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長内編

第二十三話 三人でいつまでも

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 二週間がくる一日前に、ようやく薬を得た。治療薬もまた噴射式だから、ちょっとぞくっとする悪い意味で。
 その日に大喜びで、椿はソフトを手に入れたとやってきた。
 玄関先でばたばたばたっと大きな足音がしたと思えば、椿は勢いよく扉をあけて驚かせた。
「見ろよほら、正真正銘本物だ! パッケージ付きだぞしかも! かかった金額? 騙された分も含めて、総額二百二十万! 痛くないな、これで密が手に入るなら!」
「密、取材が一日早めで終わっていいと会社から許可が出たからこっちも条件は終了だ、その場合どうなるんだ?」
 会社と電話していた雪道さんも僕が帰宅するなり、椿と同時に話すものだから、薬を手に入れたことを話す。

「なら薬使おうか」
「エッ、意外だ。アンタと同じ考えなんて。オレも、薬使った方がいいと思った。なんというか……一人で独占できるのは魅力的だけど、それで悲しむやつを気遣う密が嫌だ」
「共有というのは腹は立つが、しょうがない。これも、私達の運命なのだろう」
「あのね、二人とも。未来できっとまた二人のうちどちらか選ばなければならないときはくるよ」
「そうだろうね、でも番であると君の身体に刻まれるならそれで嬉しいよ」
「オレも。オレも世間がどう言おうが紙切れがどうあろうが、アンタさえオレのものだって自覚してくれるならそれでいい」
 二人の真剣な眼差しに、三人とも思いは同じなんだと嬉しくなった。
「じゃあ使おうか、噴射して」

 二人に薬を手渡し噴射させると、僕の身体の違和感はなくなった。
 椿は歯を見せ笑い、雪道は穏やかに微笑んでいた。



 雪道と椿の視線が交わる。交わると、一瞬だけ嫌悪の混ざった空気が流れたが、すぐに穏やかになり二人は呆れたように笑った。
「アンタもか」
「ああ、譲れないね」
 二人して何の話をしているんだろうと、ぼんやりしていると、椿が僕を俵抱きで抱え上げ雪道は寝室に入るなり扉を閉めた。
 僕が少しじたばたすると、雪道は僕に目隠しをして、笑った気配がした。

「どっちが密を愛してるか、当ててごらん」
 愛するというのは思いの方ではなく、行為のほうであった。
 といっても二人とも服を脱がすなり、つつ、と身体を撫でるだけで焦れったくてしょうがない。
 早く貫かれたいのに、早く二人が欲しいのに。
 僕は無意識に二人を欲しがり、股を少しだけもじもじとさせてしまった。
 それをきっかけに荒々しいキスをしてきたのは多分椿だろう、反対の方では多分雪道がチョーカーを外して項を食んでいる。椿の雄くさい匂いがするし、キスの好みが椿のものだ。
 項を唾液の音が響き渡るほど味わっている、それだけで僕の秘所は濡れる。
 しかもこの二人、ラットを引き起こしている。二人の強力なフェロモンにより、僕の思考は最早快楽のことしか考えられなくなっていた。二人の子種が欲しい欲しいと身体が叫んでいる。
「キスだけ、やだ、えっち」
「えっろいのはアンタだろ、密なぁに濡らしてるンだよ」
 指を水音たてて後孔を蹂躙しているのは椿。ということはやっぱり項を食みながら、後ろから僕の胸に触れているのは雪道だ。
「雪道ぃ、お、ねがい。椿もぉ」
「ッ、名前呼び捨て、最初はどうかなと思ったけどかなりご褒美だね」
 雪道の手つきが速度を増していく感覚がした。ぷるぷると僕の乳首を弾いては抓るものだから、その度に身体が跳ねる。
 前からは椿が僕の陰茎を何かで縛ったようだった。やめて、と口にしてもそれは言葉だけのもの。
 本当は二人に好き勝手されたいし、二人もそれを分かっている。
 僕は四つん這いにされると、口元に誰かの隆起した何かが当たる、肉棒だこれは。
 唇に含むとぬらぬらと濡れていて、雄の匂いにくらりとし、僕はたまらずむしゃぶる。
 うっ、とうめき声から雪道だろうと思い、雪道の好きな裏筋を舌で舐めあげる。
 すると雪道の息づかいがたまらないとばかりに、荒くなっていく。
 椿は椿で、今何をしているのか分からないけれど、真っ暗な空間――何をされるんだろうという妄想が膨らみ続けて興奮していく。
 椿が後ろから覆い被さり、タイミングを見ずに僕の中へと挿入した。僕は少し腰を揺らして、もっともっとと強請ろうとしたが頭を掴まれた。
 頭を捕まれた僕は雪道らしき人に思うままに髪の毛を鷲づかみにされ、乱暴に口の中へ腰を振られた。止まらない腰に喉の奥まで犯された、やがて口内に白濁が飛び散る。
 僕は煽ろうと、口内に出された物をくちゅくちゅと泡立て、見せつけてから飲み込んだ。

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