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第80話 それは、隠された――……
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小型の人造ダンジョンコア……何だったかな?何か別の使い道があったはずなんだけど……。
そう考えた時、唐突に私は思い出した――隠れ家――隠し部屋――そう言った所謂――
秘密基地――……。
子供心を忘れられないお茶目な魔術師ニーズヘッグ――錬金術師でもあったその人は、人造のダンジョンコアを改造して、そんな隠し部屋を作れるようにした。術者本人がデザインできる自分だけの空間――ダンジョンとは呼べない夢の詰まった玩具箱。
それを思い出した時――破壊された噴水と割れた人造ダンジョンコアが繋がった。
私は――壊れた破片を脆そうだと感じたのでは無かったか??その理由があのダンジョンコアにあるのだと気が付いたのだ。
人造ダンジョンコアが破壊されたから噴水が壊れたのだ――つまり……
「あの噴水が――隠し部屋だったと――?」
呆然と私が呟いた言葉に、皆の視線が私に刺さった。
既に察していたであろう、アルは、目を伏せる。エドガー様――は苦々しい顔をして、セラクさんとベルク先生は、難しい顔をしていた。
そして、私の言葉に全てを悟った他の皆はザッと顔を青褪めさせる……私、座ってて良かった……目の前がクラリと揺れた。立っていたらストンと腰が抜けていたかもしれない。
「まさか――禁術の本――ですか……?」
口に出してしまえば真実になってしまう気がして、言えなかった言葉。クリス先輩が恐る恐ると言うようにそう呟いた。
皆表情が硬い。まさか探していたソレがあの場所にあったと――?
「マジかよ――……」
ベルナドット様の呟きに、震える手を抑えるエリザベス様が縋るような眼差しをセラクさんに向けた。違う――とそう言って欲しいのだろう。その心境はとても良く理解出来た。
けど、セラクさんの口から出た言葉は非情だった。
「現状では、その可能性が一番高いかと……あんなアーティファクトそうボロボロ出て来る物では無いんでね……隠された部屋に禁術――いや対抗魔法の本が隠されていた可能性が高いですな。そして誰かがそれを持ち去り――ダンジョンコアを壊してしまったか、破壊していったのでしょう」
誤って壊すと言うのはありそうだけれど、ワザと破壊する理由はあるだろうか……示威行為?そんな目立つ事をする理由が分からない。そう考えると、事故で壊してしまった可能性が高いのだろうか――。
混乱する思考のままに考える。
「貴重品をワザワザ壊す理由は無さそうですがね。ま、価値を知らないヤツが人造ダンジョンコアと気が付かなくて、落して割ったって辺りが濃厚かと思います」
セラクさんの言葉に、確かにその可能性が一番高いような気がした。
あの噴水は、多分隠し部屋への入り口だった――。
どんな方法で入るのかは分からない。けれど、確かにそこに入り口はあったのだ。だったら――ソレを持って行ったのは誰だ??
「先代の――理事長の事件って、コレに関係してるんですか??」
青い顔をしたダグ君がセラクさんにそう問いかけた。先代理事長の拷問が報復の類で無かったのなら――。そんな事をしてまで知りたかった情報が『この部屋』の場所と言う事――?
もしそうだったのなら、その誰かはその部屋に何があるかを予め知っていた事になる。
セラクさんは、首を振った後「流石にそこまでは、分からないですね」と言った。
「ただ、陛下も俺もその可能性が高いのでは?と思っています。だからこそ、調査に来たのですしね」
セラクさんの言葉は静かだった。
静かだったからこそ、逃れられない現実として理解出来た気がする……。
「たまたま――その部屋を見つけた生徒が……人造ダンジョンコアを壊してしまって、噴水が壊れた事に驚いて逃げてしまったとかではありませんの……?」
エリザベス様の言葉は事故であって欲しいと言う願望だ。
セラクさんは首を振る――確かあの場に本は落ちて無かった――驚いて逃げたのなら、本もその場に落ちっぱなしだったんじゃ無いかな。
正直に言えば、部屋は存在したけれど――そんな本は無かったのだと思ってしまいたい。
「その可能性がゼロだとは言いませんがね。この所度重なってる色々な事を鑑みるに、その可能性に縋る訳にはいきません。意味は分かりますね?」
セラクさんは、私達を見回してからそう言った。
優しい口調で言ってくれているけれど、その中には厳しさが潜んでいる。
「最悪の――事態を考えて動くべきだと……?」
不安そうな顔で、エリザベス様がそう言った。
「えぇ、そうです。そうすりゃ、最悪の事態は避けられる」
ポリポリと頬を掻きながらセラクさんが言った言葉に、唇を噛みしめたエリザベス様が頷いた。けどその後に「――とは言っても最悪の事態なんざ起きる時には起きるもんなんですが……」と呟くセラクさん。
確かにそうなんだけど――フラグが立ちそうだから今は言わないで欲しかった……。
それにしても、嫌なタイミングだ。
皇太子が留学して来た直ぐ後にこんな事件――前理事長の事件の犯人は目星すらついていない。この件に関係があるとしても、何処を警戒すれば良いのかも分からない。
唯一の救いは、魅了魔法の対抗措置が完了しつつある事だけど――。
一応、薬師さんも戻って来て、今は王城の方に詰めてくれているらしいんだよね……。
秘伝とされている薬草の調合のレシピ。悪用のしようも無いレシピな事と、この危うい状況を鑑みて薬師さんは自分の一族と緊急会議……一子相伝のそのレシピを販売しない、広めない事を条件に誓約紋を刻んだ幾人かの王城の薬師に開示した。
薬師にとってレシピは先祖代々から連なる魂であり、自分の血肉そのもの――かなりの葛藤があったのじゃ無いかと思う。けれど、彼等は自分達の苦しみよりも国民の安全を取ってくれたのだ――感謝の念が自然と湧く。
確かムルクさんと言ったっけ……。いつか会ってお礼を言おう。私はそんな事を思ったのだった。
そう考えた時、唐突に私は思い出した――隠れ家――隠し部屋――そう言った所謂――
秘密基地――……。
子供心を忘れられないお茶目な魔術師ニーズヘッグ――錬金術師でもあったその人は、人造のダンジョンコアを改造して、そんな隠し部屋を作れるようにした。術者本人がデザインできる自分だけの空間――ダンジョンとは呼べない夢の詰まった玩具箱。
それを思い出した時――破壊された噴水と割れた人造ダンジョンコアが繋がった。
私は――壊れた破片を脆そうだと感じたのでは無かったか??その理由があのダンジョンコアにあるのだと気が付いたのだ。
人造ダンジョンコアが破壊されたから噴水が壊れたのだ――つまり……
「あの噴水が――隠し部屋だったと――?」
呆然と私が呟いた言葉に、皆の視線が私に刺さった。
既に察していたであろう、アルは、目を伏せる。エドガー様――は苦々しい顔をして、セラクさんとベルク先生は、難しい顔をしていた。
そして、私の言葉に全てを悟った他の皆はザッと顔を青褪めさせる……私、座ってて良かった……目の前がクラリと揺れた。立っていたらストンと腰が抜けていたかもしれない。
「まさか――禁術の本――ですか……?」
口に出してしまえば真実になってしまう気がして、言えなかった言葉。クリス先輩が恐る恐ると言うようにそう呟いた。
皆表情が硬い。まさか探していたソレがあの場所にあったと――?
「マジかよ――……」
ベルナドット様の呟きに、震える手を抑えるエリザベス様が縋るような眼差しをセラクさんに向けた。違う――とそう言って欲しいのだろう。その心境はとても良く理解出来た。
けど、セラクさんの口から出た言葉は非情だった。
「現状では、その可能性が一番高いかと……あんなアーティファクトそうボロボロ出て来る物では無いんでね……隠された部屋に禁術――いや対抗魔法の本が隠されていた可能性が高いですな。そして誰かがそれを持ち去り――ダンジョンコアを壊してしまったか、破壊していったのでしょう」
誤って壊すと言うのはありそうだけれど、ワザと破壊する理由はあるだろうか……示威行為?そんな目立つ事をする理由が分からない。そう考えると、事故で壊してしまった可能性が高いのだろうか――。
混乱する思考のままに考える。
「貴重品をワザワザ壊す理由は無さそうですがね。ま、価値を知らないヤツが人造ダンジョンコアと気が付かなくて、落して割ったって辺りが濃厚かと思います」
セラクさんの言葉に、確かにその可能性が一番高いような気がした。
あの噴水は、多分隠し部屋への入り口だった――。
どんな方法で入るのかは分からない。けれど、確かにそこに入り口はあったのだ。だったら――ソレを持って行ったのは誰だ??
「先代の――理事長の事件って、コレに関係してるんですか??」
青い顔をしたダグ君がセラクさんにそう問いかけた。先代理事長の拷問が報復の類で無かったのなら――。そんな事をしてまで知りたかった情報が『この部屋』の場所と言う事――?
もしそうだったのなら、その誰かはその部屋に何があるかを予め知っていた事になる。
セラクさんは、首を振った後「流石にそこまでは、分からないですね」と言った。
「ただ、陛下も俺もその可能性が高いのでは?と思っています。だからこそ、調査に来たのですしね」
セラクさんの言葉は静かだった。
静かだったからこそ、逃れられない現実として理解出来た気がする……。
「たまたま――その部屋を見つけた生徒が……人造ダンジョンコアを壊してしまって、噴水が壊れた事に驚いて逃げてしまったとかではありませんの……?」
エリザベス様の言葉は事故であって欲しいと言う願望だ。
セラクさんは首を振る――確かあの場に本は落ちて無かった――驚いて逃げたのなら、本もその場に落ちっぱなしだったんじゃ無いかな。
正直に言えば、部屋は存在したけれど――そんな本は無かったのだと思ってしまいたい。
「その可能性がゼロだとは言いませんがね。この所度重なってる色々な事を鑑みるに、その可能性に縋る訳にはいきません。意味は分かりますね?」
セラクさんは、私達を見回してからそう言った。
優しい口調で言ってくれているけれど、その中には厳しさが潜んでいる。
「最悪の――事態を考えて動くべきだと……?」
不安そうな顔で、エリザベス様がそう言った。
「えぇ、そうです。そうすりゃ、最悪の事態は避けられる」
ポリポリと頬を掻きながらセラクさんが言った言葉に、唇を噛みしめたエリザベス様が頷いた。けどその後に「――とは言っても最悪の事態なんざ起きる時には起きるもんなんですが……」と呟くセラクさん。
確かにそうなんだけど――フラグが立ちそうだから今は言わないで欲しかった……。
それにしても、嫌なタイミングだ。
皇太子が留学して来た直ぐ後にこんな事件――前理事長の事件の犯人は目星すらついていない。この件に関係があるとしても、何処を警戒すれば良いのかも分からない。
唯一の救いは、魅了魔法の対抗措置が完了しつつある事だけど――。
一応、薬師さんも戻って来て、今は王城の方に詰めてくれているらしいんだよね……。
秘伝とされている薬草の調合のレシピ。悪用のしようも無いレシピな事と、この危うい状況を鑑みて薬師さんは自分の一族と緊急会議……一子相伝のそのレシピを販売しない、広めない事を条件に誓約紋を刻んだ幾人かの王城の薬師に開示した。
薬師にとってレシピは先祖代々から連なる魂であり、自分の血肉そのもの――かなりの葛藤があったのじゃ無いかと思う。けれど、彼等は自分達の苦しみよりも国民の安全を取ってくれたのだ――感謝の念が自然と湧く。
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