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12.ロムビドの街でできた用事
速い移動手段
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小さな町や村を通り、移動馬車の護衛をしながら、移動馬車を乗り換えながら順調に旅は続いた。
今回の旅では、ゴブリンや、一角ウサギ、ボアなど、弱い魔物が出現した。
いつもの旅であればほとんどない魔物との遭遇であり、弱いとはいえラウール達の働きがないと、途中で全滅している恐れもあった。
魔物は一般人にとっては手ごわいのである。
そして馬車にはいろいろな人たちも乗車し、ラウール達は警戒しながらも会話を楽しんでいた。
この世界に来てからの2人は、地球にいた時より人と話していると感じている。ラウールは人相手の仕事で、仕事では会話が多かったが、普段は人とあまり話す人ではなかった。
サクラも生い立ちで、親以外とはほとんど話すこともなく生活していた。
だから、今のこの状態は不思議でもあり、楽しくもあり、貴重な経験をしていると感じていた。
~~~~~~~~~
「馬車以外で、歩くより早く移動する方法ってありますか?」
そうサクラは隣に座ったベテランそうな冒険者に話しかけた。
「移動か・・・。移動時間は冒険者にとっても厄介な問題だからな。依頼場所に早く着く。次の町への移動を早くする。できるだけ多くに依頼を受ける、まじめな冒険者にとっては知りたい情報だな。」
「そうなんです。移動が楽になれば、旅も楽に、楽しくなりますしね。今までどんな移動方法をもった冒険者を見ていますか?」
「ん~、まずは今乗っている馬車が一般的だな。そして、一番できなそうなものが転移の魔法だな。これは伝説だ。」
出来てしまう2人がここにいる・・・。
「後は、馬、羊、牛そのあたりに載っているやつも見かけたことはあるな。」
「それは確かに見たことがありますね。」
牛に載って移動している人にはびっくりしたけど、人が歩くよりは早かった。
「速く走る!」
ま~人より早く、長く走れますけど・・・。
「珍しいところでは、魔物に載っているやつかな?」
きた~~!!
とサクラは心の中で叫んだ
「魔物に乗れるんですか?」
「そうなんだ。乗っているやつに聞いてみたら、魔物が生まれた時から一緒にいて、魔物が大きくなったら乗せてくれようだ。そして、なんとなく意思の疎通ができるらしい。」
「生まれたてでないと駄目ですか?」
「時々魔物になつかれる人もいるらしい。これは聞いた話だが、弱っている魔物を助けた時や、相性がすごくいいときは、相手から何かを訴えて来るそうだ。」
「相手から?(テイム?)何かきっかけがあるんですね。例えばどんな魔物に乗っている人がいるかわかりますか?」
「ドラゴン・・・、は聞いたことがない。魔物は狼種、馬種あたりか。他の動物型の魔物は大きすぎるらしい。あとは、鳥類も聞いたことがあるな。ただ、乗り心地は悪いらしい。」
鳥・・・、酔いそう。
「あ~あと、どこかの魔術師の話だが、ゴーレムを移動手段にしたらしいぞ。ただ、ゴーレムを作成し、魔力も移動中は常に注ぐらしく、早いが、ほとんど先に進めなかったようだが。」
ゴーレム!!
ラウールができるようにならないかな?
「ねえラウール?ゴーレムって良くない?」
いきなり話を振られたラウールは声が出ない。そして、ここで言うなと言ってやりたい。
「サクラ?魔法がもっとできるようになってからね(あまり使えると言わないで)。いつかはできるといいね。」
それでもラウールもいい情報をもらえたと、次の食事の時は、アイテムボックスXからいい肉を取り出し、焼いてごちそうした。
~~~~~~~~~~~~~~~
そこからも順調に先に進んだ。魔物は相変わらず弱いが、今までより数が多く出現する。
時々馬車の中のメンバーが変わりながらも、穏やかに過ごしていた。
「ねえサクラ?そういえば料理は得意なの?」
サクラは少し考えてから、
「そうね、前世で料理は毎日してたから得意だと思うよ。だけどこの世界ではあまりしてないかな・・・。テンプレで調味料にチャレンジした。いくらか素材の味見はした。それでもまだ積極的に作りたいとは思わないの。」
ラウールは話題を失敗したと思ったが、ここで聞かなくなっても不自然なので、もう少しだけ続けた。
「いつか和食風の料理が食べたくて。近い物はあるし、コメもある。だけど、何かが違う感じがしたから、サクラの料理なら満足するかと思って。」
「ん~、ラウールのためならそのうち作ってみよっかな?ただ、あまり期待しないでね。」
そう言いながらも、先ほどの暗い表情とは違い、心なしか笑顔が見えた。
~~~~~~~~~~~~~
もう少しでロムビドの街に付く。ここまで来たら、夕方には宿屋で休めると期待していた。
そして少しだけ他の馬車が見え始めたとき、前方が騒がしくなってきた。
今回の旅では、ゴブリンや、一角ウサギ、ボアなど、弱い魔物が出現した。
いつもの旅であればほとんどない魔物との遭遇であり、弱いとはいえラウール達の働きがないと、途中で全滅している恐れもあった。
魔物は一般人にとっては手ごわいのである。
そして馬車にはいろいろな人たちも乗車し、ラウール達は警戒しながらも会話を楽しんでいた。
この世界に来てからの2人は、地球にいた時より人と話していると感じている。ラウールは人相手の仕事で、仕事では会話が多かったが、普段は人とあまり話す人ではなかった。
サクラも生い立ちで、親以外とはほとんど話すこともなく生活していた。
だから、今のこの状態は不思議でもあり、楽しくもあり、貴重な経験をしていると感じていた。
~~~~~~~~~
「馬車以外で、歩くより早く移動する方法ってありますか?」
そうサクラは隣に座ったベテランそうな冒険者に話しかけた。
「移動か・・・。移動時間は冒険者にとっても厄介な問題だからな。依頼場所に早く着く。次の町への移動を早くする。できるだけ多くに依頼を受ける、まじめな冒険者にとっては知りたい情報だな。」
「そうなんです。移動が楽になれば、旅も楽に、楽しくなりますしね。今までどんな移動方法をもった冒険者を見ていますか?」
「ん~、まずは今乗っている馬車が一般的だな。そして、一番できなそうなものが転移の魔法だな。これは伝説だ。」
出来てしまう2人がここにいる・・・。
「後は、馬、羊、牛そのあたりに載っているやつも見かけたことはあるな。」
「それは確かに見たことがありますね。」
牛に載って移動している人にはびっくりしたけど、人が歩くよりは早かった。
「速く走る!」
ま~人より早く、長く走れますけど・・・。
「珍しいところでは、魔物に載っているやつかな?」
きた~~!!
とサクラは心の中で叫んだ
「魔物に乗れるんですか?」
「そうなんだ。乗っているやつに聞いてみたら、魔物が生まれた時から一緒にいて、魔物が大きくなったら乗せてくれようだ。そして、なんとなく意思の疎通ができるらしい。」
「生まれたてでないと駄目ですか?」
「時々魔物になつかれる人もいるらしい。これは聞いた話だが、弱っている魔物を助けた時や、相性がすごくいいときは、相手から何かを訴えて来るそうだ。」
「相手から?(テイム?)何かきっかけがあるんですね。例えばどんな魔物に乗っている人がいるかわかりますか?」
「ドラゴン・・・、は聞いたことがない。魔物は狼種、馬種あたりか。他の動物型の魔物は大きすぎるらしい。あとは、鳥類も聞いたことがあるな。ただ、乗り心地は悪いらしい。」
鳥・・・、酔いそう。
「あ~あと、どこかの魔術師の話だが、ゴーレムを移動手段にしたらしいぞ。ただ、ゴーレムを作成し、魔力も移動中は常に注ぐらしく、早いが、ほとんど先に進めなかったようだが。」
ゴーレム!!
ラウールができるようにならないかな?
「ねえラウール?ゴーレムって良くない?」
いきなり話を振られたラウールは声が出ない。そして、ここで言うなと言ってやりたい。
「サクラ?魔法がもっとできるようになってからね(あまり使えると言わないで)。いつかはできるといいね。」
それでもラウールもいい情報をもらえたと、次の食事の時は、アイテムボックスXからいい肉を取り出し、焼いてごちそうした。
~~~~~~~~~~~~~~~
そこからも順調に先に進んだ。魔物は相変わらず弱いが、今までより数が多く出現する。
時々馬車の中のメンバーが変わりながらも、穏やかに過ごしていた。
「ねえサクラ?そういえば料理は得意なの?」
サクラは少し考えてから、
「そうね、前世で料理は毎日してたから得意だと思うよ。だけどこの世界ではあまりしてないかな・・・。テンプレで調味料にチャレンジした。いくらか素材の味見はした。それでもまだ積極的に作りたいとは思わないの。」
ラウールは話題を失敗したと思ったが、ここで聞かなくなっても不自然なので、もう少しだけ続けた。
「いつか和食風の料理が食べたくて。近い物はあるし、コメもある。だけど、何かが違う感じがしたから、サクラの料理なら満足するかと思って。」
「ん~、ラウールのためならそのうち作ってみよっかな?ただ、あまり期待しないでね。」
そう言いながらも、先ほどの暗い表情とは違い、心なしか笑顔が見えた。
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もう少しでロムビドの街に付く。ここまで来たら、夕方には宿屋で休めると期待していた。
そして少しだけ他の馬車が見え始めたとき、前方が騒がしくなってきた。
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