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第1話 「突然ですが、追放されました」
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「カイリ、君は今日からうちのパーティーから外すから。もう来なくていいよ」
ある日突然、酒場で伝えられた事実。その言葉を突き付けられた俺――カイリはパーティーのリーダーである、ハルトの顔を見つめる。
「いや、そんな急に言われても……」
あまりに唐突すぎて、俺はそう呟くことしかできなかった。
「むしろ今日までパーティーに入れてあげたことを感謝してほしいぐらいだ。君みたいな『無能力者』を連れていても肉壁にすらならない」
ハルトは呆れたようにため息を吐く。どう返答したところで俺を追放するという結論は変わらないのだろう。
「……分かりました」
「それじゃあさっさと消えてくれないかな。ずっと目障りだったんだよね、君」
もはや名前すら呼ばれなくなった。いや、考えてみれば最初から名前を呼ばれたことなど一度もなかった。
「約束を破るのは気が引けるけど、流石にもう限界だったからね。これで邪魔な荷物が消えてくれてせいせいするよ」
「その、約束って……?」
俺をパーティーから外すことと約束を破るという言葉の繋がりが分からず聞き返す。だけど、ハルトが質問に答えることはなかった。
「え、君まだいたの? ていうかどこの誰だっけ。パーティーメンバーでもない人間が気安く話しかけないでくれるかな」
侮蔑のまなざしとともに俺を突き放す。一か月という短い期間ではあったけれど自分に居場所を与えてくれたのは嬉しかった。だからこそ強い語気で俺を追放してきたダメージが大きかった。
とぼとぼと歩いて酒場を出る。あてもなく歩いていると、人気のない河川敷に着く。
なんとなく川の流れを眺めながら、俺は腰を下ろす。すると、俺の脳内に聞きなじみのある声が響く。
『また、追い出されちゃったね』
周りには人はいない。けれど、聞こえたのは確かに、人の声だ。
「これで五回目だよ。やっぱりこの世界で生まれてない俺には居場所なんてなかったのかな」
俺は脳裏によぎる声に返事をする。
「俺にはやっぱりあんたしかいないみたいだ……『神様』」
『まあボクがいるだけいいじゃないか。なんたって神様だよ、神様。どんなパーティーよりも頼りがいがあるってものじゃない?』
――そう、俺には神が付いている。
俺は元々、この世界出身じゃない。日本で生まれ育った士道乖離(しどうかいり)という名の普通の高校一年生だった。だけどある日、コンビニに行こうと家を出たところで急に意識が薄れ、目が覚めた時にはこの世界にいた。
右も左も分からない俺に最初に声をかけたのが「神様」だ。なんでも全知全能の神で、あらゆることを知ってるらしい。
神は人間界に直接関与することができないらしく、俺に姿を見せることもない。こうして俺の脳に直接言葉を投げかけてくるくらいだ。
声の感じからして女性らしさを感じているが、自称が「ボク」だったり、そもそも姿かたちが見えないしで断定はできない。
「頼りがいはねえよ。だって俺がピンチでも神様が直接助けに来たりできないんだから。知識だけの協力なんて、割と詰んでるだろ。せめて無能力でさえなけりゃなぁ」
『無能力……ね』
「つーか、普通異世界に来て、神様と出会ったら最強の能力をもらえるのがお約束だろ。なんで俺には何もないんだよ」
『キミ、嫌われてるんじゃない? 世界に』
「嫌われる規模がでかすぎんだろ……」
日本にいた頃も特別友達が多かったわけじゃないし、俺を嫌う人間もいたが、世界なんて大層なものに嫌われる経験はない。
……ていうか世界に嫌われるってなんだよ。
「これからどうしよう。またパーティーを探すか……でも、正直今回のパーティーが最後の希望だったんだよな」
この世界で安全に生きることを求めるなら大人数のパーティーに所属するのが最短だが、突出した能力がないとまず採用されない。俺みたいな無能力者なんてもってのほかだ。
「神様なんだから魔物を消したりできないのかよ。魔物を生み出したのも神様なんだろ」
『…………魔物を生み出した神はボクと同じような神だけど、ボクではないよ。だからボクがどうこうすることはできない。それに、そもそも神は直接現世に関与できないしね』
「じゃあ千年前に現れた神様ってどういう原理だよ」
『さあね。それを知りたいなら、千年前に戻ることだ』
「はぁ、本当に、これからどうしたらいいんだ……」
別に冒険者でなくとも生活することはできる。……この世界に関する知識があれば。
俺が異世界にやってきてからまだ一年だ。そんな人間を雇ってくれるところなんてない。だから強ささえあれば認められる冒険者を目指していたのだ。
『まさかキミが職探しに苦労する日が来るとはね……不思議なこともあるものだ』
「そんなに不思議か? 異世界人が職探しに苦労するなんてよくある展開だろ」
日本にいた頃は剣と魔法のファンタジーみたいな作品を好んで読んでいた。だから異世界に来た主人公がそこで生きていくために四苦八苦するという展開には馴染みがある。
って言っても、そういうのは大体チート能力があるから参考にはできないんだけど。
「いっそ、配信でも始めてみるか」
『……本気で言ってる?』
「発端は俺だし、元の世界で馴染みはあるからいけるんじゃないか」
そう、この世界に配信という概念を広めたのは俺だ。
転移してすぐの頃、俺はこの世界に娯楽が少ないことを知った。
なら動画配信とかできる道具使ったら売れるんじゃないか? そう思って魔道具を作ってる職人にアイデアを売ったのだった。
最初は胡散臭そうにしていた職人だったけど、作り始めてから配信の価値に気づいたみたいだった。
そうして配信のための魔道具が作られた後は街中に噂が広まり、あっという間に配信という文化が定着した。
アイデア料として定期的に俺に金が入ったはずなんだけど、今追い出されたパーティーにほとんど持って行かれた。
「一回だけ、やってみたことはあるんだよな」
やっぱり、この世界における配信の創始者だし、知識も多いから上手くやれると思ったんだけど、結果は失敗だった。
配信タイトル:『配信文化を作った人間だけど質問ある?』
……今思えばだいぶセンスなかったな。
俺のアイデア(元ネタはあるけど)が文化になったことで舞い上がってテンションがおかしかったんだ。
ちなみにその動画についたコメントは、
『嘘乙w』
『ファーーwwwww』
『今日の晩飯、卵とチョコレートのマリネ」
『ぬるぽ』
自由すぎる……。
「あいつら、日本の掲示板みたいな反応しやがって……! 順応早すぎだろ異世界人……」
最後に関しては絶対俺の他に日本人いるだろ。
そして卵とチョコレートのマリネを晩飯にしてる奴は食生活を見直せ。絶対合わねえだろ。
「まあ、配信のことはおいおい考えよう。とりあえず、今は残った金で宿に泊まるか。野宿してもいいけど、なけなしの金を盗まれても嫌だし」
パーティーにいる間にもらえた給料がまだ残っている。雀の涙ほどだけど。追放されるときに返せと言われなくてよかった。
『ここから近い宿ってどこだろう。しばらく見ない間に街の構造とか変わってるからなぁ』
「自称全知全能の神の発言とは思えねえな」
宿の所在も分からないとかどうなってんだ。全知全能の範囲狭すぎないか?
もしかしたら思ってるよりポンコツなのかもしれない。
『ま、まあそんなことより誰か近づいてきてる子がいるみたいだよ』
「誤魔化したな……」
神様の言葉に、近づいてくる人間の姿を想像してみる。だけど、全く思いつかない。
「近づいてる子って、ただの通行人じゃないのか?」
『明らかにキミのいる場所に向かってるし、無関係だとは思えないかなぁ』
「俺と関係のある人間でわざわざ会いにくる……さっぱり心当たりねえ」
『命を狙ってるとか?』
「……考えたくない」
この世界に生きるほとんどの人が「スキル」という特別な能力を持っている。
特に冒険者は人を容易く葬れる強力なものを持っている場合が多い。そんな中で無能力者が命を狙われたら生き残れるわけがない。
「あの……カイリ君ですよね!」
河川敷に座る俺に声をかけてきたのは二十歳くらいの女性だった。ふわふわとしたピンク色の髪が真っ先に視界に飛び込んでくる。
さっき俺を追放したパーティーのメンバーの一人だった。名前はアリシア。大きくて丸い瞳が俺を見つめている。可愛らしい容姿で、パーティーメンバーからマスコットのような扱いを受けていた。
アリシアの持つスキルは「サーチ」。周囲にいる人間や魔物を察知する、索敵の役割を担っていた。
追放を告げられた酒場から離れた河川敷まで俺を見つけ出せたのはその能力によるものだ。
「アリシアさん、どうかされたんですか?」
もうパーティーメンバーじゃないから、つい他人行儀になってしまう。
「呼び捨てでいいよ。それで、私がカイリ君を追いかけてきた理由なんだけど……私も、パーティーを抜けてきたから、カイリ君と一緒に行こうと思って」
「え、えええええええええええ!?」
ある日突然、酒場で伝えられた事実。その言葉を突き付けられた俺――カイリはパーティーのリーダーである、ハルトの顔を見つめる。
「いや、そんな急に言われても……」
あまりに唐突すぎて、俺はそう呟くことしかできなかった。
「むしろ今日までパーティーに入れてあげたことを感謝してほしいぐらいだ。君みたいな『無能力者』を連れていても肉壁にすらならない」
ハルトは呆れたようにため息を吐く。どう返答したところで俺を追放するという結論は変わらないのだろう。
「……分かりました」
「それじゃあさっさと消えてくれないかな。ずっと目障りだったんだよね、君」
もはや名前すら呼ばれなくなった。いや、考えてみれば最初から名前を呼ばれたことなど一度もなかった。
「約束を破るのは気が引けるけど、流石にもう限界だったからね。これで邪魔な荷物が消えてくれてせいせいするよ」
「その、約束って……?」
俺をパーティーから外すことと約束を破るという言葉の繋がりが分からず聞き返す。だけど、ハルトが質問に答えることはなかった。
「え、君まだいたの? ていうかどこの誰だっけ。パーティーメンバーでもない人間が気安く話しかけないでくれるかな」
侮蔑のまなざしとともに俺を突き放す。一か月という短い期間ではあったけれど自分に居場所を与えてくれたのは嬉しかった。だからこそ強い語気で俺を追放してきたダメージが大きかった。
とぼとぼと歩いて酒場を出る。あてもなく歩いていると、人気のない河川敷に着く。
なんとなく川の流れを眺めながら、俺は腰を下ろす。すると、俺の脳内に聞きなじみのある声が響く。
『また、追い出されちゃったね』
周りには人はいない。けれど、聞こえたのは確かに、人の声だ。
「これで五回目だよ。やっぱりこの世界で生まれてない俺には居場所なんてなかったのかな」
俺は脳裏によぎる声に返事をする。
「俺にはやっぱりあんたしかいないみたいだ……『神様』」
『まあボクがいるだけいいじゃないか。なんたって神様だよ、神様。どんなパーティーよりも頼りがいがあるってものじゃない?』
――そう、俺には神が付いている。
俺は元々、この世界出身じゃない。日本で生まれ育った士道乖離(しどうかいり)という名の普通の高校一年生だった。だけどある日、コンビニに行こうと家を出たところで急に意識が薄れ、目が覚めた時にはこの世界にいた。
右も左も分からない俺に最初に声をかけたのが「神様」だ。なんでも全知全能の神で、あらゆることを知ってるらしい。
神は人間界に直接関与することができないらしく、俺に姿を見せることもない。こうして俺の脳に直接言葉を投げかけてくるくらいだ。
声の感じからして女性らしさを感じているが、自称が「ボク」だったり、そもそも姿かたちが見えないしで断定はできない。
「頼りがいはねえよ。だって俺がピンチでも神様が直接助けに来たりできないんだから。知識だけの協力なんて、割と詰んでるだろ。せめて無能力でさえなけりゃなぁ」
『無能力……ね』
「つーか、普通異世界に来て、神様と出会ったら最強の能力をもらえるのがお約束だろ。なんで俺には何もないんだよ」
『キミ、嫌われてるんじゃない? 世界に』
「嫌われる規模がでかすぎんだろ……」
日本にいた頃も特別友達が多かったわけじゃないし、俺を嫌う人間もいたが、世界なんて大層なものに嫌われる経験はない。
……ていうか世界に嫌われるってなんだよ。
「これからどうしよう。またパーティーを探すか……でも、正直今回のパーティーが最後の希望だったんだよな」
この世界で安全に生きることを求めるなら大人数のパーティーに所属するのが最短だが、突出した能力がないとまず採用されない。俺みたいな無能力者なんてもってのほかだ。
「神様なんだから魔物を消したりできないのかよ。魔物を生み出したのも神様なんだろ」
『…………魔物を生み出した神はボクと同じような神だけど、ボクではないよ。だからボクがどうこうすることはできない。それに、そもそも神は直接現世に関与できないしね』
「じゃあ千年前に現れた神様ってどういう原理だよ」
『さあね。それを知りたいなら、千年前に戻ることだ』
「はぁ、本当に、これからどうしたらいいんだ……」
別に冒険者でなくとも生活することはできる。……この世界に関する知識があれば。
俺が異世界にやってきてからまだ一年だ。そんな人間を雇ってくれるところなんてない。だから強ささえあれば認められる冒険者を目指していたのだ。
『まさかキミが職探しに苦労する日が来るとはね……不思議なこともあるものだ』
「そんなに不思議か? 異世界人が職探しに苦労するなんてよくある展開だろ」
日本にいた頃は剣と魔法のファンタジーみたいな作品を好んで読んでいた。だから異世界に来た主人公がそこで生きていくために四苦八苦するという展開には馴染みがある。
って言っても、そういうのは大体チート能力があるから参考にはできないんだけど。
「いっそ、配信でも始めてみるか」
『……本気で言ってる?』
「発端は俺だし、元の世界で馴染みはあるからいけるんじゃないか」
そう、この世界に配信という概念を広めたのは俺だ。
転移してすぐの頃、俺はこの世界に娯楽が少ないことを知った。
なら動画配信とかできる道具使ったら売れるんじゃないか? そう思って魔道具を作ってる職人にアイデアを売ったのだった。
最初は胡散臭そうにしていた職人だったけど、作り始めてから配信の価値に気づいたみたいだった。
そうして配信のための魔道具が作られた後は街中に噂が広まり、あっという間に配信という文化が定着した。
アイデア料として定期的に俺に金が入ったはずなんだけど、今追い出されたパーティーにほとんど持って行かれた。
「一回だけ、やってみたことはあるんだよな」
やっぱり、この世界における配信の創始者だし、知識も多いから上手くやれると思ったんだけど、結果は失敗だった。
配信タイトル:『配信文化を作った人間だけど質問ある?』
……今思えばだいぶセンスなかったな。
俺のアイデア(元ネタはあるけど)が文化になったことで舞い上がってテンションがおかしかったんだ。
ちなみにその動画についたコメントは、
『嘘乙w』
『ファーーwwwww』
『今日の晩飯、卵とチョコレートのマリネ」
『ぬるぽ』
自由すぎる……。
「あいつら、日本の掲示板みたいな反応しやがって……! 順応早すぎだろ異世界人……」
最後に関しては絶対俺の他に日本人いるだろ。
そして卵とチョコレートのマリネを晩飯にしてる奴は食生活を見直せ。絶対合わねえだろ。
「まあ、配信のことはおいおい考えよう。とりあえず、今は残った金で宿に泊まるか。野宿してもいいけど、なけなしの金を盗まれても嫌だし」
パーティーにいる間にもらえた給料がまだ残っている。雀の涙ほどだけど。追放されるときに返せと言われなくてよかった。
『ここから近い宿ってどこだろう。しばらく見ない間に街の構造とか変わってるからなぁ』
「自称全知全能の神の発言とは思えねえな」
宿の所在も分からないとかどうなってんだ。全知全能の範囲狭すぎないか?
もしかしたら思ってるよりポンコツなのかもしれない。
『ま、まあそんなことより誰か近づいてきてる子がいるみたいだよ』
「誤魔化したな……」
神様の言葉に、近づいてくる人間の姿を想像してみる。だけど、全く思いつかない。
「近づいてる子って、ただの通行人じゃないのか?」
『明らかにキミのいる場所に向かってるし、無関係だとは思えないかなぁ』
「俺と関係のある人間でわざわざ会いにくる……さっぱり心当たりねえ」
『命を狙ってるとか?』
「……考えたくない」
この世界に生きるほとんどの人が「スキル」という特別な能力を持っている。
特に冒険者は人を容易く葬れる強力なものを持っている場合が多い。そんな中で無能力者が命を狙われたら生き残れるわけがない。
「あの……カイリ君ですよね!」
河川敷に座る俺に声をかけてきたのは二十歳くらいの女性だった。ふわふわとしたピンク色の髪が真っ先に視界に飛び込んでくる。
さっき俺を追放したパーティーのメンバーの一人だった。名前はアリシア。大きくて丸い瞳が俺を見つめている。可愛らしい容姿で、パーティーメンバーからマスコットのような扱いを受けていた。
アリシアの持つスキルは「サーチ」。周囲にいる人間や魔物を察知する、索敵の役割を担っていた。
追放を告げられた酒場から離れた河川敷まで俺を見つけ出せたのはその能力によるものだ。
「アリシアさん、どうかされたんですか?」
もうパーティーメンバーじゃないから、つい他人行儀になってしまう。
「呼び捨てでいいよ。それで、私がカイリ君を追いかけてきた理由なんだけど……私も、パーティーを抜けてきたから、カイリ君と一緒に行こうと思って」
「え、えええええええええええ!?」
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