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第五章 これまでの決着をつけます

学院祭・二日目~兄様はレアな特技持ちです~

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 “ウィアナさん丸刈リータ事件”後、奇声を上げて走り去る彼女をみんなで見送り。──というか、もうどうしようもないので、帰ってもらうしかなかった。ウィアナさん、あの頭で明日からどうするつもりなんだろう。……………できれば、あとの二日間は部屋で大人しくしててくれないかな。
 

 一日目 ・午後の部は、特にトラブルもなく、終了した。ある意味、二日目・三日目が本番と言えるから、明日も頑張らないと。

※※※※※※※※※※

「ユフィリア、出来ればそのままでいてくれ。殿下方、父上たちも同じように願います」

 シルディオ兄様のその言葉を受けて、私たちは出来るだけ気配を殺している真っ最中です。
 目の前で繰り広げられる光景に呆れた顔を隠す気もないエルフィンや、蔑んだ表情があからさまなルティウス、顔を引き攣らせたまま固まるお父様たちを横目に、私は溜め息を吐いた。─────なんでこうなったんだっけ?


──────────事の発端は、約一時間程前に遡る──────────



 学院祭イベントは、もう終わった一日目のイベントを除くと、三日間すべてに存在する。二日目の家族団欒イベントと、三日目のコンテストで起こるイベントだ。どのイベントも、最も好感度の高い攻略対象者との間に起きる。
 二日目は、生徒たちが各々の家族を招く日。ヒロインの養父でもある父親と、本当の父親であるフェルヴィティール公爵が顔を合わせ、養父の父親が、『娘をよろしくお願いします』と頭を下げ、公爵も、『あの時果たせなかった約束をこの子を守ることで果たします』とヒロインの幸せを願い、そのことに感動の涙を流すヒロイン。一番好感度の高い攻略対象者が、側で肩を抱き寄せながら、『もちろん○○も、△△を護る』──ちなみに、○○のところに、それぞれの攻略者の一人称が、△△のところにヒロインへの二人称が入る。──と耳元で囁くというもの。
 
 このイベント、どうなるんだろう。ウィアナさんの様子や、以前エルフィンたちから聞いた街の噂だとウィアナさん、親と上手くいってはいなかったみたいだし。

 実は、ルヴィカが知らせてくれた情報の中にもあった。『ダン・キューレ、マリーナ・キューレの両名の死亡が確認された』というもの─────ウィアナさんの正真正銘、実の両親だ。
 発見したのは職人をしていたウィアナさんの父親、ダンさんに仕事を依頼していたご婦人だとか。
 その亡くなり方が異常だとかで、宮廷医師のクレシアさん──私が前世の知識で医学関連の本の知識をお教えしたところ、この世界の医療技術が飛躍的に進歩したとか──、魔術師団長ヴァイス様ら医学的にも魔術的にも精通している人員で調査したのだとか。その中には、マクスウェルもいたみたい。
 結果は、正直聞いていて胸が悪くなる内容だった。二人の死因は、マクスウェルの話だと、身体がに耐えられなかったことによるショック死だとか。どうやら夫妻の死には、魔王が絡んでいたようだ。──ただ、ウィアナさんの母親、マリーナさんは死ぬ前に性的暴行を受けた痕跡があったらしい。しかも、その相手はシャウドだろう、とのことだ。マクスウェルが彼女の亡骸から、シャウドの魔力残滓を感じ取ったそうだ。

 『昔からあいつは、残忍な行為に走る奴だったな。魔族討伐を任せた時だとて、相手が女だと、止めをさす前に相手を弄ぶんだ。何度か注意して、鳴りを潜めていたのだが………魔王側に与したことで、抑えが効かなくなったのだろうな………今度会ったら精霊核コアごと消滅させてやる───』

 マクスウェルは報告内容をそう締め括って、穢らわしい、とばかりに吐き捨てていた。それには私も同感だった。
 『手駒を増やそうとしたのではないか?』というのが、フォルティガの意見。
 その意見を聞いてクーシェが、『実験台にされたのかもね、その夫妻………』と言っていた。その相手が、ウィアナさんの両親だったのは、果たして偶然なのか必然なのか。
…………………………一応、ウィアナさんにも知らせた方がいいだろう、とのことで、書面にて知らせたそうなのだけど。

 回想終了。

 現実逃避という名の回想を終わらせた私は、再び目の前の光景に視線を戻しました。先程と変わらず、ウィアナさんがシルディオ兄様相手に喚き散らしている。
 両親の訃報を受けての行動がじゃあ、ご両親、浮かばれないよ……………
 やはりというか、髪が焼失したくらいでは彼女の妄執は止まらなかったらしい。

 今日の午前の部も昨日と同じ組み合わせだったので、その準備をしていたところに、お父様たちフェルヴィティール公爵家のみんながやって来た。シルディオ兄様は、やってくるなり私を抱き締めてきた。「ぁあ………ユフィリアがいる………」そう口にしながら。
………再会してから時折、シルディオ兄様は、こうして私を抱き締めてくる。
 私とシルディオ兄様は双子であるためか、離れ離れになってしまった時の喪失感に襲われるのか、私の誘拐後、兄様は何処と無く不安定になってしまったらしい。一般教養などの成績は悪くないのに、魔法の実技は制御でつまずき、成績はいまひとつだったのだとか。
 ところが私との再会後、精神面が安定したからか、才能が一気に開花。、エルフィン、私、ルティウスに次ぐ四位。
………まぁ、お分かりかと思うけど、シルディオ兄様もこの学院に通っている。双子なのに同列じゃないの?と聞きたい人もいるだろうけど、双子だからと全く同じ訳ではない。ただ、ルティウスとシルディオ兄様は実力が拮抗しており、たまに順位は変動している。

 閑話休題。

 そうして私の家族と、エルフィン、ルティウスを交えて談笑していた時に、ウィアナさんはやって来た。その顔がギラギラしていて気味か悪かった。それに気付いたシルディオ兄様が、を発動させた。
 才能が開花したシルディオ兄様の特殊能力により、現在、私たちはウィアナさんの視界には映らないようになっている。

 指定空間内の光の分布を操り、認識できなくする能力ちから

 技能スキル名【光の蜃気楼インヴィジブルシャイン】。

 え?蜃気楼なのだから、ミラージュじゃないかって?
 どうにも、この技能スキル名を名付けた人は、“語呂がカッコイイから”という理由でそうつけてしまったみたい。
 その人も転生者だったのでは?と私は思って、クーシェに聞いてみたところ──その人は、かつての魔族侵攻の時代に生きていた人だったからだ──、どうやらその人物は異世界から転移してきた人だったらしい。好奇心旺盛な人で、数々の術や、技能スキルを発見・開発しては、その名付け親となったそうだ。
 ただし、英語はそこまで得意では無かったようだ。名付け方の大半が、当て字だったり、その場のノリでつけただけで意味は全く違う、というものが多かったのもそう思った理由。

 話がまた逸れました、すみません。

 この技能スキルは要人警護において、真価を発揮する。なにせ、つい先程まで目の前にいた人間が突然消えるのだ。その相手を狙ってきた者は間違いなく混乱するだろう。その隙に刺客を倒すなり、護衛対象を逃がしたりする時間ができるからだ。

 だから、私たちの姿が突然見えなくなったことに驚いたウィアナさんも、言わずもがな。
 
「ちょっと、そこのモブ!今ここにお父様がいたはずなの!!教えなさい!」
「 何を言っている?ならいたが?お前の親はここに来てはいないだろう。それに、何故お前にそんな命令をされなければならない?」

 普段の快活な言葉使いではなく、公爵令息としての態度でウィアナさんに答えるシルディオ兄様。

「はぁ!?ユフィリアの親なワケないじゃない。さっきからいっているでしょう!?だって!!」
「お前はどうみても平民の娘だろうが。私たちフェルヴィティール公爵家の特徴など何一つないんだ、妙な妄想は止めたほうがいい」
「証拠ならあるわ!!あたしは、フェルヴィティール公爵家で働いていた侍女の娘だもの!お父様は、その侍女と関係があったはずよ!!」

 ウィアナさん………だから、それはであって、現実ではあり得ないんだって………!

「父上を侮辱するな………!父上の愛している人は、母上だけだ。侍女と関係など持つわけがないだろう」
「はっ。あんたこそ、現実を見なさいよ。現にあたしはここにいるじゃない!!あたしの存在が動かぬ証拠よ!!」
「………お前には我が家の特徴など見当たらない。フェルヴィティール公爵家の者は、みな一様に水色がかった銀髪に、光の魔術を得意とする。翻ってお前は、亜麻色の髪で、得意属性は闇だろうが」
「それは、魔族に覚醒を妨害されてるからよ!!覚醒さえすれば、光になるはずだもの!それに、ゲームじゃ、ヒロインの髪の色なんて関係無かったわ!!デタラメ言ってないで、お父様に会わせなさいよ!!すぐに、あたしが娘だって分かるわ!!」

 「(ダメね。何を言っても通じない。彼女が妨害しているせいで、このあとの学院祭のタイムスケジュールに支障が出始めているのに───)」
「(それに、は、自らに割り振られたクラスの出し物をサボってきているからな……Cクラスの生徒にその皺寄せがきている。このままでは、彼らの内申点にも影響が出るぞ…………)」
「(よくもまぁ、高位貴族相手にあのような暴言が出てきますね。自らの責務を放棄し、不敬な態度を平気でとるとは………現実を見ていないのは自分でしょうに……………)」

 そんな私たちの会話を聞いて、お父様が険しい顔をしながら、呟いた。

「───(シルディオ。私とユフィリアにかけている術だけ解きなさい)」
「(……っ!?父上?ですが───)」
「(このままでは埒が明かない。私が直接話す)」
「(……………分かりました)」

 その途端、光の揺らぎを感じました。兄様が光の蜃気楼インヴィジブルシャインを解いたからでしょう。そして、お父様がシルディオ兄様の隣に並びました。私も、シルディオ兄様の隣に立ちました。ウィアナさんが、こちらに視線を向けた。

「いい加減にしてくれないか?君の妄想に付き合っていられるほど、この子たちも私も暇ではないんだ。いつまでも私の娘に付き纏わないでくれ」

 お父様が私の肩に手をおきながら、ウィアナさんへ冷たく言い放ちました。
……………ん?ウィアナさん、なんだか怪訝な顔─────?

「は?あんたがそのモブの親?……だったら、ちゃんと子供の躾はしっかりしなさいよね!!ユフィリアまで来たってことは、シナリオ通り!あんたなんかの嫌がらせには絶対に屈しないんだから!!」

 いやいや………今あなたの目の前にいる方がお父様なんですが。という注釈がつくけど。
 レイヴィス兄様やシルディオ兄様をモブ呼ばわりしていたから、フェルヴィティール公爵家の人間の顔を知らないんだな、とは思ったけど………まさか、本人がさっきから出せと言っているお父様の顔も知らない、とか……………

「………成程。レイヴィスが言っていた通りのようだ。たしかに、君は
「はぁ………?」
「会わせろとしつこいから、一度だけ、と思ったが………顔も知らない相手をよく親だと言い切れるな」
「え?えっ?」
「───私が現フェルヴィティール公爵家当主で、ここにいるシルディオ、ユフィリアの父親だ」
「へっ?あんた………ううん、あなたが!?──お父様ぁ、お会いしたかっ」
「近寄るな」
「!?」

 お父様が肩書きを名乗った途端、ウィアナさんはそれまでの態度をころっと変えて、甘ったるい声でしがみつこうとした。お父様の予想以上に冷たい声で制され、止まったけど。

「君は私の娘などではない、と言っただろう。こういう物言いはあまり好きじゃないんだが………平民の娘が公爵家の者と対等の口を聞こうなどあり得ないんだ、身の程を知りなさい」
「何言ってるの……?あなたは、あたしの実の父親でしょう!?ユフィリアなんかの嘘を信じちゃ駄目よッ!!目を覚まして!!」
「私はいつだって正気だ。それに、君が訳の分からない言葉で侮辱しているユフィリアは、間違いなく私の娘だ。君の言い分のほうがおかしいんだ」
「そっ………そんな………あたしの力、効いてないの………?───ッ!証拠は!?その女が、お父様の娘だって証拠もないじゃない!!」
「お父様などと呼ばないでくれないか?さっきから不愉快だ──それに、証拠ならある」
「は………!?」

 ええ、疑いようのない明確な証拠なら、あるんです。初めて会ったばかりの頃のエルフィンと話した時に私が言ったものが。

「我がフェルヴィティール公爵家は、王家の縁戚にあたる。なればこそ、一族のみが扱える秘術も受け継いでいるんだ。この子──ユフィリアにも、その秘術が

 お父様がそう断言出来る理由こそ、フェルヴィティール公爵家特有の髪の色が秘術を受け継ぐ証であるからだ。私が保護された時、私の特徴を聞いた王妃様が、自身の兄であるお父様に確認させたからこそ、私はフェルヴィティール公爵家の血縁だと実証できたのだ。

 ………前世でゲーム作った人、この世界の情報弄りすぎじゃない?ウィアナさん、ゲーム設定を盲信してるから、こちらの話なんて全く聞く耳をもってくれない……………製作者に恨み言の一つくらい、言いたくなってきたわ……………
 真相解明ルートでさえ、フェルヴィティール公爵家はお父様の名前が辛うじて出てくる程度だったものね。それでも、『知らなくても無理はないよね』では済まされない。この世界は彼女に都合のいい世界ではないのだから。

「そ………それこそ、魔族が何かしたのよ!!だって、ユフィリアは魔王の手先だもの!!」
「出来る訳がない。フェルヴィティール公爵家は、一族郎党、魔力の強さに差はあれど、みな光の魔術を得意としている。魔族相手に決して遅れはとらない。この子が手先?そんなこと出来る子ではないことはみな知っている。君は我が公爵家と王家の眼は節穴だと侮辱している自覚はあるのか?」
「なんで?なんであたしの話を信じてくれないの!?あたしは───!」
「………これ以上の話は無駄だな。君は自分に都合のいいことしか信じないのだろう?これ以上、ユフィリアを貶めて自分を正当化しようとするのなら、覚悟しておくといい──ユフィリア、シルディオ(殿下方も──)、私はこれで失礼する。ろくに見学出来なくてすまないね」

 そう言って、お父様は去って行きました。
 ウィアナさん、まだ喚いていたのだけど、シルディオ兄様が『今度は毛根が死滅するかもしれないが………見学するのか』と、火の魔術を発動しようとしながら言ったところ、ビクッと震えていた。さすがにだいぶダメージは受けていた──兄様が使おうとしたの、初級レベルの術だったから、仮に当たったとしても軽い火傷を負う程度なのだけど。──ようで、こちらをギロッと睨んで走り去って行った。
 その際、慌てて走ったからか、ウィアナさんが被っていたらしいカツラが飛び、その下にあったハゲ頭を晒すことになった。まぁ、すぐに髪なんて生えるわけがないから、カツラだろうな、とは思っていたけど。
 ちなみに、私たちは笑わなかったけど、他の学院生の親たちは爆笑していた。何かの芸だと思われたようだ。ウィアナさんは顔を真っ赤にして涙を潤ませ、エルフィンたちをちらっとみた──シルディオ兄様の力は解除してあった──けど、自業自得だ、とばかりに誰もフォローもしなかったからか、私を憎悪の籠った眼で睨んだあと、今度こそ走り去った。

 本当に学習してくれない人ね………そう思って、何度目かになるか分からない溜め息を吐いた。

 
 



 
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