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8:自制心の敗北

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 アベルは、酔いでふわふわした状態で、ベッドにぼふんと倒れ込んだ。酒精で身体が熱い。季節は初夏に差し掛かろうとしている。春物の寝間着が暑くて、アベルはころんと寝返りをうって、寝間着のシャツのボタンを外し始めた。


「あっ! もう! 教授! 脱がないでください!」

「いやだー! あついー!」

「酔っ払いめ……ほらほら。ちゃんとシャツは着てください。お腹冷やしちゃいますよ」

「子供じゃないから平気ですぅー。うりゃー」

「あっ! こらっ! ズボンとパンツを脱がないっ!」

「はっはっはー! 僕は今開放感で満ち満ち溢れているよー!」

「うーん。どうしよう。この酔っ払い」


 アベルは、なんだか楽しくなってきた。へらへら笑いながら、全裸でマチューを手招きする。


「マチュー君、寝よー」

「えー。全裸の教授と寝るんですかー。一緒に寝るのはいいんですけど、服を着てくださいよ」

「断る! 暑いもん!」

「もぉー。駄々っ子ですか」


 マチューが呆れた顔をしているが、アベルは気にせず脱いだ服を適当に放り投げ、もぞもぞと布団に潜り込んで、ばさっと掛け布団を捲って、ぽんぽんぽんぽんと自分の隣のスペースのシーツを叩いた。


「マチュー君。おーいーでー」

「しょうがない人だなぁ。まぁ、いいですけど」


 マチューがベッドに上がり、アベルの隣に寝転がった。アベルはすかさず、素早く起きて、マチューの身体に跨った。美味しい美味しいデカちんが目の前にいる。ここで食わずして、いつ食うというのだ。アベルは、にまーっと笑うと、マチューが何か言う前に、身体を伏せて、マチューの頬を両手で包み込んで、マチューの唇に吸いついた。

 ちゅくっ、ちゅくっ、とマチューの柔らかい唇に吸いつくと、それだけで興奮して気分がいい。マチューがアベルの二の腕を掴んで、アベルを離そうとするが、アベルは意地でも離れないつもりで、ぬるぅーっとマチューの下唇に舌を這わせた。


「ちょっ、教授!」

「んー」


 マチューが口を開けた瞬間を逃さず、すかさずマチューの口内に舌を突っ込む。歯並びのいい歯列をなぞり、歯の裏側をつーっと舌先で舐めて、上顎をねっとりと舐め回す。奥の方に引っ込んでいるマチューの舌をチロッと舐めて、ねっとりと舌同士を擦り合わせるように、舌を絡ませる。酷く気持ちがいい。アベルのペニスは、キスだけで、ガチガチに硬くなった。
 腰をくねらせて、マチューの股間に、勃起したペニスを擦りつけながら、夢中でマチューの熱い口内を味わう。アベル愛用の薄荷の歯磨き粉の味がして、なんだかすごく楽しくなってくる。マチューの唇を何度も吸って、舌をぬるぬると絡ませながら、すりすりと勃起したペニスをマチューの股間に擦りつけていると、ペニスに硬いものが当たり始めた。どうやら、マチューも勃起したようである。

 アベルは嬉しくて楽しくて、目を細めると、マチューの寝間着のシャツのボタンを外しながら、唇を離し、れろーっとマチューの熱い首筋に舌を這わせた。


「は、あっ、ちょっ、教授っ!」

「んふふふふー」

「はっ……んっ……」


 マチューが力づくで抵抗しない事をいいことに、マチューの首筋の太い血管をなぞるように若々しい肌に舌を這わせ、耳までねっとりと舐め上げる。耳朶を咥え、耳の形をなぞるように舌を這わせて、軟骨を甘噛みして、耳の穴もくちくちと擽る。耳をねっとりと舐め回すと、マチューが掠れた息を吐いた。益々楽しくなってくる。ペニスを押しつけているマチューの股間は、すっかり硬くなっていて、ズボン越しに、ペニス同士をごりごり擦って、更に刺激を与えてやる。

 耳から再び熱い首筋へと舌を這わせて、喉仏にやんわりと噛みつき、鎖骨と鎖骨の中心へと舌を這わせて、ちゃっかり全部ボタンを外したシャツを開けさせる。瑞々しい熱い肌を、触れるか触れないかの絶妙なタッチで撫で回しながら、アベルは、マチューの薄い茶褐色の小さな乳首に吸いついた。舌先で乳輪をなぞり、チロチロと乳頭を擽って、ちょこんと勃った乳首全体を舌で転がすように舐め回す。目だけでマチューを見上げれば、マチューは片腕で顔を隠しながら、はっ、はっ、と荒い息を吐いていた。ちゅぽっと乳首から口を離し、反対側の乳首も可愛がる。自分の唾液で濡れた乳首を指先でくりくりと優しく弄りながら、アベルは気が済むまで、マチューの乳首を弄りまくった。

 ちゅく、ちゅく、と、時折、肌を吸いながら、マチューの若々しい肌を舐め回していく。なだらかな腹を舐め回し、臍の穴に舌先を突っ込んで、擽るように舐め、くっきり浮き出た腰骨に優しく噛みつく。
 マチューのテント状態の股間に頬擦りをすれば、マチューが息を呑む気配がした。アベルは、くふくふと笑いながら、マチューの寝間着のズボンをパンツと共にずり下ろした。途端に、ぼるんっと勃起したマチューのペニスが露わになる。マチューのペニスは、思っていた通り、かなりのデカちんだった。竿が太くて長く、竿の中央あたりが膨らんでいて、微かに血管が浮いている。皮が剥けている赤い亀頭はカリが太くて、尿道口を中心に、先走りで濡れていた。雄臭いマチューのペニスに、思わず涎が垂れそうだ。

 アベルは、マチューの熱くて硬いペニスに頬擦りをして、ペニスとずっしりとした陰嚢の境から、ねろーっとペニスの裏筋を舐め上げた。マチューの身体がビクッと震え、ひゅっと息を呑む気配がした。ペニスの竿のうっすら浮いた血管を舌でなぞるように、ペニスの竿全体を舐め回し、僅かに残っているペニスの皮を優しく手で剥いて、亀頭を完全に剥き出しにする。赤い亀頭と皮の境目に、ほんの僅かに白い恥垢があった。恥垢を舐めとるように、亀頭と皮の境目を優しくねっとりと舐めまくる。ぷくっと尿道口から透明な先走りが溢れるのを見て、アベルはぱくんと大きな亀頭を口に含んだ。
 口内の頬の肉に亀頭を擦りつけるようにしながら、口内の熱い亀頭に舌を這わせる。舌で円を描くように亀頭を舐め回せば、マチューの薄い腹が、ビクッビクッと震える。
 マチューのペニスを優しく吸いながら、ゆっくりと飲み込めるだけペニスを深く飲み込んでいく。アベルは、喉も開発済みだから、その気になれば、喉だけでもイケる。自分の喉奥の、喉ちんこの手前あたりにマチューのペニスの亀頭を擦りつけると、腰のあたりがぞわぞわする快感が広がる。できることなら、喉奥をガンガン突きまくって欲しいが、それよりも今は、うずうずしているアナルに、この熱くて硬いデカちんを咥えこみたい。この長さなら、間違いなく、結腸まで届く。腹の奥深くをめちゃくちゃに突きまくられるのを想像するだけで、自分のペニスから、どっと先走りが溢れ出る。

 頭をゆっくり上下に動かして、舌を這わせながら、マチューのペニスを唇で扱く。口に含めない部分は、ペニスの根元から手で扱き、若くて青臭いペニスを可愛がる。口内に広がる、えぐみのある先走りの味に、酷く興奮する。
 じゅるるるるるっと品のない音を立てて、ペニスを吸いながら、頭を上下に動かせば、マチューが裏返った声を上げた。片手でペニスの根元あたりを扱きながら、大きめの陰嚢をふにふにと優しく揉んでやれば、どんどん先走りの味が濃くなっていく。両手を動かしながら、ペニスの亀頭だけをじゅるるっと吸いつつ、尿道口を舌先で突いてやれば、次の瞬間、どばぁっと口内に勢いよく精液が飛び込んできた。粘度の高い濃い精液の匂いが鼻に抜け、口いっぱいに青臭くてえぐみのある精液の味が広がっていく。
 アベルは、ちゅーっと精液を吐き出している尿道口を吸った。くちゅくちゅと口内の精液を味わってから、ごくんと精液を飲み下す。喉に絡みつくような精液特有の飲みにくさが、逆に楽しい。

 自分の腕で顔を隠しながら、はぁ、はぁ、と大きな荒い息を吐いてあるマチューを目だけで見上げながら、アベルは、射精しても、まだ硬いマチューのペニスをねっとりと舐め上げた。

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