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15:ねちっこいのもあり!(ダナー)
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プルートは側臥位の状態でゆっくりとアナルをペニスで責められながら、首だけで振り返って、ねろねろとダナーと舌を絡めていた。激しく動くかと思えば、ダナーの腰使いはとてもゆっくりで、それが逆に興奮と快感を高めている。結腸をゆるくトントンと刺激されたかと思えば、焦れったい程ゆっくりとペニスを引き抜かれ、前立腺を太い亀頭でぐりぐりされたかと思えば、入口ギリギリまで引き抜かれて、ぬぽっぬぽっと焦らすように大きな亀頭だけをアナルに抜き差しされる。
若い子とは違うねちっこさが堪らなく楽しい。
プルートは荒い息を吐きながら、ダナーに話しかけた。
「きもちいい?」
「あぁ」
「たのしい?」
「ふっ。あぁ」
半分もダナーの顔が見えないが、伝わる振動から、ダナーが笑っているのは分かる。プルートもクックッと笑いながら、じんわりと高まり続ける快感に喘いだ。
ダナーがプルートの奥深くまでペニスを押し込むと、そのまま動くのをやめ、プルートのぷっくりと肥大した乳首をくりくりと弄りはじめた。気持ちがいいが、もどかしくて、でも何故だがこうしているのも楽しくて、プルートは掠れた熱い息を吐きながら、後ろ手にダナーの頭を撫でた。
「ははっ。ゆっくりするのが好きなんだ」
「割と?」
「は、あぁ……きもちいい……」
「俺も気持ちいい」
ダナーがプルートのうなじを熱い舌で舐めながら、再び腰をゆっくり動かし始めた。焦れったくて、ねちっこいのが逆にいい。若い子にはない大人の余裕が堪らなく興奮する。
ゆるやかに、でも確かに快感が高まり続けており、トンットンッと結腸を刺激されたプルートは、間延びした声を上げながら、ペニスからだらだらと勢いなく精液を漏らした。
イッてビクビク全身を震わせているプルートのアナルからダナーがペニスを引き抜き、プルートの身体を俯せにした。すぐにまたダナーのペニスがプルートの蕩けまくったアナルに入ってくる。
プルートの背中に覆いかぶさるようにして、今度は先程までとは一転した激しさでアナルの奥深くをガンガン突き上げられる。
「あぁっ!?ちょ、あっ、あぁぁぁぁっ!!」
「そろそろ、俺も、イきたい」
「んーーーーっ!!」
寝バックの状態で全身を上から押さえつけられ、容赦なく、結腸も前立腺も敏感な腸壁もゴリゴリゴスゴス刺激される。イッて敏感になっている身体には若干辛い程の快感が身体の中を暴れ回り、身体が痙攣するように震えてしまう。
シーツを握りしめるプルートの手を、ダナーの大きな手が掴み、強く握りしめられた。なんだかちょっとキュンとしちゃったプルートは、思わずアナルに力を入れた。ダナーが低く唸り、プルートのうなじを舐め回しながら、更に激しくアナルの奥深くをガンガン突き上げてくる。
またイキそうな予感に、プルートはだらしなく涎を垂らしながら笑みを浮かべた。
「あぁっ!んっおっ!いくいくいくいくっ!!」
「はぁっ、はっ、俺もっ……あぁっ!」
「あ、あ、あーーーーっ!!」
プルートの中でダナーのペニスが微かに震え、射精しているのを感じた瞬間、興奮が最骨頂に達して、プルートは射精もせずに中だけでイッた。ピクッピクッと震えるプルートの身体をぎゅっと抱きしめ、ダナーがゆるゆると腰を動かして、精液を全てプルートの中に吐き出した。
ぜぇぜぇと荒い息を吐きながら、プルートはぐったりとしつつも、満足気な熱い溜め息を吐いた。すっごい気持ちよかった。こうも何度も中イキできるとは思っていなかったので、地味に嬉しい。
ゆっくりとプルートのアナルからペニスを引き抜いたダナーが、ころんとプルートのすぐ隣に寝転がった。
ダナーの方を見れば、顔も身体も汗まみれで、どこかスッキリしたような顔をしている。
プルートはふふっと笑って、ダナーの横顔の頬を指先でつんつん突いた。
「少しはスッキリしたかな?」
「なんかすごいスッキリした」
「ははっ。それはよかった。君、セックス上手いねぇ。昔は遊んでた?」
「まぁ、それなりに。男相手だと根元まで挿れられるからいいな。女だと根元まで入らないし、痛がるんだ」
「そりゃ、それだけ大きければね」
「貴方が奥の方も開発済みでよかったよ。痛い思いはさせたくなかったから」
「ふふっ。すごく気持ちよかった」
「それはよかった」
ダナーがごろんと寝返りをうって、プルートの方を向いた。腰にダナーの手が触れ、ダナーの方に全身を引き寄せられる。戯れるように唇にキスをしてくるダナーに応えながら、プルートは同年代の男もいいかもと、クックッと笑った。
のんびりとお互い戯れるように身体に触れ合って、一緒にシャワーを浴びてから、朝まで2人でくっついて眠った。
目覚めた時、プルートにゆるく抱きついて、プルートの胸に顔を埋めるようにして寝ているダナーの少し幼い寝顔を見て、プルートは可愛くて、ふふっと笑った。
プルートは眠るダナーの頭をゆるく抱きしめて、じんわり汗の匂いがするダナーの髪に鼻を埋めた。
あの頃のプルートのように疲れきっているダナーが、少しでも癒やされていたらいい。プルートはダナーの隣に立つ気はないが、応援はしてあげたい。
身勝手かもしれないが、プルートには側で寄り添ってくれる人はまだ必要ない。欲しいとは思えないうちに、誰かとどうこうなっても上手くいかないのが目に見えている。
きっとプルートはまた同じことを繰り返すのだろう。相手に何もかも合わせて、自分を抑えて、1人で我慢して、そして疲れる。
この歳で変われるとは思えない。だったら、寄り添う人がどうしても欲しくなった時に、プルートに合う人を探せばいい。
一緒にいて楽に呼吸ができて、共に何でも分かち合えるような相手を。
プルートはそんなことを考えて、小さく自嘲した。そんな都合のいい男なんて早々いる筈もない。夢みたいな話だ。
プルートは自由になったばかりだ。だったら、まずは目の前の自由を謳歌して楽しむだけでいい。
プルートはぼんやりと無意識にダナーの頭を優しく撫でながら、ダナーが目覚めるまで、書きかけの小説の続きを考えた。
------
ダナーと近くの軽食屋で朝食を食べて、連絡先を交換してから、ダナーと触れるだけのキスをして別れた。
ダナーは、いい気分転換ができたと、はにかんで笑っていた。
プルートは軽い足取りで機嫌よく歩きながら、またダナーと遊んでもいいなぁと思った。ねちっこいセックスは気持ちよくて、新鮮で楽しかった。ダナーは子供がいるから中々遊べないだろうが、また機会があるだろう。
ずっと悩んでいた小説のラストの文章も思いついた。ミーミを迎えに行って、家に帰ったら、早速書き上げてしまおう。きっと人に読ませられるようなものじゃないと思うが、プルート自身は書くのがすごく楽しかった。難しくて、何度も書くのをやめようかと思ったが、新しい自分自身の為に、なんと書き上げたかった。なんだかんだで、初めての執筆は楽しかった。
書き上がったら、バレットに連絡して、読んでもらおう。バレットに楽しんでもらえるかは分からない。でも、プルートが楽しいと思うことを一生懸命書いた。
プルートはミーミを老夫婦の家に迎えに行くと、いそいそと自宅に戻り、早速机に向かった。プルートの初めての物語が書き終わるまで、あとほんの少し。
------
プルートはドキドキしながら、目の前でプルートの処女作を読んでいるバレットをガン見していた。長い物語ではない。プルートが書いたのは、ちょっとした冒険譚である。おっさんが子供の頃に憧れていた世界へ飛び出す物語を描いてみた。
真剣に読んでくれているバレットの反応が怖い反面、ワクワクもしている。
読み終えたバレットが、小説を書いているノートをぱたんと閉じた。
ドキドキしまくっているプルートを見て、バレットがニッと笑った。
「初めてにしては上出来じゃないの?」
「本当か!?」
「嘘は言わないよ。面白かったよ。主人公が少年とかじゃなくて、おっさんなのが逆にいいね。おっさんになって、新たな世界に冒険に出るって、割と斬新だと思うよ」
「僕の願望を詰め込みまくった」
「あはっ。そうなの?これさ、文章的には直さなきゃいけないところもあるかもしれないけど、コンクールにでも出してみたら?文量的には読みやすくてちょうどいいし」
「えっ!いきなりコンクールとか、そんな無理だろう?」
「分かんないじゃん。入賞したら儲けもんって感じ?」
「うっ……どうしよう」
「俺は好きだよ。このお話。ワクワクして、なんだか心が温かくなる結末で」
「……ありがとう。バレット」
「父さん。これを書いて、自分で読んで楽しかった?」
「うん」
「ははっ。それなら、きっと誰かの心に届く物語になってるよ」
「そうかな」
「そうだよ」
何故か自信満々な様子のバレットと顔を見合わせて、プルートは照れ臭くて小さく笑った。
一つ、プルートの夢が形になった。きっと他にも、自分の中に、やりたかったことがある筈だ。それを探していくのが楽しみで、なんだかすごくワクワクする。
バレットがプルートをじっと見つめて、ニッと笑った。
「父さんさ。若返ったね」
「え?そう?毛の量増えたかな」
「残念。毛は増えてはいないけど。なんかすごい生き生きしてる。若い子からエネルギーもらってるから?」
「……それはあるかも。なんかこう……未来に向かってがむしゃらに頑張ってる子達と接してるから、すごい刺激になってるのかもね」
「いいことじゃない?まぁ、男娼にハマるより『パパ活』の方がマシな気がするしね」
「若い子を応援してあげられるって、なんかいいよねぇ」
「ついでにセックスもね。はぁー。俺もセックスしてぇわー」
「新しい彼氏をつくらないのか?」
「えぇー?まだそんな気分じゃなーい。ていうか、普段は仕事が楽しくてそれどころじゃないもん」
「仕事が楽しくて何より。今日は魔術師街に戻らないんだろう?適当にナンパしてくれば?」
「そうしよっかなぁ」
「あ、晩ご飯は一緒に食おう。久しぶりだし。奢るぞ」
「やった!!あ、なんなら父さんも空いてる子いたら、その後『パパ活』したら?」
「そうしようかな。誰が捕まるかな」
「何人いるのさ」
「今?えー、5人?」
「多いな!?1人紹介してー」
「嫌だよ。流石にそれは」
「ちぇー。しょうがない。今夜はナンパしよ」
「変なのには気をつけろよ」
「はぁい」
プルートはバレットと2人で家を出た。
久しぶりに会うバレットは若い頃のプルートに益々似てきている。髪はふさふさだが。ナンパをして一夜限りの遊びをするくらい積極的なところがあるのが、プルートとは違うところかもしれない。
2人で夕食を楽しんだ後、花街の入口でバレットと別れた。バレットはナンパをしに若者が集まるバーへ。プルートはタイミングよく捕まったリッキーと連れ込み宿の前で待ち合わせである。
リッキーの予定が無ければ、明日は是非ともリッキーとデートがしたい。
プルートは上機嫌に鼻歌を歌いながら、連れ込み宿へと向かった。
若い子とは違うねちっこさが堪らなく楽しい。
プルートは荒い息を吐きながら、ダナーに話しかけた。
「きもちいい?」
「あぁ」
「たのしい?」
「ふっ。あぁ」
半分もダナーの顔が見えないが、伝わる振動から、ダナーが笑っているのは分かる。プルートもクックッと笑いながら、じんわりと高まり続ける快感に喘いだ。
ダナーがプルートの奥深くまでペニスを押し込むと、そのまま動くのをやめ、プルートのぷっくりと肥大した乳首をくりくりと弄りはじめた。気持ちがいいが、もどかしくて、でも何故だがこうしているのも楽しくて、プルートは掠れた熱い息を吐きながら、後ろ手にダナーの頭を撫でた。
「ははっ。ゆっくりするのが好きなんだ」
「割と?」
「は、あぁ……きもちいい……」
「俺も気持ちいい」
ダナーがプルートのうなじを熱い舌で舐めながら、再び腰をゆっくり動かし始めた。焦れったくて、ねちっこいのが逆にいい。若い子にはない大人の余裕が堪らなく興奮する。
ゆるやかに、でも確かに快感が高まり続けており、トンットンッと結腸を刺激されたプルートは、間延びした声を上げながら、ペニスからだらだらと勢いなく精液を漏らした。
イッてビクビク全身を震わせているプルートのアナルからダナーがペニスを引き抜き、プルートの身体を俯せにした。すぐにまたダナーのペニスがプルートの蕩けまくったアナルに入ってくる。
プルートの背中に覆いかぶさるようにして、今度は先程までとは一転した激しさでアナルの奥深くをガンガン突き上げられる。
「あぁっ!?ちょ、あっ、あぁぁぁぁっ!!」
「そろそろ、俺も、イきたい」
「んーーーーっ!!」
寝バックの状態で全身を上から押さえつけられ、容赦なく、結腸も前立腺も敏感な腸壁もゴリゴリゴスゴス刺激される。イッて敏感になっている身体には若干辛い程の快感が身体の中を暴れ回り、身体が痙攣するように震えてしまう。
シーツを握りしめるプルートの手を、ダナーの大きな手が掴み、強く握りしめられた。なんだかちょっとキュンとしちゃったプルートは、思わずアナルに力を入れた。ダナーが低く唸り、プルートのうなじを舐め回しながら、更に激しくアナルの奥深くをガンガン突き上げてくる。
またイキそうな予感に、プルートはだらしなく涎を垂らしながら笑みを浮かべた。
「あぁっ!んっおっ!いくいくいくいくっ!!」
「はぁっ、はっ、俺もっ……あぁっ!」
「あ、あ、あーーーーっ!!」
プルートの中でダナーのペニスが微かに震え、射精しているのを感じた瞬間、興奮が最骨頂に達して、プルートは射精もせずに中だけでイッた。ピクッピクッと震えるプルートの身体をぎゅっと抱きしめ、ダナーがゆるゆると腰を動かして、精液を全てプルートの中に吐き出した。
ぜぇぜぇと荒い息を吐きながら、プルートはぐったりとしつつも、満足気な熱い溜め息を吐いた。すっごい気持ちよかった。こうも何度も中イキできるとは思っていなかったので、地味に嬉しい。
ゆっくりとプルートのアナルからペニスを引き抜いたダナーが、ころんとプルートのすぐ隣に寝転がった。
ダナーの方を見れば、顔も身体も汗まみれで、どこかスッキリしたような顔をしている。
プルートはふふっと笑って、ダナーの横顔の頬を指先でつんつん突いた。
「少しはスッキリしたかな?」
「なんかすごいスッキリした」
「ははっ。それはよかった。君、セックス上手いねぇ。昔は遊んでた?」
「まぁ、それなりに。男相手だと根元まで挿れられるからいいな。女だと根元まで入らないし、痛がるんだ」
「そりゃ、それだけ大きければね」
「貴方が奥の方も開発済みでよかったよ。痛い思いはさせたくなかったから」
「ふふっ。すごく気持ちよかった」
「それはよかった」
ダナーがごろんと寝返りをうって、プルートの方を向いた。腰にダナーの手が触れ、ダナーの方に全身を引き寄せられる。戯れるように唇にキスをしてくるダナーに応えながら、プルートは同年代の男もいいかもと、クックッと笑った。
のんびりとお互い戯れるように身体に触れ合って、一緒にシャワーを浴びてから、朝まで2人でくっついて眠った。
目覚めた時、プルートにゆるく抱きついて、プルートの胸に顔を埋めるようにして寝ているダナーの少し幼い寝顔を見て、プルートは可愛くて、ふふっと笑った。
プルートは眠るダナーの頭をゆるく抱きしめて、じんわり汗の匂いがするダナーの髪に鼻を埋めた。
あの頃のプルートのように疲れきっているダナーが、少しでも癒やされていたらいい。プルートはダナーの隣に立つ気はないが、応援はしてあげたい。
身勝手かもしれないが、プルートには側で寄り添ってくれる人はまだ必要ない。欲しいとは思えないうちに、誰かとどうこうなっても上手くいかないのが目に見えている。
きっとプルートはまた同じことを繰り返すのだろう。相手に何もかも合わせて、自分を抑えて、1人で我慢して、そして疲れる。
この歳で変われるとは思えない。だったら、寄り添う人がどうしても欲しくなった時に、プルートに合う人を探せばいい。
一緒にいて楽に呼吸ができて、共に何でも分かち合えるような相手を。
プルートはそんなことを考えて、小さく自嘲した。そんな都合のいい男なんて早々いる筈もない。夢みたいな話だ。
プルートは自由になったばかりだ。だったら、まずは目の前の自由を謳歌して楽しむだけでいい。
プルートはぼんやりと無意識にダナーの頭を優しく撫でながら、ダナーが目覚めるまで、書きかけの小説の続きを考えた。
------
ダナーと近くの軽食屋で朝食を食べて、連絡先を交換してから、ダナーと触れるだけのキスをして別れた。
ダナーは、いい気分転換ができたと、はにかんで笑っていた。
プルートは軽い足取りで機嫌よく歩きながら、またダナーと遊んでもいいなぁと思った。ねちっこいセックスは気持ちよくて、新鮮で楽しかった。ダナーは子供がいるから中々遊べないだろうが、また機会があるだろう。
ずっと悩んでいた小説のラストの文章も思いついた。ミーミを迎えに行って、家に帰ったら、早速書き上げてしまおう。きっと人に読ませられるようなものじゃないと思うが、プルート自身は書くのがすごく楽しかった。難しくて、何度も書くのをやめようかと思ったが、新しい自分自身の為に、なんと書き上げたかった。なんだかんだで、初めての執筆は楽しかった。
書き上がったら、バレットに連絡して、読んでもらおう。バレットに楽しんでもらえるかは分からない。でも、プルートが楽しいと思うことを一生懸命書いた。
プルートはミーミを老夫婦の家に迎えに行くと、いそいそと自宅に戻り、早速机に向かった。プルートの初めての物語が書き終わるまで、あとほんの少し。
------
プルートはドキドキしながら、目の前でプルートの処女作を読んでいるバレットをガン見していた。長い物語ではない。プルートが書いたのは、ちょっとした冒険譚である。おっさんが子供の頃に憧れていた世界へ飛び出す物語を描いてみた。
真剣に読んでくれているバレットの反応が怖い反面、ワクワクもしている。
読み終えたバレットが、小説を書いているノートをぱたんと閉じた。
ドキドキしまくっているプルートを見て、バレットがニッと笑った。
「初めてにしては上出来じゃないの?」
「本当か!?」
「嘘は言わないよ。面白かったよ。主人公が少年とかじゃなくて、おっさんなのが逆にいいね。おっさんになって、新たな世界に冒険に出るって、割と斬新だと思うよ」
「僕の願望を詰め込みまくった」
「あはっ。そうなの?これさ、文章的には直さなきゃいけないところもあるかもしれないけど、コンクールにでも出してみたら?文量的には読みやすくてちょうどいいし」
「えっ!いきなりコンクールとか、そんな無理だろう?」
「分かんないじゃん。入賞したら儲けもんって感じ?」
「うっ……どうしよう」
「俺は好きだよ。このお話。ワクワクして、なんだか心が温かくなる結末で」
「……ありがとう。バレット」
「父さん。これを書いて、自分で読んで楽しかった?」
「うん」
「ははっ。それなら、きっと誰かの心に届く物語になってるよ」
「そうかな」
「そうだよ」
何故か自信満々な様子のバレットと顔を見合わせて、プルートは照れ臭くて小さく笑った。
一つ、プルートの夢が形になった。きっと他にも、自分の中に、やりたかったことがある筈だ。それを探していくのが楽しみで、なんだかすごくワクワクする。
バレットがプルートをじっと見つめて、ニッと笑った。
「父さんさ。若返ったね」
「え?そう?毛の量増えたかな」
「残念。毛は増えてはいないけど。なんかすごい生き生きしてる。若い子からエネルギーもらってるから?」
「……それはあるかも。なんかこう……未来に向かってがむしゃらに頑張ってる子達と接してるから、すごい刺激になってるのかもね」
「いいことじゃない?まぁ、男娼にハマるより『パパ活』の方がマシな気がするしね」
「若い子を応援してあげられるって、なんかいいよねぇ」
「ついでにセックスもね。はぁー。俺もセックスしてぇわー」
「新しい彼氏をつくらないのか?」
「えぇー?まだそんな気分じゃなーい。ていうか、普段は仕事が楽しくてそれどころじゃないもん」
「仕事が楽しくて何より。今日は魔術師街に戻らないんだろう?適当にナンパしてくれば?」
「そうしよっかなぁ」
「あ、晩ご飯は一緒に食おう。久しぶりだし。奢るぞ」
「やった!!あ、なんなら父さんも空いてる子いたら、その後『パパ活』したら?」
「そうしようかな。誰が捕まるかな」
「何人いるのさ」
「今?えー、5人?」
「多いな!?1人紹介してー」
「嫌だよ。流石にそれは」
「ちぇー。しょうがない。今夜はナンパしよ」
「変なのには気をつけろよ」
「はぁい」
プルートはバレットと2人で家を出た。
久しぶりに会うバレットは若い頃のプルートに益々似てきている。髪はふさふさだが。ナンパをして一夜限りの遊びをするくらい積極的なところがあるのが、プルートとは違うところかもしれない。
2人で夕食を楽しんだ後、花街の入口でバレットと別れた。バレットはナンパをしに若者が集まるバーへ。プルートはタイミングよく捕まったリッキーと連れ込み宿の前で待ち合わせである。
リッキーの予定が無ければ、明日は是非ともリッキーとデートがしたい。
プルートは上機嫌に鼻歌を歌いながら、連れ込み宿へと向かった。
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