111 / 238
14.勇者?召喚?
勇者召喚が・・・
しおりを挟む
勇者が召喚されたと言う話を聞かないまま、時間が過ぎていった。
ラウールはその間にキソに会うことに成功した。
キソはラウールを見るなり、サワーに「あの者を捕らえろ!」と言った。ラウールは自分がやつあたりしたことが悪かったと考えていたので、動かずにいた。
サワーはラウールを縛ると、目隠しもしてきた。そして何をされるのか、処刑だけは許してほしいと言おうとしたその時・・・、くすぐられた・・・。
それはもう長時間。
ラウールはくすぐったいのもあり涙目になって謝った。
キソは目隠しを外してくれた。そして顔をみるとキソも泣いていた。キソは悪くないのに泣かせてしまってラウールは謝ったが、キソは優しい人だった。お互いに謝罪合戦となり、最後は2人で大笑いし仲直りした。
ラウールは二度と同じことを繰り返さないと、心とキソに誓った。
そして、少し長くこの街に留まろうと思った。
~~~~~~~
勇者召喚の話が聞こえてこない。
あれから更に時間がたち、ウールとの面談もあった。
キソとも何度か会い、リバーシやチェスで対決もした。カードゲームでは意外にサワーが強かった。森に行き、一緒に野草の採取や肉を手に入れた。無事に学園行事の遠征も終わった。
それでもまだ勇者召喚が成功したと言う噂もない。
~~~~~~
ダンジョンや町の外の依頼も積極的にこなし、サクラがBランクの試験も受けた。
思った以上の時間をこの街で過ごし、サクラがBランクに確定し、もうすぐラウールが16歳になると言う辺りで、『ファンフート・テザンが勇者を召喚した。もうすぐ訓練も終わり皆の前に』と言うお触れが街に出た。
「意外に長かったねサクラ。こんなに待つとは思わなかったよ。結局は上手く隠せてたんだね。」
「本当にね。私なんて依頼をこなしすぎて、思った以上に早くBランクになっちゃったよ。」
「僕のランクにもう少しで追い付かれるよ・・・。」
「それよりも今は勇者ね。何人が召喚されたのかしら?」
「噂もないからね~。1人だけだったら、ある程度は強いと思うけど、この世界にいてもいいって本当に思ってるかな?」
「どうだろう? それでも訓練は受けたみたいだし、勇者にそんな無理も言わないと思うけど・・・。どうしたら会えるかしら?」
「それについては僕はちょっと考えてるんだけど、サクラがいいなら協力してほしい。」
「内容によるけど?」
「サクラの見た目は、完全にこの世界では浮いてるよね?」
「そうね、そのまま日本人顔だから。この街ではもうそんなに気にしている人もいなくなったけどね。」
「だから、危険もあるけど、勇者のお披露目の時に、勇者から見える位置に立って、顔もそのままさらしてほしいんだ。それでサクラが危険になったら、僕が守るから・・・。」
「危険って、私も勇者って思われるってこと?」
「そんな感じ。勇者でなくても、何かの関係があるって思われるでしょ。それは貴族にだけでなくて、街の人にも・・・。」
「そうね・・・。街の人も同じような雰囲気の顔だとね・・・。」
そうサクラは話して、不安そうな表情をした。
「だから、優先するのはサクラだ。もし危険なら、転移ででも他の街まで行って逃げるよ。」
「そうね、もし勇者が不幸なら助けになりたいし、自分も危険な目には極力会いたくないし・・・。」
2人は相談して決めた。
勇者の顔を見ること。
勇者が不幸そうな顔をしていないか確認すること。
いかにも乗り気なら、そのまま姿は見せない事。
顔を見せてから誰も接触してこなければ、こちらからは積極的に動かないこと。
情報を得ること。
これらを行い、いざとなったら全力を出すし、転移も使用することに決めた。
~~~~~~
勇者の情報を徐々に表に出してきていた。
勇者は3人。
勇者は黒髪。
勇者は様々な知識を持っている。
勇者は繁栄をもたらす。
勇者は短時間で戦闘力も飛躍的に伸びた。
勇者は召喚した者に忠誠を誓った。
勇者は敵対する者を許さない。
勇者を得た者が次の教皇に相応しいと。
キソからも貴族情報を得ることができた。
貴族には先にお披露目をしていたとようだ。
【勇者1は男:大きく体格もいい:Aランク冒険者との戦いも互角:20歳位の見た目】
【勇者2は女:160cm:痩せた体格:魔法が得意で大規模魔法を覚えた:20歳位の見た目】
【勇者3は男の子:150cm:中肉中背:目立った特徴はないが教わったことはできる:12歳位の見た目】
勇者1と2は口調こそ丁寧だが、皆を見下しているようだった。勇者3はおどおどしており、気弱な印象を受けた。
お披露目はそろそろだと。
そうキソは聞いた話をまとめてくれた。
それを聞いたラウールとサクラは2人で話し合った。
「サクラはここまでの話でどう思った?」
「ん~、よくわからないな。気弱そうに見えても悪い人もいるし、態度がでかくても、実は不安で強がっている人もいるし。やっぱり私が姿を見せるのがいいかな?」
「そうだよね・・、これくらいの情報だとね・・・。じゃあお披露目を待とうか!」
そう2人は決めた。
そしてキソには良くしてもらっているから、今後事情があり、挨拶が出来ないまま旅立つことがあるかもしれないと伝えた。付け加えて、それでもあとできちんと挨拶には行くことも伝えた。
さあ、後はどうなるかな。
ラウールとサクラは今後の展開に不安を感じていた。
ラウールはその間にキソに会うことに成功した。
キソはラウールを見るなり、サワーに「あの者を捕らえろ!」と言った。ラウールは自分がやつあたりしたことが悪かったと考えていたので、動かずにいた。
サワーはラウールを縛ると、目隠しもしてきた。そして何をされるのか、処刑だけは許してほしいと言おうとしたその時・・・、くすぐられた・・・。
それはもう長時間。
ラウールはくすぐったいのもあり涙目になって謝った。
キソは目隠しを外してくれた。そして顔をみるとキソも泣いていた。キソは悪くないのに泣かせてしまってラウールは謝ったが、キソは優しい人だった。お互いに謝罪合戦となり、最後は2人で大笑いし仲直りした。
ラウールは二度と同じことを繰り返さないと、心とキソに誓った。
そして、少し長くこの街に留まろうと思った。
~~~~~~~
勇者召喚の話が聞こえてこない。
あれから更に時間がたち、ウールとの面談もあった。
キソとも何度か会い、リバーシやチェスで対決もした。カードゲームでは意外にサワーが強かった。森に行き、一緒に野草の採取や肉を手に入れた。無事に学園行事の遠征も終わった。
それでもまだ勇者召喚が成功したと言う噂もない。
~~~~~~
ダンジョンや町の外の依頼も積極的にこなし、サクラがBランクの試験も受けた。
思った以上の時間をこの街で過ごし、サクラがBランクに確定し、もうすぐラウールが16歳になると言う辺りで、『ファンフート・テザンが勇者を召喚した。もうすぐ訓練も終わり皆の前に』と言うお触れが街に出た。
「意外に長かったねサクラ。こんなに待つとは思わなかったよ。結局は上手く隠せてたんだね。」
「本当にね。私なんて依頼をこなしすぎて、思った以上に早くBランクになっちゃったよ。」
「僕のランクにもう少しで追い付かれるよ・・・。」
「それよりも今は勇者ね。何人が召喚されたのかしら?」
「噂もないからね~。1人だけだったら、ある程度は強いと思うけど、この世界にいてもいいって本当に思ってるかな?」
「どうだろう? それでも訓練は受けたみたいだし、勇者にそんな無理も言わないと思うけど・・・。どうしたら会えるかしら?」
「それについては僕はちょっと考えてるんだけど、サクラがいいなら協力してほしい。」
「内容によるけど?」
「サクラの見た目は、完全にこの世界では浮いてるよね?」
「そうね、そのまま日本人顔だから。この街ではもうそんなに気にしている人もいなくなったけどね。」
「だから、危険もあるけど、勇者のお披露目の時に、勇者から見える位置に立って、顔もそのままさらしてほしいんだ。それでサクラが危険になったら、僕が守るから・・・。」
「危険って、私も勇者って思われるってこと?」
「そんな感じ。勇者でなくても、何かの関係があるって思われるでしょ。それは貴族にだけでなくて、街の人にも・・・。」
「そうね・・・。街の人も同じような雰囲気の顔だとね・・・。」
そうサクラは話して、不安そうな表情をした。
「だから、優先するのはサクラだ。もし危険なら、転移ででも他の街まで行って逃げるよ。」
「そうね、もし勇者が不幸なら助けになりたいし、自分も危険な目には極力会いたくないし・・・。」
2人は相談して決めた。
勇者の顔を見ること。
勇者が不幸そうな顔をしていないか確認すること。
いかにも乗り気なら、そのまま姿は見せない事。
顔を見せてから誰も接触してこなければ、こちらからは積極的に動かないこと。
情報を得ること。
これらを行い、いざとなったら全力を出すし、転移も使用することに決めた。
~~~~~~
勇者の情報を徐々に表に出してきていた。
勇者は3人。
勇者は黒髪。
勇者は様々な知識を持っている。
勇者は繁栄をもたらす。
勇者は短時間で戦闘力も飛躍的に伸びた。
勇者は召喚した者に忠誠を誓った。
勇者は敵対する者を許さない。
勇者を得た者が次の教皇に相応しいと。
キソからも貴族情報を得ることができた。
貴族には先にお披露目をしていたとようだ。
【勇者1は男:大きく体格もいい:Aランク冒険者との戦いも互角:20歳位の見た目】
【勇者2は女:160cm:痩せた体格:魔法が得意で大規模魔法を覚えた:20歳位の見た目】
【勇者3は男の子:150cm:中肉中背:目立った特徴はないが教わったことはできる:12歳位の見た目】
勇者1と2は口調こそ丁寧だが、皆を見下しているようだった。勇者3はおどおどしており、気弱な印象を受けた。
お披露目はそろそろだと。
そうキソは聞いた話をまとめてくれた。
それを聞いたラウールとサクラは2人で話し合った。
「サクラはここまでの話でどう思った?」
「ん~、よくわからないな。気弱そうに見えても悪い人もいるし、態度がでかくても、実は不安で強がっている人もいるし。やっぱり私が姿を見せるのがいいかな?」
「そうだよね・・、これくらいの情報だとね・・・。じゃあお披露目を待とうか!」
そう2人は決めた。
そしてキソには良くしてもらっているから、今後事情があり、挨拶が出来ないまま旅立つことがあるかもしれないと伝えた。付け加えて、それでもあとできちんと挨拶には行くことも伝えた。
さあ、後はどうなるかな。
ラウールとサクラは今後の展開に不安を感じていた。
20
お気に入りに追加
2,751
あなたにおすすめの小説
灯る透明の染色方法
ナナシマイ
ファンタジー
時波の世界にまだ聖人が存在していた時代。世界がやわらかで、理はよく揺らぎ、不安定だった時代。
穏やかな魔女と苛烈な聖人は出会い、そして突然に婚姻を結ぶ。
――ちょうどよかったんだ。俺はどこかの国に肩入れする気はまったくないからな。
――あなたの事情に巻き込まないでください。わたしは静謐の魔女。騒がしいのは好みません。戦なんて、もってのほかです。
静謐と戦火。正反対ともいえる性質を持つふたり。
しかし魔女と聖人が一度結んだ繋ぎは解くことができない。好まない戦の要素を削ろうにも、婚姻によって紐づいてしまった自身の要素を崩すわけにもいかない。
静謐と戦火の繋ぎは成されたのだ。
しかたなく伴侶としての役目を果たすことにした静謐の魔女は、肌に合わぬ要素を最小限に抑えるため、友である明星黒竜たちに協力を仰ぎ魔法具を作ることにした――。
迷子が趣味な魔女と、国落としに精を出す聖人。
世話焼きお父さんな冬の竜と、貢物でレストランを営む秋の竜。
これは、最後の聖人を育んだ人ならざる者たちが紡ぐ、対話と幸福についての物語である。
転生貴族の異世界無双生活
guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。
彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。
その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか!
ハーレム弱めです。
隠しスキルを手に入れた俺のうぬ惚れ人生
紅柄ねこ(Bengara Neko)
ファンタジー
【更新をやめております。外部URLの作品3章から読み直していただければ一応完結までお読みいただけます】
https://ncode.syosetu.com/n1436fa/
アウロス暦1280年、この世界は大きな二つの勢力に分かれこの後20年に渡る長き戦の時代へと移っていった
リチャード=アウロス国王率いる王国騎士団、周辺の多種族を率いて大帝国を名乗っていた帝国軍
長き戦は、皇帝ジークフリードが崩御されたことにより決着がつき
後に帝国に組していた複数の種族がその種を絶やすことになっていった
アウロス暦1400年、長き戦から100年の月日が流れ
世界はサルヴァン=アウロス国王に統治され、魔物達の闊歩するこの世界は複数のダンジョンと冒険者ギルドによって均衡が保たれていた
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない
兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活
ゼウママ
ファンタジー
50歳目前、突然異世界生活が始まる事に。原因は良く聞く神様のミス。私の身にこんな事が起こるなんて…。
「ごめんなさい!もう戻る事も出来ないから、この世界で楽しく過ごして下さい。」と、言われたのでゆっくり生活をする事にした。
現役看護婦の私のゆっくりとしたどたばた異世界生活が始まった。
ゆっくり更新です。はじめての投稿です。
誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる