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19.魔の森での生活

誤解を解く

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ソフィアは長年生きていて、勇者という存在を知っていた。
幼いころにハイエルフが住んでいるところへ訪ねて来て、用事を済ませるまで滞在していた。
そのときに異世界の事を話してくれ、機械や科学に興味を持ったそうだ。
そこに僕たちの存在。勇者と結び付いてしまったようだ。

僕ははソフィアに説明をした。
両親にはタイミングを外し言っていないことを。
僕たちは勇者ではないこと。
僕は生まれ変わりで、サクラは転移したこと。
神様が色々と便宜を図ってくれたこと。
今の強さ。
今の世代の勇者の事。
これまでの生活のことを。

ソフィアは黙って聞いていた。
ただ僕が一方的に話している時間が流れていた。

既に完成した家に入り話をしていたが、さすがに話し疲れたこともあり夕食にした。
夕食はサクラが地球風味の料理を作り、ソフィアが懐かしそうにしていた。
過去の勇者が和食をごちそうしてくれていたようだ。

その後も地球についての話をサクラも交えてしていた。
魔道具の光で部屋の中は明るいが、あたりはもう真っ暗になっている。

この家には想像で強化ガラスの様に外が見えるような構造をしている。
守りはソフィアが結界の魔道具を設置したこととや、継続性を持たせた僕とサクラの結界魔法で、EXランクの魔物以外は一発で壊せない守りになっている。
EXランクの魔物にあったことがないから、予想だけど・・・。

~~~~~

夜遅くなったが、ソフィアも自分のことを語りだした。

ハイエルフはエルフよりも神様に近い存在で、信仰の対象となっている。
地球で言う天使のイメージだ。
神との対話もできるようだ。
ソフィアの話しだけなので確実ではないが、神様のあの空間には行けないようだ。
頭の中に声が響き、答えることもできる。念話が一番しっくりくる説明になる。

エルフよりも長寿で、寿命はあってないようなものみたいだ。
いつの間にか産まれ、いつの間にか姿を消す。
ただ稀にソフィアの様に里にとどまらず、自由に世界を旅する者も出るみたいだ。
おそらくどの神の天使になっているかが関わってくるのではないかと僕は予想した。

ソフィアに話しかけて来る神は創造神・・・。
サクラと一緒だ・・・。

サクラもそこで反応した。
創造神に転移させてもらったと。

二人は共通の神様が関わっているという事で、しばらく二人の世界に入っていた。

二人の話が落ち着き、ソフィアの話が再開された。

ハイエルフ、エルフは精霊が見えるそうだ。
もう一度言おう、精霊が見える!!

僕たちの周りにもたくさんの精霊がいるらしい。
エルフは初めから見えるが、人族の僕たちは特殊な手段を用いて見えるようにしなければいけないと言う説明だ。
ここはチートがなかったみたいだ。

その後に精霊と仲良くなれるかは運次第と言うが、つい期待してしまった。

この生活で僕たちにソフィアの更に興味がわいたら、精霊と友達になる方法を教えてくれるそうだ。
ただ、いいことばかりではないので、本気で友達になりたいならと条件が付いた。

ソフィアは産まれてから、しばらくは里にとどまって生活していた。
しばらくの期間は人族とは比較にならないほど長いが・・・。

時々里を出て見分を広げていたが、今回は今まで以上に戻らないつもりで里から出た。

ソフィアの説明では、里には古いエルフなどの保守派がおり、その子供は旅に出る数は少ない。

里の掟では高位のハイエルフ数名は常に残る体制になっている。

ただのエルフだが、今は里の外で子を産む割合の方が多い。しかし里その事は問題にならず、基本的に自由に行動できる。

だから今回ソフィアはハイエルフだが長く里から離れ、世の中を確認したい。
そう言うことらしく、僕たちに付いて回りたいそうだ。

~~~~~

結局は朝まで語り合い、僕たちの目的も決まった。
一つ目は、誰かが飽きるまで森で生活する。
二つ目は、生産系スキルの獲得を目指す。
三つ目は、魔の森を探検し、貴重な魔物の素材や薬草などを採取する。
4つ目は、出来るなら魔の森の左端まで進み、転移できる地点を作っておく。
最後に、魔族は敵対しているわけではないが、魔大陸には今回は渡らない。
魔族に会ってもこちらからは敵対しない。

このくらいの大きな計画とした。

~~~~~

顔を洗い、朝食をとったあとに、クロウが話し出した。
「我は時々離れてもいい? 気になるところに出掛けたい。我も何か新しいことを覚えたい! 森に何もなかったら、ラウールとサクラと物造りを覚える!」

クロウも何かを考え始めたようだ。
魔の森だが、クロウに敵う魔物も少ないだろう。謎の強さがあるから・・・。

「いいよクロウ! だけど、長く帰ってこない予定の時は教えてね? 始めに長距離会話のスキルを考えておくかな?」

「ラウール考えておいて! あったら便利!」

そこにソフィアが入ってきて、
「ハイエルフ同士ならありますよ? 応用できないか試してみましょうか? 魔力が高い同士ならできるかもしれないです。」

「本当に~! 覚えられたら便利! 私とラウールの初めての訓練は、長距離通話魔法ね!」

「我にも!」

こうして、遠距離通話魔法と名付け、習得することが一番初めの課題となった。
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