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17話 リスポーン
しおりを挟むスライム座布団を丸めて枕にし、寝転びながらダンジョンのこれからについて考え、2つの目標を決めた。
一つは貯金"1000万円"
1000万円貯めて、今より良い装備を手に入れたい。
やはり、いつの世も武器防具は男のロマンだからな。
そして、もう一つは"5階層の突破だ"
何故5階層かと言うと、それはキリがいいからだ。
深い意味はない。
というわけで早速ダンジョン行ってみよう!
なんだか最近、ダンジョンに行くのか楽しみで仕方が無い。
仕事は行きたくなくて仕方が無かったが……
これが束縛から解放、その反動ってやつか
俺は洗面台の床に空いた見慣れた穴を降り,ダンジョンに入る。
今回は通販で買った大型ボストンバッグ3つとアウトドア用のキャリーカートを持ってきた。
これで魔石をガンガン入れられる。圧倒的大容量だ。
すぅーーはぁーーー
大きく深呼吸。
この何とも言えない温度と湿度
最高だな。
それにしても1階層はもう慣れたものだ。
もはや俺の庭と言っていいんじゃないか?
いや、ダメだ。少しの気の緩みが死を招く、それがダンジョン。
気を引き締めよう。
俺は頬を少し弱めにパチンと叩き、気合いを入れる。
早速出会ったスライムに【移動】を使い一気に接近、核を確実に切り裂き、キャリーカートに入れる。
今回は1階層で長時間滞在する予定は無いから、スライムをサクサク倒して、すぐにボス部屋へと行く。
ボス部屋を今回は躊躇なく開ける。
勿論、警戒はした上でだ。
やはりいたか。スライム騎士
俺に最高の座布団をくれた最高にいい魔物。
今回もくれるかな。スライム座布団。
俺はドア近くから全力でスライム騎士に向かってダッシュ
奴が溶解弾を放とうとするタイミングで連続【移動】
溶解弾が放たれる時には既に背後に到達
後はサクッと核を短剣で貫く。
ーー討伐完了
ドロップアイテムは魔石だけだった。
やはりスライム枕はかなりのレアアイテムだったのだろう。
それか初回のみとか?
これで2階層へ進む事ができるが
だが、その前にやる事がある。
俺は2階層に向かうドアでは無く、1階層へ戻るドアを開けて外に出る。そして再び開けて中に入る。
ーーいた。
スライム騎士が相変わらずな姿で立っていた。
やはり扉を閉める事がリスポーンの条件らしいな。
ネットで調べた感じだと時間が経つと魔力が充填され復活するみたいな事を書いてあったけど……俺のダンジョンにはあてはまらないようだ。
ほんと弱いダンジョンの割に変なダンジョンだ。
というわけでスライム騎士を倒すとするか。
俺は【移動】【斬撃】を使い、スライム騎士を倒した。
しかし、またも落としたのは魔石のみ
うーん、スライム枕の予備も欲しいんだよな。
洗濯中に使うやつ
少し粘ってみるとしよう。
ドアを開けて、閉める。リスポーン。
即効で倒す。
魔石のみか……
くっ……もう1回!
次こそ、もう1回!
更にもう1回!
もう1回だ!
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ーー来た!ついにスライム枕がドロップした。
かなりかかってしまった……
気がつけばキャリーカートが魔石でいっぱいになっている。
時間もおそらしい事に丸1日くらい経っている。
このダンジョンはお腹空いたり、疲労が溜まらないから時間をついつい忘れてしまう。
単純に集中すると時間をわすれてしまうという俺の特性のせいってのもあるな。
働いているときはよく言われたなぁ、"いつまでやってるつもりだ"
"時間管理は社会人の基本だぞ""とろとろしてんじゃねえ"など、思い返すだけで頭が痛い。
ほんと会社辞めて良かった。
それはそうと、念願のスライム枕をゲットした。
これで洗濯中も安心だ。
しっかりダンジョンの入り口近くに運んでおこう。
それから俺はもう一度スライム騎士を倒して、2階層への扉を開けた。
ついつい寄り道をしてしまったが、ようやく2階層の探索だ。
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