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1章 始まりの街

5話 道の始まり

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 翌日から俺の最強への道のり始まった。

 デスクワークの俺にとって、この筋トレは極めてキツイ

 もう無理だと思ってしまうが、だが実際に死ぬ事を考えればまだ動く。
 街の無残な死体を見てしまえば、あのようになりたくないと自然とやる気も出る。

 そして分かったことは案外、人は限界を超えられる。
 苦痛を超えて、痛みを超えて、身体からの危険信号を無視して鍛え続けると気絶する。

 身体の防衛機能なのだろう。
 俺は知った。筋トレは気絶との闘いということ

 それから俺はひたすらに家に閉じこもり、気絶するまで筋トレを行った。
 もはや時間感覚などない。
 何回朝日が昇ったのかさえ分からない。


 また日々の鍛錬で俺の固有スキル"回復強化"は意外と有用だということに気付かされた。
 筋肉痛になっても、疲労で筋肉が断裂しても(正確には分からないがブチってという音がした)、数時間眠れば全快している。

 また、その回復速度も段々と増しているような気がする。
 まさに鍛えるためのスキルと言っても過言ではない。

 筋トレ→気絶→回復→食事→筋トレと俺はエンドレスに繰り返した。

 その結果、"最強への道のり"の最初のページをクリアできた。
 最終的には回数もセット数も数倍に増していたが、人間やればできるものだ。さすが人間。

 筋トレの前の俺と比べれば、かなり筋肉がついたと思う。
 身体能力が大幅に増加したのを感じる。
 だが、慢心は危険だ。
 この程度の筋トレは本に言わせれば序の口らしいしな

 次のステップは

 STEP2 武器の扱い方

 ナイフを持ったマネキンのイラストが描かれており、数種類の振り方、構えが分かりやすく載っている。

 えーと、なになに

 その1、ナイフを手放すな、自身の身体の一部と思え
 その2、素振りの型を完全に身につけろ

 なるほど、俺は早速ナイフをロープで手に巻きつけ固定する。これで気を失ってもナイフが手から落ちることはないだろう

 えーと、スーパースロー素振り?

 "全身、指先、爪先、細胞単位まで意識しながら素振りを行え!お前の中の宇宙を感じろ"

 全く意味が分からないが、全神経を集中させ素振りを行えということらしい。
 具体的には……と

 一回の素振りに10分をかけ、12回繰り返す。
 それを5種類だから5回 
 10時間の連続素振りだ。

 ちなみに終わるまで休む事は許されないらしい。
 "休む=死と思え"とのことだ。

 しかも、これを2週間繰り返す必要があるらしい。

 はぁ……自分で決意したものの辛すぎる。

 だが俺は死ぬわけには行かない。
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