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第三章 上を目指して
第九十六話 Aランクへのランクアップ試験の開始
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僕達は達成できた依頼分の報酬を得てから、ゆっくりとした時間を過ごした。
特にヤマトはクロウと世界を飛び回り、クロウに頼んだら何処にでも転移できるのではないかと思うほどだった。
……
……
そして休養を終えて僕達は冒険者ギルドから指定された所に移動した。
ここに今回の臨時組織が出来て、一緒に依頼をこなすことが試験だと言う。
……
僕達が集合場所についてから少しすると、冒険者と思われるパーティーが二組、騎士と兵士が三十人、合わせて五十人ほどの集団となった。
そこに試験官だろう人も現れて、課題が出された……
……今回の僕達に課せられた試験は……オークの集落、百匹まではいかない程度の集落の殲滅だった。
「オーク百匹? 我行ってくる?」
「ちょいちょい、駄目だよクロウ……僕達皆でやらなきゃいけないからね。」
何か僕達だと一人で十分な試験だが、連携力も見ているだろう試験だから、きちんと皆でやらないとね!
……
「それではこれから作戦を開始するが、指揮官はこの騎士である私……ロビンソンが指揮をとるからよろしく頼む。」
フム……普通そうだな。
騎士は能力が高いほど人柄も良い気がする。
そこから自己紹介が始まった。
冒険者も兵士も騎士も何か普通で、突出した人がいない印象だ。
まーー冒険者にはもちろん距離をおかれたから正直、能力以外はよくわからないが……
……
そこから目的地にも特に強敵とも会わずに移動したが、目的の魔物の集落が駄目だ……
誰かが偵察したのだろうが、奥にいる……三体はこの中の強い方の人でも、集団でかかっても勝てなそうだ……
……んーー何故オーク系ではなくて他の種族がボス的な位置いるのだ。
だがこれも試験の内かもしれないので、皆と情報を共有しておくかな。
「ロビンソンさん。奥にいる三匹はただのオークとは格が違いますよ。慎重に行きましょう。」
「ん……あーー今回最年少の黒猫か……。うん、Aランクへのランクアップ試験を受けるのだから実力はあるのだろうけど、私達にも斥候がいるから、情報を待とう。」
「おい……あの騎士……黒猫にあんな事を言ってるぜ……」
「あーーまだ騎士までは黒猫の噂は届いていないんだろうぜ……」
「あーー私達は黒猫の情報を信用して警戒しておきましょ!」
「ああもちろんだ。あの黒猫が言ってるんだからな。」
んーー小声だけど聞こえてるよ……
まーー警戒してくれるだけ良いか……
「オークの集団が相手で緊張しているかもしれないが、連携と個人の戦闘力を確認するんだから、一先ずは私の指揮にしたがってくれ。」
「あーーはい……でも壊滅しそうだったら僕達は単独でも動くからね。」
「んな! ……ふーーわかったよ。まーーそんな事態にはならないだろうがな。私達も試されている立場だから慎重に行動するからな。」
んーーまーー今はこれくらいで良いか。
……
僕達は騎士の指示に従って徐々にオークの集落に近づく。
「では我ら騎士が先頭で攻撃を防いでいく。兵士らは我らが攻撃を防いだオークを攻撃ーー。冒険者諸君は遊撃だ。弱っているオークを倒してくれ。……おそらく数を考えると持久戦になると思うから、各自力の配分を気を付けて……では……行くぞ!」
このロビンソンの声で戦いが始まった。
前衛が騎士で大楯を構えオークの攻撃を防ぎ、兵士が上手く攻撃を当てている。
ちまちまちまちま
ちまちまちまちま
小さく傷をつけては下がり、オークの攻撃が怯んだときに先に少し進む。
そんな行動を繰り返していて、僕達も付き合ってちまちまちまちまやっていたが……めんどくさい。
だがここで……いや、だからこそ一気に戦況を変える戦力がいても……
んーー冒険者ランクは上げていきたい。僕達の生活を楽しくするモチベーションを保つものだ。良い目安を易々とは手離したくはない……
……
……
んーーちょっとだけ、一寸だけ僕達の集団が戦いやすいように……
んーーーー「大地炸裂!」
僕が魔法を唱えると、オークのいる範囲の足場が砂利、土は凸凹になり足がとられる状況になった。
するとロビンソンは「今だ! 遠距離攻撃が得意な人間は、なんでも良い攻撃だ!」と事前の打ち合わせにない事を叫んだ。
まーー僕も撃って出るなら味方も足がとられる状況にしてしまったから、魔法で攻撃はするが……
騎士は剣から弓に装備を持ち替えて矢を打つ。
冒険者は警戒しながら無理のない魔力で魔法を放つ。
どちらも突出せずに攻撃し始めたので、まーー結果が良ければ……
足場が悪いオークはやられるばかりで反撃が出来ていなかった。多数のオークを上手く殺っていく……
だがオークの数が減っていくと、強い魔物が前線に加わるように移動してきた。
決定的な数の差が出る前に前線に加わりそうだ。
「電撃!」と気配を察知しているソフィアが魔法を放つ。
「地面から槍!」とクロウが凸凹の土を使い攻撃する。
「ドッセーーーイ!」とヤマトが……あの体で地面にひびを入れながら肉弾戦闘で、爪で切り裂いていく。
……奥の気配が前線に加わる前にほぼオークを倒しきった。だがそこにハイオークが二匹と…………まーー今度は……オーク人間が現れた……
体はオーク、心は……出はなくて、顔は人間……これまたイケメンではなくて、普通の人間族の顔だが、魔人?が現れた。
この魔人も平均ステータスは高く、ロード種並みに強い感じだった。
んーー流石にAランク冒険者へのランクアップ試験では厳しい条件ではないかなと感じて騎士を見たが、想定外だったのか、動きが止まっていた。
特にヤマトはクロウと世界を飛び回り、クロウに頼んだら何処にでも転移できるのではないかと思うほどだった。
……
……
そして休養を終えて僕達は冒険者ギルドから指定された所に移動した。
ここに今回の臨時組織が出来て、一緒に依頼をこなすことが試験だと言う。
……
僕達が集合場所についてから少しすると、冒険者と思われるパーティーが二組、騎士と兵士が三十人、合わせて五十人ほどの集団となった。
そこに試験官だろう人も現れて、課題が出された……
……今回の僕達に課せられた試験は……オークの集落、百匹まではいかない程度の集落の殲滅だった。
「オーク百匹? 我行ってくる?」
「ちょいちょい、駄目だよクロウ……僕達皆でやらなきゃいけないからね。」
何か僕達だと一人で十分な試験だが、連携力も見ているだろう試験だから、きちんと皆でやらないとね!
……
「それではこれから作戦を開始するが、指揮官はこの騎士である私……ロビンソンが指揮をとるからよろしく頼む。」
フム……普通そうだな。
騎士は能力が高いほど人柄も良い気がする。
そこから自己紹介が始まった。
冒険者も兵士も騎士も何か普通で、突出した人がいない印象だ。
まーー冒険者にはもちろん距離をおかれたから正直、能力以外はよくわからないが……
……
そこから目的地にも特に強敵とも会わずに移動したが、目的の魔物の集落が駄目だ……
誰かが偵察したのだろうが、奥にいる……三体はこの中の強い方の人でも、集団でかかっても勝てなそうだ……
……んーー何故オーク系ではなくて他の種族がボス的な位置いるのだ。
だがこれも試験の内かもしれないので、皆と情報を共有しておくかな。
「ロビンソンさん。奥にいる三匹はただのオークとは格が違いますよ。慎重に行きましょう。」
「ん……あーー今回最年少の黒猫か……。うん、Aランクへのランクアップ試験を受けるのだから実力はあるのだろうけど、私達にも斥候がいるから、情報を待とう。」
「おい……あの騎士……黒猫にあんな事を言ってるぜ……」
「あーーまだ騎士までは黒猫の噂は届いていないんだろうぜ……」
「あーー私達は黒猫の情報を信用して警戒しておきましょ!」
「ああもちろんだ。あの黒猫が言ってるんだからな。」
んーー小声だけど聞こえてるよ……
まーー警戒してくれるだけ良いか……
「オークの集団が相手で緊張しているかもしれないが、連携と個人の戦闘力を確認するんだから、一先ずは私の指揮にしたがってくれ。」
「あーーはい……でも壊滅しそうだったら僕達は単独でも動くからね。」
「んな! ……ふーーわかったよ。まーーそんな事態にはならないだろうがな。私達も試されている立場だから慎重に行動するからな。」
んーーまーー今はこれくらいで良いか。
……
僕達は騎士の指示に従って徐々にオークの集落に近づく。
「では我ら騎士が先頭で攻撃を防いでいく。兵士らは我らが攻撃を防いだオークを攻撃ーー。冒険者諸君は遊撃だ。弱っているオークを倒してくれ。……おそらく数を考えると持久戦になると思うから、各自力の配分を気を付けて……では……行くぞ!」
このロビンソンの声で戦いが始まった。
前衛が騎士で大楯を構えオークの攻撃を防ぎ、兵士が上手く攻撃を当てている。
ちまちまちまちま
ちまちまちまちま
小さく傷をつけては下がり、オークの攻撃が怯んだときに先に少し進む。
そんな行動を繰り返していて、僕達も付き合ってちまちまちまちまやっていたが……めんどくさい。
だがここで……いや、だからこそ一気に戦況を変える戦力がいても……
んーー冒険者ランクは上げていきたい。僕達の生活を楽しくするモチベーションを保つものだ。良い目安を易々とは手離したくはない……
……
……
んーーちょっとだけ、一寸だけ僕達の集団が戦いやすいように……
んーーーー「大地炸裂!」
僕が魔法を唱えると、オークのいる範囲の足場が砂利、土は凸凹になり足がとられる状況になった。
するとロビンソンは「今だ! 遠距離攻撃が得意な人間は、なんでも良い攻撃だ!」と事前の打ち合わせにない事を叫んだ。
まーー僕も撃って出るなら味方も足がとられる状況にしてしまったから、魔法で攻撃はするが……
騎士は剣から弓に装備を持ち替えて矢を打つ。
冒険者は警戒しながら無理のない魔力で魔法を放つ。
どちらも突出せずに攻撃し始めたので、まーー結果が良ければ……
足場が悪いオークはやられるばかりで反撃が出来ていなかった。多数のオークを上手く殺っていく……
だがオークの数が減っていくと、強い魔物が前線に加わるように移動してきた。
決定的な数の差が出る前に前線に加わりそうだ。
「電撃!」と気配を察知しているソフィアが魔法を放つ。
「地面から槍!」とクロウが凸凹の土を使い攻撃する。
「ドッセーーーイ!」とヤマトが……あの体で地面にひびを入れながら肉弾戦闘で、爪で切り裂いていく。
……奥の気配が前線に加わる前にほぼオークを倒しきった。だがそこにハイオークが二匹と…………まーー今度は……オーク人間が現れた……
体はオーク、心は……出はなくて、顔は人間……これまたイケメンではなくて、普通の人間族の顔だが、魔人?が現れた。
この魔人も平均ステータスは高く、ロード種並みに強い感じだった。
んーー流石にAランク冒険者へのランクアップ試験では厳しい条件ではないかなと感じて騎士を見たが、想定外だったのか、動きが止まっていた。
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