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第一章 メルトヴァル学院での日々
平穏がまた遠ざかりました
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『では、結界を解くぞ。それと………ルティウス、一つ聞くが』
「なんです?フォルティガ」
『この後はどうするつもりだ?どうやら、この国も“乙女ゲーム”とやらの舞台だったようだが』
「………ひとまずは先程ソールに絡んできたアレにはお引き取りいただきます」
黒い。もうすでにあの少女を“アレ”呼ばわりしているルティウス様の笑顔が。あと何やら怒りが滲んでいます。ルティウス様、彼女と一言も会話してないのに。そう疑問に思っていたら「貴女のことで怒っているんですよ?」と補足され、思考を読まれたことに驚きました。顔は無表情なんですけどね、私。
たしかに彼女のせいで大変な目に合わされましたが。
彼女、明らかに転生者ですし……『ゲームのシナリオ通り動けば世界は思いのまま』とか考えてそうですから、反省とかしなさそうですよね。
今後に思いを馳せて思わず遠い目になりました。ますます目立たない生活が出来なさそうじゃないですか。
この学院は小・中・高一貫校なため、様々な年齢層の若者が集まっている。さすがに校舎は別ですが、寮は余程の事情がない限りは、卒業まで一緒らしく。学部が変わるごとに一階上の部屋に移動するそうだけだそうです。
主が中等部までしか行っていないのは留学するために特例として卒業が認められたからですしね。
どうやら、この国の王家の方には過去に転生者が存在していたようで、その方がこの国の教育機関に物申したようで。主が通っていたこの学院の教育過程の話を聞いたときは『あぁ、その方も自重しなかったんですね』と思ったのをよく覚えています。内政チートというやつです。私も前世の経験を利用して暗殺者やってましたから、人のことはいえないな、とも思いましたが。
まあ、それはともかくとして。今はあの少女をどうにかしないといけないのはたしかですしね。
フォルティガは『では解くぞ』と言い、次の瞬間水の膜が割れるように解けました。
まず視界に飛び込んできたのは、例の少女の腕を掴み、険しい顔を隠しもしない少年でした。いえ、この世界では15歳で成人ですから、この場合は青年ですね。
うん、見覚えのある人ですね。
やや長めの長髪をうなじのあたりで一纏めにしたダークレッドの髪にアイスブルーの瞳。まあ“神童”の名を欲しいままにしている方ですし、なんだかんだ私も会話する機会がある人です。整い過ぎているくらい端正な顔立ちなうえ、常に気難しそうな表情をしているから余計に冷たく見えてしまうのですよね。実際に厳しい方ではありますが、誰彼構わずというわけではないのですが。
あ、ちなみにいうと、ストランディスタ王国の魔術師団長ヴァイス様の従兄弟でもありますよ。ヴァイス様のお父上の妹さんが嫁いで生まれたのが彼ですから。まあ彼は次男ですから、跡継ぎではないですけどね。お兄様とは年が離れてますから、ヴァイス様と従兄弟という事実に驚かれる人のほうが多いですけどね。
彼、たしか今年で18歳でこの学院の最終学年です。名前は───
「痛い痛い痛い~!!いきなり何をするんですかぁ、シュア様ぁ~!!」
「黙れ。お前などに名乗った覚えなどない。その名で呼ぶことを許しているのはほんの一握りの者たちだけだ。私のリュミエルに危害を加えた痴れ者が馴れ馴れしく呼ぶな!」
「はっ?(何それ!?そんな設定、ゲームになかったのに!!)」
もしもし。シュドヘル様?何故にそこを強調されるのですか。
「(リュミエル。彼は?)」
私の上体を起こしてくれているルティウス様の手に力が入りました。あー………、私のって強調しましたもんね、あの方。その台詞のあたりで近くにいるご令嬢方の表情が歪んだのが気配で分かります。睨んでこないのはいつの間にか側に寄ってきていたシルディオ様と私を助け起こしているルティウス様がいらっしゃるからですけど。
まぁ………普通に考えると特別な関係を疑いますよね。
「(………彼の名はシュドヘル・カルディア・ヴィッテンバーグ様と仰います。ヴィッテンバーグ公爵家のご次男で、主の側近のみなさんを纏める立場をされています)」
「(つまりは彼もクルシェットの側近だと。それが何故“私のもの”扱いされているんですか、貴女は)」
「(いえ……決して恋人だとかそういうのではないんですよ)」
「(もしそうだったとしても諦めませんが。どういうことです?)」
「(……………ルティウス様、何だか怖いですよ、その一ミリも笑っていない笑顔が)」
「(───、少しは察してください。で、貴女と彼の関係は?)」
「(ヴィッテンバーグ家は女児が生まれにくいそうで、一族みな男性ばかりなんですよ。主に拾われた直後に顔を合わせまして、どうにも『私が守らなければ!!』という使命感に駆られたらしくて。それ以来妹として愛でられてます。前世の言葉でいうならシスコンな人です。ですので、あの方の正確な言葉は『私の大切な妹のリュミエル』だと思われます)」
「(はぁ~………嫉妬して損した気分です……………)」
「(嫉妬?)」
「(そこは聞かなかったことにしてください)」
ルティウス様ががっくりとしながら溜め息をつきました。そのあとの私の言葉には速攻で返答してきましたが。
私たちがそんな話をしている間にもシュドヘル様は自称ヒロインを追い払うべく門衛を呼ぶように近くの学生に声をかけていました。声をかけられたのは男子学生──あの方はヴィッテンバーグ家に仕える騎士の家系の方ですね。飛ぶように走っていかれました。
そしてやって来た門衛の一人に「こんなはずじゃ」とか「それは私の立ち位置なのに………!」とか「なんでリュミエルと契約出来ないの!?」とか喚いている少女が引き摺られていくのを見送りました。
本当に今後どうなるのでしょう?
一つだけわかるのは、私の『モブ扱いでいいから平穏に過ごしたい』という願いが早くも潰えそうだということなんですよね。
はぁ…………………………お願いですから、みなさん放っておいてくれませんかね。
「なんです?フォルティガ」
『この後はどうするつもりだ?どうやら、この国も“乙女ゲーム”とやらの舞台だったようだが』
「………ひとまずは先程ソールに絡んできたアレにはお引き取りいただきます」
黒い。もうすでにあの少女を“アレ”呼ばわりしているルティウス様の笑顔が。あと何やら怒りが滲んでいます。ルティウス様、彼女と一言も会話してないのに。そう疑問に思っていたら「貴女のことで怒っているんですよ?」と補足され、思考を読まれたことに驚きました。顔は無表情なんですけどね、私。
たしかに彼女のせいで大変な目に合わされましたが。
彼女、明らかに転生者ですし……『ゲームのシナリオ通り動けば世界は思いのまま』とか考えてそうですから、反省とかしなさそうですよね。
今後に思いを馳せて思わず遠い目になりました。ますます目立たない生活が出来なさそうじゃないですか。
この学院は小・中・高一貫校なため、様々な年齢層の若者が集まっている。さすがに校舎は別ですが、寮は余程の事情がない限りは、卒業まで一緒らしく。学部が変わるごとに一階上の部屋に移動するそうだけだそうです。
主が中等部までしか行っていないのは留学するために特例として卒業が認められたからですしね。
どうやら、この国の王家の方には過去に転生者が存在していたようで、その方がこの国の教育機関に物申したようで。主が通っていたこの学院の教育過程の話を聞いたときは『あぁ、その方も自重しなかったんですね』と思ったのをよく覚えています。内政チートというやつです。私も前世の経験を利用して暗殺者やってましたから、人のことはいえないな、とも思いましたが。
まあ、それはともかくとして。今はあの少女をどうにかしないといけないのはたしかですしね。
フォルティガは『では解くぞ』と言い、次の瞬間水の膜が割れるように解けました。
まず視界に飛び込んできたのは、例の少女の腕を掴み、険しい顔を隠しもしない少年でした。いえ、この世界では15歳で成人ですから、この場合は青年ですね。
うん、見覚えのある人ですね。
やや長めの長髪をうなじのあたりで一纏めにしたダークレッドの髪にアイスブルーの瞳。まあ“神童”の名を欲しいままにしている方ですし、なんだかんだ私も会話する機会がある人です。整い過ぎているくらい端正な顔立ちなうえ、常に気難しそうな表情をしているから余計に冷たく見えてしまうのですよね。実際に厳しい方ではありますが、誰彼構わずというわけではないのですが。
あ、ちなみにいうと、ストランディスタ王国の魔術師団長ヴァイス様の従兄弟でもありますよ。ヴァイス様のお父上の妹さんが嫁いで生まれたのが彼ですから。まあ彼は次男ですから、跡継ぎではないですけどね。お兄様とは年が離れてますから、ヴァイス様と従兄弟という事実に驚かれる人のほうが多いですけどね。
彼、たしか今年で18歳でこの学院の最終学年です。名前は───
「痛い痛い痛い~!!いきなり何をするんですかぁ、シュア様ぁ~!!」
「黙れ。お前などに名乗った覚えなどない。その名で呼ぶことを許しているのはほんの一握りの者たちだけだ。私のリュミエルに危害を加えた痴れ者が馴れ馴れしく呼ぶな!」
「はっ?(何それ!?そんな設定、ゲームになかったのに!!)」
もしもし。シュドヘル様?何故にそこを強調されるのですか。
「(リュミエル。彼は?)」
私の上体を起こしてくれているルティウス様の手に力が入りました。あー………、私のって強調しましたもんね、あの方。その台詞のあたりで近くにいるご令嬢方の表情が歪んだのが気配で分かります。睨んでこないのはいつの間にか側に寄ってきていたシルディオ様と私を助け起こしているルティウス様がいらっしゃるからですけど。
まぁ………普通に考えると特別な関係を疑いますよね。
「(………彼の名はシュドヘル・カルディア・ヴィッテンバーグ様と仰います。ヴィッテンバーグ公爵家のご次男で、主の側近のみなさんを纏める立場をされています)」
「(つまりは彼もクルシェットの側近だと。それが何故“私のもの”扱いされているんですか、貴女は)」
「(いえ……決して恋人だとかそういうのではないんですよ)」
「(もしそうだったとしても諦めませんが。どういうことです?)」
「(……………ルティウス様、何だか怖いですよ、その一ミリも笑っていない笑顔が)」
「(───、少しは察してください。で、貴女と彼の関係は?)」
「(ヴィッテンバーグ家は女児が生まれにくいそうで、一族みな男性ばかりなんですよ。主に拾われた直後に顔を合わせまして、どうにも『私が守らなければ!!』という使命感に駆られたらしくて。それ以来妹として愛でられてます。前世の言葉でいうならシスコンな人です。ですので、あの方の正確な言葉は『私の大切な妹のリュミエル』だと思われます)」
「(はぁ~………嫉妬して損した気分です……………)」
「(嫉妬?)」
「(そこは聞かなかったことにしてください)」
ルティウス様ががっくりとしながら溜め息をつきました。そのあとの私の言葉には速攻で返答してきましたが。
私たちがそんな話をしている間にもシュドヘル様は自称ヒロインを追い払うべく門衛を呼ぶように近くの学生に声をかけていました。声をかけられたのは男子学生──あの方はヴィッテンバーグ家に仕える騎士の家系の方ですね。飛ぶように走っていかれました。
そしてやって来た門衛の一人に「こんなはずじゃ」とか「それは私の立ち位置なのに………!」とか「なんでリュミエルと契約出来ないの!?」とか喚いている少女が引き摺られていくのを見送りました。
本当に今後どうなるのでしょう?
一つだけわかるのは、私の『モブ扱いでいいから平穏に過ごしたい』という願いが早くも潰えそうだということなんですよね。
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