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熱
熱(2)
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当時大学4年生だった男は、その後参加したいくつかの学会で響を探した。
しかし、見つけることは叶わず、研究の最先端である海外のある大学院に進学し、つい最近までその大学で教鞭をとっていた。
日本には数度帰国し、その度に響を探したが、ただの1度も見かけることが出来なかった。
そして今年の春、母校であるこの大学で教鞭をとってくれないかという申し出があり8年ぶりに日本での研究を始めることになっている。
今日はゼミのミーティングがあり、そこで紹介をする、と男の大学時代の恩師に言われあの研究室に向かった。
そして、開始時刻の30分も前に研究室に着いてしまい、暇を持て余していた。
そこに現れたのが響だった。
ノックがあり、部屋の扉か開いた瞬間甘い香りが漂った。
そしてそこに居たのはあの日から男が探し求めていた少年だった。
10年ほど前に一瞬だけ見た少年だった。
10年前と言うとこの少年は10歳を過ぎた頃で、あの頃より随分大人に近づいていたが、男には今目の前に立っているのがあの時の少年だと一目見てわかった。
男の方を見つめた青年の目が見開かれ
た。
男は響も気づいているのだとなんとも言えない喜びを感じる。
そして次の瞬間、部屋中に狂いそうなほど甘い香りが漂った。
しかし、見つけることは叶わず、研究の最先端である海外のある大学院に進学し、つい最近までその大学で教鞭をとっていた。
日本には数度帰国し、その度に響を探したが、ただの1度も見かけることが出来なかった。
そして今年の春、母校であるこの大学で教鞭をとってくれないかという申し出があり8年ぶりに日本での研究を始めることになっている。
今日はゼミのミーティングがあり、そこで紹介をする、と男の大学時代の恩師に言われあの研究室に向かった。
そして、開始時刻の30分も前に研究室に着いてしまい、暇を持て余していた。
そこに現れたのが響だった。
ノックがあり、部屋の扉か開いた瞬間甘い香りが漂った。
そしてそこに居たのはあの日から男が探し求めていた少年だった。
10年ほど前に一瞬だけ見た少年だった。
10年前と言うとこの少年は10歳を過ぎた頃で、あの頃より随分大人に近づいていたが、男には今目の前に立っているのがあの時の少年だと一目見てわかった。
男の方を見つめた青年の目が見開かれ
た。
男は響も気づいているのだとなんとも言えない喜びを感じる。
そして次の瞬間、部屋中に狂いそうなほど甘い香りが漂った。
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