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ー2ー巨大都市ヴィタワール
⒑ 金髪の男
しおりを挟む俺は今岩陰で休んでいる。
サリィさんと別れてから平原のような場所を歩いていて、横からマモノが猛ダッシュでこちらに近づいて来たので、俺も猛ダッシュでここまで逃げれた。
今はそのマモノから逃れたが、まだ近くに居るはずだ。
でもきっと、初日の時に追いかけられたら、追いつかれたと思う。だけど、今はサリィさんと居る時に脚が鍛えられたため逃げる事が出来たのかもしれない。まあ数日でそんな速く走れるようになったんでわなくて、逃げるのに必死だったからかも知れないが。
でも、ポロロは炎と水と風は一様出来るようになったし、剣も一様使えるようになった。
「オーベルルル」
その鳴き声は俺をさっきから追いかけてきてるやつだな。名前は確かオーベルだったけ、多分鳴きで名前を決めんだろうな。
オーベルの攻撃はまず俺じゃ無い所に突撃して、スキップして、攻撃をしてくるマモノだ。
俺は走り出した。
この前倒した時はサリィさんが居たから簡単だったか、今は居ない。自分の力でやらないといけない。
戦闘として、使えるポロロは炎ぐらいだ。水は出すことは出来るが、威力が弱く使えない、風は少し風を起こすくらいだ。風を戦闘として、使うには魔法でいうと、中級か上級魔法ぐらいでないと敵に傷すらつかない攻撃になる。
なので俺はオーベルの足を狙って、炎を出した。
だが炎はオーベルの足をかすっただけだった。けどれど、前よりは良くなった気がする。
ここは平原のため、たまに大きい石があるぐらいだ。
俺はなるべく、周りに森が無いかを確かめて居ると下にある石に気づかず、転びそうになる。
この前の俺とは違うぞ。
俺は体をまわしてオーベルのいる方に剣で振ったが、剣をそのまま投げてしまった。
俺はその反動で尻もちを付けてしまった。
オーベルはその隙を見逃さず、俺を襲って来た。
そして、攻撃をしようとスキップをした瞬間前に人が現れて、オーベルを一発で仕留めた。
その人は金髪で赤い目をしていた男だった。
男は俺に手を差し伸べて、
「大丈夫かい、ハーツくん」
「ありがとうございます」
俺は立ち上がり、一つの疑問が出た。
なぜ俺の仮の名前を知っているのだろうか。
知っているのは、サリィさんだけのはず。
いや、俺とサリィさんの話を聞いていた奴が一人いる。
「まさか……あの時の」
「思い出したかい、ハーツくん」
「女に変身していた、尾行して来た。変な人で約束もした気がする」
正直完全に忘れていた。さっきサリィさんにも言われたんだけどな。
「あはは、あれはしょうがなかったんだよ」
「何の事だ?」
「女に変身していたこさ、実は俺は有名な人でさ、見つかったら面倒だから、前もってさ、変身するマジックボールを使ったら女になったわけだよ、理解してくれたかな」
それ、ただの人意識過剰なだけじゃ無いのか。確かに少し見ただけで強いとは思ったが。
「そうだったのか……じゃあどうするんだ」
「見つけられ無いようにする方法かい?」
「そうだ」
男は腰に付けていた場所から丸何かを出して、少し振ると、ローブ?のような物を出した。
「これだよ、このフード付きローブで顔と体を隠すんだよ」
「あの、今小さいやつから大きくなったよな」
「これはな魔法だ」
「魔法何ですか」
「使える人は俺以外あまり見たことはないけどね」
そうなのか、てっきり魔法が使える人は大体の人が使えると思ったが、じゃあこの人は本当に有名な人なのかも知れないな。
「君にもあげるよ、ハーツくん。服が結構汚れているからね」
「ところでなんで名前の最後にくんをつけるんだ?」
「嫌だったかい、それなら今からでもやめるけど」
「どっちでもいいが、くん付けなしでお願いする」
「わかったハーツ」
試しに俺の本当の名前を言ってみる事にした。
「俺は今井清嗣だ」
「なんとかハーツだ?前のが聞きづらかったからもう一度お願い」
「いや、何でもない」
やっぱり、なぜか俺の名前がなんとかハーツにしか聞こえないらしい。まあでも、以外この名前気に入ったから、そのままでいいがな。
「俺はまだ名乗って居なかったね。俺の名前はユーデウス宜しく頼む」
「こちらこそ宜しく……ユーデウス」
ユーデウスか、思ったよりも変人じゃなくて良かった。
「ところでハーツはどこに行く気なんだ?」
「冒険者になろうと思って、試験を受けるつもりだ」
「試験か……ここから一番近いのは、巨大都市ヴィタワールなら受けられるようよ」
ヴィタワール、どんな場所なのだろうか。巨大都市と言うぐらいなのだから、相当でかいんだろうな。
「ここから何日ぐらかかりますか?」
「ここから1000㎞ぐらいあるから最短で10日はかかる」
「そうですか……」
最短で10日かかるから1日100㎞歩く1時間で10㎞ぐらいだから1日10時間歩くのか、だけど、俺が足を引っ張ると思うからもっと遅くなる。
バスとか乗り物が無いのは不便だな。
俺は改めて乗り物の必要性を感じたのだった。
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