上 下
11 / 11
ー2ー巨大都市ヴィタワール

⒑ 金髪の男

しおりを挟む

俺は今岩陰で休んでいる。

サリィさんと別れてから平原のような場所を歩いていて、横からマモノが猛ダッシュでこちらに近づいて来たので、俺も猛ダッシュでここまで逃げれた。
今はそのマモノから逃れたが、まだ近くに居るはずだ。

でもきっと、初日の時に追いかけられたら、追いつかれたと思う。だけど、今はサリィさんと居る時に脚が鍛えられたため逃げる事が出来たのかもしれない。まあ数日でそんな速く走れるようになったんでわなくて、逃げるのに必死だったからかも知れないが。

でも、ポロロは炎と水と風は一様出来るようになったし、剣も一様使えるようになった。

「オーベルルル」

その鳴き声は俺をさっきから追いかけてきてるやつだな。名前は確かオーベルだったけ、多分鳴きで名前を決めんだろうな。
オーベルの攻撃はまず俺じゃ無い所に突撃して、スキップして、攻撃をしてくるマモノだ。

俺は走り出した。

この前倒した時はサリィさんが居たから簡単だったか、今は居ない。自分の力でやらないといけない。

戦闘として、使えるポロロは炎ぐらいだ。水は出すことは出来るが、威力が弱く使えない、風は少し風を起こすくらいだ。風を戦闘として、使うには魔法でいうと、中級か上級魔法ぐらいでないと敵に傷すらつかない攻撃になる。

なので俺はオーベルの足を狙って、炎を出した。

だが炎はオーベルの足をかすっただけだった。けどれど、前よりは良くなった気がする。

ここは平原のため、たまに大きい石があるぐらいだ。

俺はなるべく、周りに森が無いかを確かめて居ると下にある石に気づかず、転びそうになる。

この前の俺とは違うぞ。

俺は体をまわしてオーベルのいる方に剣で振ったが、剣をそのまま投げてしまった。
俺はその反動で尻もちを付けてしまった。

オーベルはその隙を見逃さず、俺を襲って来た。

そして、攻撃をしようとスキップをした瞬間前に人が現れて、オーベルを一発で仕留めた。

その人は金髪で赤い目をしていた男だった。

男は俺に手を差し伸べて、

「大丈夫かい、ハーツくん」
「ありがとうございます」

俺は立ち上がり、一つの疑問が出た。

なぜ俺の仮の名前を知っているのだろうか。
知っているのは、サリィさんだけのはず。
いや、俺とサリィさんの話を聞いていた奴が一人いる。

「まさか……あの時の」
「思い出したかい、ハーツくん」
「女に変身していた、尾行して来た。変な人で約束もした気がする」

正直完全に忘れていた。さっきサリィさんにも言われたんだけどな。

「あはは、あれはしょうがなかったんだよ」
「何の事だ?」
「女に変身していたこさ、実は俺は有名な人でさ、見つかったら面倒だから、前もってさ、変身するマジックボールを使ったら女になったわけだよ、理解してくれたかな」

それ、ただの人意識過剰なだけじゃ無いのか。確かに少し見ただけで強いとは思ったが。

「そうだったのか……じゃあどうするんだ」
「見つけられ無いようにする方法かい?」
「そうだ」

男は腰に付けていた場所から丸何かを出して、少し振ると、ローブ?のような物を出した。

「これだよ、このフード付きローブで顔と体を隠すんだよ」
「あの、今小さいやつから大きくなったよな」
「これはな魔法だ」
「魔法何ですか」
「使える人は俺以外あまり見たことはないけどね」

そうなのか、てっきり魔法が使える人は大体の人が使えると思ったが、じゃあこの人は本当に有名な人なのかも知れないな。

「君にもあげるよ、ハーツくん。服が結構汚れているからね」
「ところでなんで名前の最後にくんをつけるんだ?」
「嫌だったかい、それなら今からでもやめるけど」
「どっちでもいいが、くん付けなしでお願いする」
「わかったハーツ」

試しに俺の本当の名前を言ってみる事にした。

「俺は今井清嗣だ」
「なんとかハーツだ?前のが聞きづらかったからもう一度お願い」
「いや、何でもない」

やっぱり、なぜか俺の名前がなんとかハーツにしか聞こえないらしい。まあでも、以外この名前気に入ったから、そのままでいいがな。

「俺はまだ名乗って居なかったね。俺の名前はユーデウス宜しく頼む」
「こちらこそ宜しく……ユーデウス」

ユーデウスか、思ったよりも変人じゃなくて良かった。

「ところでハーツはどこに行く気なんだ?」
「冒険者になろうと思って、試験を受けるつもりだ」
「試験か……ここから一番近いのは、巨大都市ヴィタワールなら受けられるようよ」

ヴィタワール、どんな場所なのだろうか。巨大都市と言うぐらいなのだから、相当でかいんだろうな。

「ここから何日ぐらかかりますか?」
「ここから1000㎞ぐらいあるから最短で10日はかかる」
「そうですか……」

最短で10日かかるから1日100㎞歩く1時間で10㎞ぐらいだから1日10時間歩くのか、だけど、俺が足を引っ張ると思うからもっと遅くなる。

バスとか乗り物が無いのは不便だな。

俺は改めて乗り物の必要性を感じたのだった。







しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

処理中です...