ジャンヌコード

daidai

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短編2

第3幕 第4場/1

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ジャンヌコード 女神の挑戦
ブルーナンバー 禁断の休暇バカンス

4 罪人の過去

「…古谷(下田)は店内でアルコール類を大量に飲み、変装したあなたは何も注文せず、じっと座っていた…店を出た後、あなたたちは何処に行ったのか…女将や従業員たちは、薄々感づいていましたよ…」
「え?」
 その時、ショウコはノリコの発言にぎょっとした。

「…マオが言ってました、私を迎えに行くために送迎車に乗ろうとすると、アクセルやブレーキ部分が砂まみれになっていて…」
 不審な点は他にもあった。車内床にビールがこぼれていて、おまけに禁煙車のはずなのに、ヤニ臭さが残っていた。

「不振がっていましたよ…それとお風呂をご一緒した時、膝を怪我されてましたよね?今思うと、それは崖で揉み合った時に負った怪我ではないですか?」
 テリカはショウコに歩み寄り、マオの証言に自身の見解を付け加えて話した。

「…その日、送迎車を使ったのは女将とマオだけのはずでしたが、実はもう一人いた…運転したのはあなたで一緒に古谷(下田)が乗っていた…違いますか?」
「…はい、おっしゃる通りです」
 ノリコは鋭い眼差しでショウコを問い詰めた。彼女は問題の車内の様子が映った写真を取り出して、それをショウコに見せた。
 車内についていた土は裏山の土だった。その土は水分を含んでいて泥に近かった。理由として、事件前日まで大量の雨が降ったため、土が完全に乾いていなかった。
「裏山までは歩けない距離じゃないですが、急な坂道が多いため、かなり時間が掛かります…車だと移動時間がかなり短縮出来る…裏山に行った理由は後で話すとして、まず殺害方法です…あなたは崖まで誘いだし、不意を突いて彼を殺そうとした…殺害した時のことを話せますか?」
 ノリコはショウコから事細かに殺害方法を聴き出そうとした。そして、彼女は素直に答えようとした。

「…刑事さんが言った通り、私は隙を狙って古谷(下田)を殺そうとしました…しかし、なかなか上手くいかず抵抗されて、しばらく揉み合いが続きました…彼が酔っていなかったら私が殺されていたかもしれません…」
「…彼は異常なほど、お酒が好きだったようですね…酔って足がふらついていれば、女性のあなたでも殺害が可能です…」
 古谷(下田)の前頭部にはいくつも深い傷があった。それは叩きつけられたような跡で転落した時の怪我ではなかった。

「あなたは岩の欠片で彼の頭を叩き付けた…さっきの撮影映像で崖下に岩の欠片を落としていることが分かりました…彼はそれが原因で力尽きて滑り落ちた…そうですね?」
「はい、それで私は無駄だと分かっていながら、事故死に見せかけようと偽造工作を…その時、レイアちゃんの気配に気づいたわけです」
「よく話してくれましたね、刑事たちが外で待っています、続きは地元の警察署で…と言いたいところですが…まだあなたを渡すわけにはいかない…テリカ悪いけど…」
 その時、テリカは退室して、ショウコはノリコと二人きりとなった。
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