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39.競争で高まるものも、やはりある
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「まずはじめに言わせてください。うちの運動会は、戦争です」
初めて出会ったあの公園で合流するやいなや……そう断言する、斎藤さん。
「せ、戦争……ですか……?」
「なにそれ、どういう意味よ? 皆、本気でリレーしたり、大玉転がしたりするってこと? いい大人が?」
突然出てきた恐ろしいワードに目を丸くする私と、鼻で笑う大園さん。
けれど、準備体操をする斎藤さんの顔は真剣そのものだ。
「三流血統種だと自負している大園さんには、到底想像もつかない世界かもしれませんが。アスカは一流の血統種が集う会社です。一流の血統種は、我が強く、自信家で、負けず嫌いが多い……。そんな社員達が一堂に会して競うんです。家族を呼んで和気あいあい……なんて、呑気な行事になると思いますか?」
「いちいち不愉快な言い回しする人ね……」
「ま、まぁまぁ二人共……。斎藤さん、運動会が真剣勝負なのはよくわかりました。でも、それなら私なんかが今更走り込みをしても、仁ちゃ……夫の足手まといになるのは避けられない、ですかね?」
斎藤さんの真似をして、アキレス腱を伸ばしながら尋ねてみると、彼女はグっと親指を立てた。
「ご安心ください。私がコーチを務めるからには、必ずやお役に立ってみせます。私は仁さんのアシスタントですし。唯さんには先日お世話になった御恩がありますので」
「ありがとうございます! よろしくお願いします!」
恩だなんて……私、そんな大層な事はしていないのに。と心の中で呟くけど、声に出すのはやめておいた。
せっかくの休日、特訓に付き合ってくれてるのに、謙遜合戦を始めて時間を無駄にするのは申し訳ないから。
「ていうか、借り物競争の特訓て何するわけ?」
近くのカフェでテイクアウトしたホットの豆乳ラテを飲みながら、近くのベンチに座る大園さん。
高そうなコートに身を包み、冷たい朝風に身を縮こまらせている。
そんな大園さんとは正反対に、薄手のランニングウェアを来た斎藤さんの額には、すでにうっすら汗が滲んていた。どうやら体を温める為に、と、自宅から公園まで走ってきたらしい。
その時点でもう、彼女の気概を感じてありがたいやら、特訓のハードさを想像してしまって恐ろしいやら。
「借り物競争の概要……は、先日ご説明しましたよね?」
「は、はい! お題は大切なものっていうのがお決まりで……既婚者は奥さんや子供さんを連れてゴールするのが恒例だと……」
「それだけ聞くと、ほっこりほのぼのな行事よね~?」
「仁さんの借り物である唯さんに求められるのは、ただ一つ。振り落とされない事です」
「「振り落とされない事??」」
斎藤さんの答えに、声を重ねてしまう私と大園さん。
「振り落とされないってなに? 何か乗り物にでも乗るの? 普通に手を繋いで走るんじゃなくて?」
大園さんの言う通り、私も仁ちゃんと手を繋いでゴールまで走る感じを想像していた。
「競技者は、借り物を抱きかかえて走ります。借り物競争では、他の競技者への妨害行為が認められていますので、抱えでもしない限り、借り物を守り切る事はできませんので。途中で借り物と離れてしまっては、ゴール出来ませんし」
「ぼ、妨害行為!? 守り切れないって……結構激しい感じなんですか?」
「人によりますが、直撃したら死んでしまうな、という攻撃をする人もいるので」
「「ええ!?」」
またしても、声をハモらせてしまう私達。
「なんなのそれ!? そんな事が許されるの!? ここ日本よね!? 警察官に威嚇射撃にも大騒ぎする位、平和な国よね!?」
「あ、もちろん、避ける事を見越して、という場合が多いですよ? 本当に危険な場合は、担当の実行委員が手を出しますし」
「な、なるほど……っ。そんなデンジャラスな攻撃をかいくぐって疾走しなきゃだから……私が振り落とされたら、仁ちゃんが大迷惑って事ですね」
爆音と爆風の中、ボス猿の仁ちゃんにしがみつく、赤ちゃん猿のような自分を想像してしまって……息を呑む。
「ですね。なので、今日の特訓では私が仁さん役になって唯さんを抱え、公園内を疾走します。唯さんは振り落とされないよう、しっかりしがみついていてください」
「え!? 斎藤さんが、ですか!?」
「ご安心ください。私もそれなりの血統種ランクを取得しておりますので。唯子さんを抱えて走る位、全く問題ありません」
「そ、そういう事でしたら……すいませんが、よろしくお願いします! しんどい時は遠慮なく言ってくださいね!」
こうなったら斎藤さんの言葉を信じて、頼らせてもらうしかないよね。
会社の人達の前で、仁ちゃんに恥をかかせるわけにはいかないし。
なんて心の中で気合を入れていたら……斎藤さんが、ボソっと呟いた。
「……唯さんが前向きで、安心しました」
「え?」
「あ、いえ。仁さんは唯さんの負担を考えて、運動会の事を伏せていたのだとおっしゃっていたので」
斎藤さんの言葉に、仁ちゃんの優しい笑顔が浮かぶ。
「そう、だったんですね」
「飛鳥さん、やっぱめっちゃ愛されてるじゃない。そんな危険な競技に奥さんを参加させるわけにはいかないって、思ってくれてたって事でしょ?」
ラテを飲む大園さんが、嬉しい言葉を掛けてくれるけど。私は、作り笑顔で受け流すしかない。
仁ちゃんは私を愛してるわけじゃない、気を遣ってるんだ。
野望の為に妻になって貰った上に、危険な目に合わせるわけにはいかないって。それに、会社の行事って事は飛鳥一族の人達も大勢来るだろうし……私を晒しものにするのは申し訳無いって思っているんだろうな。
でもそんな事情をここで打ち明けるわけにはいかないから……『そうだったら、ありがたいです』と、当たり障りない返事をするしかなくて。
けれど、その『当たり障りない』筈の返事に、ピクリと反応した人がいた。斎藤さんだ。
「……唯さんは、嬉しいんですか? そうやって仁さんに気を遣われ、守られる事が?」
「はい?」
相変わらずクールな……というより、少し怒っているような表情で、私を見つめる斎藤さん。
「煩わしい親戚付き合いや、危険な競技への参加……仁さんはそういうものを、あなたに強いたくないそうです。そのせいで、親族や社内でご自分の立場が悪くなっても構わないと仰っていました。それでもあなたは嬉しいんですか? ありがたいって笑えるんですか?」
「た、立場? 仁ちゃん、なにかまずい事になっているんですか?」
「ご親戚の皆さんがどう思われているかは、私の知る限りではありませんが。社内では御曹司は特例欠席が認められていいよな、と陰口を叩かれる程度の被害は出ています。入社以来2年連続で不参加でしたから」
「そ、そんな……」
知らなかった。
私のせいで……仁ちゃんが嫌な想いをしていたなんて。
「ちょっと、やめなさいよ。あなたがそんな風に暴露したらご主人の思い遣りがパーじゃない」
「どちらか一方が耐え忍ぶ事で成り立つ思い遣りなんて、夫婦としてフェアじゃありません。唯さんも妻として、仁さんの為に努力し、耐え忍ぶべきだと思います。だから私はこうして、特訓に協力すると決めたんですから」
「え、なに? あんた飛鳥さんの姑なの? なんで会社の同僚ごときが、妻として、とか指図しちゃってるわけ?」
「私は飛鳥さんがどれほど懸命に仕事と向き合っているか知っています! 唯さんは専業主婦として飛鳥さんに養って貰っているわけですよね? それならせめて、親戚付き合い等、出来る事はするべきだと言っているだけで」
「はぁあああ!? 養ってもらってる!? あんたいつの時代の人間!? 主婦ナメてんの!?」
「あ……っ、あの、二人とも落ち着いて……っ。特訓! 特訓始めましょう! 斎藤さん、よろしくお願いします!」
私と斎藤さんとで交わしていた筈の会話にいつの間にか飛鳥さんが入り込んで……気が付くと、斎藤さんと飛鳥さんとのバトルに発展してしまった。
火種を作った張本人としてなんとかせねばと……私は、慌てて斎藤さんの背中におぶさるのだった。
初めて出会ったあの公園で合流するやいなや……そう断言する、斎藤さん。
「せ、戦争……ですか……?」
「なにそれ、どういう意味よ? 皆、本気でリレーしたり、大玉転がしたりするってこと? いい大人が?」
突然出てきた恐ろしいワードに目を丸くする私と、鼻で笑う大園さん。
けれど、準備体操をする斎藤さんの顔は真剣そのものだ。
「三流血統種だと自負している大園さんには、到底想像もつかない世界かもしれませんが。アスカは一流の血統種が集う会社です。一流の血統種は、我が強く、自信家で、負けず嫌いが多い……。そんな社員達が一堂に会して競うんです。家族を呼んで和気あいあい……なんて、呑気な行事になると思いますか?」
「いちいち不愉快な言い回しする人ね……」
「ま、まぁまぁ二人共……。斎藤さん、運動会が真剣勝負なのはよくわかりました。でも、それなら私なんかが今更走り込みをしても、仁ちゃ……夫の足手まといになるのは避けられない、ですかね?」
斎藤さんの真似をして、アキレス腱を伸ばしながら尋ねてみると、彼女はグっと親指を立てた。
「ご安心ください。私がコーチを務めるからには、必ずやお役に立ってみせます。私は仁さんのアシスタントですし。唯さんには先日お世話になった御恩がありますので」
「ありがとうございます! よろしくお願いします!」
恩だなんて……私、そんな大層な事はしていないのに。と心の中で呟くけど、声に出すのはやめておいた。
せっかくの休日、特訓に付き合ってくれてるのに、謙遜合戦を始めて時間を無駄にするのは申し訳ないから。
「ていうか、借り物競争の特訓て何するわけ?」
近くのカフェでテイクアウトしたホットの豆乳ラテを飲みながら、近くのベンチに座る大園さん。
高そうなコートに身を包み、冷たい朝風に身を縮こまらせている。
そんな大園さんとは正反対に、薄手のランニングウェアを来た斎藤さんの額には、すでにうっすら汗が滲んていた。どうやら体を温める為に、と、自宅から公園まで走ってきたらしい。
その時点でもう、彼女の気概を感じてありがたいやら、特訓のハードさを想像してしまって恐ろしいやら。
「借り物競争の概要……は、先日ご説明しましたよね?」
「は、はい! お題は大切なものっていうのがお決まりで……既婚者は奥さんや子供さんを連れてゴールするのが恒例だと……」
「それだけ聞くと、ほっこりほのぼのな行事よね~?」
「仁さんの借り物である唯さんに求められるのは、ただ一つ。振り落とされない事です」
「「振り落とされない事??」」
斎藤さんの答えに、声を重ねてしまう私と大園さん。
「振り落とされないってなに? 何か乗り物にでも乗るの? 普通に手を繋いで走るんじゃなくて?」
大園さんの言う通り、私も仁ちゃんと手を繋いでゴールまで走る感じを想像していた。
「競技者は、借り物を抱きかかえて走ります。借り物競争では、他の競技者への妨害行為が認められていますので、抱えでもしない限り、借り物を守り切る事はできませんので。途中で借り物と離れてしまっては、ゴール出来ませんし」
「ぼ、妨害行為!? 守り切れないって……結構激しい感じなんですか?」
「人によりますが、直撃したら死んでしまうな、という攻撃をする人もいるので」
「「ええ!?」」
またしても、声をハモらせてしまう私達。
「なんなのそれ!? そんな事が許されるの!? ここ日本よね!? 警察官に威嚇射撃にも大騒ぎする位、平和な国よね!?」
「あ、もちろん、避ける事を見越して、という場合が多いですよ? 本当に危険な場合は、担当の実行委員が手を出しますし」
「な、なるほど……っ。そんなデンジャラスな攻撃をかいくぐって疾走しなきゃだから……私が振り落とされたら、仁ちゃんが大迷惑って事ですね」
爆音と爆風の中、ボス猿の仁ちゃんにしがみつく、赤ちゃん猿のような自分を想像してしまって……息を呑む。
「ですね。なので、今日の特訓では私が仁さん役になって唯さんを抱え、公園内を疾走します。唯さんは振り落とされないよう、しっかりしがみついていてください」
「え!? 斎藤さんが、ですか!?」
「ご安心ください。私もそれなりの血統種ランクを取得しておりますので。唯子さんを抱えて走る位、全く問題ありません」
「そ、そういう事でしたら……すいませんが、よろしくお願いします! しんどい時は遠慮なく言ってくださいね!」
こうなったら斎藤さんの言葉を信じて、頼らせてもらうしかないよね。
会社の人達の前で、仁ちゃんに恥をかかせるわけにはいかないし。
なんて心の中で気合を入れていたら……斎藤さんが、ボソっと呟いた。
「……唯さんが前向きで、安心しました」
「え?」
「あ、いえ。仁さんは唯さんの負担を考えて、運動会の事を伏せていたのだとおっしゃっていたので」
斎藤さんの言葉に、仁ちゃんの優しい笑顔が浮かぶ。
「そう、だったんですね」
「飛鳥さん、やっぱめっちゃ愛されてるじゃない。そんな危険な競技に奥さんを参加させるわけにはいかないって、思ってくれてたって事でしょ?」
ラテを飲む大園さんが、嬉しい言葉を掛けてくれるけど。私は、作り笑顔で受け流すしかない。
仁ちゃんは私を愛してるわけじゃない、気を遣ってるんだ。
野望の為に妻になって貰った上に、危険な目に合わせるわけにはいかないって。それに、会社の行事って事は飛鳥一族の人達も大勢来るだろうし……私を晒しものにするのは申し訳無いって思っているんだろうな。
でもそんな事情をここで打ち明けるわけにはいかないから……『そうだったら、ありがたいです』と、当たり障りない返事をするしかなくて。
けれど、その『当たり障りない』筈の返事に、ピクリと反応した人がいた。斎藤さんだ。
「……唯さんは、嬉しいんですか? そうやって仁さんに気を遣われ、守られる事が?」
「はい?」
相変わらずクールな……というより、少し怒っているような表情で、私を見つめる斎藤さん。
「煩わしい親戚付き合いや、危険な競技への参加……仁さんはそういうものを、あなたに強いたくないそうです。そのせいで、親族や社内でご自分の立場が悪くなっても構わないと仰っていました。それでもあなたは嬉しいんですか? ありがたいって笑えるんですか?」
「た、立場? 仁ちゃん、なにかまずい事になっているんですか?」
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「そ、そんな……」
知らなかった。
私のせいで……仁ちゃんが嫌な想いをしていたなんて。
「ちょっと、やめなさいよ。あなたがそんな風に暴露したらご主人の思い遣りがパーじゃない」
「どちらか一方が耐え忍ぶ事で成り立つ思い遣りなんて、夫婦としてフェアじゃありません。唯さんも妻として、仁さんの為に努力し、耐え忍ぶべきだと思います。だから私はこうして、特訓に協力すると決めたんですから」
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「はぁあああ!? 養ってもらってる!? あんたいつの時代の人間!? 主婦ナメてんの!?」
「あ……っ、あの、二人とも落ち着いて……っ。特訓! 特訓始めましょう! 斎藤さん、よろしくお願いします!」
私と斎藤さんとで交わしていた筈の会話にいつの間にか飛鳥さんが入り込んで……気が付くと、斎藤さんと飛鳥さんとのバトルに発展してしまった。
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