35 / 70
第四章 長期休暇中もやることは一杯です
閑話 シグルドとクレイシェス
しおりを挟む
エルフィンと想いが通じ合った一件から一週間。(長期休暇は二ヶ月間ある)隙あらばキスをしようとしてくるエルフィンを『部屋の中だけにしてください』と何とか説得し(周囲の目も気になるけど、何より私の心臓が持たない)、同時に持ち上がったある疑念を解決すべく、シグルドを呼び出した。
ミラはあれから適度に私たちを──というか、エルフィンを──見張りつつ、クーシェに引っ付いている。つつかれるのはあれだけど、クーシェもミラといるのは嫌ではないらしい。最近は精霊体に(彼の本体である犬の姿)戻っては、庭園でミラと寄り添っている姿をよく見掛けた。それはいいんだけど、どういう経緯であの二人が付き合うことになったのかは謎なのよね………。
余談ではあるけれど、二人(二匹?いえ、精霊だから二柱よね)が寄り添う様子を眺めて癒される人が続出していた。
閑話休題。
「ユフィリア様、お呼びだということで、参じましたが………」
やって来たシグルドは、何故呼び出されたのか分からないようで、困惑した様子を見せていた。
「ごめんなさいね、シグルド。どうしても確かめたいことがあったの」
「いえ!貴女が謝る必要はありません!!オレ──私がお心を汲めないのが悪いのですから───」
「そこまでだ、シグルド。話が進まない」
なおも言い募るシグルドをエルフィンが制した。
「う………分かった。……それで、何の用事なんだ?エルフィン」
「ああ。早急に確認したい案件があってな」
「確認?」
「お前とクーシェのことについてだ」
「へ?」
呼び出されて聞かれることが思いもよらないことだからか、ぽかん、としていた。
その時、扉をノックする音がして、クーシェが入ってきた。
「失礼するよ」
「ああ、きたか、クーシェ」
「あ、もう来てる気配がするなと思ってたら………よく忘れなかったね、シグルド?」
「主直々のお呼びなんだ、忘れるわけないだろう。お前もとっくに王宮にいたのに、ユフィリア様を待たせるな」
「あのね………ボクにもやらなきゃいけないことがあるんだよ」
……………シグルド。忠誠心は有難いのだけど、私のこと以外でも忘れないで欲しいわ。主に学院の課題とか、エルフィンの側近候補であることとか、クーシェのフォローに感謝を忘れないとか。というか─────
「クーシェ、シグルド。お前たち、お互いが何処にいるのか分かるのか?」
「ん?まぁ……意識を集中させれば、どこにいても分かるかな」
「いつもこんな感じだぞ?どう対処すべきか悩んでると、クーシェの言葉が頭に浮かぶんだ。それで助かったこともあるしな」
脳筋なシグルドは思ったことをストレートに言ってしまい、相手を誤解させることが多々ある。学院に入ってからはそういった失敗談を聞かなくなったので、クーシェのリカバリーのおかげらしい、とみんな思っていたのだけど。
五年前までは私とエルフィンも似た感じだったわね。ただあれは、エルフィンの頭の中に私の心の声が聴こえる、というものだったし、そもそも、ミラが──精霊になる前の未來姉さん──かけた術のおかげだったけど。シグルドの言い方だと、かつてのエルフィンみたいに、一から十まで全て聴こえる、というわけでもなさそう。
「クーシェ」
「?」
「お前、今はデュオと契約しているんだったな」
「そうだけど………どうしたのさ、突然」
「ラピスフィアとしての記憶を取り戻したユフィが言っていたのだがな、お前の共鳴者はシグルドなんじゃないのか?」
「へっ!?」
驚きが大きかったからか、人としての擬態が解けかけている。具体的にいうと、耳と尻尾が出てる。そしてシグルドが「おお、もふもふ!!」と叫んでいる。──シグルド、さすがに元の姿じゃないクーシェをモフると危ない趣味の人にしか見えないから、やめてね?
「え、だって、共鳴者の条件──」
「落ち着け。そもそもお前の認識に齟齬があったらしいしな」
「齟齬………?」
「共鳴者の条件は、契約のあるなしに関わらず、感覚を共有するくらい相性のいい相手、なのよ」
「ユフィの話を踏まえて今確認したところ、お前とシグルドも契約していないのに感覚を共有している節がある。共鳴者の可能性が高いだろうな」
「─────!!」
エルフィンの補足で、クーシェが、ばっと私を見た。
「クーシェ、貴方は共鳴者だといえる相手に会ったことなかったから、かつて私が教えてあげた条件を誤認してしまったのだと思うの。それでも、おおまかな所は正しいから、余計に気付けなかったんじゃないかな」
「……………っ……ボク、その認識のままキミとエルフィンを───」
「結果的に私たちの結び付きは強くなった。エルフィンが私の共鳴者であることは事実だったもの。それに、私が覚醒にあたって反動もなく馴染めたのは、貴方が事前にエルフィンとの契約を強行してくれたからこそ、なのよ?むしろ感謝しているくらいだもの」
「ラピ──……ユフィリア……………」
今度こそ、擬態が解けたクーシェはぺたりと座り込んで、目に涙を滲ませていた。すると、シグルドがクーシェの側にしゃがみ込み、頭をわしわしと撫で始めた。クーシェは気持ちよさげに目を細める。
「ユフィリア様はこう仰って下さってるんだ、お前が罪悪感に苦しめられる必要なんてないだろ?」
『シグルド………』
「共鳴者ってのは、オレにはよく分かんないけど……“オレの相棒はお前”だってことだろ?何も間違ったことなんてないじゃないか」
『ん……………』
確かに認識に齟齬があったと言っただけで、間違いだったとは言ってないからね。いつもはクーシェにフォローされてるシグルドが……………彼も少しは成長しているのかしらね。こういう時は直球で言うからこそ、誤解なく伝わるのでしょうね。
後日、デュオに話を通して契約を解消し、クーシェはシグルドと契約することになった。元々あの子はアーティケウス伯爵家でお世話になってたからか、他は特に変化はなかったみたい。(身元は学院長の孫ということになっているけどね)
その代わりではないけれど、デュオはミラと契約した。私が精霊として覚醒しつつあるため、彼女との契約を解消することになったからだ。デュオは風の魔術を得意としているため、こちらも問題なく契約を結べたよう。まぁ、あの二人は前世で姉弟だったし、当然というか、違和感はなかったみたい。こちらも契約前と変化はない。ミラは相変わらず私の側にいるしね。
ミラはあれから適度に私たちを──というか、エルフィンを──見張りつつ、クーシェに引っ付いている。つつかれるのはあれだけど、クーシェもミラといるのは嫌ではないらしい。最近は精霊体に(彼の本体である犬の姿)戻っては、庭園でミラと寄り添っている姿をよく見掛けた。それはいいんだけど、どういう経緯であの二人が付き合うことになったのかは謎なのよね………。
余談ではあるけれど、二人(二匹?いえ、精霊だから二柱よね)が寄り添う様子を眺めて癒される人が続出していた。
閑話休題。
「ユフィリア様、お呼びだということで、参じましたが………」
やって来たシグルドは、何故呼び出されたのか分からないようで、困惑した様子を見せていた。
「ごめんなさいね、シグルド。どうしても確かめたいことがあったの」
「いえ!貴女が謝る必要はありません!!オレ──私がお心を汲めないのが悪いのですから───」
「そこまでだ、シグルド。話が進まない」
なおも言い募るシグルドをエルフィンが制した。
「う………分かった。……それで、何の用事なんだ?エルフィン」
「ああ。早急に確認したい案件があってな」
「確認?」
「お前とクーシェのことについてだ」
「へ?」
呼び出されて聞かれることが思いもよらないことだからか、ぽかん、としていた。
その時、扉をノックする音がして、クーシェが入ってきた。
「失礼するよ」
「ああ、きたか、クーシェ」
「あ、もう来てる気配がするなと思ってたら………よく忘れなかったね、シグルド?」
「主直々のお呼びなんだ、忘れるわけないだろう。お前もとっくに王宮にいたのに、ユフィリア様を待たせるな」
「あのね………ボクにもやらなきゃいけないことがあるんだよ」
……………シグルド。忠誠心は有難いのだけど、私のこと以外でも忘れないで欲しいわ。主に学院の課題とか、エルフィンの側近候補であることとか、クーシェのフォローに感謝を忘れないとか。というか─────
「クーシェ、シグルド。お前たち、お互いが何処にいるのか分かるのか?」
「ん?まぁ……意識を集中させれば、どこにいても分かるかな」
「いつもこんな感じだぞ?どう対処すべきか悩んでると、クーシェの言葉が頭に浮かぶんだ。それで助かったこともあるしな」
脳筋なシグルドは思ったことをストレートに言ってしまい、相手を誤解させることが多々ある。学院に入ってからはそういった失敗談を聞かなくなったので、クーシェのリカバリーのおかげらしい、とみんな思っていたのだけど。
五年前までは私とエルフィンも似た感じだったわね。ただあれは、エルフィンの頭の中に私の心の声が聴こえる、というものだったし、そもそも、ミラが──精霊になる前の未來姉さん──かけた術のおかげだったけど。シグルドの言い方だと、かつてのエルフィンみたいに、一から十まで全て聴こえる、というわけでもなさそう。
「クーシェ」
「?」
「お前、今はデュオと契約しているんだったな」
「そうだけど………どうしたのさ、突然」
「ラピスフィアとしての記憶を取り戻したユフィが言っていたのだがな、お前の共鳴者はシグルドなんじゃないのか?」
「へっ!?」
驚きが大きかったからか、人としての擬態が解けかけている。具体的にいうと、耳と尻尾が出てる。そしてシグルドが「おお、もふもふ!!」と叫んでいる。──シグルド、さすがに元の姿じゃないクーシェをモフると危ない趣味の人にしか見えないから、やめてね?
「え、だって、共鳴者の条件──」
「落ち着け。そもそもお前の認識に齟齬があったらしいしな」
「齟齬………?」
「共鳴者の条件は、契約のあるなしに関わらず、感覚を共有するくらい相性のいい相手、なのよ」
「ユフィの話を踏まえて今確認したところ、お前とシグルドも契約していないのに感覚を共有している節がある。共鳴者の可能性が高いだろうな」
「─────!!」
エルフィンの補足で、クーシェが、ばっと私を見た。
「クーシェ、貴方は共鳴者だといえる相手に会ったことなかったから、かつて私が教えてあげた条件を誤認してしまったのだと思うの。それでも、おおまかな所は正しいから、余計に気付けなかったんじゃないかな」
「……………っ……ボク、その認識のままキミとエルフィンを───」
「結果的に私たちの結び付きは強くなった。エルフィンが私の共鳴者であることは事実だったもの。それに、私が覚醒にあたって反動もなく馴染めたのは、貴方が事前にエルフィンとの契約を強行してくれたからこそ、なのよ?むしろ感謝しているくらいだもの」
「ラピ──……ユフィリア……………」
今度こそ、擬態が解けたクーシェはぺたりと座り込んで、目に涙を滲ませていた。すると、シグルドがクーシェの側にしゃがみ込み、頭をわしわしと撫で始めた。クーシェは気持ちよさげに目を細める。
「ユフィリア様はこう仰って下さってるんだ、お前が罪悪感に苦しめられる必要なんてないだろ?」
『シグルド………』
「共鳴者ってのは、オレにはよく分かんないけど……“オレの相棒はお前”だってことだろ?何も間違ったことなんてないじゃないか」
『ん……………』
確かに認識に齟齬があったと言っただけで、間違いだったとは言ってないからね。いつもはクーシェにフォローされてるシグルドが……………彼も少しは成長しているのかしらね。こういう時は直球で言うからこそ、誤解なく伝わるのでしょうね。
後日、デュオに話を通して契約を解消し、クーシェはシグルドと契約することになった。元々あの子はアーティケウス伯爵家でお世話になってたからか、他は特に変化はなかったみたい。(身元は学院長の孫ということになっているけどね)
その代わりではないけれど、デュオはミラと契約した。私が精霊として覚醒しつつあるため、彼女との契約を解消することになったからだ。デュオは風の魔術を得意としているため、こちらも問題なく契約を結べたよう。まぁ、あの二人は前世で姉弟だったし、当然というか、違和感はなかったみたい。こちらも契約前と変化はない。ミラは相変わらず私の側にいるしね。
0
お気に入りに追加
8,144
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
待鳥園子
恋愛
婚約者が病弱な妹を見掛けて一目惚れし、私と婚約者を交換できないかと両親に聞いたらしい。
妹は清楚で可愛くて、しかも性格も良くて素直で可愛い。私が男でも、私よりもあの子が良いと、きっと思ってしまうはず。
……これは、二人は悪くない。仕方ないこと。
けど、二人の邪魔者になるくらいなら、私が家出します!
自覚のない純粋培養貴族令嬢が腹黒策士な護衛騎士に囚われて何があっても抜け出せないほどに溺愛される話。
【完結】悪役令嬢エヴァンジェリンは静かに死にたい
小達出みかん
恋愛
私は、悪役令嬢。ヒロインの代わりに死ぬ役どころ。
エヴァンジェリンはそうわきまえて、冷たい婚約者のどんな扱いにも耐え、死ぬ日のためにもくもくとやるべき事をこなしていた。
しかし、ヒロインを虐めたと濡れ衣を着せられ、「やっていません」と初めて婚約者に歯向かったその日から、物語の歯車が狂いだす。
――ヒロインの身代わりに死ぬ予定の悪役令嬢だったのに、愛されキャラにジョブチェンしちゃったみたい(無自覚)でなかなか死ねない! 幸薄令嬢のお話です。
安心してください、ハピエンです――
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。