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3章 3つ巴ベース編
40話 声
しおりを挟むよし、そろそろこの場を後にしようか
広場には5人の少年少女が倒れている。
金髪の少年は今もなお腹を抑えながら、項垂れている。
おそらく当分動けないだろう
俺をずーっと恨めしそうに睨んでいるが……
もう一発殴るべきか?
まぁ、そんな事はいい。俺は大人だ。
「パールそろそろ行くか」
"ゔぅ……"と呻きながらまだ俺を睨む金髪少年
だが、知ったことではない。殴らないだけマシと思ってもらおう。
「ぷっ、ぷぅ!」
「おっ!」
動き出そうとしたが、パールが服の裾を引っ張っていたため、つんのめってしまった。
「何だパール?ってうん?」
広場の奥の道から人の気配が多数迫ってきている。結構近いな
パールはこれを伝えたかったようだ。
地上への戻る道は防がれてない事から走って逃げることも可能だ。
だが一つ問題がある。
5人の少年少女が倒れ伏しているこの光景だ。
今逃げれば確実に犯人にされる。
特にこの金髪がイキイキと俺を犯人に仕立て上げるのが容易に想像できる。
さすがにそんな冤罪認めるわけにはいかない。
というわけで俺は警戒態勢を取りつつ、近づきつつある気配を待ち構える。
それにしても複数人か?
【集中】で聴覚を研ぎ澄ませてみる。すると微かに話声が聞こえてくる。
「おーい、こっちで道あってのんかぁ?」
少しアホっぽい男の声だ。
「あってるよ!私のマッピングがある限り道に迷うことなんてないよ!」
先ほどの声に応えたのは良く通る女性の声だ。
マッピングというのはおそらくスキルだろうか?
自動で地図でも作るスキルとかだろうか?もし、そうならばかなり便利だな。
「ふぅーん、でも何で急に引き返したんだ?」
再びアホそうな男
それにしても急に引き返したとは?俺も気になるな
「そうよ、何でなのノブマサ。」
よくぞ聞いた女。
そして、新しく出た名前ノブマサという人物が引き返すきっかけになったぽいな
「うーん、この先で2班のメンバーが倒れているっぽいんだ」
え?
落ち着いた滑舌のいい男の声。ノブマサという男だろう
それにしても"この先に2班のメンバーが倒れている?"
は?なぜ分かるんだ?スキルか?
そして2班ってのメンバーって……おそらく
「え!?2班ってうちでも強い方だよね。珍しいバフスキル持ちのリナちゃんもいるし」
「そうだよなぁ!金髪くんとかも結構強かったし」
金髪?バフスキル?
俺はもう一度倒れている5人をみる。
……はぁ、こいつらが2班のメンバー
「うん、彼らは強いチームさ。だからこそ不思議なんだ。5人はどうやら一人の男にやられたみたいだしね」
1人って俺の事だよな
「え!?それヤバイじゃん!」
「でも反応から5人は生きてはいるんだ。そして、男は今も動かずその場にいる。僕らが広場に向かっていることに気づき、5人を人質に何か仕掛けてくるのかもしれない。だから気をつけていこう」
待て待て待て待て
「何かあればノブは逃げろよ!俺が時間を稼ぐからよ」
アホっぽい男がなんかイケメンな事を言っている。
でも何で俺が5人を人質に取ってる事になってるんだ
これは困ったな。変に逃げれないし、うーん、どうしようか?
そうこうしているうちに声の広場に近づいてきた。
こうなればストレートに行こう。
"交渉の際は、自信と余裕、そして度胸が有れば大抵いける"
最強への道にも書いてたしな。
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❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
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