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第二章 冒険者活動
第四十五話 騎士見習い達の実力
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「せっ!!」
と男リーダーが斬りかかってきた。
歳のわりには鋭い斬り込みだ!
だが僕は余裕をもって避ける。
何度も斬り込んで来るが何度も避ける。
避けまくっているうちにサクラは戦いが終了したようだ。
女グループは冒険者で考えると、才能がありそうな人が今でCランクくらいかな。
平均すると、流石に同じくらいの歳の冒険者よりは強いかな。
目の前の男リーダーもCランクくらいはあるかな?
って僕達もCランク! 同じランクに上から目線だね!
と考え事は止めておいて、そろそろ体力的に限界か? 全力で斬り込んできて、全く当たらないのは、意外に疲れるしね。
「よし、じゃあこの攻撃を受け止めてね!」
僕は剣を折るように攻撃する。素材は同じ剣なので、実力差を知らしめるには丁度良いだろう。
男リーダーの攻撃をもう一度避けて、剣を振るう!
ポキッ!
簡単に剣が折れ、この戦闘を続けられない程度には心も折れたのだろう。
「参りました……」
と息切れしながら頭を下げた。
「……さす……がに……当たりも……しませんか……」
膝に手を当て頭が下がっている。
大分疲れたな。
「これでも鍛えてるからね。プッチモ王子に鍛えてって言われて、君達と同じような実力じゃあ不味いでしょ。さあ、残りの人の実力も確認しようか?」
僕の言葉の後には順番に男グループが攻撃を仕掛けてきた。
順番を守り一人一人と戦う。
この中ではやはり男リーダーが一番実力があるかな。
騎士見習いだけあって、鍛えられてはいるね。
あとでサクラやクロウと話をして、騎士見習いの教育方針を考えよう。
僕がそうやって考え事をしているところに、サクラやクロウ、プッチモ王子が側に移動して来た。
「やっぱり強いな君たちは! 次は俺とやるぞ! 流石に俺は見習い達よりは強いからな!」
「私達から見たら、そんなに変わらないわよ!」
「……まーーそう言うなって! サクラと比べたら弱いが、普通の人間の中でなら強いぞ! 君達は人間族の進化種だろ? 大きな声では聞かないが。」
十分大きい声だよ!
「そこは……一応言っておきますけど……人族? ですよ。」
小声で答えておいた。一応?でも人族表示だし……
「なんと! ではまだ強くなるのか!」
ん? 初めから進化種と表れるのではなく、魔物と一緒で進化して始めて表示されるのか?
「そもそも進化種って何?」
「人間族の進化は、条件はハッキリしないが、何かのきっかけで進化するのだ。まーいきなり強くなったと思ったら、ステータスに表示されているんだ。あとは、弱かった者が何かのきっかけで化けた場合も同じだな。ごく稀に英雄と呼ばれる人間が出現するが、その者達は初めから進化種として産まれるようだ。」
「ふーん。何となく勉強になったよ。その知識はなかった。じゃあ、Sランク冒険者は進化種が多いの?」
「そうだな。Sランクになるような冒険者は進化する可能性があるな。そして進化した場合は、ドラゴンを一人で討伐出きるほどに強いぞ。今はファンフート王国に数人程度はいたはずだ。……だが騎士も負けてはいないぞ! 国境に位置する町や都市にいる騎士には、進化種に至った者もいるぞ!」
プッチモ王子は後半は大きな声で話した。
前半の話の内容は騎士見習いには聞こえなかったようだが、後半のプッチモ王子の話で騎士見習いも盛り上がり始めた。
「一度は会ってみたいね。他にファンフート王国で強い者は誰?」
プッチモ王子が少し考えたようだが、話し始めた。
「学園長は強いな……んーーあとは……ホワイティアも強いぞ! 彼女はエルフだから、人間の進化種とは違うが……」
へーーホワイティアも強いんだ!
統括する役目だから前線には出なかったけど、一度は見てみたいな戦っている姿を。
「ありがとう色々と教えてもらって……じゃあ殺る?」
「おい! 何か不吉な殺る……だったように聞こえたぞ! 俺が殺られたら君達は王国に追われるだろ! 模擬戦だよ!」
「ゴメンゴメン……じゃあ僕達は三人で攻撃しても……」
「ダメに決まってるだろ! ラウール一人だけで相手をしてくれ!」
「わかってますよーー。ちなみにプッチモ王子は僕達から何を習いたいですか? 武器による戦闘? 素手? 魔法?」
プッチモ王子は考えている。
「……どれかと言うと、全部かな? だが、魔法は苦手だから、もう少し魔法が上手く使えるようになりたい。……これでも宮廷魔法使いには師事したが、大剣を使った攻撃ほどは強くないな。……だけどそうなるとサクラと戦った方が良いのか?」
「いえ、僕達はどれでも同じくらいの強さなので、僕でもいけますよ。……だけど才能はサクラか? んーークロウが一番か? いや、僕くらいが一番良いですね。手加減の意味では……」
「私だって手加減くらい出来るわよラウール!」
「我だって死ぬギリギリで止められるよ!」
「いや! 私の方がギリギリを攻められるわよ! 死ぬ一歩前で!」
「我なんて死ぬ直前で止められるよ!」
…………
「プッチモ王子……こんなことを言っていますけど……」
……
「さあ! ラウールやるぞ!」
プッチモ王子は僕に向かって大剣を構えた。
「じゃあ出来るだけ魔法で攻撃するので、やられて嫌だったことを次から練習しましょう! 僕なら上手く当てないようにしますからねーー」
なかなか話が進まなかったが、ようやくプッチモ王子との模擬戦が始まった……
と男リーダーが斬りかかってきた。
歳のわりには鋭い斬り込みだ!
だが僕は余裕をもって避ける。
何度も斬り込んで来るが何度も避ける。
避けまくっているうちにサクラは戦いが終了したようだ。
女グループは冒険者で考えると、才能がありそうな人が今でCランクくらいかな。
平均すると、流石に同じくらいの歳の冒険者よりは強いかな。
目の前の男リーダーもCランクくらいはあるかな?
って僕達もCランク! 同じランクに上から目線だね!
と考え事は止めておいて、そろそろ体力的に限界か? 全力で斬り込んできて、全く当たらないのは、意外に疲れるしね。
「よし、じゃあこの攻撃を受け止めてね!」
僕は剣を折るように攻撃する。素材は同じ剣なので、実力差を知らしめるには丁度良いだろう。
男リーダーの攻撃をもう一度避けて、剣を振るう!
ポキッ!
簡単に剣が折れ、この戦闘を続けられない程度には心も折れたのだろう。
「参りました……」
と息切れしながら頭を下げた。
「……さす……がに……当たりも……しませんか……」
膝に手を当て頭が下がっている。
大分疲れたな。
「これでも鍛えてるからね。プッチモ王子に鍛えてって言われて、君達と同じような実力じゃあ不味いでしょ。さあ、残りの人の実力も確認しようか?」
僕の言葉の後には順番に男グループが攻撃を仕掛けてきた。
順番を守り一人一人と戦う。
この中ではやはり男リーダーが一番実力があるかな。
騎士見習いだけあって、鍛えられてはいるね。
あとでサクラやクロウと話をして、騎士見習いの教育方針を考えよう。
僕がそうやって考え事をしているところに、サクラやクロウ、プッチモ王子が側に移動して来た。
「やっぱり強いな君たちは! 次は俺とやるぞ! 流石に俺は見習い達よりは強いからな!」
「私達から見たら、そんなに変わらないわよ!」
「……まーーそう言うなって! サクラと比べたら弱いが、普通の人間の中でなら強いぞ! 君達は人間族の進化種だろ? 大きな声では聞かないが。」
十分大きい声だよ!
「そこは……一応言っておきますけど……人族? ですよ。」
小声で答えておいた。一応?でも人族表示だし……
「なんと! ではまだ強くなるのか!」
ん? 初めから進化種と表れるのではなく、魔物と一緒で進化して始めて表示されるのか?
「そもそも進化種って何?」
「人間族の進化は、条件はハッキリしないが、何かのきっかけで進化するのだ。まーいきなり強くなったと思ったら、ステータスに表示されているんだ。あとは、弱かった者が何かのきっかけで化けた場合も同じだな。ごく稀に英雄と呼ばれる人間が出現するが、その者達は初めから進化種として産まれるようだ。」
「ふーん。何となく勉強になったよ。その知識はなかった。じゃあ、Sランク冒険者は進化種が多いの?」
「そうだな。Sランクになるような冒険者は進化する可能性があるな。そして進化した場合は、ドラゴンを一人で討伐出きるほどに強いぞ。今はファンフート王国に数人程度はいたはずだ。……だが騎士も負けてはいないぞ! 国境に位置する町や都市にいる騎士には、進化種に至った者もいるぞ!」
プッチモ王子は後半は大きな声で話した。
前半の話の内容は騎士見習いには聞こえなかったようだが、後半のプッチモ王子の話で騎士見習いも盛り上がり始めた。
「一度は会ってみたいね。他にファンフート王国で強い者は誰?」
プッチモ王子が少し考えたようだが、話し始めた。
「学園長は強いな……んーーあとは……ホワイティアも強いぞ! 彼女はエルフだから、人間の進化種とは違うが……」
へーーホワイティアも強いんだ!
統括する役目だから前線には出なかったけど、一度は見てみたいな戦っている姿を。
「ありがとう色々と教えてもらって……じゃあ殺る?」
「おい! 何か不吉な殺る……だったように聞こえたぞ! 俺が殺られたら君達は王国に追われるだろ! 模擬戦だよ!」
「ゴメンゴメン……じゃあ僕達は三人で攻撃しても……」
「ダメに決まってるだろ! ラウール一人だけで相手をしてくれ!」
「わかってますよーー。ちなみにプッチモ王子は僕達から何を習いたいですか? 武器による戦闘? 素手? 魔法?」
プッチモ王子は考えている。
「……どれかと言うと、全部かな? だが、魔法は苦手だから、もう少し魔法が上手く使えるようになりたい。……これでも宮廷魔法使いには師事したが、大剣を使った攻撃ほどは強くないな。……だけどそうなるとサクラと戦った方が良いのか?」
「いえ、僕達はどれでも同じくらいの強さなので、僕でもいけますよ。……だけど才能はサクラか? んーークロウが一番か? いや、僕くらいが一番良いですね。手加減の意味では……」
「私だって手加減くらい出来るわよラウール!」
「我だって死ぬギリギリで止められるよ!」
「いや! 私の方がギリギリを攻められるわよ! 死ぬ一歩前で!」
「我なんて死ぬ直前で止められるよ!」
…………
「プッチモ王子……こんなことを言っていますけど……」
……
「さあ! ラウールやるぞ!」
プッチモ王子は僕に向かって大剣を構えた。
「じゃあ出来るだけ魔法で攻撃するので、やられて嫌だったことを次から練習しましょう! 僕なら上手く当てないようにしますからねーー」
なかなか話が進まなかったが、ようやくプッチモ王子との模擬戦が始まった……
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