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♯97 再起は茨の道①
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ある意味、衝撃的な幕引きだった。
居間に転がった粘液まみれの肉塊を見下ろして、明は思った。
紗英が負けたのだ。
これまで刺客として投入された何体もの培養人間たちを、ほとんど瞬殺する勢いで倒してきた無敵の紗英がー。
あのチンポノイド、もとい、ペニスノイドに完膚なきまでに叩きのめされてしまったのである。
しかも、犯されて感じてしまった挙句、嬌声を上げながら更なる挿入を懇願するという痴態を演じて…。
「君の負けだ」
床に力なく伸びた尻尾を手に取り、明は言った。
「一部始終を見させてもらったけど、今度ばかりは、もうどうしようもないね」
つぶやきながら、尻尾を引っ張った。
肉塊に足をかけて力任せに引いていく。
ものすごく抵抗感が強く、何度も途中であきらめかけたが、なんとか踏みとどまって引き続けていると、ある一点を境に突如として抵抗がなくなり、紗英の身体はくるりと裏返った。
現れたのは、タンクトップにショーパン姿のムチムチ美少女、すなわち”表”の紗英である。
紗英は全身粘液でぐちょぐちょに濡れていて、肌に貼りついたタンクトップがほぼ透けてしまっている。
だから紡錘形の乳房の形から乳輪の模様、硬そうな乳首の様子、乳頭の先っちょのわずかな窪みまで丸見えだ。
「ざまあないね」
ソファに腰を下ろし、床に蹲る少女に冷ややかな視線を浴びせながら、明は続けた。
「君はこれまで俺をオナニー中毒の変態下衆野郎とか、さんざんコケにしてきたけど、なんてザマなんだ」
「そうね」
顔を背けたまま、力のない声で、紗英が答えた。
「あんたのいう通りだよ。あたしもあんたと同じ、変態のクズってことがよくわかった。だって、それほど、気持ちよかったんだもの」
明のこめかみに青筋が浮き上がり、ピクピク動いた。
怒りがふつふつとこみ上げる。
この女、俺のチンポは一顧だにしなかったくせに、あの陰茎野郎に貫かれて、ヒイヒイ悦びやがって…。
怒りが伝播したかのように、股間の分身が鎌首をもたげ始めた。
いっときしなびかけていたふにゃちんが身体中の血流を集めて急激に硬さを取り戻し、獰猛な第二形態を採ろうとしているのだ。
「そんなことでどうするんだ! 君は悪の秘密結社からこの国を救うヒーローじゃなかったのか! 俺の親父の死はなんだったんだ! 親父は君がチンポ野郎に犯されて昇天するために死んだんじゃない!」
「そんなこと、言われなくてもわかってる」
ようやく紗英が顔を上げ、正面から明を見つめ返してきた。
泣き腫らして赤くなったアーモンド形の大きな目は、怒りとも憎しみともつかぬ激情に燃えている。
「でも、だからと言って、あたしはどうすればいいの? 今度またあいつと闘っても、結果は見えてる。また突かれて、ずんずんされて、すぐにきもちくなって、そのうち愛液がいっぱい溢れてきて、もう何が何だかわかんなくなって、最悪、次は孕ませられるかも…」
孕ませられる…?
めまいがした。
そうなのだ。
さっきは明の決死の逆襲が功を奏し、ペニスノイドは射精までには至らなかったのだ。
でも、もし、あの時明の奇襲が一秒でも遅れ、やつがどびゅどびゅ精をぶちまけてしまっていたら、否認していない紗英は今頃子種を植えつけられていたかもしれないのである。
「君らバイオノイドは不妊じゃなかったのか…」
「人間との間では、ね。でも、同じ培養人間同士なら、受胎の可能性は、なくはない…。いつぞや、そう博士が」
ペニスノイドと臓物少女の間にどんな化け物が生まれるのか。
想像するのもおぞましかった。
「ならば一つだけ方法がある」
じわじわとこみ上げるサディスティックな欲望を懸命に抑え込みつつ、明は告げた。
「君があのペニスノイドに勝つ方法、それは」
「何?」
紗英の顔に希望の灯がともった。
「それは…」
そこまで言って、明は意地悪くにたりと笑った。
「いや、その前に約束してほしい。これから俺の言うことに、文句を言わずにすべて従うと」
居間に転がった粘液まみれの肉塊を見下ろして、明は思った。
紗英が負けたのだ。
これまで刺客として投入された何体もの培養人間たちを、ほとんど瞬殺する勢いで倒してきた無敵の紗英がー。
あのチンポノイド、もとい、ペニスノイドに完膚なきまでに叩きのめされてしまったのである。
しかも、犯されて感じてしまった挙句、嬌声を上げながら更なる挿入を懇願するという痴態を演じて…。
「君の負けだ」
床に力なく伸びた尻尾を手に取り、明は言った。
「一部始終を見させてもらったけど、今度ばかりは、もうどうしようもないね」
つぶやきながら、尻尾を引っ張った。
肉塊に足をかけて力任せに引いていく。
ものすごく抵抗感が強く、何度も途中であきらめかけたが、なんとか踏みとどまって引き続けていると、ある一点を境に突如として抵抗がなくなり、紗英の身体はくるりと裏返った。
現れたのは、タンクトップにショーパン姿のムチムチ美少女、すなわち”表”の紗英である。
紗英は全身粘液でぐちょぐちょに濡れていて、肌に貼りついたタンクトップがほぼ透けてしまっている。
だから紡錘形の乳房の形から乳輪の模様、硬そうな乳首の様子、乳頭の先っちょのわずかな窪みまで丸見えだ。
「ざまあないね」
ソファに腰を下ろし、床に蹲る少女に冷ややかな視線を浴びせながら、明は続けた。
「君はこれまで俺をオナニー中毒の変態下衆野郎とか、さんざんコケにしてきたけど、なんてザマなんだ」
「そうね」
顔を背けたまま、力のない声で、紗英が答えた。
「あんたのいう通りだよ。あたしもあんたと同じ、変態のクズってことがよくわかった。だって、それほど、気持ちよかったんだもの」
明のこめかみに青筋が浮き上がり、ピクピク動いた。
怒りがふつふつとこみ上げる。
この女、俺のチンポは一顧だにしなかったくせに、あの陰茎野郎に貫かれて、ヒイヒイ悦びやがって…。
怒りが伝播したかのように、股間の分身が鎌首をもたげ始めた。
いっときしなびかけていたふにゃちんが身体中の血流を集めて急激に硬さを取り戻し、獰猛な第二形態を採ろうとしているのだ。
「そんなことでどうするんだ! 君は悪の秘密結社からこの国を救うヒーローじゃなかったのか! 俺の親父の死はなんだったんだ! 親父は君がチンポ野郎に犯されて昇天するために死んだんじゃない!」
「そんなこと、言われなくてもわかってる」
ようやく紗英が顔を上げ、正面から明を見つめ返してきた。
泣き腫らして赤くなったアーモンド形の大きな目は、怒りとも憎しみともつかぬ激情に燃えている。
「でも、だからと言って、あたしはどうすればいいの? 今度またあいつと闘っても、結果は見えてる。また突かれて、ずんずんされて、すぐにきもちくなって、そのうち愛液がいっぱい溢れてきて、もう何が何だかわかんなくなって、最悪、次は孕ませられるかも…」
孕ませられる…?
めまいがした。
そうなのだ。
さっきは明の決死の逆襲が功を奏し、ペニスノイドは射精までには至らなかったのだ。
でも、もし、あの時明の奇襲が一秒でも遅れ、やつがどびゅどびゅ精をぶちまけてしまっていたら、否認していない紗英は今頃子種を植えつけられていたかもしれないのである。
「君らバイオノイドは不妊じゃなかったのか…」
「人間との間では、ね。でも、同じ培養人間同士なら、受胎の可能性は、なくはない…。いつぞや、そう博士が」
ペニスノイドと臓物少女の間にどんな化け物が生まれるのか。
想像するのもおぞましかった。
「ならば一つだけ方法がある」
じわじわとこみ上げるサディスティックな欲望を懸命に抑え込みつつ、明は告げた。
「君があのペニスノイドに勝つ方法、それは」
「何?」
紗英の顔に希望の灯がともった。
「それは…」
そこまで言って、明は意地悪くにたりと笑った。
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