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16.従魔が欲しい
第三都市に到着
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馬車の中でラウールとサクラは、トムシーカと話す機会があった。
「私はトムシーカと言う。元々はパーティーで行動していたが、メンバーの1人が高齢になり、引退したことで解散し、それぞれの道を歩むことにして別れた。私はまだ28歳で、冒険者を続けるつもりだからここまで旅をしてきた。今回は、パーティーで挑もうとしていた、第三都市のダンジョンへ挑もうと思っている。第三都市の冒険者ギルドで、仲間を募集するつもりだ。」
相槌を打ちながらラウールは聞いてみた。
「第三都市のダンジョンのボスは、何が出るんですか?」
トムシーカは眉を顰め答えた。
「Sランクの魔物がランダムに出現するようだ。大体が決まったパーティーが挑んでいるため、情報がなかなか出てこない。しかし、Sランクだという事は伝え聞いている。」
「Sランクですか・・・?例えば?」
「例えばも何も、詳しいことは今の時点ではわからない。ただSランク冒険者が複数人いないと討伐できないと言う。」
「複数人ですか・・・。じゃあEXランクまでは出ないという事で?」
「そこもわからん。ただ、一度ボス部屋で冒険者が全滅すると、次はまた違うボスに代わるような話はある。これは確かめることが出来ないことだがな。全滅した者に聞くことが出来ないから。」
「そうですね・・・。でもいつまでもボスを倒せないことはないのなら、強さが変わっている可能性はありますね。」
「そう言う事だ。もし同じボスであれば、今の時点で攻略できるものはいないはずだ。だから、EXランクが一度出たとしても、次は違うボスになっていると考える。」
「魔物の卵はどれくらいの頻度で出ているんですか?」
「おそらく年に1~2度だ。」
「え~! そんなに少ないんですか!?」
ラウールは驚いた。せめて100回ボスを倒したら1回は出ると思っていたから。
「そんなものだろう。Sランクのパーティーが制覇できるものだ。年に何度攻略されているか。おそらく多くても月に1度だろう。それでも十分な利益はある。ただし人数が多すぎる場合は別だがな。Sランクは他の依頼も入るからそんなところだろう。」
「そう言われるとそうですね。じゃあ12回攻略すると、1度は魔物の卵が出る計算ですかね。」
「それくらいだろう。そして、大体は同じパーティだけが攻略している。期日を決めて集まっているみたいだ。それでなければそうそうSランク冒険者が集まらないだろ?」
「そうですね。Sランク冒険者がゴロゴロいても困りますね? ではトムシーカさんもその中に入るのですか?」
「どうだろう。私が入る余地があるのなら考えるが。Sランクは人格も認められるランクであるから、変な奴はいないと思うが、考えている。」
そうして有力な情報を教えてもらったラウールだった。
そこからはトムシーカも静かに旅を楽しんでいるようで、無理に声をかけることもしなかった。
ラウールとサクラはSランクと名乗ることはしなかった。
あえてここでいう必要も感じなかったから。
そして順調に移動でき、第三都市が近づいてきた。
「サクラ? サクラも従魔が欲しい?」
ラウールは意外に魔物の卵が出る気がして聞いてみた。
「ラウール?まずは自分の従魔を手に入れてから考えたら?今から先のことを考えてたら、いつまでたってもこの都市から離れられないわよ。ほっといたら延々とダンジョンに潜って、いくらでも従魔を増やしそうだからラウールは。」
ハッとしたラウールだった。確かにずっと繰り返していそうだ・・・。
「ごめんサクラ。そうだね。まずは僕の魔物の卵を手に入れて、孵化させて、従属させることが出来るか?そこからだね。」
優しい笑顔でサクラも答えた。
「そうよ。それでだめなら繰り返しましょ。そして簡単だったら私にも挑戦させて。」
「わかった!」
ラウールとサクラはそこからは、魔物の卵かは何が出るのか想像して語り合った。
どんな魔物が出ても大切にしようと。
そしてできる事なら、猫みたいな見た目の魔物が良いと・・・。
そういった話をしているうちに第三都市に到着した。
そういえばこの都市は門番がいない。
門はあるが誰も見張りはいない。
その代わり、各ギルドに自らの身分を登録するか、役所に報告をしなければならない。
そして憲兵が他の国よりも多くいて、犯罪を取り締まっている。
後は海に囲まれているだけあって、港の警備が厳重で、他の国で乗車券を買うときに、身分証の提示を求められている。
無事に第三都市についたラウールとサクラは、どこにでも店舗を置いているのか、【宿屋わかば 第三都市支店】を拠点とし、宿泊を始めた。
【宿屋わかば 第三都市支店】
おかみ:フーリン:恰幅のいい中年女性
料理長:ボグズ:筋肉質な長身の中年男性
フーリンとボグズ夫婦が取り仕切っていると教えてくれた。
そして、もし従魔を手に入れることが出来るなら、一緒に宿泊できるか聞いてみると、大きい場合は厩舎になる。小さくて、部屋を荒らさないものであれば一緒に泊まることが出来ると教えてくれた。
ただし、今まで一度も従魔が泊ったことはないと言う。
ラウールはおかみのフーリンに、魔物の卵の相場はわかるか聞いてみた。
するとフーリンは答えてくれた。
ミスリル金貨1枚以上だと・・・、日本円で1億円以上・・・。
大量に作れると言う薬も、きっと高いものだなと考えながら部屋に移動するラウールとサクラだった。
「私はトムシーカと言う。元々はパーティーで行動していたが、メンバーの1人が高齢になり、引退したことで解散し、それぞれの道を歩むことにして別れた。私はまだ28歳で、冒険者を続けるつもりだからここまで旅をしてきた。今回は、パーティーで挑もうとしていた、第三都市のダンジョンへ挑もうと思っている。第三都市の冒険者ギルドで、仲間を募集するつもりだ。」
相槌を打ちながらラウールは聞いてみた。
「第三都市のダンジョンのボスは、何が出るんですか?」
トムシーカは眉を顰め答えた。
「Sランクの魔物がランダムに出現するようだ。大体が決まったパーティーが挑んでいるため、情報がなかなか出てこない。しかし、Sランクだという事は伝え聞いている。」
「Sランクですか・・・?例えば?」
「例えばも何も、詳しいことは今の時点ではわからない。ただSランク冒険者が複数人いないと討伐できないと言う。」
「複数人ですか・・・。じゃあEXランクまでは出ないという事で?」
「そこもわからん。ただ、一度ボス部屋で冒険者が全滅すると、次はまた違うボスに代わるような話はある。これは確かめることが出来ないことだがな。全滅した者に聞くことが出来ないから。」
「そうですね・・・。でもいつまでもボスを倒せないことはないのなら、強さが変わっている可能性はありますね。」
「そう言う事だ。もし同じボスであれば、今の時点で攻略できるものはいないはずだ。だから、EXランクが一度出たとしても、次は違うボスになっていると考える。」
「魔物の卵はどれくらいの頻度で出ているんですか?」
「おそらく年に1~2度だ。」
「え~! そんなに少ないんですか!?」
ラウールは驚いた。せめて100回ボスを倒したら1回は出ると思っていたから。
「そんなものだろう。Sランクのパーティーが制覇できるものだ。年に何度攻略されているか。おそらく多くても月に1度だろう。それでも十分な利益はある。ただし人数が多すぎる場合は別だがな。Sランクは他の依頼も入るからそんなところだろう。」
「そう言われるとそうですね。じゃあ12回攻略すると、1度は魔物の卵が出る計算ですかね。」
「それくらいだろう。そして、大体は同じパーティだけが攻略している。期日を決めて集まっているみたいだ。それでなければそうそうSランク冒険者が集まらないだろ?」
「そうですね。Sランク冒険者がゴロゴロいても困りますね? ではトムシーカさんもその中に入るのですか?」
「どうだろう。私が入る余地があるのなら考えるが。Sランクは人格も認められるランクであるから、変な奴はいないと思うが、考えている。」
そうして有力な情報を教えてもらったラウールだった。
そこからはトムシーカも静かに旅を楽しんでいるようで、無理に声をかけることもしなかった。
ラウールとサクラはSランクと名乗ることはしなかった。
あえてここでいう必要も感じなかったから。
そして順調に移動でき、第三都市が近づいてきた。
「サクラ? サクラも従魔が欲しい?」
ラウールは意外に魔物の卵が出る気がして聞いてみた。
「ラウール?まずは自分の従魔を手に入れてから考えたら?今から先のことを考えてたら、いつまでたってもこの都市から離れられないわよ。ほっといたら延々とダンジョンに潜って、いくらでも従魔を増やしそうだからラウールは。」
ハッとしたラウールだった。確かにずっと繰り返していそうだ・・・。
「ごめんサクラ。そうだね。まずは僕の魔物の卵を手に入れて、孵化させて、従属させることが出来るか?そこからだね。」
優しい笑顔でサクラも答えた。
「そうよ。それでだめなら繰り返しましょ。そして簡単だったら私にも挑戦させて。」
「わかった!」
ラウールとサクラはそこからは、魔物の卵かは何が出るのか想像して語り合った。
どんな魔物が出ても大切にしようと。
そしてできる事なら、猫みたいな見た目の魔物が良いと・・・。
そういった話をしているうちに第三都市に到着した。
そういえばこの都市は門番がいない。
門はあるが誰も見張りはいない。
その代わり、各ギルドに自らの身分を登録するか、役所に報告をしなければならない。
そして憲兵が他の国よりも多くいて、犯罪を取り締まっている。
後は海に囲まれているだけあって、港の警備が厳重で、他の国で乗車券を買うときに、身分証の提示を求められている。
無事に第三都市についたラウールとサクラは、どこにでも店舗を置いているのか、【宿屋わかば 第三都市支店】を拠点とし、宿泊を始めた。
【宿屋わかば 第三都市支店】
おかみ:フーリン:恰幅のいい中年女性
料理長:ボグズ:筋肉質な長身の中年男性
フーリンとボグズ夫婦が取り仕切っていると教えてくれた。
そして、もし従魔を手に入れることが出来るなら、一緒に宿泊できるか聞いてみると、大きい場合は厩舎になる。小さくて、部屋を荒らさないものであれば一緒に泊まることが出来ると教えてくれた。
ただし、今まで一度も従魔が泊ったことはないと言う。
ラウールはおかみのフーリンに、魔物の卵の相場はわかるか聞いてみた。
するとフーリンは答えてくれた。
ミスリル金貨1枚以上だと・・・、日本円で1億円以上・・・。
大量に作れると言う薬も、きっと高いものだなと考えながら部屋に移動するラウールとサクラだった。
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