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39:抱かれる
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バージルはじっとセドリックをあやしているアルフレッドを眺めていた。セドリックは今日も元気に寝ぐずりである。赤ん坊はバージルが思っていたよりも、ずっと体力がある。任務で少し離れていただけで随分と変化したりするので、毎日が新鮮である。とはいえ、アルフレッド達の負担が大きいということも分かるので、バージルができる時はできることをしたいのだが、額の怪我が治るまでは何もするなと言われている。父が投げたカップを避ければよかったと、今更ながらに後悔している。
セドリックが泣き止み、漸く寝たので、アルフレッドが慎重にセドリックをベッドに寝かせた。アルフレッドがベッドの側に来たので、バージルはベッドのヘッドボードの上に置いていた防音魔導具を起動させた。
アルフレッドが不機嫌そうなムスッとした顔で口を開いた。
「痛みは?」
「多少はあるが問題ない」
「大人しく寝る気は」
「ない」
「……むっつり野郎め。ちょっとでも傷が開いたり血が出たら、その瞬間にやめるからな。お袋を召喚してやる。俺共々、お袋に怒られろ」
「……オリビアさんに怒られるのはちょっと……」
「お袋が怖いなら今すぐ寝ろ」
「嫌だ。したい」
「てめぇこの野郎」
「アルフレッド」
「なんだ」
「早く」
「……しょうがねぇな」
アルフレッドが自分の眉間の皺をぐりぐりと指先で伸ばし、大きな溜め息を吐いてから、パジャマを脱ぎ始めた。ちなみに、今着ているアルフレッドのパジャマは、セドリックとお揃いである。青い布地に、胸元にアヒルの刺繍がしてある。アルフレッド用の無地のパジャマと赤ん坊用の無地の服をバージルが買ってきたら、オリビアが刺繍をしてくれた。アルフレッドも気に入っているようで、割とよく着ているし、自分が着る時はセドリックにも着せている。今度、バージルも一緒の色のパジャマを買おうかと、密かに考えている。
アルフレッドが色気もクソもなくサクッと服を脱ぎ、全裸になってベッドに上がってきた。一時期はあばらが浮く程痩せていた身体は、今は程よく肉付きが戻っている。中背中肉の普通の男の身体だ。うっすらと胸毛が生えており、臍回りを中心に腹にも毛が生えているし、陰毛ももじゃっとしている。灰色なので目立たないが、太腿にも普通に毛が生えているし、アナル周りにも毛が生えている。アルフレッドのペニスはいたって普通のサイズで、萎えている今は半分ほど皮を被っている。アルフレッドは、今は36歳になっているので、肌のハリ艶はそんなにない。我ながら不思議になるのだが、普通のおっさんな身体のアルフレッドに酷く興奮する。
バージルはサッと服を脱ぎ捨て、胡坐をかいて座ったまま、アルフレッドの手を握って引き寄せ、自分の膝の上に跨らせた。アルフレッドの顔を見上げると、アルフレッドがじっと真顔でバージルを見下ろし、指先で額に巻いている包帯を優しく撫でた。なにやら拗ねたように、アルフレッドが唇を尖らせた。
「無駄な怪我してんじゃねぇよ。ばーか」
「気にするな」
「するわ。ド阿呆。お前は絶対に動くなよ。大人しく寝転がってろ」
「舐めたい」
「ダメ」
「解すくらいはしていいだろう」
「ダメ。何もするな。じゃなかったら絶対にしない」
「俺もしたい」
「ダメ。完治するまではさせない。動きやがったら向こう1年セックスしねぇ。絶対にだ」
「……分かった」
アルフレッドの目が怖いくらい真剣だったので、バージルは渋々頷いた。いっそ今夜はセックスするのを止めた方がいいのだろうが、どうしてもアルフレッドに触れたいし、繋がりたい。
アルフレッドが両手で優しくバージルの頬を包み、唇に触れるだけのキスをした。自分から舌を入れるのもダメなのだろうか。じーっと至近距離にあるアルフレッドの深い蒼の瞳を見つめていると、アルフレッドが戯れるように何度もバージルの唇を啄んだ。バージルもアルフレッドの唇を吸うと、アルフレッドが少し目を細めた。アルフレッドの舌がバージルの口内に入ってきて、ゆっくりとした動きで口内を舐められる。アルフレッドの舌が歯列をなぞり、上顎を擽り、頬肉を舐め、舌を舐る。ぬるぬると舌を絡ませ合うと、それだけで気持ちがよくて、下腹部に熱が溜まっていく。アルフレッドがやんわりとした手つきで優しくバージルの頬を撫で、首筋に触れ、肩を撫でた。唇を触れ合わせたまま、アルフレッドが囁いた。
「抱いてやるから大人しくしてろよ」
「俺が抱かれるのか」
「おう。ケツで抱いてやるわ」
アルフレッドの言い方がおかしくて、バージルは思わず小さく吹き出した。アルフレッドに促されて、バージルは静かにベッドに寝転がった。アルフレッドがバージルの身体の上に体重がかからないように伏せ、首筋に顔を埋めた。ねっとりとアルフレッドの熱い舌が首筋を這う。ゾクゾクする微かな快感が楽しい。アルフレッドの舌がバージルの鎖骨に触れ、時折バージルの肌に吸いつきながら、胸毛が生えた筋肉で盛り上がる胸板に移動した。アルフレッドが片手でもさもさと胸毛を掻き混ぜるように右胸を撫で回しながら、左の乳首に舌を這わせた。乳首は何度か娼婦に弄られたことがあるが、正直そんなに気持ちよくなかった。しかし、今は興奮しているからか、やけに気持ちがいい。アルフレッドが舌先で乳頭を擽り、毛が生えている乳輪を舌でなぞり、乳首を咥えてちゅくちゅくと吸ってくる。バージルは熱い息を吐きながら、こちらをじっと見つめているアルフレッドの後頭部を撫でた。両方の乳首を弄られて、濃い赤褐色のバージルの乳首はピンと勃ってしまった。普段は胸毛に埋もれる感じで存在感が薄いのだが、今は妙に自己主張してしまっていて、なんとも落ち着かない。アルフレッドが掌でバージルの乳首を擦るように優しく胸板を撫で回しながら、胃の辺りを舐め、腹筋の形をなぞるように舌を這わせた。時折、肌に少し強めに吸いつかれる。吸われた所を見れば、赤い痕がしっかりと残っていた。アルフレッドがバージルに痕を残すのは初めてだ。そもそも、ここまで積極的かつ丁寧に、自分からバージルに愛撫をするのも初めてかもしれない。いつもバージルが先に色々やるからかもしれないが、アルフレッドにこうも丁寧に優しく触れられると、落ち着かない反面、酷く気分がいい。
臍の穴に舌を突っ込まれ、舌先で臍の穴や周囲を擽られる。気持ちいというより、純粋に擽ったい。バージルが低く笑うと、アルフレッドがバージルの腹に唇をつけ、ぶふぅぅっと息を強く吹きかけた。擽ったくて、思わず声を上げて笑ってしまった。アルフレッドも楽しそうな顔でクックッと笑っている。
「これ、セドリックが好きなんだよな」
「流石に今はやめてくれ。擽ったくて萎える」
「萎えてもいいぞ」
「嫌だ」
「この野郎。ちっ。しょうがねぇ野郎め」
アルフレッドがクックッと笑いながら、完全に勃起しているバージルのペニスに頬擦りをした。バージルの陰毛をじょりじょりと優しく指で撫で回しながら、横から竿にねっとりとアルフレッドの舌が這う。どっと先走りが溢れる感覚がした。バージルは手を伸ばして枕を引き寄せ、枕を半分に折って高さを高くし、その上に頭を乗せた。バージルが見ている前で、アルフレッドがバージルのペニス全体を舐め回し、陰嚢を口に含んだ。アルフレッドの熱い口内で陰嚢を舐め回される。優しく陰嚢を吸われると、気持ちがよくて、堪らず小さく唸ってしまう。両方の陰嚢を舐め回されたり吸われたりした後、射精したくてうずうずしているバージルのペニスがアルフレッドの口内におさめられた。先走りで濡れた敏感な亀頭を舌で円を描くように舐め回され、尿道口を舌先で突かれる。アルフレッドの唇がバージルのペニスを締めつけ、ゆっくりとペニスを唇でしごかれる。飲み込めない部分は手でしごかれ、急速に射精感が高まっていく。アルフレッドの熱い口内が気持ちよくて堪らない。アルフレッドの深い蒼の瞳の熱を見ているだけで、興奮し過ぎて射精しそうだ。バージルは荒い息を吐きながら、ペニスを咥えるアルフレッドの頭を片手でやんわりと撫でた。
「俺も、舐めたい」
「らめ(だめ)」
「はっ……あぁ……アルフレッド……」
「んー」
アルフレッドが頭を上下に動かして唇でしごきながら、バージルのペニスを吸った。気持ちよすぎて、どっと先走りが溢れる。頬をすぼめるようにしてバージルのペニスを咥えているアルフレッドがいやらしくて、酷く興奮する。バージルは射精までの時間の過去最短記録を更新した。
バージルの精液を飲み込んだアルフレッドが、今はバージルの身体の上で、バージルに尻を向け、自分でアナルを解している。ダメもとで見たいとねだってみたら、意外なことに見せてくれた。ぎこちない動きで自分のアナルを指で解すアルフレッドの姿を見ているだけで、すぐにまた勃起した。いっそペニスが痛いくらい興奮する。アルフレッドに触れたくて、どこもかしこも舐めたくて仕方がないが、動いたら確実にアルフレッドに怒られる。その上、向こう1年セックス禁止になる。それは避けたい。バージルはぐっと拳を強く握り、今すぐ起き上がってアルフレッドを押し倒したい衝動を堪えた。
アルフレッドの指が3本入るようになると、アルフレッドが自分のアナルから指を引き抜いた。バージルに背を向けたまま、アルフレッドがバージルのペニスを片手で掴み、自分の濡れたアナルにペニスの先っぽを押し付けた。ペニスの先っぽに熱く濡れた感触がしたかと思えば、キツいアナルにどんどんペニスが飲み込まれていく。アルフレッドがゆっくりと腰を下ろし、アナルにバージルのペニスを咥えこむ姿がよく見える。締めつけがキツい括約筋を通り過ぎれば、熱く柔らかい腸壁にペニスが包まれる。根元近くまでバージルのペニスを飲み込んだアルフレッドが上体を伏せ、ゆっくりと尻を上下に動かし始めた。熱く柔らかい腸壁の感触も、キツイ括約筋の締めつけも、堪らなく気持ちがいいが、それ以上に視覚的な刺激が強い。アルフレッドが自らバージルのペニスをアナルに咥えこみ、アナルでバージルのペニスをしごいている。今すぐ腰を振りたいが、動くなと言われているし、何よりこの酷くいやらしい光景を堪能したいので、バージルは奥歯を強く噛み締めて、ぐっと衝動を堪えた。アルフレッドのアナルに自分の赤黒いペニスが出入りしているところが丸見えである。アルフレッドも興奮しているのか、アルフレッドの中はかなり熱く、徐々に腰や尻の動きが速くなり、堪えきれないようなアルフレッドの低い喘ぎ声が聞こえてくる。この光景も非常に興奮するし、大変気持ちがいいのだが、アルフレッドの顔が見たいし、キスがしたい。バージルはうっかり漏れてしまいそうな喘ぎ声を堪えながら、アルフレッドの名前を呼んだ。
「アルフレッド」
「ふっ、んっ、な、んだ」
「キスをしてくれ」
「ん」
アルフレッドが動きを止め、バージルのペニスをアナルに咥えこんだまま、身体全体を回し、バージルと向かい合った。アルフレッドの日焼けした顔が赤く染まり、深い蒼の瞳がギラギラと輝いていた。いやらしいのだが、妙に雄臭い。本当に今はバージルが抱かれているようだ。アルフレッドのアナルで。バージルは妙におかしくなって、小さく笑った。アルフレッドも右の口角だけを上げて笑い、上体を伏せてバージルの唇に優しくキスをした後、身体ごと上下に動かすように再び動き始めた。開けっ放しのアルフレッドの唇から、低い喘ぎ声と獣のような荒い息遣いが漏れている。アルフレッドがじっとバージルの瞳を見つめながら、片手をバージルの腹に置き、片手で自分のペニスをしごき始めた。元からキツいアナルの締めつけが更にキツくなる。バージルはあまりの気持ちよさに、堪らず低く喘いだ。今すぐ射精したいが、したくない。射精したら終わってしまう。ぐっと奥歯を噛み締め、下腹部に力を入れて高まり続ける射精感に耐えようとするが、アルフレッドは容赦なくアナルでバージルのペニスをしごいてくる。我慢したいのに、我慢ができない。バージルは低く喘ぎながら、アルフレッドの腸内に精液をぶちまけた。射精しているペニスをアルフレッドが腰を下ろして深く咥えこみ、自分のペニスを激しくしごいて、喘ぎながら勢いよく精液を飛ばした。射精しているペニスをキツく締めつけられ、熱いアルフレッドの精液が腹にかかる。アルフレッドが自分のペニスから手を離し、繋がったまま、バージルに覆い被さった。噛みつくような勢いで、アルフレッドにキスをされる。互いの唇をめちゃくちゃに吸い合い、舌を絡め、口内を舐め回しあう。興奮が全くおさまらない。バージルはアルフレッドと激しくキスをしながら、アルフレッドの頭を両手で撫で回した。
キスをしながら、唐突にアルフレッドが腰を上げ、バージルのペニスをアナルから引き抜いた。バージルのペニスはまた勃起している。今すぐアルフレッドのアナルの中に戻りたい。バージルは唇を触れ合わせたまま、ねだるようにアルフレッドの名前を呼んだ。
「アルフレッド」
「ダメ」
「頼む」
「ダメ。手でしてやるから我慢しろ」
「どうしてもか」
「どうしても」
バージルは眉間に深い皺を寄せた。アルフレッドがクックッと楽しそうに小さく笑い、ちゅくっとバージルの唇を優しく吸った。
「完治するまでおあずけだ」
「……避ければよかった」
「そういや、何をされたんだ」
「紅茶入りのカップを投げられた」
「ふーん。お前の親父、クソだな」
「昔は尊敬していたんだがな」
「いっそ忘れちまえ」
「そうする」
アルフレッドがまた優しくバージルの唇を吸った。まるでバージルを慰めるかのように、何度も優しくバージルの唇を吸い、傷に触れないように頭を優しく撫でられる。そういえば、父に頭を撫でられたことなど記憶にない。別れた妻にも撫でられたことがない。アルフレッドに快感で乱れた時に頭を撫で回されたことはあるのだが、それ以外では頭を撫でられたことはない。もしかしたら、まともに人から頭を撫でられるのは初めてかもしれない。アルフレッドに優しく頭を撫でられるのは、酷く心地いい。ペニスは勃起したままなのだが、妙に眠くなってくる。
バージルが眠気に襲われているのに気付いたのか、アルフレッドが小さく笑って、常とは違う優しい声で囁いた。
「寝ちまえ」
「……ん」
バージルは優しいアルフレッドの手の感触を感じながら、すぅっとそのまま眠りに落ちた。
セドリックが泣き止み、漸く寝たので、アルフレッドが慎重にセドリックをベッドに寝かせた。アルフレッドがベッドの側に来たので、バージルはベッドのヘッドボードの上に置いていた防音魔導具を起動させた。
アルフレッドが不機嫌そうなムスッとした顔で口を開いた。
「痛みは?」
「多少はあるが問題ない」
「大人しく寝る気は」
「ない」
「……むっつり野郎め。ちょっとでも傷が開いたり血が出たら、その瞬間にやめるからな。お袋を召喚してやる。俺共々、お袋に怒られろ」
「……オリビアさんに怒られるのはちょっと……」
「お袋が怖いなら今すぐ寝ろ」
「嫌だ。したい」
「てめぇこの野郎」
「アルフレッド」
「なんだ」
「早く」
「……しょうがねぇな」
アルフレッドが自分の眉間の皺をぐりぐりと指先で伸ばし、大きな溜め息を吐いてから、パジャマを脱ぎ始めた。ちなみに、今着ているアルフレッドのパジャマは、セドリックとお揃いである。青い布地に、胸元にアヒルの刺繍がしてある。アルフレッド用の無地のパジャマと赤ん坊用の無地の服をバージルが買ってきたら、オリビアが刺繍をしてくれた。アルフレッドも気に入っているようで、割とよく着ているし、自分が着る時はセドリックにも着せている。今度、バージルも一緒の色のパジャマを買おうかと、密かに考えている。
アルフレッドが色気もクソもなくサクッと服を脱ぎ、全裸になってベッドに上がってきた。一時期はあばらが浮く程痩せていた身体は、今は程よく肉付きが戻っている。中背中肉の普通の男の身体だ。うっすらと胸毛が生えており、臍回りを中心に腹にも毛が生えているし、陰毛ももじゃっとしている。灰色なので目立たないが、太腿にも普通に毛が生えているし、アナル周りにも毛が生えている。アルフレッドのペニスはいたって普通のサイズで、萎えている今は半分ほど皮を被っている。アルフレッドは、今は36歳になっているので、肌のハリ艶はそんなにない。我ながら不思議になるのだが、普通のおっさんな身体のアルフレッドに酷く興奮する。
バージルはサッと服を脱ぎ捨て、胡坐をかいて座ったまま、アルフレッドの手を握って引き寄せ、自分の膝の上に跨らせた。アルフレッドの顔を見上げると、アルフレッドがじっと真顔でバージルを見下ろし、指先で額に巻いている包帯を優しく撫でた。なにやら拗ねたように、アルフレッドが唇を尖らせた。
「無駄な怪我してんじゃねぇよ。ばーか」
「気にするな」
「するわ。ド阿呆。お前は絶対に動くなよ。大人しく寝転がってろ」
「舐めたい」
「ダメ」
「解すくらいはしていいだろう」
「ダメ。何もするな。じゃなかったら絶対にしない」
「俺もしたい」
「ダメ。完治するまではさせない。動きやがったら向こう1年セックスしねぇ。絶対にだ」
「……分かった」
アルフレッドの目が怖いくらい真剣だったので、バージルは渋々頷いた。いっそ今夜はセックスするのを止めた方がいいのだろうが、どうしてもアルフレッドに触れたいし、繋がりたい。
アルフレッドが両手で優しくバージルの頬を包み、唇に触れるだけのキスをした。自分から舌を入れるのもダメなのだろうか。じーっと至近距離にあるアルフレッドの深い蒼の瞳を見つめていると、アルフレッドが戯れるように何度もバージルの唇を啄んだ。バージルもアルフレッドの唇を吸うと、アルフレッドが少し目を細めた。アルフレッドの舌がバージルの口内に入ってきて、ゆっくりとした動きで口内を舐められる。アルフレッドの舌が歯列をなぞり、上顎を擽り、頬肉を舐め、舌を舐る。ぬるぬると舌を絡ませ合うと、それだけで気持ちがよくて、下腹部に熱が溜まっていく。アルフレッドがやんわりとした手つきで優しくバージルの頬を撫で、首筋に触れ、肩を撫でた。唇を触れ合わせたまま、アルフレッドが囁いた。
「抱いてやるから大人しくしてろよ」
「俺が抱かれるのか」
「おう。ケツで抱いてやるわ」
アルフレッドの言い方がおかしくて、バージルは思わず小さく吹き出した。アルフレッドに促されて、バージルは静かにベッドに寝転がった。アルフレッドがバージルの身体の上に体重がかからないように伏せ、首筋に顔を埋めた。ねっとりとアルフレッドの熱い舌が首筋を這う。ゾクゾクする微かな快感が楽しい。アルフレッドの舌がバージルの鎖骨に触れ、時折バージルの肌に吸いつきながら、胸毛が生えた筋肉で盛り上がる胸板に移動した。アルフレッドが片手でもさもさと胸毛を掻き混ぜるように右胸を撫で回しながら、左の乳首に舌を這わせた。乳首は何度か娼婦に弄られたことがあるが、正直そんなに気持ちよくなかった。しかし、今は興奮しているからか、やけに気持ちがいい。アルフレッドが舌先で乳頭を擽り、毛が生えている乳輪を舌でなぞり、乳首を咥えてちゅくちゅくと吸ってくる。バージルは熱い息を吐きながら、こちらをじっと見つめているアルフレッドの後頭部を撫でた。両方の乳首を弄られて、濃い赤褐色のバージルの乳首はピンと勃ってしまった。普段は胸毛に埋もれる感じで存在感が薄いのだが、今は妙に自己主張してしまっていて、なんとも落ち着かない。アルフレッドが掌でバージルの乳首を擦るように優しく胸板を撫で回しながら、胃の辺りを舐め、腹筋の形をなぞるように舌を這わせた。時折、肌に少し強めに吸いつかれる。吸われた所を見れば、赤い痕がしっかりと残っていた。アルフレッドがバージルに痕を残すのは初めてだ。そもそも、ここまで積極的かつ丁寧に、自分からバージルに愛撫をするのも初めてかもしれない。いつもバージルが先に色々やるからかもしれないが、アルフレッドにこうも丁寧に優しく触れられると、落ち着かない反面、酷く気分がいい。
臍の穴に舌を突っ込まれ、舌先で臍の穴や周囲を擽られる。気持ちいというより、純粋に擽ったい。バージルが低く笑うと、アルフレッドがバージルの腹に唇をつけ、ぶふぅぅっと息を強く吹きかけた。擽ったくて、思わず声を上げて笑ってしまった。アルフレッドも楽しそうな顔でクックッと笑っている。
「これ、セドリックが好きなんだよな」
「流石に今はやめてくれ。擽ったくて萎える」
「萎えてもいいぞ」
「嫌だ」
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「んー」
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アルフレッドの指が3本入るようになると、アルフレッドが自分のアナルから指を引き抜いた。バージルに背を向けたまま、アルフレッドがバージルのペニスを片手で掴み、自分の濡れたアナルにペニスの先っぽを押し付けた。ペニスの先っぽに熱く濡れた感触がしたかと思えば、キツいアナルにどんどんペニスが飲み込まれていく。アルフレッドがゆっくりと腰を下ろし、アナルにバージルのペニスを咥えこむ姿がよく見える。締めつけがキツい括約筋を通り過ぎれば、熱く柔らかい腸壁にペニスが包まれる。根元近くまでバージルのペニスを飲み込んだアルフレッドが上体を伏せ、ゆっくりと尻を上下に動かし始めた。熱く柔らかい腸壁の感触も、キツイ括約筋の締めつけも、堪らなく気持ちがいいが、それ以上に視覚的な刺激が強い。アルフレッドが自らバージルのペニスをアナルに咥えこみ、アナルでバージルのペニスをしごいている。今すぐ腰を振りたいが、動くなと言われているし、何よりこの酷くいやらしい光景を堪能したいので、バージルは奥歯を強く噛み締めて、ぐっと衝動を堪えた。アルフレッドのアナルに自分の赤黒いペニスが出入りしているところが丸見えである。アルフレッドも興奮しているのか、アルフレッドの中はかなり熱く、徐々に腰や尻の動きが速くなり、堪えきれないようなアルフレッドの低い喘ぎ声が聞こえてくる。この光景も非常に興奮するし、大変気持ちがいいのだが、アルフレッドの顔が見たいし、キスがしたい。バージルはうっかり漏れてしまいそうな喘ぎ声を堪えながら、アルフレッドの名前を呼んだ。
「アルフレッド」
「ふっ、んっ、な、んだ」
「キスをしてくれ」
「ん」
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キスをしながら、唐突にアルフレッドが腰を上げ、バージルのペニスをアナルから引き抜いた。バージルのペニスはまた勃起している。今すぐアルフレッドのアナルの中に戻りたい。バージルは唇を触れ合わせたまま、ねだるようにアルフレッドの名前を呼んだ。
「アルフレッド」
「ダメ」
「頼む」
「ダメ。手でしてやるから我慢しろ」
「どうしてもか」
「どうしても」
バージルは眉間に深い皺を寄せた。アルフレッドがクックッと楽しそうに小さく笑い、ちゅくっとバージルの唇を優しく吸った。
「完治するまでおあずけだ」
「……避ければよかった」
「そういや、何をされたんだ」
「紅茶入りのカップを投げられた」
「ふーん。お前の親父、クソだな」
「昔は尊敬していたんだがな」
「いっそ忘れちまえ」
「そうする」
アルフレッドがまた優しくバージルの唇を吸った。まるでバージルを慰めるかのように、何度も優しくバージルの唇を吸い、傷に触れないように頭を優しく撫でられる。そういえば、父に頭を撫でられたことなど記憶にない。別れた妻にも撫でられたことがない。アルフレッドに快感で乱れた時に頭を撫で回されたことはあるのだが、それ以外では頭を撫でられたことはない。もしかしたら、まともに人から頭を撫でられるのは初めてかもしれない。アルフレッドに優しく頭を撫でられるのは、酷く心地いい。ペニスは勃起したままなのだが、妙に眠くなってくる。
バージルが眠気に襲われているのに気付いたのか、アルフレッドが小さく笑って、常とは違う優しい声で囁いた。
「寝ちまえ」
「……ん」
バージルは優しいアルフレッドの手の感触を感じながら、すぅっとそのまま眠りに落ちた。
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