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サンガレア商会はマーサが総代表を勤めるサンガレア領公営の店だ。主に様々な魔導製品や食品類を取り扱い、領地や土の宗主国内だけでなく、各宗主国王都に支店をおいている程大きいな商会である。
商会で販売されているものは、魔導製品にしろ食料品にしろ、マーサが中心になって新たに開発されたものも多い。本店であるサンガレア領地の店は実際に手に取って試せる商品の見本や試食などがあり、観光スポットの一つにもなっている。
店につくなり、将軍達は主に即席スープや魔導湯沸し器等、関連する魔導製品が置いてあるコーナーに直行した。
マーサから事前に何か聞いていたのかもしれない。
サーシャをリチャードに預けたマーサが、母親の顔から商売人の顔になった。
「これが前に話した即席スープのもとよ。作り方は簡単。お湯に溶かすだけ。種類は今のところ三種類。コンソメスープ、オニオンスープ、新商品のコーンスープ。どれでも好きなのを試食してみてちょうだいな」
即席スープコーナーの棚の近くに置いている魔導湯沸し器(保温も再沸騰もできちゃう最新式)を指して、さぁ、どうぞと彼らを促した。
それぞれ、好きなものを試食しようとしていた。魔導湯沸し器も真剣な顔つきでみている。マーサが魔導湯沸し器についても詳細に説明していた。
「ねぇねぇ、チーファ」
「なに?姉様」
「なんで将軍達、あんなに即席スープに食いついてるの?」
「うーんとね、軍の携帯食料って、どこも栄養価だけ重視で全然美味しくないんだって。それに将軍達って普段忙しくてちゃんとした食事をとれなくて携帯食料で済ますことが結構あるらしくってさ。日持ちして持ち運びやすくて簡単美味しい、即席スープがあるよ、って母様が言ったらすっごい食いついてた」
「そんなにマズイのかしらねー?」
「マズイうえに日持ちするようにしっかり焼き固めてあるから、口の中の水分全部持っていかれるんだって」
「あらまぁ」
「執務室でもまだマシなもの食べたいんじゃないかな?」
「将軍職も大変ねぇ」
「ねー」
わいわい言いながら試食している将軍達に思わず生ぬるい目を向けてしまう。
「姉様は何か買うものないの?」
「んー、特にはないかなぁ。あ、お菓子買っておこうかしら」
「お菓子ならお土産に買ったのがあるよ、大量に」
「あらそうなの?ありがとう。チーファ」
「うん」
チーファの頭を撫でると、照れたように笑った。可愛い。
ーーーーーー
商会で一通り買い物した後は、表通りの店々を覗いたり、途中、出店の麦酒を買って立ち飲み休憩したりしながら、夕方までブラブラして過ごした。
4時頃にサッカー組と合流し、街にある公衆浴場で汗を流した後は、歓楽街にある劇場に足を運び、芝居を観た。
今日の演目は土の国の古典文学を喜劇にアレンジしたもので、ミーシャ達だけではなく、他の国の面々も楽しめたようであった。
芝居が終わった後は、予約していたフェリが好きなピッツァが美味しい店で夕食をとり、領館に戻った。
その後は、お茶を飲んで一息ついてから今日は解散である。
ミーシャは領館の大浴場に行き、もう一度ゆっくりお風呂に入ってから自分の部屋の特注特大ベットに潜り込んだ。
久しぶりの実家のベットである。
(落ち着くぅ)
ミーシャは横になって、すぐに眠りに落ちた。
ーーーーーー
楽しい時間はあっという間、というが正しくである。
気がつけば四大国巡りの旅土の国編
は、残すところあと1日になっていた。
二日目は、風の神子の献属である風竜と火の神子の献属である火竜に乗って、領地内の大きな牧場や近くの酒工場に行き、三日目は、サンガレア博物館や学校施設、図書館等を見学に行った。
四日目は、街中温泉巡りと称し、街中に幾つもある公衆浴場を、途中店を覗いたり、的屋で遊んだりして寄り道しながら、廻った。
酒も食べ物も美味しいと、ほぼ初めて来る将軍達はご機嫌である。楽しそうな彼等の様子を見て、なんだか誇らしい気分になった。
そして最終日の今日。
本日は生憎の雨である。それもどしゃ降りの。
今日は街には甘味屋が多いため 甘味屋巡りをする予定であったが、かなり降っているため中止になった。
旅行中に甘いもの好きと判明した水の将軍を、美味しいクレープのある店に連れていこうと張り切っていたアマーリエとアーダルベルトは拗ねてむくれていた。
「雨やまないかなぁ」
「この感じじゃ、今日は1日雨だな。諦めろ」
「クレープ……」
「ずぅーっとはしゃいでるから、ここいらでちょっと休憩しろよって神様の啓示よ。今日はお家でゆっくりしましょう。クレープなら私が焼いてあげるわよ」
マーサが慰めるように言った。
三女のナターシャは、家の中で遊ぼうと早々とボードゲームやカードを大量に持ち出してきていた。
「さ、どれをやる?」
「俺、『人生山あり谷ありゲーム』がいいなぁ」
『人生山あり谷ありゲーム』とは、母が作った双六のようなボードゲームである。
「あぁ、それなら試作品の『人生山あり谷あり~漢の涙編~』もあるわよ」
「え、なにそれ」
「色んな男達の実体験を元に作った、やるせないしょっぱい気持ちになるゲームよ」
「誰得だよ!面白いのかよ、それ」
「人生ってなぁ、色々あるんだよぉ、ってのがよく分かるから、ちょっとした社会勉強気分になれるわ」
「えぇー……」
「微妙そうな試作品はおいといて、どうせなら風の国や水の国で買ったやつやる?見たことないボードゲームとか玩具があったから買ってきたんだ」
「いいね!」
「漢の涙編は?」
「やらない」
「パス」
「ええーーーー」
何故かしょんぼりしてるマーサを余所に、皆で室内で遊べる遊びをすることになった。
初めてする遊びを昼食までの合間、夢中で楽しんだ。
昼食はマーサが中心になってこの地域独特の家庭料理を作った。
マーサと一緒に料理を作るのは久しぶりで、旅行で行った他国の話をしながら、楽しく作った。
午後からもゲームをしたり、領館の台所で皆でクレープやケーキを作ったりして楽しんだ。
将軍達はお菓子作りは初めてらしく、子供達と一緒になってクリームを混ぜたり、クッキー生地を捏ねたりした。
特に甘いものが好きな水の将軍が、結構楽しそうにしていた。
そのまま、夕食も皆でわいわい言いながら作って、食べた。
土の国最終日は、夜更けまで笑い声が絶えなかった。
商会で販売されているものは、魔導製品にしろ食料品にしろ、マーサが中心になって新たに開発されたものも多い。本店であるサンガレア領地の店は実際に手に取って試せる商品の見本や試食などがあり、観光スポットの一つにもなっている。
店につくなり、将軍達は主に即席スープや魔導湯沸し器等、関連する魔導製品が置いてあるコーナーに直行した。
マーサから事前に何か聞いていたのかもしれない。
サーシャをリチャードに預けたマーサが、母親の顔から商売人の顔になった。
「これが前に話した即席スープのもとよ。作り方は簡単。お湯に溶かすだけ。種類は今のところ三種類。コンソメスープ、オニオンスープ、新商品のコーンスープ。どれでも好きなのを試食してみてちょうだいな」
即席スープコーナーの棚の近くに置いている魔導湯沸し器(保温も再沸騰もできちゃう最新式)を指して、さぁ、どうぞと彼らを促した。
それぞれ、好きなものを試食しようとしていた。魔導湯沸し器も真剣な顔つきでみている。マーサが魔導湯沸し器についても詳細に説明していた。
「ねぇねぇ、チーファ」
「なに?姉様」
「なんで将軍達、あんなに即席スープに食いついてるの?」
「うーんとね、軍の携帯食料って、どこも栄養価だけ重視で全然美味しくないんだって。それに将軍達って普段忙しくてちゃんとした食事をとれなくて携帯食料で済ますことが結構あるらしくってさ。日持ちして持ち運びやすくて簡単美味しい、即席スープがあるよ、って母様が言ったらすっごい食いついてた」
「そんなにマズイのかしらねー?」
「マズイうえに日持ちするようにしっかり焼き固めてあるから、口の中の水分全部持っていかれるんだって」
「あらまぁ」
「執務室でもまだマシなもの食べたいんじゃないかな?」
「将軍職も大変ねぇ」
「ねー」
わいわい言いながら試食している将軍達に思わず生ぬるい目を向けてしまう。
「姉様は何か買うものないの?」
「んー、特にはないかなぁ。あ、お菓子買っておこうかしら」
「お菓子ならお土産に買ったのがあるよ、大量に」
「あらそうなの?ありがとう。チーファ」
「うん」
チーファの頭を撫でると、照れたように笑った。可愛い。
ーーーーーー
商会で一通り買い物した後は、表通りの店々を覗いたり、途中、出店の麦酒を買って立ち飲み休憩したりしながら、夕方までブラブラして過ごした。
4時頃にサッカー組と合流し、街にある公衆浴場で汗を流した後は、歓楽街にある劇場に足を運び、芝居を観た。
今日の演目は土の国の古典文学を喜劇にアレンジしたもので、ミーシャ達だけではなく、他の国の面々も楽しめたようであった。
芝居が終わった後は、予約していたフェリが好きなピッツァが美味しい店で夕食をとり、領館に戻った。
その後は、お茶を飲んで一息ついてから今日は解散である。
ミーシャは領館の大浴場に行き、もう一度ゆっくりお風呂に入ってから自分の部屋の特注特大ベットに潜り込んだ。
久しぶりの実家のベットである。
(落ち着くぅ)
ミーシャは横になって、すぐに眠りに落ちた。
ーーーーーー
楽しい時間はあっという間、というが正しくである。
気がつけば四大国巡りの旅土の国編
は、残すところあと1日になっていた。
二日目は、風の神子の献属である風竜と火の神子の献属である火竜に乗って、領地内の大きな牧場や近くの酒工場に行き、三日目は、サンガレア博物館や学校施設、図書館等を見学に行った。
四日目は、街中温泉巡りと称し、街中に幾つもある公衆浴場を、途中店を覗いたり、的屋で遊んだりして寄り道しながら、廻った。
酒も食べ物も美味しいと、ほぼ初めて来る将軍達はご機嫌である。楽しそうな彼等の様子を見て、なんだか誇らしい気分になった。
そして最終日の今日。
本日は生憎の雨である。それもどしゃ降りの。
今日は街には甘味屋が多いため 甘味屋巡りをする予定であったが、かなり降っているため中止になった。
旅行中に甘いもの好きと判明した水の将軍を、美味しいクレープのある店に連れていこうと張り切っていたアマーリエとアーダルベルトは拗ねてむくれていた。
「雨やまないかなぁ」
「この感じじゃ、今日は1日雨だな。諦めろ」
「クレープ……」
「ずぅーっとはしゃいでるから、ここいらでちょっと休憩しろよって神様の啓示よ。今日はお家でゆっくりしましょう。クレープなら私が焼いてあげるわよ」
マーサが慰めるように言った。
三女のナターシャは、家の中で遊ぼうと早々とボードゲームやカードを大量に持ち出してきていた。
「さ、どれをやる?」
「俺、『人生山あり谷ありゲーム』がいいなぁ」
『人生山あり谷ありゲーム』とは、母が作った双六のようなボードゲームである。
「あぁ、それなら試作品の『人生山あり谷あり~漢の涙編~』もあるわよ」
「え、なにそれ」
「色んな男達の実体験を元に作った、やるせないしょっぱい気持ちになるゲームよ」
「誰得だよ!面白いのかよ、それ」
「人生ってなぁ、色々あるんだよぉ、ってのがよく分かるから、ちょっとした社会勉強気分になれるわ」
「えぇー……」
「微妙そうな試作品はおいといて、どうせなら風の国や水の国で買ったやつやる?見たことないボードゲームとか玩具があったから買ってきたんだ」
「いいね!」
「漢の涙編は?」
「やらない」
「パス」
「ええーーーー」
何故かしょんぼりしてるマーサを余所に、皆で室内で遊べる遊びをすることになった。
初めてする遊びを昼食までの合間、夢中で楽しんだ。
昼食はマーサが中心になってこの地域独特の家庭料理を作った。
マーサと一緒に料理を作るのは久しぶりで、旅行で行った他国の話をしながら、楽しく作った。
午後からもゲームをしたり、領館の台所で皆でクレープやケーキを作ったりして楽しんだ。
将軍達はお菓子作りは初めてらしく、子供達と一緒になってクリームを混ぜたり、クッキー生地を捏ねたりした。
特に甘いものが好きな水の将軍が、結構楽しそうにしていた。
そのまま、夕食も皆でわいわい言いながら作って、食べた。
土の国最終日は、夜更けまで笑い声が絶えなかった。
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