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病院

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 暗い。
 目をあけると、そこは辺りが白かった。
 そして、独特な匂い。

 ああ。まただ。

 また、入院したんだ。

 「美紅っ、心配したわよ?まさか、溺れるなんて。心臓に悪いわ。」
 「美紅、、、、、今、熱が出てるんだ。安静にって先生が」
 え、待って。
 お兄ちゃんはどこ?
 どこにいるの?
 「母さん、、、、お兄ちゃん、は?」
 父さん?
 お兄ちゃんが、ここに、いるはずだよね?
 なんで、泣いてる、の?
 お兄ちゃんは、ここで入院してるはず、だよ?
 だって美紅のこと、助けてくれたから。

 「美紅、、、、お兄ちゃん、は、、、、。」
 
 「あたしが!!お兄ちゃんを探す!!!!」

 あたしは熱が出ていても御構い無しにベットを抜け出し、先生に会いに行く。

 「先生、お兄ちゃんは?ここに、いるはずだよね?そう、だよねー?」
 「美紅ちゃん、、!お兄さんは、、、」
 先生は、涙ぐんで、美紅にこう言った。

 「死んで、しまったんだよ。もう、どうしようも出来ないの。海の、底へ。」

 ドクン

 「い、嫌だ、、、お兄ちゃん、は、、、生きて、。」

 あたしは、そこから意識がなくなった。

 覚えてる。
 兄が死んでしまったのは、忘れることが出来ない。
 忘れたく、ない。
 あたしのために死んでしまったあの人。
 大好きだった。
 もっと未来が明るくなるはずだった。
 
 恋人も作って。子供ができて。
 お兄ちゃんには、まだ、明るい未来があった。

 けど。


 全て、あたしのせいだ。
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