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第五章 これまでの決着をつけます

学院祭・一日目~ウィアナさんは軽く断罪されたようです~

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 秋も深まるこの季節。空は気持ちいいくらい、澄み渡っています。今日から三日間、このシンフォニウム魔法学院での一大イベントの学院祭が始まります。

 先日、王家に対して抗議がありました。もちろん、最近学院で起きている生徒の異変に関して。
 曰く、『王家は国民を守るものなのに、対応が遅すぎる』とか、『王族としての責務を放棄している』とか。
 もちろん、王家だって何もしていなかった訳がありません。──────────ただ、に問われている者を助けなかっただけです。
 王族が第一に考えるのは“国”であり、“自国の民”。それに揺らぎはありません。それなのに何故、無能と呼ばれかねない状況を敢えて作り出していたのか。それには、ある理由がありました。

 学院内ではソールが、学院外ではルヴィカを始めとする諜報部隊の調査の結果、ウィアナさんの言いなりになっている生徒には、ある共通点があることが分かりました。
 その共通点とは、親族ないし本人が、ストランディスタ王国と敵対的な関係である国などに機密性の高い情報を売り渡していたり、魔力を持つ子供を連れ去るのを黙認したり、納めるべき税を着服したり、領地の民を虐げていたりと、近い内に処罰が確定している家の者ばかりだったようです。──以前言っていた、王家に対して不満がある貴族たちのことですね。
 つまり、私が浄化したにも関わらず、洗脳が解けない生徒は、彼女がかけているらしい洗脳術に再びかかるほど、精神こころに闇というか、隙があるためだそう。
 は、私の浄化で正気に戻りましたしね。それ以降、洗脳にはかからないよう、対策もしています。

 それを王家側代表として宰相様──ウリギア伯爵です──が事細かく語ったところ、抗議してきたは顔が真っ青になったり、土気色になったり………今更ながら自分たちが泳がされていたことに気づいたらしいです。結果として逆に自らの罪状を明らかにされ、捕まりました。『その貴族たちの子息が──ウィアナ・キューレの言いなりになっていたこともあり、王家の失態として追及し、追い落とす好機だと思ったのだろうが、そこまで我々王家は甘くはない』とエルフィンが言っていた。
 
 洗脳されている生徒を敢えてそのまま(もちろん、犯罪とは無関係な生徒は速攻で助けました)にして、対応が遅く感じられたのは、処断するための言い逃れの出来ない証拠を確固たるものにするためでもあった模様。
『カフェテラスで人目もはばからず敢えて情報を流した甲斐があったというものです』とルティウスが黒く微笑んでいた。ええ、黒かったですとも。
 婚約者がいないのに加え、王族にもなったため、擦り寄ってくる令嬢があとを絶たず、うんざりしているようだ。………ストレスが溜まっていたらしい。──私が頭を撫でてあげたら一気に霧散したみたいだけど。………シスコンは相変わらずなようです。
 余談ではあるけれど、その粛清された貴族たちの中に、親からルティウスを籠絡してこいとでも言われたのか、媚薬まで持ち出す令嬢がいたようだ。ルティウスが怒りに身を震わせるのも分かろうもの。

 そんな中で行われた先日の話し合い。つまるところ、私たちは囮で、ここで腐敗の進んだ貴族を一網打尽にする作戦を決行したという訳。もちろん、人物名を伏せたのも作戦の内(みんなはわりと本気で彼女の名前を呼ぶことすら嫌だったからみたい)。には、別の処罰が待っている。

 ウィアナさんに、この世界のことについて説明しなかったかって?もちろん、しましたとも。新学期が始まってすぐ、みんなに突撃してきた後に。私じゃ無視されるだろうからと、クーシェが。
 さすがに、私やデュオが同じ転生者で、前世から関わりのある志岐森の人間だったと気づかれると、余計に何をされるのか分からない。
 前世のことを知っていて、なおかつゲーム云々を説明できてもおかしくはないのが彼くらいしかいなかったからね。あと、攻略対象者であるクーシェの話なら、聞いてくれるだろうとの判断でもある。

 この世界は、ゲームのモデルになっただけの世界なのであって、決してゲーム通りの展開にはならないのだと。実際、この半年、思い通りになったシナリオなんて一つもなかったのだから、今ならさすがに理解してくれるだろう、とも。処罰は免れないけど、理解さえしてくれれば、これ以上のトラブルを起こさなくなるだろう。
 
 でも、結果はみんなの願いを裏切るものだった。
 ダメだったとクーシェが疲れ果てた様子で帰ってきた。彼女、ゲームの世界ではないことは分かっていたみたいなのだけど、その次に出てきた言葉にさすがに絶句せざるを得なかった。
 
『この半年がゲームの世界じゃないことくらい、あたしにだって分かるわよ。だってこの世界は、世界だものね!
 前世で不幸な死に方をしたあたしのために、あなたたちの主の精霊王マクスウェルと創生神とかが作ってくれた世界でしょ?だから、ゲームな訳がないじゃない。なんでもあたしの思い通りにならなきゃおかしいのよ!?そうじゃなきゃ、あたしはここに転生なんてしてないでしょう?あなたなら分かるわよね、クーシェ………』

 と言い切ったあと、あまりの自分本意な考えに固まっていたクーシェの首に手を回して、顔を近づけてきたらしい。クーシェはその時、おぞ気が走ったそうだ。──危うく本体に戻りかけるくらいには。
 ただ、彼女がやろうとしていたことは未遂に終わったそうだ。
 言わずもがな、阻止したのはミラだ。まぁ、恋人に手を出されてたまるものかとばかりに風の魔術を行使したのでしょう。それにより、吹き飛ばされたウィアナさんは、近くの木に顔面から激突した。……と言っても、そこまで強い衝撃じゃなかったため、鼻血が出る程度だったみたい。
 どうみても因果応報なので、クーシェは、

『話を聞いてくれるって言うから、説明にきただけなのになんで媚びてくるのさ、君は……!それに、ボクには恋人がいるんだ。その子に不誠実な真似なんてしたくない。もう言い寄って来るな』

 そう言いおいて、去ったそうだ。背後でウィアナさん、『なんで!?何であたしの魅力が効かないの!?』なんて喚いていたそうだけど、もうその場に一秒でもいたくないから、無視してきたそうだ。
 それ、たぶんブレスレットの防御術が防いでいたのでしょうね。


 
 閑話休題。

 学院祭の一日目。
 今日は、生徒が楽しむための日。私たち生徒会は二組に分けて催し物を行う予定。
 組分けとしては、一日目と二日目は午前の部がエルフィン・私・ルティウス、午後の部がラディ先輩・ソール・デュオ。
 三日目は、午前の部がエルフィン・ラディ先輩・デュオ、午後の部私・ソール・ルティウスとなっている。ラディ先輩とデュオの組み合わせが変わらないのは、ささやかな配慮。
 え?私とルティウスも変わってない?ルティウスの場合、ラディ先輩とデュオの方にしてしまうと、ご令嬢からのアタックが非常に鬱陶しいことになるため、だとか。まぁ、ラディ先輩とデュオは婚約しているから、デュオに声をかけようとする令嬢などいない(ウィアナさんは除く)。必然的にルティウスがロックオンされる訳だ。さすがに姉の私がいる前で媚を売る令嬢はいなかった。ただ、心証をよくしようと思ったのか、やたらめったら誉めちぎってきたりしてたけど。ルティウスは、「姉上に付き纏うのはやめてくれませんかね?」と目が全く笑っていない笑顔で追い払っていた。
 粛清によってだいぶ減ったとはいえ、まだ言い寄ってくる相手はいる。もちろん、私やエルフィンにも言い寄ってくる人はいる。貴族間の婚約破棄や婚約が白紙に戻るなんてことは珍しくないためだ。シグルドの場合は、クーシェがフォローしている。クーシェ本人は、適当にあしらっているようだ。大抵はソールが追い払えるけど、侯爵家以上になると、身分的な問題で、ソールは下手に止めることが出来ないから、その辺りは自分たちで対処している。

 話が逸れました。

 ちなみに、シグルドとクーシェは、風紀委員としての巡回中。ただ、シグルドが手合わせをやりたそうに眼を輝かせていたため、たぶん、巡回に託つけて来ると思う。
 というか、来た。

「エルフィン!手合わせしようぜ!!」
「……………シグルド。私たちはをやるのだが………?」
「おう、だから来たんだろ?お前とやり合うのは随分久しぶりだからな。楽しみだ!」
「話を聞け、脳筋シグルド

 というやりとりをしていた。──何がいいたいかというと、只今戦闘の真っ最中だからです。しかも割りと本気マジの。あと、さっきからシグルドの顔が恐い。凶暴な笑みだよ………あれ。
 エルフィン?シグルド程じゃないけど、こちらも何だか楽しそう。
 世界史などで調べてみたんだけど、竜という種族は、割りと戦闘を好む傾向にあるようね。戦いになると気が昂るようで、終わったあともその高揚感がなかなか冷めず、しばらく興奮状態が続くみたい。
 始祖竜エンシェントドラゴンの血を引く二人も──特にシグルドは脳筋な分、さらにその傾向が強い──例に漏れず、戦いは好む方。
 エルフィンは自制心が強いため、シグルドとは違い、戦闘狂なんて呼ばれることがないだけで、戦いに熱中し出すと、楽しくて仕方ないという表情が分かりやすく出るようになる。─────今みたいに。

 さっきから、このフィールドには、ブリザードが吹き荒れている。というか、辺り一面は雪景色。
 それに対抗して、シグルドが火の魔術で溶かしつつ応戦しているため、水蒸気も立ち込めている。溶けた氷や立ち昇る水蒸気をエルフィンがまた凍らせるため、さらにこの辺りだけ気温が極端に下がっていく。
 そのためか、最初はじめこそ面白そうに眺めていた見学者が、寒さで凍えだした。やむなく私が光の防御術でガードして、ようやく目の前の光景に集中できている。

 ちなみに、エルフィンの得意属性は氷で、シグルドは火。属性だけでみれば、誰もがシグルドが有利だと思っただろう。
 だけど、エルフィンは始祖竜エンシェントドラゴンカイセルギウスの継承者。魔術のバリエーションも豊富なため、手数の多さで、シグルドを圧倒している。対してシグルドは、同じ竜の血を引いているといっても身体能力に比重が傾いているため、剣術のみの戦闘となっている。魔術の方もまぁ、平均的な魔術師くらいには使えるけど、やはり身体を動かす方が好きらしく、剣一本でエルフィンの攻撃を凌いでいる。
 具体的にいうと、火の魔術を纏わせた剣圧で吹雪を吹き飛ばしてるのよね………。うん、いろいろあり得ない。
 一応エルフィンも剣、持っているのだけど………あれ、使わなさそうね。剣術のみの試合ならば、シグルドの方に軍配が上がるみたいだけど。今回は、魔術を駆使しての模擬戦だからね。もう一度言います。です。
 さっきから沈黙してるルティウスが怖い……………ちら、と視線を動かしたのだけど、すぐに後悔した。何でって、彼の顔に薄っすらと笑みが浮かんでいたからだ。おそらく、エルフィンたちの雰囲気に引き摺られていると思われる。この様子だと、あの二人に混じりたいとか思ってるわね。私に影響がないのは、どちらかというと、精霊の方の感覚が強いから。エルフィンは共鳴者とはいっても、竜の血の方が強く出るからだと思う。
 そろそろ決着がつくかな?エルフィンが詠唱してる。シグルドも、剣に火の魔術を込めている。


─────ん?なんか視界に……………ってあれ、ウィアナさん!?なにやってるの!?そして、何で顔がにやけ………あ!もしかしてイベント!?でイベント起こすつもりなの!?
 いやいやいやいや、止めておこうよ、ウィアナさん!!やめ………………

「「あ」」
「ひぎゃあぁあァああッ!?」
「「んっ?」」

 私たちは見学していた他の生徒も含めて、みんな固まった。ちなみに、初めの二人が私とルティウス、悲鳴がウィアナさん、最後の二人がエルフィンとシグルドだ。
 見学していたみんなも、一応声は上げてた。私やルティウスと同じ、「あ」って。

 何が起こったかというと、エルフィンとシグルドがやり合っている中に、ウィアナさんが割って入ったのだ。その結果、まずシグルドの火の魔術で焼け、エルフィンの氷の魔術で凍りついた。

 実はこれ、さっき私が言いかけていたイベントがこれ。ちなみに、ウィアナさんはあんな目に合わないはずだった。
 学院祭のイベントの一つで、観戦していたところ、『ユフィリア』の嫌がらせで、模擬戦中の対戦者の渦中に突き飛ばされてしまう。その際、最も好感度の高い攻略対象者が助けに入る、というもの。

「───ゲームじゃないのが分かってるなら、誰も助けに入る訳がないのは知ってるはずでしょうに………」

 ルティウスの呟きに私は否定しなかった。というか、する気も起きなかった。ウィアナさん、『ここはあたしのためにある世界』だとか言っていたから、誰かが助けてくれるに決まってる!とか思ってたんだろうな。これまでも、誰も助けてくれたことなかったのに、あの思い込みは最早病気だと思う。

 その後、一応エルフィンは氷結を解いたのだけど。なんていうか、ウィアナさんの状態はなかなかに直視しづらいものだった。
 火傷とか、凍傷は治療したのだけど──さすがにこれを放置したら、嫌がらせだとか騒ぐに決まってる──、はどうにもならなかった。
 まあ………今ので分かったと思うのだけど、ウィアナさん、丸ハゲになってしまった。その様子をみた見学者の一人が「丸刈リータ………」とか呟いたのが聴こえた。───え?
 慌てて周りを見渡したのだけど、その声の主を見つけることはできなかった。誰だったんだろう? 
 
 




 

 
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