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第二部

 しーえむ

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リ「CMしーえむ……とは何だ?」

ミ「宣伝みたいなものだよ。テトラ・ビジョンに録画再生機能を付けたから、それを使ってミナジリ共和国の宣伝をしようかなと思って」

ナ「録画って凄いんだよ! さっき撮ってもらったんだけど、私の行動が記憶されて、いつでも観られるようになるんだよ!」

ジ「ほぉ。だが何を宣伝するんだ?」

ミ「のどかな風景とか、観光地とか撮るのが普通なんだけど、世界中がのどかなので、それを撮っても意味ないし、観光地なんてもん現在のミナジリ共和国にはありません。なので、ミナジリ共和国限定の商品だったり、食べ物だったりを各国や町のミケラルド商店で流したいなーと」

リ「それをするとどうなるのだ?」

ナ「ミケラルド商店の名前が世界中に知れ渡ったり、知る事によってミナジリ共和国に興味を持ってもらって、『行ってみたいなー』って思わせるんだよ」

リ「確かに、人が来ればミナジリ共和国に金が落ちるな。凄いな、ナタリー」

ナ「ぜーんぶミックの受け売りだけどね」

ジ「宣伝の宣伝はちゃんと出来たようだな」

ミ「でしょう?」

ジ「つまり、ミナジリ共和国の見どころを宣伝すればいいという事か」

ミ「その通りです! さっすが師匠!」

ジ「ふっ、ならば私の料理はどうだ?」

ミ「ジェイルさん考案の料理ですか。いいですね」

ジ「ところで」

ミ「はい?」

ジ「わ、私も映るのか?」

ミ「魔族押しの宣伝はしばらく先にしたいかなーと」

リ「ほぉ、では私の出番か」

ミ「うぇ!? リィたん、水龍になるのっ!?」

リ「注目を集めるなら元の姿だろう」

ナ「うーん……そうすると多分――」

リ「――な、何だ? 何か問題があるのかっ?」

ナ「ビックリしちゃう人もいるかなー、なんて」

リ「そ、そうなのかミックっ!?」

ミ「ナタリーに一票」

リ「くっ!? ではどうしろというのかっ?」

ミ「最初はハーフエルフから行こうかと」

リ「ナタリーを?」

ナ「ふふん、ちゃんとお父さんとお母さんに許可もらったもーん♪」

ミ「結構な契約金でした」

ナ「お小遣いあっぷ!」

ジ「ナタリーが色んな店に行くのか」

ナ「頑張るよ、うん」

リ「……むぅ」

ミ「不満そうだね、リィたん」

リ「私も映りたいぞ!」

ミ「えぇ……」

ジ「ミックがどうしてもというなら映ってやってもいい」

ミ「さっきまで恥ずかしがってたじゃないですか」

リ「映りたいぞ!」

ミ「じゃあ人間バージョンなら……」

リ「ふっ、決まりだ。どうだジェイル? 交渉とはこうするのだ」

ジ「むっ。…………ぃぞ」

ミ「え、何て?」

ジ「……りたいぞ」

ミ「もうちょっと頑張ってみましょう」

ジ「う、映りたいぞっ!」

ミ「じゃあ、【チェンジ】を使う方向で」

ジ「むぅ、この際仕方ないだろう」

ナ「欲求ぶつけるだけで交渉になるって凄いね」

ミ「まぁまぁ。友情出演って事で」

ナ「主役は私なんでしょ?」

ミ「ミナジリ共和国ですけど?」

ナ「その次!」

ミ「まぁ、ナタリーだよね」

リ「何っ!?」

ジ「馬鹿なっ!?」

ミ「はぁ~、お二人は準主役って事で」

リ「ほぉ?」

ジ「準主役か。なるほど、悪くない」

ミ「主役って言葉が付いてれば満足してたのでは?」

ナ「まぁ、リィたんとジェイルだし」

ミ「どうせ最初はホームビデオみたいな完成度になるんだし、別にいいけどな」

ナ「ほーむびでお?」

ミ「とりあえず徐々に慣れていこうって話」

ナ「じゃあ練習しなくちゃ」

ミ「まぁ台詞の読みまわしくらいはしなくちゃな」

リ「ふっ、何でもやるぞ」

ミ「じゃあ、皆、手元の紙に書いてある言葉を揃えるところから」

ナ「最後の台詞だね」

ジ「これを読むのか?」

リ「ふっ、こんなもの簡単だ」

ミ「はい、せーの!」

「「ミナジリキョウワコクニオイデヨ!」」

ミ「……先は長そうだな」
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