21 / 32
4章 旅の始まり
20. 泥スライム
しおりを挟むそして、俺が立ち止まっていると、
周りからベチョベチョという変な音が聞こえて来た。
おかしいなと思いながら歩くと、地面がベタベタになっており、泥かと思ったら、それらが動き出した。
「……って」
俺が走ると、下のベタベタしていた奴が集まってくっついて、スライムみたいになって、追いかけて来た。
試しに剣で切って見ようとするが、切ったら地面に散らばったら、またくっ付くので、きりが無さそうなので諦めて走る事にした。
あの魔物は、茶色でブヨブヨしている。スライムみたいなだから、泥スライム?
そして、俺は急いで走ったが……
「あれ、どこだっけ!?」
さっきはおばさんの後ろをついて行っていたので、ハッキリと来た道を覚えていない。
泥スライムは逃げても追いかけ来る。
まるでストーカーだ。
この場所はこんなに広い村だっけなと思いながら走っていと、
曲がった前にも泥スライムが現れた。
そして、後ろを見てみるとさっき泥スライムがいる。つまり今挟まれている状態だ。
泥スライムは時間が経つにつれ、大きさ増加していっている気がする。
【壁登り】を発動して、壁を登ってみると、周りは霧がかかっていて、周りが見えづらいそのため、適当に進むしか無かった……。
さっきから、似たような建物を走っているように感じた。
周りには泥スライムがびゅんびゅん跳ねて、付いて来ている。
大きさが2メートル越えしている奴もいる。
そして、前に光っている場所があったのでそれを目指す事にした。
後ろを見ると、泥スライムが尋常じゃない大きさになっている。
光りの場所が近くなったので、俺は思いっきりジャンプをした。
光りの中に入った瞬間に周りの景色が変わった。
「うっ……と」
着地すると、さっきの村に帰って来たようだ。
今のは何だったんだろうか……?
歩いていると、グラス達を見つけたのでそこに向かった。
「おぉ……ラーメンじゃ……ないか……」
グラスの顔色がとても悪そうだ。
「大丈夫か?」
「大丈夫……食べ過ぎた……だけだと思うから」
リーア達の方を見ると、グラスと同じ状態になっている。
「リーアそんなに食っても大丈夫だったのか?お金とか」
「実は無料だったんだよね……」
「そう……なんだよ……久しぶりの客だからって言ってね……甘い食べ物を沢山……食べたよ……」
ツキユは甘い食べ物を沢山食べたようだ。
ニアの方を見ると、とても苦しそうだ。
この前も同じようなことがあった気がするが……。
さっきの事は皆んなに黙る事にしよう。
「ところで、フライヤは?」
「フライヤは……村の門の前に座ってると思う……」
「わかった」
そして、グラス達はおじさんに相談すると魔法で何かをやって貰ったみたいで、すっかり元気になった。
「よし、主発するぞー!」
「「お!」」
グラス達はとても気分が良いみたいだ。
フライヤはこの村に来てから、具合が悪く、まだ戻っていないようだが「出発しても良いわよ」と言ったので行く事になった。
その後、1時間もしないうちに村に着いた。
「ここは、リープル村だよ。ここにはよく行くんなんだよな……」
グラスが言った通り、よく来るみたいで門番もグラスの事を知っているような振る舞いをしていた。
村を歩いていると、
「うっ」
グラスがまた具合が悪くなったようだ、そして続いてリーア達も具合が悪くなった。
そのため解散となった。
今日はこの村で泊まり、夜ご飯は各自食べる事になったみたいだ。
この村は小さい場所だが、いちようホールはあるみたいだ。だけど、俺は今日は色々あったので依頼などはやめとく事にした。
ーー
そして、俺はそこら辺の静かそうなお店に入いる事にした。
「いらしゃい」
店員は普通のおじさんだったので、ホッとした。
客は少し居て、静かにご飯を食っているようだ。
俺はそのおじさんと直接話せる、カウンター席に座った。
理由はさっきの村の事について聞きたいと思ったからだ。でもあの村は変な占い師がおかしかっただけかも知れないが……。
「あの、メニューはどこに書いてあるだ?」
「貴方から見て左の壁にメニューの一覧が貼っておりますよ」
左を見てみると確かに貼ってあった。
少し悩んだが、結局おすすめの料理を食べる事にした。
食べてみると、
「美味しい……この味はなぜか故郷を感じる」
俺は食事を半分ぐらい食べて、村について聞く事にした。
「あの……」
「どうしたんじゃ?」
「この村から1、2時間ぐらいで行ける村ってあるのか?」
「無いと思うが……早くても3、4時間ぐらいはかかるぞ」
「本当ですか?」
グラス達の様子とかおかしいなと思っていたが……まさかね。
「俺はさっきここから1時間くらいの村にいたんだけど……」
「本当かい? その村の名前なんだ?」
「実は……
この村は小さいから名前が無い。と言われてから、言うなれば"名も無い村"かなと言われたんだよな……」
「その話もっと聞かせてくれないか?」
おじさんは俺に顔を近づけて言った。
何か知っているのだろうか……
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
(完)私の家を乗っ取る従兄弟と従姉妹に罰を与えましょう!
青空一夏
ファンタジー
婚約者(レミントン侯爵家嫡男レオン)は何者かに襲われ亡くなった。さらに両親(ランス伯爵夫妻)を病で次々に亡くした葬式の翌日、叔母エイナ・リック前男爵未亡人(母の妹)がいきなり荷物をランス伯爵家に持ち込み、従兄弟ラモント・リック男爵(叔母の息子)と住みだした。
私はその夜、ラモントに乱暴され身ごもり娘(ララ)を産んだが・・・・・・この夫となったラモントはさらに暴走しだすのだった。
ラモントがある日、私の従姉妹マーガレット(母の3番目の妹の娘)を連れてきて、
「お前は娘しか産めなかっただろう? この伯爵家の跡継ぎをマーガレットに産ませてあげるから一緒に住むぞ!」
と、言い出した。
さらには、マーガレットの両親(モーセ準男爵夫妻)もやってきて離れに住みだした。
怒りが頂点に到達した時に私は魔法の力に目覚めた。さて、こいつらはどうやって料理しましょうか?
さらには別の事実も判明して、いよいよ怒った私は・・・・・・壮絶な復讐(コメディ路線の復讐あり)をしようとするが・・・・・・(途中で路線変更するかもしれません。あくまで予定)
※ゆるふわ設定ご都合主義の素人作品。※魔法世界ですが、使える人は希でほとんどいない。(昔はそこそこいたが、どんどん廃れていったという設定です)
※残酷な意味でR15・途中R18になるかもです。
※具体的な性描写は含まれておりません。エッチ系R15ではないです。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる