついてるみたいだからな。もしかしたら八つ当たりされているのかもしれない。もし俺の可愛いラウラをいじめてるならダルマにしてきてやる。
「いえ……陛下は何も……あの……ア、アクツ様! そ、その……アクツ様に私の過去のことをお話ししたいと思いまして……」
「過去のこと? 」
なんだ? なんで俺に過去の話を? でもこのラウラの緊張具合……もしかしたら誰かに過去のことで脅されている? それなら聞くべきだろう。そして俺がそいつからラウラを救い出してやる。
「はい。あの……実は私……」
しかしラウラが語ったことは、俺の想像していたこととは全く違っていた。
それは血の繋がった兄から受けた性的虐待の話だった。
俺は彼女が泣きながら語るその話に、はらわたが煮え繰り返っていた。その兄が生きているなら速攻で殺しに行きたいほどに。だがその男はラウラとアルディスさんによりもうこの世にはいない。
俺はやり場のない怒りを拳を握りしめることで押さえ込んでいた。
「ぐすっ……あ、アクツ様……手から血が……」
「いいんだ。ラウラが受けた苦しみに比べればこれくらい」
「アクツ様……私のために……あ、あの……そういうわけで私の身体は汚れているんです。こんな女は……い、嫌ですよね? 」
ラウラは俺の手を握りながら、まるで捨てられた犬のような目で俺にそう言った。
「え? 汚れている? どこが? 」
俺はラウラのいう汚れているという意味が理解できなかった。
「で、ですから義兄におもちゃにされたこの身体が……私は処女ではないので……」
「処女じゃないと汚れているってこと? そしたら世のほとんどの女性は汚れているってことになるぞ? 馬鹿なこと言ってんじゃない。ラウラは汚れてなんかいない。とても清潔感のある魅力的な女性だよ」
処女以外はみんな汚れてるってすげー考えだな。今どき成人した女性で処女な子って少ないぞ?
「ああ……で、ですがアクツ様はその……もしも恋人にする女性が処女じゃなくてもその……気にならないのですか? 」
「全然。そもそも人を好きになるってそういうことじゃないだろ? 」
童貞の頃は気にしたけど、それは俺が恋愛を知らなかったからだ。処女とかそんなのはどうでもいい、その子が好きかどうかが大切だ。その女性が本気で好きなら、たとえどんな過去があろうと気になるわけがない。その過去があったからこそ、好きになった女性は存在しているんだから。
だいたいラウラは清楚だし俺には優しいし超絶美女だ。そしてFカップで尻も太ももだってムチムチだ。そんな女性が処女とかどうかなんて気になるわけがない。むしろ経験豊富な方が嬉しい。それだけ夜も楽しめるしな。
「ああ……アクツ様……嬉しい……アルディス姉さんの言っていたとおりだったわ……」
「アルディスさん? 」
「いえ……その……少しお待ちください」
俺が首を傾げているとラウラはソファーから立ち上がり、クローゼットからラッピングされた箱を持ってきた。
そして頬を赤く染め、震える手でその箱を俺に差し出した。
「ア、アクツ様。その……今日はバレンタインデーですので、チョコレートを作りました。アクツ様だけに……ほ、本命チョコです! 」
「あ、ありがとう。ん? 本命って……」
もしかしてこれって……
「そ、その……す、好きです! あの時、ロンドメルに囚われていた私を空から救いに来てくださった時から……アクツ様は私にとって白馬の王子様で……ま、毎日朝から晩まで貴方のことを考えていました。わ、私をアクツ様の……こ、恋人にしてください! お願いします! 」
「ラウラ……」
マジか……まさかラウラから告白されるなんて。
だから辛い過去の話を俺にすることで、自分を受け入れてもらえるか確認したのか。
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なんというかやっぱり純真で可愛い女性だな。
そんな可愛い女性に恋人になって欲しいと言われて、俺は幸せ者だ。
「嬉しいよラウラ。是非俺の恋人になってくれ」
俺は彼女のチョコレートを受け取り、そのまま抱きしめた。
そしてラウラを見つめ、そのぷるんとした唇にキスをした。
「ん……アクツ様……嬉しい……ううっ……断られるかと……こんな身体の私は受け入れてくれくれないかと……」
「涙を拭いてラウラ。処女とかどうとかそんな事を気にしていたなんてな。そんなに気になるなら元に戻してやろうか? 」
「え? 元にって……」
「戻せるよ。ほら、処女だった時の身体を思い浮かべてごらん? 」
「は、はい……」
「いくよ? 『ラージヒール』 」
俺は施設解放された女性たちにやったように、ラージヒールで処女膜を再生させた。
「な、なにが……」
「これで処女に戻ったよ。間違いない」
まあ処女に戻りましたっていっても実感はないか。
でも俺はシーナにしょっ中やってるからわかる。間違いなくラウラは処女になっている。
「ま、まさかラージヒールにそんな使い方が……」
「ラウラ、過去に起こったことは記憶から消せないかもしれない。けど、身体は元に戻せるんだ。ラウラ風に言うなら、これで汚れてなんかいないってことになるよな? 処女なんだし」
「処女……私が……あ……ああ……アクツ様……あなたって人は本当に……いつも私を救ってくれる……」
「白馬の王子様だっけ? まあそんなイケメンじゃないけど、これからもラウラが困っている時は助けに行くよ。恋人だからな」
白濁の王子って仁科に言われたことはあるけどな。まあ男だらけでダンジョンに放り込まれた奴らのひがみなんて右から左だ。
「アクツ様……好き……どうしようもないくらいあなたが好き……」
ラウラはそういって俺の首に腕を回しキスをしてきた。
そのキスはとても長く濃厚で、俺たちはお互いの舌を絡ませ合った。
俺はそんなラウラとのキスに我慢できなくなり、彼女の尻を撫でチャイナドレスの上からその大きな胸を揉みしだいた。
そして長いキスが終わりお互い顔を離すと、ラウラの顔は上気していた。
「あ……んふっ……あの……疑うわけでは無いのですが……ほ、本当に処女になったのか……その……確かめて……その……」
「初めてを俺にくれるの? 」
「あ……はい……私の初めてを……もらってください」
「喜んで」
俺は赤面しうつむきながら初めてをもらって欲しいと言ったラウラに興奮し、彼女をお姫様抱っこして奥のベッドルームへと運んだ。
そしてチャイナドレスを脱がし、両手で顔を隠し恥ずかしがっている彼女の極上の身体を隅から隅までを手と舌で味わった。
それから準備ができた彼女に覆い被さり、キスをしながらゆっくりと一つになったのだった。
痛がりつつも破瓜の痛みに喜ぶラウラの中に全て吐き出したあと、シーツには赤い染みが残っていた。
ラウラはそれを見て好きな人に初めてを捧げられて嬉しいと泣いていた。
俺はそんな彼女が愛おしくなり、そっと抱きしめて夜まで一緒にベッドで過ごしたのだった。
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