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第二章
──第79話──
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しばらく時間がたつと、ショーンは俺が見せた薬草と同じモノを両手に抱えて持ってきた。
「おにーさん、これ!」
「あぁ、ちゃんと俺が見せたのと同じ薬草だな。それはこっちに入れてくれるか?」
俺は薬草を入れる麻袋を広げショーンに向けると、ショーンはそこに薬草を入れた。
ショーンは どう?どう?と顔をキラキラとさせて、褒めてくれるのを待っている、と言った様子で俺を見てくる。
えっと……。
褒めるってどうするんだ?
こんなに期待の眼差しを受けて、どう褒めたら良い?
どの言葉が正解??
褒める言葉を期待されてから褒めるという事をした事が無いので、どうすれば良いのか少し考え、俺はショーンの頭に手を置いて言葉にする。
「……ありがとう。よく出来たね。」
「うん!」
ショーンの眩しい笑顔が返ってくる。
どうやら俺の言葉は間違って無かった様だ。
すると、ショーンはポケットから いそいそと赤く小さな野苺の様な実を取り出した。
「おにーさん、これ!」
「なん……んぐぅ!?」
俺が口を開けた瞬間にショーンの手に持っていた赤い実が俺の口に入ってきた。
ちょっと強引過ぎやしませんかね、ショーン。
普通に渡してくれたら食べ……
あー……コレ……。
「おにーさん、おいしい?すごく 甘そうな香りだったから一番に、おにーさんに食べて欲しかったんだ!」
にこにこと笑顔でショーンは俺を見つめて来た。
美味しそうなモノを見付けたから、俺に食べさせ様と思って持って来てくれたのか。
優しいな。
その気持ちは凄く嬉しいよ?
嬉しいんだけど、コレ……。
…………。
……毒、なんだよなぁ。
どう伝えようか……。
俺は口に広がる甘酸っぱい味と舌に痺れを感じながら考える。
ノアが昔言ってたみたいに、確かに美味しい毒もある。
……耐性があれば美味しく頂ける。
耐性が無い頃に食べるのはただの拷問。
この毒は少量だと死にはしないが、麻痺状態にはなる。
大量摂取すると、心臓まで麻痺が回り死ぬこともあるが、特に俺にとっては危険な訳でも無い。
今思うとノア達に耐性をつれさせられてた時は効き目が低い順番で徐々に慣らしてくれてたんだな……。
死ぬかと思ったけど。
これはいつ頃に食べたっけ……?
中盤辺りだった様な……?
て事は、耐性の無い奴が食べたら、確実に麻痺状態になるだろうな。
うん、ショーンに食べさせたら駄目だな。
俺は考えながら、赤い実を飲み込んだ。
その様子を見ていたショーンは自分も食べようと、赤い実を口元に持っていく。
俺はそれを片手で制し、苦笑が漏れる。
「ショーンは食べちゃ駄目だ。」
「どうして?おにーさんは食べたよ?」
確かに食べた。
毒だけど食べた。
口に入れた毒を吐き出そうとすると、ノア達にすげー怒られたし。
毒なら吐き出しても良いと俺は思うんだけどねー……。
ショーンは不思議そうに首を こてん と傾けながら俺の言葉を待っていた。
「これは、身体にあまり良くないモノだから食べちゃ駄目なんだ。」
「……そうなの!?……おにーさんは だいじょう、ぶ?」
「俺は大丈夫。これくらいなら平気だ。」
俺は心配そうな表情をしているショーンの頭の上に手を乗せ、安心させてやる。
これくらい……と言うか、殆どの毒は俺には効かないからなぁ。
ノア達のせい……おかげ?で。
「……ほんとう、に?」
尚も心配してくるショーンに俺は笑顔を向ける。
「あぁ、本当だ。だけど、他にも毒とかあるかもしれないから、食べる前……人に食べさせる前にちゃんと俺に聞けよ?」
「……分かった。」
すごく落ち込んだショーンに苦笑を漏らし、その後はショーンと一緒に薬草を取る。
先程の事があったからか、ショーンは薬草を取る度に俺に聞いて来るので、結構時間が掛かってしまい、いつもの半分以下の量しか取れなかったが、ショーンが凄く楽しそうだったから良しとしよう。
太陽が傾き始めたので、俺達は集めた薬草を持ってギルドへ向かった。
帰りにまたもやショーンが顔を真っ青にさせていたので薬を飲ませて、落ち着かせてからギルドへ入る。
「ル、ルディ様!今日も薬草を取りに行かれたのですか?」
ギルドの受け付けへ行くと、いつもの猫耳お姉さんが対応してくれた。
「うん。今日も宜しく。」
「は、はいっ!分かりましたっ!!……あれ?この子は……?」
猫耳お姉さんがショーンの存在に気が付き、ショーンに顔を近付ける。
ショーンは俺の後ろに隠れる様に立ち、顔を覗かせて猫耳お姉さんに ぺこり と挨拶をした。
猫耳お姉さんは俺とショーンを交互に見て、何やら驚いている。
「ま、まさか!ルディ様のお子さんですかっ!?」
……は?
はぁ!?
どこをどう見たらそうなるの!?
「いや……ちが」
「も、もしかして、ルディ様は見た目と実年齢が違うのですか!?」
俺の話を聞けよっ!!
その質問は答えにくいぞ!?
確かに十五歳の見た目で十五歳じゃないけどさ!!
「あのさ……この子は」
「ル、ルディ様にこんな大きなお子さんがいるなんてっ!」
聞いちゃいねぇ……。
俺は仕方なく、机に乗り出して来ていた猫耳お姉さんの頭に手を置き、そのまま力を込めて座らせる。
そして、俺は猫耳お姉さんに笑顔で言葉を放つ。
「エレナ、少し落ち着いてくれるかな?」
「は、はいっ!」
猫耳お姉さんは耳と尻尾を ピン と伸ばして返事をした。
落ち着いた事を確認してから俺はショーンを紹介する。
「この子は最近知り合った子なんだ。薬草を取ってみたいって事で今日は手伝って貰ってた。」
「そ、そうなんですかっ!す、す、すいません……私、勘違いをしてしまいました……。こんにちは、私はエレナと言います。お名前を聞いても良いですか?」
「…………ショーン。」
猫耳お姉さんは後半、ショーンに問い掛けると、ショーンは迷いながらも自己紹介をした。
人見知りなのかな?
初めて会った時、何も喋らなかったからなぁ。
人見知りなんだろうな。
それなのに ちゃんと自己紹介出来て偉いな。
俺は微笑みながらその光景を見ていた。
子供と猫耳お姉さん。
うん。
和む。
「おにーさん、これ!」
「あぁ、ちゃんと俺が見せたのと同じ薬草だな。それはこっちに入れてくれるか?」
俺は薬草を入れる麻袋を広げショーンに向けると、ショーンはそこに薬草を入れた。
ショーンは どう?どう?と顔をキラキラとさせて、褒めてくれるのを待っている、と言った様子で俺を見てくる。
えっと……。
褒めるってどうするんだ?
こんなに期待の眼差しを受けて、どう褒めたら良い?
どの言葉が正解??
褒める言葉を期待されてから褒めるという事をした事が無いので、どうすれば良いのか少し考え、俺はショーンの頭に手を置いて言葉にする。
「……ありがとう。よく出来たね。」
「うん!」
ショーンの眩しい笑顔が返ってくる。
どうやら俺の言葉は間違って無かった様だ。
すると、ショーンはポケットから いそいそと赤く小さな野苺の様な実を取り出した。
「おにーさん、これ!」
「なん……んぐぅ!?」
俺が口を開けた瞬間にショーンの手に持っていた赤い実が俺の口に入ってきた。
ちょっと強引過ぎやしませんかね、ショーン。
普通に渡してくれたら食べ……
あー……コレ……。
「おにーさん、おいしい?すごく 甘そうな香りだったから一番に、おにーさんに食べて欲しかったんだ!」
にこにこと笑顔でショーンは俺を見つめて来た。
美味しそうなモノを見付けたから、俺に食べさせ様と思って持って来てくれたのか。
優しいな。
その気持ちは凄く嬉しいよ?
嬉しいんだけど、コレ……。
…………。
……毒、なんだよなぁ。
どう伝えようか……。
俺は口に広がる甘酸っぱい味と舌に痺れを感じながら考える。
ノアが昔言ってたみたいに、確かに美味しい毒もある。
……耐性があれば美味しく頂ける。
耐性が無い頃に食べるのはただの拷問。
この毒は少量だと死にはしないが、麻痺状態にはなる。
大量摂取すると、心臓まで麻痺が回り死ぬこともあるが、特に俺にとっては危険な訳でも無い。
今思うとノア達に耐性をつれさせられてた時は効き目が低い順番で徐々に慣らしてくれてたんだな……。
死ぬかと思ったけど。
これはいつ頃に食べたっけ……?
中盤辺りだった様な……?
て事は、耐性の無い奴が食べたら、確実に麻痺状態になるだろうな。
うん、ショーンに食べさせたら駄目だな。
俺は考えながら、赤い実を飲み込んだ。
その様子を見ていたショーンは自分も食べようと、赤い実を口元に持っていく。
俺はそれを片手で制し、苦笑が漏れる。
「ショーンは食べちゃ駄目だ。」
「どうして?おにーさんは食べたよ?」
確かに食べた。
毒だけど食べた。
口に入れた毒を吐き出そうとすると、ノア達にすげー怒られたし。
毒なら吐き出しても良いと俺は思うんだけどねー……。
ショーンは不思議そうに首を こてん と傾けながら俺の言葉を待っていた。
「これは、身体にあまり良くないモノだから食べちゃ駄目なんだ。」
「……そうなの!?……おにーさんは だいじょう、ぶ?」
「俺は大丈夫。これくらいなら平気だ。」
俺は心配そうな表情をしているショーンの頭の上に手を乗せ、安心させてやる。
これくらい……と言うか、殆どの毒は俺には効かないからなぁ。
ノア達のせい……おかげ?で。
「……ほんとう、に?」
尚も心配してくるショーンに俺は笑顔を向ける。
「あぁ、本当だ。だけど、他にも毒とかあるかもしれないから、食べる前……人に食べさせる前にちゃんと俺に聞けよ?」
「……分かった。」
すごく落ち込んだショーンに苦笑を漏らし、その後はショーンと一緒に薬草を取る。
先程の事があったからか、ショーンは薬草を取る度に俺に聞いて来るので、結構時間が掛かってしまい、いつもの半分以下の量しか取れなかったが、ショーンが凄く楽しそうだったから良しとしよう。
太陽が傾き始めたので、俺達は集めた薬草を持ってギルドへ向かった。
帰りにまたもやショーンが顔を真っ青にさせていたので薬を飲ませて、落ち着かせてからギルドへ入る。
「ル、ルディ様!今日も薬草を取りに行かれたのですか?」
ギルドの受け付けへ行くと、いつもの猫耳お姉さんが対応してくれた。
「うん。今日も宜しく。」
「は、はいっ!分かりましたっ!!……あれ?この子は……?」
猫耳お姉さんがショーンの存在に気が付き、ショーンに顔を近付ける。
ショーンは俺の後ろに隠れる様に立ち、顔を覗かせて猫耳お姉さんに ぺこり と挨拶をした。
猫耳お姉さんは俺とショーンを交互に見て、何やら驚いている。
「ま、まさか!ルディ様のお子さんですかっ!?」
……は?
はぁ!?
どこをどう見たらそうなるの!?
「いや……ちが」
「も、もしかして、ルディ様は見た目と実年齢が違うのですか!?」
俺の話を聞けよっ!!
その質問は答えにくいぞ!?
確かに十五歳の見た目で十五歳じゃないけどさ!!
「あのさ……この子は」
「ル、ルディ様にこんな大きなお子さんがいるなんてっ!」
聞いちゃいねぇ……。
俺は仕方なく、机に乗り出して来ていた猫耳お姉さんの頭に手を置き、そのまま力を込めて座らせる。
そして、俺は猫耳お姉さんに笑顔で言葉を放つ。
「エレナ、少し落ち着いてくれるかな?」
「は、はいっ!」
猫耳お姉さんは耳と尻尾を ピン と伸ばして返事をした。
落ち着いた事を確認してから俺はショーンを紹介する。
「この子は最近知り合った子なんだ。薬草を取ってみたいって事で今日は手伝って貰ってた。」
「そ、そうなんですかっ!す、す、すいません……私、勘違いをしてしまいました……。こんにちは、私はエレナと言います。お名前を聞いても良いですか?」
「…………ショーン。」
猫耳お姉さんは後半、ショーンに問い掛けると、ショーンは迷いながらも自己紹介をした。
人見知りなのかな?
初めて会った時、何も喋らなかったからなぁ。
人見知りなんだろうな。
それなのに ちゃんと自己紹介出来て偉いな。
俺は微笑みながらその光景を見ていた。
子供と猫耳お姉さん。
うん。
和む。
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